奏の声
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「あなたに質問です♪あなただけ現代にお帰りになれます♪ただし、それ以外の方は全員消えてしまいます♪」

 

ドロシーの使い魔にこの質問をされた唯。

唯はしばらく考え、出した結論は・・。

 

「・・イエスだ。」

 

唯の答えに後ろの人たちがざわめく。

 

マッシュルームタワー

 

「あ〜はは、やはり決着を優先しましたか・・!これで世界の人間は全て消え、私は神になる・・!」

「もうすぐあなたは神に生まれ変わる。お前たちはその奇跡的瞬間を目撃しろ。」

「・・・。」

 

レムの指摘に束と千冬は何も言えなかった。

もっとも束はこの決断をすることを予想していた。

唯があの質問をして認められれば勝つと・・。

 

「唯、本気!?」

「皆さんは私たちを助けてくれました!」

「なのに見捨てるの!?」

 

唯の答えに一夏たちは詰め寄る。

唯は拳を震わせながら答える。

 

「それでも・・俺は奴との・・ドロシーとの決着を着けないといけない・・!」

「だからって・・!」

「唯さん!」

「唯、考え直してよ!」

「シャルたちは黙ってろ!」

 

唯はシャルロットたちを黙らせ、使い魔に訊ねる。

 

「この子たちも連れて帰りたい。いいか?」

「ご家族の方ですか?」

「・・そんなところだ。」

「承知しました♪ご家族の方は一緒に現代へお帰りになれます♪」

 

唯の後ろから薄情者といった声が上がるが唯の答えは変わらなかった。

少女はベルを鳴らし唯の答えを現代に伝える。

 

「皆さま、ただいまの時間を持ちまして世界は終了します♪今までのご利用ありがとうございました♪」

 

箒サイド

 

バースのクローズを合体させたサソリに乗った鈴が到着と同時にこの放送を聞いた。

 

「ウソでしょ・・?」

「・・諦めない!私たちはこのバリアを破壊する!」

 

鈴はラボから持ち出したバースドライバーを巻き付ける。

 

「ドライバーはもうひとつあったのか!」

「これはバースのプロトタイプ。データ取りで使っていたから武装はクレーンアームとブレストキャノンしか使えないけど実戦でも充分に使えるわ。・・変身!」

 

鈴はバースに変身、しかしオーブの所に赤のラインがある。

本来はデータ取りが目的であり、クレーンアームとブレストキャノンしか使えないがバースと変わらない戦闘力を持っている。

これがバースの一号機・仮面ライダープロトバース。

 

(ブレストキャノン!)

 

プロトバースはブレストキャノンを装備、セルメダルを次々投入していく。

 

(セルバースト!)

 

「箒たちはサソリをお願い。テールレーザーとブレストキャノンでバリアを壊す!」

「了解した!」

「わかった・・!」

 

箒たちはサソリを押さえるために動き始め、プロトバースはブレストキャノンにエネルギーをチャージしていく。

 

マッシュルームタワー

 

止めどなく貯まっていくセルメダル。

しかし途切れる様子がない。

 

「んん?」

 

遂にフラスコからこぼれ落ち、接続されている端末から火花が上がる。

キャパシティを越えたためサーバーが炎上、ひっくり返った場所は戻り始める。

 

「ば、バカな・・。」

「あーはっはっは!ゲホッゲホッ。」

 

唯の予想通りの行動に高笑いする束。

まあ高笑いしすぎてむせてしまったが。

 

「ゆいにゃんを甘く見たね!ゆいにゃんの欲望は底が無いのだ!だからオーズのコンボにも耐えられる器なんだよ!」

「ぬうぅ・・!」

「唯・・!」

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唯サイド

 

一夏たちは体を震わせながら事を見守っていた。

しかし何も起こらない。

 

「・・え?」

「バカな・・なぜ消えない!?」

 

願いを叶えたのになぜか人は消えない事を少女は苛立ちを隠せない。

そんな中で唯は体を震わせながら笑い出す。

 

「ククク・・ハハハ・・ハァーハッハッ!」

「何がおかしい!?」

「お前は俺にこう言ったよな?家族だけは戻れると・・!」

 

少女は唯の言いたい事を悟り驚愕する。

 

「・・まさか!?」

「ああ、そうさ。この場にいる全員は家族だ。」

「そんなきれいごとは・・!」

「きれいごとじゃない!まあ貴様やドロシーにはわからないだろうな。人は確かに不完全だ。けどな、時代を越えて人は手を取り合えるんだよ!地球全体が家族なんだ!」

 

現代人と江戸時代の人たちは手を繋ぎ、一夏たちも手を繋ぐ。

 

「見てるかドロシー!これが俺の宣戦布告だ!お前を倒し、過去にケリを着ける!」

「キャア!」

 

唯はナルコンを放ち少女を吹き飛ばす。

吹き飛ばされた少女はナルコンのダメージと唯の欲望を受け止めきれずセルメダルに変える。

そして現代人は元の時代へと帰っていく。

 

箒サイド

 

「狙いをつけて・・!」

「発射!」

「ブレストキャノンシュート!はぁ!」

 

箒たちが支えるサソリのテールレーザーとプロトバースの放つブレストキャノンシュートは遂にバリアを破壊。

 

「やったぞ!」

「あとは唯に・・!」

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唯サイド

 

元の時代に戻った唯たち。

シャルロットが唯にさっきの質問について聞く。

 

「ねえ唯、世界は家族って上手くいく保障はあったの?」

「・・ぶっちゃけ賭けだった。」

「だと思った!」

 

唯の答えに一夏は頬を膨らませ、シャルロットとセシリアは呆れる。

 

「ま、たまにはいいだろ?」

「もう・・。」

 

唯はライドベンダーに跨がりドライバーを装着、タトバのメダルをセットしてスキャン。

 

「行ってくる。・・変身!」

 

(タカ!・トラ!・バッタ!)

(タ・ト・バ♪ タトバ♪ タ・ト・バ♪)

 

唯はオーズに変身してライドベンダーを発進、タコカンがマッシュルームタワー最上部への道を作る。

 

「私たちは箒さんたちの元へ向かいましょう。」

「・・うん!」

 

一夏たちは箒たちと合流するために歩き始める。

 

マッシュルームタワー

 

ドロシーが姿を変え、メデゥーサのような姿の怪人態に姿を変え、束たちに触手を伸ばす。

 

「ぬうぅ、おのれぇ!」

「させるか!」

 

凪ぎ払いを行おうとするがオーズがメダジャリバーとメダガブリューの二刀流で触手を切り裂く。

ジャリバーを突き付けこう言った。

 

「よう、ママ。あんたを倒しに来た。」

「お前・・!」

 

レムはドロシーの前に立ち、ある事実を告げる。

 

「お前は一度死んでいる。」

「・・は?頭がイカれたか?俺はここにいる、そして今決着を着けるためにいる!」

 

オーズの攻撃をレムは恐竜グリードへと姿を変えて受け止める。

 

「なぜお前が超能力に目覚めたかわからないか?」

「お前らがあの病院でクスリを打ったからだろう!」

「ふん、違うな。お前はクスリに耐えられず中毒になって死んだ。」

 

レムの言葉に手を止めるオーズ。

レムはさらに続ける。

 

「幼いお前の身体能力に目をつけたドロシーが過去の記憶を持った素体を作り出した。それがお前の今の体だ。」

「そう、あなたは世界を滅ぼす礎のための紫のコアメダルを体に宿させておき、時が来れば破壊をしてもらう予定でした。ですがあなたは紫を手懐けるどころか全てのコアメダルを使いこなし、守るための力に変えた・・。」

「俺は・・死んでいた・・?なら、幼い頃の一緒にいた記憶も偽りなのか・・?」

「唯!それは違うぞ!お前は私たちの家族だ!」

 

千冬の声も聞こえないオーズは武器を地面に落とし膝をつく。

そして・・。

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「は、はは・・。何が守るための力だ・・。俺が求めた力は結局は世界を滅ぼすための力だったって事かよ・・。それに気づかないなんて・・。」

 

オーズはゆっくりと立ち上がり・・。

 

「俺って・・ホントバカ・・だよな・・。・・ガアァ!」

 

何とオーズは紫目になりレムに襲い掛かる。

千冬はそれを見ていた。

 

「まずいねー、ゆいにゃんの体には紫が七枚、しかも暴走してる。」

「このままだと唯はどうなる!?」

「・・ちーちゃんやいっくんたちの事はわからなくなる・・。」

「・・!?」

 

千冬はオーズの方を見るがレムと戦いを繰り広げていた。

まるで野獣のような戦い。

ドロシーはそれを笑って見ていた。

 

「ふふ、やはりあの子は素晴らしい。理性を無くしても倒すべき敵を理解している。」

 

真実を知った唯。

それは自分が死んでいたこと。

その悲しさを紛らせるかのような攻撃はレムに全く当たらない。

 

「・・何を!?」

 

ドロシーはなぜかオーズとレムの間に立ち、オーズの手に触れる。

 

「・・奏?・・うぅ。」

 

オーズの暴走が止まる。

ドロシーの中の奏がオーズを止めたのだ。

オーズのメラトロピンが奏の存在をキャッチ、励ましの言葉をかけた。

 

「くっ、あなたは私の中で大人しくしなさい。」

「・・暴走も収まったか。」

「奏・・必ず助ける!オラァー!」

 

オーズは暴走前の機敏な動きに戻る。

ドロシーとレムを押し出して外へ落下。

 

「ちーちゃん!」

「ああ!」

 

二人はオーズを追う。

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落下したオーズは素早く体勢を立て直し、ドロシーに呼び掛ける。

 

「奏!手を伸ばせ!」

「唯くん・・!」

「さ、させません・・!」

「ドロシー!・・ふん!」

「うわぁ!」

 

オーズの呼び掛けにドロシーを覆うセルメダルを押し退けて奏が手を伸ばすがレムの妨害に合う。

 

「っ、くそ!せっかく奏が目の前にいるのに!・・あ?」

 

オーズは何かが落ちてくる音を聞き空を見る。

 

(おい、前にもこんな事あったよな・・。)

 

前にも同じ様な場面があった。

オーズとドロシー、レムの間に何かが音を立てて落下。

 

BGM:ロケットライダー

 

「ふあぁ、また忘れちゃったよ。あ、唯ちゃん。」

「またお前か、スバル。で、そっちは?」

「あなたが織斑唯くん?私はスバルの姉の松永燕。仮面ライダーメテオ。よろしく♪」

 

それは仮面ライダーフォーゼこと松永昴だった。

さらに姉のメテオも参上。

タチバナはライダーになら正体を明かしてもいいと許可をもらっている。

ゆっくりと立ち上がったフォーゼはレムを指差す。

 

「僕も協力するよ、あいつは僕が押さえるから、唯ちゃんは大切な者を取り戻しなよ♪」

「私もあっちの相手をする。必ず取り戻してね♪」

「恩に切るぜ、スバル!燕!」

 

オーズはドロシー、フォーゼとメテオはレムに立ち向かう。

最強の援軍・仮面ライダーフォーゼと仮面ライダーメテオの参戦。

果たして奏を取り戻せるか・・。

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衝撃の事実、唯は死んでいました。

 

今の唯の体はドロシーによって造られ、記憶を引き継いだもの。

 

これは原作ゲームと結構同じです。

 

そしてフォーゼとメテオ降臨。

 

二人の力を借りて奏を取り戻せるか。

 

なろうへ帰った方々へ。

 

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説明
現代へ帰ります。

そして援軍参上。
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IS インフィニット・ストラトス 村田コンボ 超能力 プロトバース サソリ初登場 唯は死んでいた!? 暴走 

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