超次元ゲイムネプテューヌ 3dis Creators_011
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第1章 ゲイム・スタート

 

 

 

 

 

C011:ともだちアタック

 

 

 

 

 

 

○プラネテューヌ・バーチャフォレスト第2区間・昼過ぎ

 

    第1区間とは違い、森と言って全く差し支えないほどの木々のボリューム。

    木漏れ日が優しく足場とモコ達一同を照らす中、相変わらず歌を歌いながら歩くネプテューヌ、ネプギア、コンパ。

    ぴょこぴょこ跳ねるモコにつんとしたアイエフ。

    丁度今、細道に入った。

 

ネプテューヌ、ネプギア、コンパ「やーりまっしょおー♪ やーりまーしょおー♪ こーれかーらおーにのーせーばーつにー♪ つーいてーいーくなーらやーりまーしょおー♪」

 

    歌の直後、不意を突くかのごとくモコが走りだす。

 

アイエフ「ん? え、あ、あぁッ!?」

 

    アイエフ、油断してモコの勝手を許してしまう。

    すぐさま追いかける。

 

ネプテューヌ「あれ? モコ!?」

ネプギア「どこいくのー!?」

 

    前方には3体のスライヌ。

    モコがそこに向かっていっている。

    後からそれを追うアイエフ。

 

アイエフ「待ちなさい!!」

 

    ホップ、ステップ、ジャンプでスライヌ達に飛びつく。

 

モコ「とっもだっちアターーーック!!」

 

    そして何故かスライヌ1体に渾身のハグ。

    モコのハグの力に逆らうことなく押し潰れるスライヌ。

 

アイエフ「モコ! 勝手に! いーかーなーいー!! って邪魔よアンタ達!!」

 

    アイエフ、他のスライヌ達に攻撃されつつもモコを引きはがそうとする。

    しかしモコはスライヌからはがれない。

    苛立つアイエフ。

 

アイエフ「こんのーーっ!! 力ずくじゃああ!! うおおおおおおりゃあああああああっっ!!!」

ネプテューヌ、ネプギア、コンパ「あいちゃん(アイエフさん)!?」

 

    モコのジャケットの襟裏を持ち、ジャイアントスイング。

 

モコ「ひゃあああああぁぁぁぁぁーーーーーっ……」

 

    スライヌを抱えたまま吹っ飛び、放物線を描いて落下。

    かなり遠い所まで飛んだ。

    ぜーはーと息を切らすアイエフ。

    ネプテューヌ達が後からやってくる。

 

ネプテューヌ「飛んだなぁモコ……」

コンパ「やりすぎですぅ!」

ネプギア「そうですよ! あそこまで飛んじゃって!」

アイエフ「しょうがないでしょ……離れてくれなきゃ、戦うも逃げるもできないじゃない……」

 

    ネプテューヌ、ふと何かに気付く。

 

ネプテューヌ「あれ……? そういえばモンスターたち、エンカウントにしてこないね……」

コンパ「いわれてみれば……イベントで済ませてくれてるですかね?」

 

    二人を余所にモコの方を見るネプギア。

 

ネプギア「それよりモコちゃん大丈夫かなぁ……?」

 

    ネプギア、モコの元へ急ぐ。

 

ネプギア「モコちゃーん!」

 

    ネプギアの前を走って通り過ぎるモコ。

 

ネプギア「……あ、あれ?」

 

    残りのスライヌがいる方向へ走っている。

    アイエフ、ジャイアントスイングで疲れた体で、それを止めようとする。

 

アイエフ「また!?」

モコ「ぎゅーっ!」

 

    また、今度は別のスライヌにハグ。

    アイエフ、体に鞭を打ちモコとスライヌを引きはがそうと踏ん張る。

 

アイエフ「このっ! はーなーれーろーーーーっ!」

モコ「ほ? のぎゃあああぁぁぁ〜」

 

    アイエフ、無理やりモコをスライヌからはがしてふわりと浮かせ、その後モコは地面を転がる。

    その後、一人スライヌにべたべたされる。

 

アイエフ「邪魔! っつーか、くっつかないでよべたべたヌルヌルするんだから!! っこの!」

 

    うしろ回し蹴り、身体を揺する等をしても離れないスライヌ。

    アイエフが苦闘をしていると、スライヌにビームソードの剣先が刺さっている。

 

アイエフ「!?」

 

    ネプギア、スライヌ1体をビームソードにさして背負い投げをするように地面にたたきつけてアイエフからはがす。

 

ネプギア「秘技! 漁師ネプギア世界を釣る!!」

アイエフ「わああっ!!?」

 

    アイエフ、スライヌにべたつかれていることも忘れて思わず地面にへたり込む。

 

アイエフ「なによそれ危ないじゃない!!」

ネプギア「う、ごめんなさい……」

 

    叩きつけられたスライヌ、その場から泣いて逃げ出す。

    ネプテューヌがそれを追いかける。

 

ネプテューヌ「まてまてー!!」

 

    必死で逃げるスライヌとの距離が1mほどになると、突如何かが右からネプテューヌの視界に入り、一瞬にしてスライヌをさらって左へと抜けた。

    大慌てで急ブレーキをかけるネプテューヌ。

    つまずいて転びそうになる。

 

ネプテューヌ「うわああっ!? っとっとぉ! え?」

 

 

 

 

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    ネプテューヌが左を向くと、アーマーを着込んだ女性、((ZH|ジーンハート))と呼ぶことにしたモコの女神姿がスライヌを抱いたまま、仰向けになっているのが見える。

    モコの時よりもかなり背丈が伸び、何やら重そうな上半身を起こして両ひざを曲げた座り方に直す。

    泣いているスライヌへのハグを若干緩め、しんみりとした面持ちで。

 

((ZH|ジーンハート))「なかなか抱き心地がいいなぁ……」

ネプテューヌ「モコ!! お願いだから離れてよ!!」

 

    ZHの右腕にある”友達の輪”から青い光が放射状に洩れだし、だんだんと円盤を形成するように回転しながら大きくなっていく。

 

ネプテューヌ「うおっ!?」

 

    光はアイエフにより一層べたついているスライヌにも届く。

 

アイエフ「ぎゃーっ! ぎゃーっ……あれ?」

 

    光にしばらく当たったスライヌが、汚い悲鳴をあげるアイエフから離れていく。

    光が縮小し、友達の輪に全て納まる。

    ZHに抱かれている、先ほどまで泣いていたスライヌは涙を止め、ZHに懐いているようにもみえる。

    コンパ、アイエフの様子を見て、ZHを見つけ、不思議そうに見つめる。

    スライヌがZHの方に向かっていく。

 

コンパ「あれ……? スライヌさん、様子が変です?」

ネプギア「また光った……あれって……」

 

    スライヌ全員がZHの周囲に集まり、飛び跳ねる。

    ZH、スライヌの笑顔らしき表情を見て。

 

ZH「そなた、私と友達になろう!」

 

    ZH、目を輝かせているのかもしれない。

    抱かれているスライヌ、ZHの腕を抜けて顔に突進。

 

ZH「ぼわっ!? っく……?」

 

    そして、ZHを飛び越えて、3体一緒に遠くへ去っていった。

 

ZH「あっ、ちょっと!」

 

    唖然とする一同。

 

ZH「行ってしまった……」

 

    立ち上がるZH、アイエフの方へ向かう。

    少しぎこちない様子で質問する。

 

ZH「あの、あいちゃん。私は何故2度も投げられたのでしょうか……?」

 

    アイエフ、横目がちにむくれるような、鋭く睨むような視線。

    その後、踵を返して先へ行ってしまう。

 

ZH「あいちゃん!」

 

    ZHの元に集まるネプテューヌ、ネプギア、コンパ。    

 

ネプテューヌ「モコー、勝手に飛び出しちゃダメだよー?」

ZH「……」

 

    ZH、ネプテューヌの話を聞いているのだろうか、俯く。

 

ネプギア「いこっか」

 

    ネプギア、ZHの背中を軽くタッチし、背を向けていく。

    ネプテューヌとコンパもネプギアと同じ方向へ。

    ZHも後をついていく。

 

ネプテューヌの声「それとあいちゃーん! 先は反対だよー!」

アイエフの声「ッ──!!」

 

    アイエフの声にならない声がした。

 

 

 

○同・バーチャフォレスト第3区間

 

    一人だけテンションの高いネプテューヌがうたっている。

    よく聞くと歌詞が乱暴。

    ネプギアとコンパは苦笑い気味。

    変身を解いていたモコとアイエフは相変わらず。

 

ネプテューヌ「そーりゃすーすめー♪ そーりゃすーすめー♪ いーちどーにせーめてーせーめやーぶりー♪ つーぶしーてしーまえーおーにがーしまー♪」

ネプテューヌ、モコ「ヘイッ!」

 

    モコも一緒に、飛び上がりながら「ヘイッ」を叫ぶ。

    ネプテューヌ、前方に何かを発見し、身を乗り出す。

 

ネプテューヌ「あ! あれ!」

 

    ネプテューヌの目線の先を追う他のメンバー。

 

 

 

 

    森の中でひときわ太く雄々しい大木を背に、ダイコンダーというモンスターが化粧台の鏡を見ながらその短く小さい手を使ってパウダーパフを顔に当てているではないか。

 

ネプギア「ダイコンダーだ!!」

コンパ「なんでお化粧してるですか?」

ネプテューヌ「メイク中ならしょうがない! スルーしよう!」

 

    ということになったのだがまた前へ飛び出そうとするモコ。

 

アイエフ「こら! 待ちなさいモコ!」

モコ「ほぇ?」

アイエフ「また友達になる〜とかなんとかで行く気でしょ? 面倒事を増やさないで!」

モコ「むー?」

 

    首をかしげるモコ。

 

アイエフ「触んなきゃあとはアイツの視界にさえ入らなきゃいいんだから、焦らずスッといくわよ!」

 

 

    一同、化粧台を見つめるダイコンダーを凝視しながら一糸乱れぬ行進のような不自然な歩き方で通り過ぎようとする。

 

    ネプテューヌ、ダイコンダーがこちらに気付かない事を確認し、再び正面を向いて歩きだす。

    ネプギア、ダイコンダーがこちらに気付かない事を確認し、再び正面を向いて歩きだす。

 

    モコ、ダイコンダーがこちらに気付いていない事を確認し、ダイコンダーに向けて90度方向を変換して歩きだす。

 

アイエフ「こらこらこらこらこら!」

 

    アイエフ、前にいるコンパに気をつけながらモコの肩をつかむ。

 

モコ「ふえぇ!?」

 

 

    その時、何かがはじけた音と共に、ダイコンダーの化粧台が一瞬持ちあがったように上下に揺れる。

 

ネプテューヌ「あ!」

アイエフ「あーもう気付かれた!」

モコ「ふえ?」

 

    立ち上がるダイコンダー、そのまま正面に捕らえたモコへとタックル。

 

モコ「のぎゃあ!?」

 

    一応は防御の体勢を取るモコ。

 

 

 

 

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───START RUNWAY WARS───

 

 

 

 

○ランウェイウォーズ補足

 

──選択可能なパーティーメンバーが五人以上いる時、必ず誰か一人が後衛になりますね?

  ランウェイウォーズの時の後衛の役割は、操作キャラクター、「ランナー」がピットインした時の回復とサポート付与です。

  ピットインは、後衛のキャラクターのいる場所にランナーが近づいて声をかけることで行えます。

  またこのタイミングでランナーと後衛を入れ替えることもできます。

 

 

 

○プラネテューヌ・バーチャフォレスト第3区間ストレートコース・<ランウェイウォーズ>

 

    エンカウントしたため、プレイヤーチーム、相手チームの全メンバーを別空間に転送。

    全員を包括して空間を区切るように地面から光がたちあがり、円が形成される。

    すると直後、その円状に区切られた空間が、エレベーターが一つ上の階層へ登っていくようにその場を離れ、上へとあがり、一瞬010001100110100010010といったような数字だらけの景色が見えたかと思うとまたすぐにバーチャフォレストの景色に戻る。

    全員、バーチャフォレスト第3区間に合わせたルーチンフィールドというランウェイ用の空間に来ている。

 

ネプテューヌ「あれ!? ランウェイなの!? 飛ばされた!?」

ネプギア「みたい……」

 

    相手チームの仲間、もう一体のダイコンダーとスライヌ2体が下から一瞬でデータを読み込むように身体が構成される。

    コンパ、後衛のためコースアウト待機。

 

実況「各戦士! 準備が整ったようです」

アナウンス「3...2...1...GO!」

 

実況「モコ! スタートと同時にモンスターへと向かう!」

 

    GOサインと同時にモコ、ネプテューヌ達が呆気にとられている隙をついて(?)さきほどまで化粧をしていたダイコンダーAに抱きつく。

 

モコ「ぎゅーっ!」

実況「そして何故かモンスターに渾身のハグ!」

アイエフの声「あ〜〜〜もうっ!」

 

    ダイコンダーB、そしてスライヌ2体、モコを見た途端、容赦なく攻撃をしはじめる。

    ダイコンダーの蹴りとスライヌ達のタックルを交互に受けるモコ。

 

モコ「ふみゃ!? みみゃあ!?」

 

    スライヌBのタックルがクリティカルになり、ダイコンダーAから引きはがされ、ばんざい状態で転がされる。

 

モコ「のぎゃあぁぁぁ〜」

 

    うつぶせの状態で止まり、おぼつかない足取りで立ち上がる。

 

モコ「うぃ……」

ネプテューヌ「モコ! 交代して! チェンジ! チェンジ!」

 

    ランナーがモコ→ネプテューヌに交代。

 

実況「モコ! 待機状態に入った! ランナーはネプテューヌに移ります!」

ネプテューヌ「よしきた!」

実況「ネプテューヌ! スキルトラッシュで一気にRPを上げてきた!」

 

    ネプテューヌ、モコに近づいてくるダイコンダーAをロックオン、上からの一振りと前進しての横一閃で迎え撃ち。

 

ネプテューヌ「ていっ! やぁっ!」

 

    モンスターの方のランナーがスライヌBに移ったのを目で見て、スライヌBもロックオン、迎え撃つ。

    残りのスライヌAとダイコンダーBにも同様の攻撃、モコから引き離す。

 

ネプテューヌ「もう! 離れてよっ!!」

 

    モンスターたちがネプテューヌに狙いを付け、ネプテューヌを囲うような陣形になり始める。

    通常攻撃だけでRPを使い切り、回復まで時間を要する。

    ネプテューヌ、モコに呼びかける。

 

ネプテューヌ「モコ! 今のうちにコンパのとこ行って!!」

 

    ランナー、ネプテューヌ→モコに交代。

    ネプギア、ネプテューヌに続けてモコに呼び掛ける。

 

ネプギア「モコちゃん! コンパさんに近づいてチェンジして!」

モコ「うぇ!? え!?」

ネプギア「いいから!!」

ネプテューヌの声「あいたっ!?」

 

    そう言っている合間に、ネプテューヌがモンスターのうちのどれかから攻撃を受けている様子(見えません)。

    モコ、戸惑いつつもネプテューヌがいる位置を通り過ぎ、コンパの元へと走る。

    RPが依然1しかないのでスピードはのろのろ。

 

モコ「ほぇ……コンパちゃーん」

コンパ「こっちですー!」

 

    モコがのろのろ走っている途中で動けない間にもう一回攻撃を受けるネプテューヌ。

 

ネプテューヌの声「Ouch!」

 

    コンパ、はやる気持ちを抑えつつ、それでも((急|せ))く様子を軽く跳ねることで示してしまいつつもモコを待つ。

    モコが今ゆっくりとコンパの目の前へたどり着く。

 

コンパ「選手交代ですー!」

実況「ここで戦士交代です! コンパが相手チームに向かっていくー!」

 

    キャラクタチェンジの有効範囲になった瞬間まえへ走りだすコンパ。

    モコが人差し指を唇に当てて首をかしげながらそれを見ていると、何やら機械的な動きでアウトコースに吸い寄せられる。

 

モコ「ほ? ほぇ? ふん! ふんす! 今度は中に入れない……」

 

    コース内に再び入ることができず、煩わしさを噛みしめる。

 

 

    コンパ、あるていど距離を保った場所で注射器を構え、スライヌAをロックオンし射撃。

 

コンパ「えいっ!」

 

    スライヌAの背後に当たりダメージ。

 

実況「コンパ! 中距離での射撃でモンスターを追い詰めます!」

 

    コンパの攻撃に気付いたスライヌBがネプテューヌからそれてコンパへと向かう。

 

コンパ「RPをためるです」

実況「さらにスキルをトラッシュしてRPを上げてきた!」

コンパ「それー!!」

 

    RPを上げた後、2回連続でスライヌAを攻撃。

 

実況「更に攻撃を仕掛ける! ここでモンスター! 1体リングアウト!」

モコの声「むー! むー!」

 

    スライヌA、ダメージ許容超過でリングアウト。

    その最中にスライヌBがコンパに辿り着いた。

 

コンパ「おちゅーs……ふわぁ!? なにするですかぁ〜!」

 

    待ったなしでコンパにタックルするスライヌB。

    コンパ、RPが切れ攻撃しように攻撃できない。

    仕方がないのでのろのろと逃げ出す。

    同じようにのろのろと追いかけてくるスライヌB。

 

モコ「ほぉ……」

 

    まだコース内に入ろうとし、足首から上の横から見ると斜め45度の前傾姿勢を保ったまま、自分から見て左へ向かったコンパ達の追いかけっこを見つめるモコ。

    しばらくして、コンパ達の姿が見えなくなる。

 

コンパ「ぴいーっ!」

モコ「ほ?」

 

    今度は右から聞こえてきたコンパの声に釣られて右を向くと、先ほど左に向かっていったはずのコンパ達がやってくる。

 

コンパ「まだ追っかけてくるですぅ〜!」

モコ「おぉ!?」

 

    先ほどよりも差が開いている様子。

 

 

 

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実況「依然、追いかけっこが続いている模様です」

ネプテューヌ「こんぱぁ〜! 助けるか誰かに代わるかしてよぉ!」

アイエフ「いい加減動きたいんだけどー?」

コンパ「今はちょっと無理……」

 

    モンスターに木刀を構え注意を払うもなにもできないネプテューヌ。

    退屈そうに座ってくつろいでいるアイエフ。

    コンパ、RPが1つたまり、突然振り返ると同時にスライヌBに射撃。

 

コンパ「ですっ!」

実況「ここで不意を突いた射撃!」

 

    スライヌBに着弾。

    しかしまだ残っている。

    ロックオンをしたままそのまま後ずさりするコンパ。

    モコのいる場所にだんだんと近づいていく。

    それを前傾姿勢のままじっと見つめるモコ。

 

モコ「ほ……」

 

    一歩、また一歩とRPがたまるのを待ちつつ後退するコンパ。

    遠慮なく近づいてくるスライヌB。

 

実況「両者とも、静かなる接戦が続いております。次はどう出る?」

 

 

 

 

 

 

 

    コンパが次の一歩を踏んだ時、モコが突然支えがなくなったかのように倒れる。

 

モコ「ほわっ!?」

コンパ「へっ!?」

 

    びっくりして振り返った上、モコから遠ざかる。

    その時、スライヌBに対し予期せぬヒップアタックを食らわせる。

    スライヌB、ダメージ許容超過でリングアウト。

    ヒップアタックの感触に戸惑うコンパ。

 

コンパ「ひゃあっ!? お尻になんか当たったです!」

実況「おぉっと!? ここで不意を突いたヒップアタック! いや、コンパ自身の意志ではない! しかしモンスターはリングアウトした!」

コンパ「え?」

ネプテューヌ「え?」

ネプギア「え?」

アイエフ「ん?」

コンパ「あ、あれ?」

 

ネプギア「モコちゃん……コースの中入ってる?」

 

    全員が倒れているモコの方を向く。

    よく見ると、モコがコースの中に入っている。

 

モコ「……うえ?」

 

    顔を上げるモコ。

    鼻の先がちょっと赤い。

 

 

「システムエラー。システムエラー。ゲイム解除。イベントとして処理します。ゲイム解除。イベントとして処理します」

実況「緊急事態! 緊急事態です! システムエラーが発生した模様です! ゲイムは解除されます! 繰り返します! システムエラーが発生した模様です! ゲイムは解除されます!」

 

 

    何らかの音声と実況による速報の直後、目の前のバーチャフォレストの景色が一気に溶けだし、0と1だけの空間になった後、

    下の階層に降りるように元のバーチャフォレストのフィールドが現れた。

 

モコ「お? お? おぉ!? なに!? なに!?」

 

    その様子に、上げた顔を右往左往させるモコ。

 

 

 

 

 

───RUNWAY WARS END───

 

 

 

 

 

○プラネテューヌ・バーチャフォレスト第2区間・昼過ぎ

 

ネプテューヌ「あーんもう! ランウェイ、エラー起き過ぎ!!」

モコ「え!? なに? どしたの?」

 

    モコ、うつ伏せで顔を上げたまま手足をパタパタさせる。

 

コンパ「後衛のモコちゃんがコースの中に飛び出しちゃったからエラーが起きちゃったです……」

 

    モコ、コンパが話している合間に立ちあがり、歩きまわれることを確認する。

 

モコ「……うごける」

 

    アイエフ、ため息をついた後、ダイコンダーAとBを見据える。

 

アイエフ「さって……ゲイムの縛りはなくなったけど、モンスターはまだ残ってるわね」

 

    ネプテューヌ、ネプギア、コンパ、それぞれ武器を構える。

    お互いの顔を合わせるダイコンダー2体。

    再びネプテューヌ達を見る。

 

    間をおいた後、大慌てで逃げ出す。

 

モコ「あぁ! まってぇ!!」

アイエフ「モコ!」

 

    モコが追いかけようとするが、ダイコンダーたちに追いつけず、立ち往生。

    途中、Aの方が派手に転げた。

    アイエフ、構えを解き、カタールを縮小させる。

 

ネプテューヌ「……行っちゃった」

アイエフ「……こっちも行きましょ」

モコ「うー……」

 

 

    次の瞬間、モコがネプテューヌに向かってばんざいポーズで突進。

 

モコ「あたーっく!!」

ネプテューヌ「ねぷうっ!?」

 

    軽く後ずさって木刀を手放してしまうネプテューヌ。

 

ネプテューヌ「なにするの!?」

 

    モコ、飛び跳ねながら。

 

モコ「ねぷちゃんもともだちー!!」

ネプテューヌ「へ……?」

 

    そして続けてネプギアにもばんざい突進。

 

モコ「ぎあちゃんもともだちー!!」

ネプギア「にゃあっ!!」

 

    突進されたことに驚いて思わずビームソードを放り投げてしまう。

    さらにコンパにも。

 

モコ「コンパちゃんもともっ……もっこぉっ!?」

 

    突進をしようとした所、つまずいてコンパにのしかかるような形になる。

 

コンパ「ぴゃあああっ!?」

 

 

 

 

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    コンパ、持っていた注射器を軽く右手で押し出してしまいながら後ろに倒れ込む。

    注射器が少し離れた所で、コンパのあたまと同じ方向で倒れた。

    地面にたたきつけられ、手のやり場を探す。

 

 

    そうしたら、右手を注射器の針にうっかりちょっと刺してしまう。

    「ぷすっ」と可愛げに口で言ったような効果音。

 

 

コンパ「ぴゃあああああああああああっ!!!」

 

 

    悲鳴をあげながら、両手を天に向けてわなわなと震わせる。

 

モコ「!!?」

アイエフ「コンパ!?」

ネプテューヌ「なに!? どうしたの!?」

 

    コンパ、右手を左手で抑えながら話す。

 

コンパ「注射器の針が手に刺さったですぅ……」

ネプギア「ええぇっ!?」

アイエフ「モコ!! 謝んなさい!!」

モコ「えっ!!?」

 

    アイエフ、沸騰しているような勢いでモコを怒鳴る。

 

アイエフ「コンパに謝んなさいよ!!」

モコ「うぇ!? ご、ご、ご、ごめんさい!?」

アイエフ「真面目にやんなさい!!」

モコ「え、えぇぇ?」

 

    モコ、内心パニック。

 

ネプギア「アイエフさん落ち着いて……」

 

 

 

        *      *      *

 

 

 

    ネプテューヌがコンパの右手に包帯を巻きつけている。

    座り込んで頭を抱えるアイエフ。

 

アイエフ「あぁ〜〜〜……こんな奴やっぱつれてくるんじゃなかったー……」

 

    モコ、アイエフにぴょこぴょこと近づく。

 

モコ「どーして?」

アイエフ「自分で考えなさい!!」

モコ「ひぅ!?」

 

    怒鳴られて少し身体がこわばる。

    ネプテューヌ、包帯を巻き終える。

 

ネプテューヌ「はいっ、終わりー」

 

    不格好ではあるが、きちんと巻けている。

    コンパ、うらやましそうに。

 

コンパ「ねぷねぷ、上手になってるです……」

ネプテューヌ「え? ひょっとして、コンパったらまだ一人で包帯まけない?」

コンパ「ひとりでできるです! ただ……」

ネプテューヌ「へたっぴなんだ……」

 

    コンパ、話を切るように立ち上がる。

 

コンパ「とにかく! 依頼人さんが待ってます! 早く盗まれた財産が集まってる貯蔵庫を取り戻すです!」

 

 

 

○同・バーチャフォレスト・禁制領域タマルバー入口(と、されている場所)

 

    目の前に、何か氷山に顔をそのまま書きましたといったようなモンスターが2体立っている。

 

ネプテューヌ「なーんだありゃ」

 

    アイエフ、すぐさま携帯を開いてスキャニングする。

 

        「名称:ヒョーザン-Hyo-zan-/特徴:粉雪をまとったその体での体当たり(注意!凍らされます!)/アドバイス:なるべく遠距離からの攻撃が○」

 

ネプギア「まんまですね……」

アイエフ「とにかく、まず真っ先にモコの動きに注意しないと……アイツの行動次第じゃパーティー全員が──」

 

 

コンパ「すでにやられちゃってるみたいです……」

 

モコ「中途半端に凍らされたーっ!」

 

    アイエフ達が目をやった所のすぐ横で、モコが顔と手足だけ出した氷の塊になっている。

    わたわたしているだけで起き上れないモコ。

 

 

        「しばらくお待ちください」

    ぼこすかとコミカルに煙をまき散らした殴り合いのけんかをしているような効果音。

 

 

    糸に釣られたようにヒョーザンが上へと昇っていく。

 

ネプテューヌ「おとといきやがれー!」

モコ「ふん! ふんす!」

 

    ネプテューヌ、ネプギア、コンパ、凍らされて起き上れないモコの元へ。

 

コンパ「ホントに凍ってるです……」

ネプギア「どうしましょう……わたし達こういうのの対策してませんでしたよね……?」

ネプテューヌ「たき火! たき火しよう!」

ネプギア「ここだと大ごとになっちゃうよ」

ネプテューヌ「そっかぁ……」

 

    アイエフ、モコの周辺を余所目に、右手を握り震わせる。

    そしてそのまま先へ進んでしまう。

 

ネプテューヌ「ん? あいちゃん? あいちゃん!?」

コンパ「ふえ? どうしたですか!?」

ネプギア「あ、ちょっとみなさん!」

 

    ネプテューヌとコンパはそのままアイエフの方についていってしまう。

 

 

 

    ネプギアは一人モコのそばに残った。

 

 

モコ「(※なにか一発ギャグ的な一言。滑っても構いません)」

 

 

 

 

 

 

 

説明
今朝ま○マギの夢を見た。主人公が何故か少年の魔法少女でCVがD○○GOという。
彼(?)が何者かに向かって「だからお前は、お前はザコなんだよ!」と言ったことは印象に残っています。
最後彼のうしろに闇に染まったもう一人の自分的な存在が現れて「よお」「俺の……マイナス(もう一人の自分に背を向けたまま)」で終わりました。
今となって覚えているのはそれだけです。一人ヒロインがいたような気もしたけどもう覚えてません。でもう○○しゅ☆はしなかった。
続き気になりまくりまクリスティー……。

それより、話が全然進んでないよぉ。今回はいろいろだめだぁ……。
いつも以上に意味不だし、読みつかれるかも。
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コメント
Toトマト畑さん:モコなら言われなくてもそっちにアタックしていっちゃいそうな予感がします。「どーんっ!」とか「ユウくんもともだちーっ!」とか言って。ユウ君は涼しい顔でいなしそうですが。(柏中ロージュ&ミヤウエ)
Toクリケットさん:この作品のプラネテューヌの国民はみなマイペースであり劇中でネプ子のいったとおり「面白ければLet's try!」というノリなので、ある種ではめっちゃ行動力に長けている国となっています。ていうか、あの少年君にモコが可愛いといわれるとは思わなんだ・・・。(柏中ロージュ&ミヤウエ)
Toおぜうさん:以前にもそのような意見をいただきました、ありがとうございます。がすとは頭のいい奴に映るかはまだわからないのですが、相棒とない頭を回して悩んでいきたいと思います。ネプテューヌ「それとねそれとね、モコは変身できるから女神だーってことにしてる。深く考えんのめんどいもん」(柏中ロージュ&ミヤウエ)
とりあえずモコたんを嫁にください。生死は問わないので。 ユウ「やめなさい。」 すいません。(トマト畑)
少年「何か皆感情に忠実だよねー。」 まあ確かに。特にモコはその傾向が強いな。 少年「皆子供ってことだね。」 お前が言えたことか? 少年「見かけは子供、頭脳とメンタルは大人! その名は――」 スト――ップ!! ネタバレ禁止! 少年「うるさいなー。まあ何にしてもモコちゃん可愛い♪」(クリケット)
なんかボードゲームとかTRPGとかでやれそうな予感。フロム「がすとは本当に頭のいいお方の予感」がすと「頭脳戦なら任せろですのー。」ネロ「で、結局あの毛玉は女神なのか?」フロム(毛玉…?モコ→モコモコしてるって意味か?)がすと「とりあえず女神だからTOMODACHIになってこいですの。」ネロ(なんだろう、この悪寒)(リアルではおぜうタイプ@復帰)
Toツバキさん:自分でも何故あんな夢を見たのか・・・バラエティでの彼との遭遇率が高すぎたのか。アイエフのモコへのセリフは最初もっとボロクソに言ってました。ランウェイのルール設定に足を引っ張られこうなりましたが。いやぁ、ぶっちゃけマジで面倒・・・(柏中ロージュ&ミヤウエ)
ヴァイス「…紹介文で彼の出てるヴァンガードのCMを思い出した…」 アリス「そういえばもう一人の自分と戦う的なノリのCMがありましたね」 ヴァイス「……私、アイエフと同じ…いや、それ以上の状態になるかも…」 アリス「ヴァイスさんは効率重視っぽい所ありますもんねぇ…モコちゃん相手でも大人げなく接しそうです…」 ヴァイス「…な、慣れれば大丈夫。…多分」(風音ツバキ)
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