StarAngel第4話「未知の領域」
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ユキエナとツエンは、指定された方角をひたすら歩いていた。

 

 

「なぁ〜ユキエナ・・・こっち方面何もないなぁ」

 

「そうだね・・・

でもなんだか空の色が暗くない?」

 

「そう言われてみれば・・・

これが、噂の雨雲っていうのか?実際に見るの初めてだな」

 

 

空を見上げたツエンの顔にポツッ・・・と次々と雨粒が降りかかってきた。

 

 

「おわっ、降ってきた!これが雨ってのか!!」

 

 

ツエンは感心しつつも急いで雨宿りが出来る場所がないか走る。

その後ろをユキエナが着いてきていた。

 

そうして辿り着いたポッカリ穴を開けた洞窟。

天候の悪化で周りが暗く洞窟内の様子がよく見えない。

 

そこでユキエナは指の先からボッと炎を出し周囲を照らす。

すると足下に何やら棒が落ちていた。

それをよく見ると先端に布のような物が巻かれオイルの匂い染みついている。

 

 

「これは・・・昔、資料室で見た松明ってやつじゃないか?

・・・・ユキエナ、これにその炎をつけてみろ」

 

「うん」

 

 

言われたとおりフォイエを棒の先端に当ててみると、ボッと勢いよく燃え移り

周囲が明るく照らし出された。

 

 

「こんな物がここに落ちているって事は、俺達以外の何者かがここに来てるってことか?」

 

「・・・なんだか怖い」

 

「まぁ、いい。この土砂降りだ引き返すことも出来ない。

このままこの洞窟内部を調べてみよう」

 

「う、うん・・・あ、その前にマナさんに連絡入れないと」

 

「あ、そうだな」

 

 

ユキエナは早速端末で船艦のマナにアクセスを試みた。

 

・・・ガ・・ガガガガ・・・ガガ・・・プツン

 

 

「え・・・?」

 

 

もう一度アクセスしてみるが、やはり繋がらない。

 

 

「これは、どういうことだ?」

 

 

そうこうしてるうちに外はどんどん雨が激しくなり暗くなっていく。

所々で雷も鳴り始め、大きな音が鳴るとユキエナが怯えてツエンにしがみつく。

 

森の中では何かが蠢く音がする。

 

 

「何かヤバイ香りがするな・・・」

 

 

正体不明の何かに勘づかれないように小声で話すツエン。

灯していた光をすぐに消し、寒さと恐怖で震えるユキエナ。

 

ツエンはやむを得ずユキエナを連れ洞窟の中へ進んでいくことにした。

 

中は暗闇。

目視では前へ進んでいるのか分からないので、方角確認をしながら進んでいった。

 

 

 

その頃、カイトとクレディペアも土砂降りを回避するため、洞窟らしき横穴に入り先へ進んでいた。

 

 

「カイトが作ってくれた松明とかいうの明るくていいね!」

 

 

洞窟内に落ちていた木の棒を使用して即席松明を作ったカイト。

 

 

「ここでテクニックを使って光を放つのも何かと危ないと思ってな」

 

「そうなんだ?」

 

「ああ、何か嫌な予感がしてな・・・」

 

 

洞窟の奧へ進むごとに何か違和感を感じる。

 

(ん・・・?この壁の感じ・・・何かおかしいな)

 

進んだ先は行き止まりだった。

クレディは引き返そうとしていたが、それをカイトが引き留め

周辺を調べるよう指示を出した。

 

 

「ここに何かあるの?」

 

「・・・・何か感じるんだ」

 

(ん・・・?この岩壁何か変だな)

 

そう思ったカイトは岩壁が少し出っ張っている部分をそっと触ってみると

体全身に電気が走り一瞬硬直した。

 

 

「カイト!?どうしたの!?」

 

 

クレディの呼び掛けにハッと気が付くと、目の前の岩壁がスーッと消えて無くなり

人が通れる程のスペースが空いていた。

そこを覗いてみると地下へ深々と通じる階段が続いていた。

 

 

「大丈夫?カイト・・・」

 

 

心配そうに覗き込むクレディを余所にカイトは地下へ通じる階段へ足を踏み出した。

 

 

「あ、ちょ、待ってよ〜カイト〜」

 

 

 

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