氷炎の幻竜は岬の空高く睦ぐ
説明
「―― 我々の眼前に広がったのは、かつて巨人族の祖が知恵有る竜の眷属を打ち倒したとされる岬だった。

古戦場には既に戦士の魂も雄叫びも無く、この地に現れるという幻竜達…… 
すなわち炎の暴君竜“ヴォルカン”と 氷の女王竜“ミィェティェリ”の情報は伝説に過ぎないのかと我々を落胆させた。

だがその時 我々は見た。うす霞む空に紅蓮と白銀の二つの翼が睦ぐ姿を。
我々は聞いた。互いに肉体を失い魂となってなお呼び合う二つの声を。
かつてその生来の相反する性故に、決して交わることのなかった一対の竜を。
その魔力の残滓がこの地に残る幻竜伝説の正体だったのだ。

死してなお現世に残るその魔力は、或いは我々にとって有益なものになるかも知れない。
しかし願わくば、彼らの平らぎと安寧は侵されざるべきと 
上層部が判断する事を……私は強く進言するものである」 

《 幻竜の調査隊 調査員の報告書より抜粋 》 

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