記憶のライダー08 変換するC/美夜子と聡里と猫と女 |
[Α月Ω日(快晴)]
[最近、風都でなにやら妙な噂が流れています。]
[なんでも、池の水がジュースになっていたり、]
[噴水から炎が噴き出して(!)きたりと色々な物が『変わって』しまうらしいです。]
[なにやら生物も被害にあっているようで、]
[公園の池の鯉がピラニアに変わったりしていたそうですが、なぜ?]
[まあ、『恐らくドーパントだろう』ってことで例の刃野刑事が持って来て、]
[ウチの事務所で捜査することになりました。]
[で、聞き込みの成果をみんなで出し合うことになったので、これから会議です。]
『園崎若菜の、ヒーリングプリンセス〜!』
若菜姫のラジオと共に、僕らは会議を開始しました。
「じゃあまず俺からだな。俺の聞き込みによると、事件があったのはここ一週間。
場所はバラバラだ」
翔太郎さんによると、場所による共通点は皆無。
ペースは日誌にまとめた二件の他に五件と一日一件のペ−スで発生しているらしい。
「次は私ですね。と美夜子は挙手をして発言権を発動します」
次は美夜子ちゃん。彼女には事件の起きた現場を回ってもらった。
その時クイーンちゃんとエリザベスちゃんに道案内を頼んだんだけど、
なにやら『この子チョーカワイー!』やらなんやら、
黄色い声で騒いでたのはなんだったんだろう?
ついでにいろいろ買ってもらったらしいから今度お礼でもしないとなぁ……
っておっと、脱線した。
「私が聞いてきた結果は、あまり芳しくありませんでした。
と美夜子はあまり役に立てずしょんぼりしてみます」
本当にしょんぼりしているっぽい美夜子ちゃん。
彼女が聞いて来たところ、どうやら場所はよく人が集まる場所らしい。
「すみません、お役に立てませんでした。
と美夜子は体操座りでへこんでみます……」
あんまり落ち込んでるもんだから、とりあえず頭をなでてあげてみた。
「にゃっ!? にゃにをしてりゅんでしゅかしゃとりしゃん……!!」
(訳:なっ!?何をしてるんですか聡里さん……!)
と、漏電しつつふにゃ〜っとなっちゃった。
「あ゛〜、もうどうにでもなっちまえ……。で聡里、お前の方は?」
「あ、はい。僕もネットで調べましたけど、それっぽい情報はなかったです。
始まった当日からいろいろ回ってそれっぽい情報拾って、
全部見て回りましたけど収穫はなかったです。すいません」
つまり全員収穫なし、と。
こう情報がなかったらフィリップさんの検索も無理だろうし……
『えー、では。次のお便りです』
あ、そういえば若菜姫のラジオ全然聞いてなかった。
『最近風都に、[天才整形外科医]が居るそうなんですよー』
……整形外科医?
『なんでも、その人がUSBメモリみたいな機械を持っていて、
それを機械に入れてびーってやると好きなように整形できるんだそうですよ!
最近の医学ってすごいんですねー』
顔を引きつらせ、
「USBメモリで整形?」
「まさか……」
「で、ですよね亜樹子さん。まさかおおっぴらにガイアメモリ使って商売なんて……」
そうやって無理やり安心しようとした僕らだけど、次の一言で確定した。
『なんでも、[地球の力]を借りてるんだそうですよ〜。すごいですね〜』
「「「ガイアメモリだぁぁぁぁぁぁっ!!!」」」
僕、翔太郎さん、亜樹子さんの絶叫が、事務所にこだましました……。
〜数十分後〜
「ここがそのドクターのハウスか!」
「何言ってるんですか聡里さん?と美夜子は聡里さんにツッコミを入れてみます」
ごめん一度言ってみたかったんだこれ。
僕がいま、美夜子ちゃんとラジオで言っていた整形外科医(?)の家に来ています。
そもそも事の起こりはあの会議の直後まで遡り……。
「ええ、美夜子ちゃんが行くって!?」
「はい。と美夜子はみなさんに懇願してみます」
と、美夜子ちゃんがおとりとして行きたい、と言ってきた。
さすがに彼女に行かせるのはどうかと思ってみんなで止めたけど、真剣な眼差し
(+漏電している電流)で、僕らは止める手段を失った……。
はい回想終わり。で、回想している間にその医者の部屋の前に到着したようです。
「すみません、ラジオで聞いて調べてきました。あの、依頼したいんですが……」
僕がそう言うと、ドアが細く開き一人の女の人が出てきた。
なかなかの美人だけど、なんだか粘りつくような視線を感じる……。
「なかなかカッコイイじゃない、あなた。それじゃ入りなさいな。
あら、後ろのその子は、彼女さん?」
そう言われ、顔を赤くし僕の後ろに隠れる美夜子ちゃん。
「ええ、まあ。それじゃ、お邪魔しまーす」
僕らは言って、その部屋へ入っていった。
部屋の内装は、ちょっとしたエステサロンのような感じだったけれど
それっぽい機械は何も無かった。
そして先ほどの女の人が話しかけてきた。
「それで、あなたたちは何をして欲しいの?そっちの子の方が、私に用があるみたいね」
彼女に言われ、顔を真っ赤にしつつ美夜子ちゃんはぼそぼそとその人に言う。
「そ、その。私、胸が小さいので、この人の為に大きくしたいんです……」
ちなみに台詞は所長の仕込みらしい。
亜樹子所長……デリカシーどこに置き忘れてきたの。
「ふぅん、カワイイお願いじゃないの。じゃあ、早速させていただくわね」
そう言ってその女の人は銃のような形の何かを取り出した。
「それは?」
僕が聞くと、注射のようなものと答え彼女はガイアメモリを取り出した。
「! それは!」
「あら、これ? これが私の『手術』の秘密。
これを使えば、切らずに一瞬で手術が終わるのよ」
そう言い、美夜子ちゃんに迫る女の人を手で制して、僕は一言宣告する。
「なるほど、やっぱりガイアメモリだったか。
そして、風都で最近頻発している『物が別の物に変わる』事件は、
貴女の仕業ですか?」
僕が言うと、その女性は鋭い目でこちらを睨み、言葉を投げつける。
「アンタは何者なワケ!?ガイアメモリ知ってるなんざ、
まともなヤツじゃないだろ!サツか!!」
うわお一転、口調が相当荒くなったな。
「僕は、探偵の助手ですよ。こっちの子は、もう一人の助手。
貴女がガイアメモリを持っていると踏んで、調べに来たんです。
大人しくガイアメモリを手放して下さい。それは人体に有害な物なんです!」
「嫌だね!コイツはアタシがやっと手に入れた『手術の技術』なんだ!
そう簡単に手放せるもんかい!」
僕が説得しようとするも、完璧に拒否。そして、メモリを起動されてしまう。
[Convert!]
「『変換』のメモリか……! 仕方ない、美夜子ちゃん、離れてて!」
美夜子ちゃんを逃がしつつ、僕はドライバーを装着しメモリをセットする。
[Memory!]
「な、お前は!?」
「僕は、探偵の助手。そして!」
[Memory!]
「仮面ライダーです!変ッ身!!」
僕は叫び、ロストドライバーを展開。変身した。
そしてそのまま、チェンジドーパント(以下Cドーパント)を窓から叩き出し、
外の広場へ飛び出した。
僕はメモリーマグナムを使って、遠距離から攻撃する。
相手も何かビームを撃って攻撃してくるけれど、
どれもギリギリかわす事に成功していた。
「くっそちょこまかと!いい加減当たりなさいな!!」
「そう言われて当たる相手は居ないでしょうにッ!」
そんなことを言い合いつつお互いに高速で動きつつ、射撃しあう。
しかし、そこで乱入者が。
「聡里さん!と美夜子は支援に電撃を放ちます!!」
美夜子ちゃんが僕の後ろか電撃を放ったのだ。
良く考えてみれば、
美夜子ちゃんもドーパントとは初交戦だから電撃が通じるかと思ったんだろう。
しかし、彼女の電撃はドーパントにまるで効かず、
ドーパントの意識を彼女に向けただけだった。
「なんなんだいアンタ、生身で電撃なんてさ!アンタも喰らってみるかい!」
そういい、美夜子ちゃんに向けビームを放ったんだ!
「しまった!間に合えッ!!」
僕は叫び、美夜子ちゃんをかばい、抱え込んだ。
そして僕達にビームが直撃し、一瞬視界が真っ白になった。
「あっはっは、コイツで少々『その体』を楽しんでな!じゃあな!!」
その声だけを残し、Cドーパントはどこかへ消えていた。
「聡里さん、大丈夫ですか?と美夜子は聡里さんに呼びかけてみます」
「うん、大丈夫だよ美夜子ちゃん……ってあれ?」
僕の声って、こんなに高かったっけ?
疑問を感じつつ、変身を解除すると、美夜子ちゃんがあっけにとられていた。
……ん?なんか美夜子ちゃんに違和感があるような……?
「聡里さん、その体は……?」
「え、どういう事……ええっ!?」
美夜子ちゃんに言われ自分の体を確認し、僕はビックリした。
だって、自分の胸に、その、二つのふくらみが……
「ちょっ、どうしてこうなったの!?」
僕は大絶叫して、そしてようやく美夜子ちゃんの違和感に気づいた。
「美夜子ちゃん、頭、頭にあのそのあれが!!」
僕に言われ頭を触り、ビクッっと体を硬直させる美夜子ちゃん。
「美夜子の体が、なぜ?と美夜子は自身の体に疑問を抱きます」
そう、彼女にいたっては頭に『ねこみみ』が付いていたのだった……。
続く!
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少々変わったネタが含まれております(TS、ネコミミなど)。 それらが苦手な方は、ブラウザバックでおかえり下さい。 |
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