魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜赤き狂戦士〜
[全1ページ]

 

 

特務殲滅部隊「インフェルノ」・・・それはあらゆる次元世界に潜む

次元犯罪者や違法組織を時空管理局上層部の命を受けなくとも独自に捜査、

逮捕・・・そして対象の抹殺が可能な特務部隊だ。

 

その強行的なインフェルノに対して当然反発の声もあるが、

 

インフェルノの犯罪検挙率を見れば誰も何も言えない。

 

 

 

 

なにせインフェルノが摘発した次元犯罪者数---4215人 違法組織摘発数---950という

異常すぎる内容を知れば何も言えない。

 

 

おまけにインフェルノは設立されてからたった4年ほどだ。

 

この結果は次元犯罪者だけでなく管理局員をも恐怖させる事となる。

 

だがインフェルノ以上に両者を恐れさせる存在がインフェルノの中に存在する・・・

 

 

 

 

 

---インフェルノ隊舍---

 

 

「あ?カリスが俺様を呼んでる?」

 

短い金髪で首の周りに傷があり、管理局の制服をだらしなく着ている青年がデスクワーク室の

 

自分の席の机に足を乗せながら目の前の人物に話す。

 

 

 

「はい。今すぐ来るようにと部隊長が」

 

腰まである長さの銀髪の少女が金髪の青年に伝令を伝える。

 

 

その顔は驚くほど無表情だ。

 

 

 

「仕方ねぇ・・・行くか・・・」

 

席を立ちデスクワーク室から出る青年。

 

もの凄くめんどくさそうであり、周りの隊員が苦笑する。

 

「ヴァン」

 

「なんだぁ、ハーナ?」

 

 

歩きながら金髪の青年---ヴァン・ハートネットが話し掛けて来た銀髪の少女---

ハーナ・カーティスに聞き返す。

 

 

「・・・いいえ、なんでもありません」

 

「なんだそりゃ?」

 

 

ハーナの発言に思わず呆れる。

 

無表情な彼女の表情からは何を話そうとしたか読み取る事はできない。

 

だが・・・

 

 

「オマエ・・カリスがこれから話す事を知ってるな?」

 

「・・・・・」

 

「ハっ黙りか」

 

 

何も話さなくなるハーナを横目で見ながら話す。だがこれでわかった事がヴァンにはあった。

 

 

「その表情で丸わかりなんだよ。オマエの事はよくわかってんだ俺は」

 

「・・・・・」

 

それでも黙りなハーナ。

 

ヴァンの発言を疑問に思った者がいるだろう。

 

無表情なハーナの表情でどうやって彼女の真意を知れた事だ。

 

 

「オマエとは長い付き合いだかんな。オマエの表情ぐらい今さらわからねぇはずねぇだろ?内容は

知らなくとも今オマエはめちゃくちゃ機嫌が悪い・・・だろ?」

 

 

「・・・相変わらず失礼な方ですね、アナタは」

 

「俺とオマエの仲にそんなもん必要かぁ?」

 

「その発言は他人に誤解を受ける恐れがあるので控えてくれませんか?」

 

「あげゃげゃ!オマエでもそんな事思うみてぇだなぁ。コイツは初めて知ったなぁ」

 

「・・・・・・」

 

 

 

ヴァンのからかいに対して無表情を通しているハーナ。

 

しかし、彼女は今もの凄くヴァンを煩く感じている。

 

それがわかっているが、ヴァンは特に気にしないで話している。

 

 

 

「・・・地獄に堕ちろ・・・」

 

思わず呪いを唱えるかのように話すハーナ。

 

この時の彼女の雰囲気は並の人間なら思わず怯むほど、負のオーラが放たれている上に

無表情の顔がさらにその雰囲気を拍車する。

 

だがそんなオーラもヴァンには通じない。

 

「まぁいいか。オマエに聞かなくてもどうせすぐにわかる事だな」

 

「そうですね・・・」

 

「あん?」

 

 

ハーナの顔を見て怪訝に思うヴァン。

 

彼女には珍しく、今彼女はため息を吐いた上に、

無表情な顔が一瞬疲れているように感じられたからだ。

 

 

「(コイツがここまで顔に出すって事は、カリスが俺に話す事はコイツにも関係があるって事か)」

 

昔からハーナはヴァンが関わる事に対してはかなり面倒くさいとあからさまに顔に出す。

長年彼と一緒にいると、いろんな厄介事に首を無理やり突っ込まされていたので

無表情な彼女でも顔に出てしまうのだ。

 

 

 

「なんですか?」

 

「なんでもねぇ」

 

「ならあまり視線を私に向けないでください。アナタと関わるとろくな事がありませんので」

 

 

まるで毒を吐きながら話すハーナ。

 

それでもヴァンには通じない。

 

 

そんなふてぶてしい態度のヴァンを見てだんだんと彼女は怒気を強める。

 

 

『落ち着いてくださいハーナさん。いつもの事ですよね?抑えてください』

 

 

「・・・ルーチェ・・・」

 

 

突然聞こえた声をルーチェと呼ぶハーナ。

 

 

同時にヴァンの右手を見る。

 

 

 

『マスターヴァンもハーナさんを煽らないでください。ハーナさんにとってアナタは存在そのものが

イレギュラーなようなものですからね』

 

彼をマスターと呼ぶルーチェ。

 

声が聞こえてくるところを見る。

 

声はヴァンの中指にはめている赤い六角形の指輪から発っせられていた。

 

 

 

「ずいぶんとご主人様に無礼な事を言うなぁ?ルーチェ」

 

『アナタと私の仲ですからいいのでは?』

 

「・・・・・」

 

 

さっきハーナに言った事をそのまま言われ今度はヴァンが黙ってしまう。

 

 

「あげゃげゃげゃげゃ!!こりゃあ一本取られたぜ!!流石は俺様のデバイスだなぁ!!」

 

『恐縮ですマスター』

 

 

指輪を見ながら爆笑するヴァン。

 

ルーチェとは彼の、ヴァンのデバイスだ。

 

しかも彼女は他のデバイスとは違い人口知能がありマスターであるヴァンをあらゆる局面で

サポートができるインテリジェントデバイスだ。

 

「あげゃげゃげゃげゃげゃげゃ!!」

 

「いつまでも馬鹿みたいに笑わないでください・・・もう着きますよ」

 

 

ハーナの言う通りに目的地の部隊長室前に着いたようだ。

 

「さて・・・行くか・・・」

 

 

ノックをし中から入れと返事が返ってくる。

 

 

了承をもらいドアノブを握る。そして・・・

 

 

「俺様!!入るぜぇ!!」

 

部隊長室のドアが蹴破ぶられた。

 

 

 

「・・・今ドアノブに手を伸ばしていましたよね?」

 

彼の後ろにいたハーナが先ほどのヴァンの行動を思い出し、なぜドアが部屋の片隅に

ボロボロになって壊れているか判断に悩む。

 

 

 

「・・・まったく・・・また私の執務室のドアを壊してくれましたねヴァン」

 

ため息を吐きながら話すメガネをかけたどこか知的な雰囲気を漂わせた茶髪の男性。

彼が腕を立てている机の端には部隊長---カリス・カーティスと書かれている。

 

 

 

「なんか久々に蹴破りたくなってなぁ。それにハーナの反応を見るとコレからオマエが話す事は

とてもステキイベントの感じがするしなぁ」

 

「はっはっはっ。流石はこの隊の隊長ですねぇ」

 

背後にいるハーナを親指で指した事で、ハーナから再び負のオーラが出始める。そしてやはりヴァンは全く動じない。またカリスはそんながハーナが視界に入ってはいるが涼しい顔でヴァンに対して笑っている。

 

「ハーナ♪何をそんな面白い顔をしてるんです?ぜひお兄ちゃんに何が楽しいのか教えてくれませんか〜?」

「・・・黙れ変態・・・」

 

「おやおや。連れないお返事ですねぇ」

 

ハーナは人を殺せるのではないかという程兄のカリスを睨みつける。まぁそれでも彼には通じないようだが。

 

「カリス、オマエの妹はやっぱりこぇーな」

 

「アナタの口からそんな言葉が出ても正直説得力ゼロですよ?赤き狂戦士さん♪」

「違いねぇな」

 

「はっはっはっははっはっ!!」

 

「あげゃげゃげゃげゃげゃげゃ!!」

 

この場面に慣れていない人間がこの場面を見ればついていけない者ばかりだろう。それほどまでこの二人の会話内容は飛んでいるのだ。

 

「・・・でそろそろ何故私とヴァンを呼び出したかを教えてくれませんか?カリス部隊長」

 

「おっと!すっかり忘れてましたよ。私とした事がお恥ずかしい限りですねぇ」

 

右手を額に当てやれやれと呆れるような態度を取るが、言葉のわりには全く恥ずかしいとは感じていなさそうだ。

 

「実はですねぇハーナにはヴァンと結婚してもらおうかと「クロノスセットアップ」」

 

ヴァンの背後には黒いドレスのようなバリアジャケットを纏ったハーナがチャクラムをカリスに向け殺る気満々で立っていた。

 

「っと冗談はここまでにして、本題に入りましょうか♪」

 

「・・・・・」

 

バリアジャケットを解除するハーナ。

 

「zzzzzzz・・・」

 

「おやおや」

 

一向に本題に入らないせいでヴァンは立ったままいびきをかきながら寝てしまっていた。

 

「・・・・・」

 

ハーナがヴァンの正面まで歩いて止まる。そして・・・

「・・・フンっ!」

 

おもいっきりヴァンの顔面目がけて右足で回し蹴りを放つ。

「なんだぁ?もう兄妹水入らずのお話会は終了かぁ?」

 

「ちぃ・・・」

 

舌打ちする。彼女の右足は見事にヴァンの右手で受け止められていた。起きていたのだろうか?」

 

「・・・大人しく当たってくれたら嬉しかったのですが」

「あげゃげゃ!そいつは残念だったなぁ!もう少し訓練でもして大人になるんだなぁ」

 

ニヤっと笑うヴァン。そんな時ふと彼は何かに気付き左手で顎に触れる。

 

「・・・なんです?」

 

「あげゃげゃげゃげゃ!」

 

笑い出すヴァン。その態度でさらに彼を睨むハーナ。

「いやなぁ・・・成る程な・・・力は未熟でガキでも下着は大人の女だなぁ・・・黒いな?」

 

「っ!!?」

 

無表情の彼女の顔が一気に赤く染まる。その表情は誰が見ても恥ずかしいがっている表情だった。

 

「死ねぇぇぇぇ!!この変態ぃぃぃぃ!!」

 

それから彼女はヴァンを沈める為に拳と足を繰り出すが・・・

 

「ほらほらぁ当たんねぇぞ?あとさっきから黒いのがチラチラ見えてんぞ?」

 

「・・・死ね!!」

 

顔を赤くしながらも必死にヴァンに攻撃する。だが全て綺麗に避けられる。

 

「まったく・・・兄の前で人の妹にセクハラをするとは。実にハレンチですねぇ♪」

 

やはり言葉とは逆にとても楽そうで、目の前で起きている珍事を笑顔で見ているカリス。

 

「あげゃげゃげゃげゃげゃげゃ!!」

 

「・・・地獄に堕ちろ!!」

 

部隊長室に二人の笑い声と負の声が響きわたる。

 

それからしばらく二人の模擬戦?は続き、終わったのはハーナが疲労困憊で床に手をき冷静になるまで続いた。

 

説明
時空管理局特務殲滅部隊---通称「インフェルノ」。そこには管理局員、次元犯罪者の両方が「赤き狂戦士」と恐れる青年が所属していた。そんなある日彼は、インフェルノの部隊長の命を受け新しく設立された部隊「機動六課」に異動する事になり、狂喜的な笑みを浮かべ素直に異動を受諾する・・・彼の笑みは何を意味するのか?

とあるサイトで投稿している作品をこちらでも
投稿してみました。
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コメント
鎖紅十字さん> コメントが遅れてすみませんでした。今後もよろしくお願いします。(ゼロ・スパーク)
ガンダムOOFですか〜その発想はありませんでしたな(鎖紅十字)
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リリカルなのは インフェルノ 魔法少女リリカルなのは なのはがヒロイン ヴィータもヒロイン 

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