IS〜深緑の狙撃姫〜「貴様はまだまだ・・未熟。」
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キャノンボールファスト当日・選手控え室

 

各ペアはトレーニングを積み重ね、それぞれの思いを胸に当日を迎えた。

ここでレース前のペアを見ていこう。

 

一夏・箒ペア

 

「いいか、お前は世界で唯一の第四世代ISの持ち主だ。けど今はそれを忘れろ。」

「・・・。」

 

一夏の言葉を箒は黙って聞いている。

その表情は真剣そのものだ。

 

「確かに機体性能はお前が上だ。だが専用機持ちのキャリアはセシリアたちが上だ。自分の機体のクセとかも熟知しているし、戦略を組むのも上手い。ロックオンたちがどんなトレーニングをしたかは知らないが後悔の無いように自分の力を全て出しきれ。」

「わかった。・・な、なあ一夏、勝ったらでいいから・・わ、私とデートしてくれないか?///」

 

顔を赤くしながらの箒のその言葉に一夏は少し考え・・。

 

「・・いいだろう。そこまで言ったからには必ず勝て。」

「勿論だ!」

 

箒は意気揚々と控え室を後にする。

それを見送ったあと一夏は特設観戦席へと向かう。

千冬に言って特別に作ってもらったドライブ搭載型専用の観客席だ。

 

ロックオン・セシリアペア

 

「ティアーズは問題ないわね・・。」

「スターライトも問題ありませんわ。ですけどアイルランドも気前がいいですわね。無償で私のISを改良してくださるのですから。」

「今のブルーティアーズはサイレント・ゼフィルス以上の機体に仕上がったからね。その過程でサバーニャのビットと高高度狙撃銃、カスタムしたブルーティアーズのデータ提出が条件だったのがよかったわ。」

 

狙撃師弟コンビは入念に装備をチェックしていた。

サバーニャのデータを搭載したビットはさらに精度が向上したものになった。

スターライトはデュナメスの特別装備・高高度狙撃銃を参考に改良、射程延長と威力減衰を抑える事に成功、ケルディムとデュナメスの良いところを取った折り畳み式スナイパーライフルになった。

世代は第三世代だが中身は第四世代に匹敵するポテンシャルになった。

 

「あとは自分を信じる事。これに尽きると思うわ。」

「そうですね、今出せる力を全て出しきりたいと思います。・・それではそろそろ行ってきますわ。」

「うん、しっかりね。」

 

セシリアは控え室を後にしてロックオンもそれを見送った後に特別席へと向かう。

 

鈴・マドカペア

 

「ふう、とうとう本番ね。」

「ああ・・甲龍の燃費の良さを生かし、拡散衝撃砲の使いどころと切り替えを見誤らなければ行けるはず。あとは新装備の掌部内蔵のスラッシュハーケンを上手く使え。」

 

そこまで言ったところでマドカは顔を落とす。

 

「・・私は上手く鈴に教えられただろうか。」

「何言ってるのよ。あんたはちゃんと教えていたわ。」

「・・私が人に何かを教えるなんて思ってなかった。」

 

マドカの湿っぽい空気を出し始めたので鈴はマドカのほっぺをつねる。

 

「えい。」

「ひゃ、ひゃにをひゅる!?」

「マドカ、仮面ライダー部はね、みんな何かしら負い目を持ってるの。みんなは本音をさらけ出したからこそ強い絆を築き上げてきた。あんたの生まれや過去なんかどうでもいいの。大事なのは自分の本音を言えるかだけ。そこを理解しなさい。」

 

そこまで言ったところで鈴はほっぺから手を離す。

マドカのほっぺは真っ赤だ。

 

「・・すまないな。教えるのは初めてだからちゃんと教えが伝わっているか不安だったんだ。」

「うん、よろしい。んじゃ、箒たちを倒してくるわ!」

 

鈴は意気揚々と控え室を後にする。

マドカはほっぺを擦りながら鈴の言った言葉を噛み締めて少し笑った。

マドカも特別観客席へ向かう。

 

シャル・ラウラペア

 

シャルとラウラは新装備のチェックを行っていた。

完成したのが二日前とギリギリであった。

 

「何とか間に合ったね〜、クレアのランスロット・コンクエスターを参考にしたレールキャノンの砲身を折り畳み式にして新装備のヴァリスとレールキャノンを接続させる事でバスターキャノンが使えるよ。」

「使いどころが難しそうだな。」

「まあね。一撃のダメージは大きいけど、チャージに時間がかかるから使いどころを見極めないといけないかな。でもレールキャノンは畳んだまま使えば連射が効くから状況に応じて使い分けてね。スラスターも増設したから結構スピードでるよ。あとはAICの有効範囲だけど前方だけでなく全方位に対応したよ。でもよりエネルギーを使うようになったから気を付けてね。」

「なるほど。そろそろ時間だ、行くか。」

 

ラウラは控え室を後にしてシャルはラウラを見送った後、特別観客席へと向かう。

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特別観客席

 

箒たちを除く仮面ライダー部は全員ここでレースを見守っていた。

テーブルにはお茶と一夏お手製の和菓子が用意されていた。

 

「ふぅ、みんなお疲れ。」

「人に教えるとは難しいな。」

「そうね、さてそろそろスタートよ。」

 

一夏たちはお茶を飲みながらレースの行方を見守る。

フラッグが下ろされ一斉にスタート。

観客席は盛り上がっていた。

その片隅で・・。

 

「篠ノ乃箒・・!開発者の妹という肩書きだけで専用機を手にいれた・・!こんな理不尽は許せない!今も努力してるのに専用機がもらえない人が多くいるのに・・!」

 

生徒はスイッチを押して水瓶座の使徒・アクエリアスに姿を変える。

 

「・・え?なに?」

 

だが折り返し地点に到達するところで思わぬ乱入が入った。

ざわめきが聞こえて来たのでアクエリアスはもう一度スイッチを押して元に戻る。

 

「またあなたですか。折角トップを取っていたのに・・。」

「・・改良したサイレント・ゼフィルスを見せてあげる。・・行きなさい。」

 

亡霊企業が再び襲撃してきた。

サイレント・ゼフィルスと何やら黒いISが来ていた。

サイレント・ゼフィルスはセシリアに襲いかかり離れた場所へと向かっていく。

 

「私は世界で唯一の第四世代であり、篠ノ乃束自らが製作したISの持ち主である篠ノ乃箒との果たし合いを所望する!篠ノ乃箒!聞こえているなら私と熱く激しく死合おう!」

 

黒いISは箒を指名してきた。

しかも剣がビームサーベルて操者の威圧感がスゴい。

だがビームサーベルの出力はアリオス、セラヴィーには遠く及ばない。

そして会場内がざわめきを見せる。

どの世界も到達していない第四世代と篠ノ乃束自らが製作したISが目の前にあるからだ。

 

「私を指名か・・!面白い!」

『篠ノ乃、待て!』

 

千冬の制止も聞かずに黒のISに向かっていく箒。

一夏は秘匿通信を使い、指令室へ通信を送る。

 

「姉さん!出撃許可をくれ!箒ではあいつに勝てない!」

『織斑・・!わかった、織斑、スカーレット、ストラトス妹の出撃を許可する!ストラトス姉は周辺の見回りを頼む!』

「了解!みんな、行くぞ!」

 

千冬も黒のISの操者の威圧感をわかっていた。

箒もある程度感じとる事はできる。

だが今は黒のISを倒すことしか頭にない。

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上空ではセシリアとサイレント・ゼフィルスの戦いが展開。

ビットを巧みに使い、隙があればスターライトで狙い打つ。

 

「・・!やはりサバーニャのデータをビットに・・!」

「そしてスターライトも改良を重ねてますわ!」

 

偏向射撃とノーマル射撃を巧みに使い分け、銃身を折り畳んで三連バルカンでの攻撃も行う。

これにより少しずつだがサイレント・ゼフィルスのエネルギーを削り取っていく。

そこへビームがサイレント・ゼフィルスを襲う。

 

「マドカさん!」

「援護する。・・久しぶりだな。ゼシカ。」

 

サイレント・ゼフィルスの操者・・ゼシカに声をかけるマドカ。

 

「M・・!この裏切り者!私だって一夏くんに会いたかったのに!」

「え・・?」

 

ゼシカはマドカに憎しみをぶつけ、セシリアは意外な声を上げる。

 

「私はずっと一夏くんに会いたかった!一夏くんに会えると信じて感情を殺してまで亡霊企業についた!ずっと暗い場所にいて、命令でサイレント・ゼフィルスを強奪したんだよ!私はそんなことしたくなかった・・。ただ、一夏くんに会いたかっただけなのに・・。」

「ゼシカ・・。」

 

初めて知ったゼシカの想いをマドカは感じたと同時に苦しみから解放しようと思った。

セシリアもそれを感じとり、マドカとアイコンタクトを交わす。

上にセシリアがスターライトを構え、下にマドカがダブルバズーカを構える。

 

「ゼシカ・・。私がお前の悲しみと苦しみを解放してやる・・!」

「行きます・・。」

 

まずはマドカのダブルバズーカ・バーストモードを放ち、少し遅れてセシリアが最高出力のスターライトを放つ。

 

「うああ!」

 

それらはゼシカにヒット、サイレント・ゼフィルスが解除。

それに伴いゼシカは落下するがマドカが受け止める。

 

「気絶しているな・・。保健室に運ぶぞ、セシリア。こんなのではレース所ではあるまい。」

「わかりました。」

 

マドカとセシリアは気絶しているゼシカを抱えて保健室へと向かう。

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箒サイド

 

箒は黒のISに苦戦を強いられていた。

一夏の教えを実践しているが上手く機能していないのか動きが鈍い。

経験値超過による新武装の穿千も当たらない。

 

「どうした!篠ノ乃箒!やはり貴様は織斑一夏の隣で戦いたいという腑抜けた理由で最新鋭のISを受け取っただけか!」

「貴様・・!なぜ・・!」

 

黒のISのビームサーベルを受け止めながら箒は問いかける。

専用機を欲しがった理由をなぜこの操者が知っているのか・・。

 

「箒!」

「一夏!それにシャルロットも!」

 

そこへ一夏とシャルのライフルが二人を分断。

距離を取ったところで黒のISはビームサーベルを納める。

どうやらゼシカが堕ちた事を知ったらしい。

 

「む、織斑一夏と戦いたかったがゼシカが堕ちた以上これ以上戦うのは得策ではないか・・。篠ノ乃箒、貴様はISの力を充分に引き出せていない。適正ランクがSだろうが貴様はまだまだ・・未熟。」

「・・!?」

 

そう言い残して黒のISは去っていった。

 

「見事な引き際だ・・。俺が戦っても勝てるかどうか・・。」

「うん、たぶん第二世代だろうけどスペックを極限にまで引き出してるね。」

(悔しい・・!完敗だ・・!)

 

一夏とシャルは相手の引き際の良さに感心すると同時に強敵である事を悟る。

そんな中で箒は雨裂を力一杯握り締める。

勢いよく挑んだ戦いは完敗。

自分は第四世代のISの持ち主と一夏に鍛えられたから負けるはずないと思っていた。

しかし目の前のISに手も足も出なかった。

しかも相手は第二世代のISを使っていた。

その事が箒に重くのし掛かる。

 

(私はもっと強くなる・・!紅椿に相応しくなるように・・!)

 

箒は強くなると紅椿に相応しい操者になると決意した・・。

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ゼシカ

 

見た目はアクエリオンのゼシカ。

 

サイレント・ゼフィルスの操者で一夏に特別な想いを抱いているようだが・・。

 

黒のIS

 

箒に戦いを挑んだ謎の試作IS。

 

見た目はフラッグ。

 

ビーム理論を解析、出力はドライブ搭載機に及ばないが操者はそれだけで戦う事ができる。

 

操者は正々堂々戦う事を好み、一夏と戦う事を楽しみにしている。

 

ゼシカは一夏を想う理由とは・・?

 

次は一夏の誕生日。

 

ドタバタになるかな?

 

仮面ライダー部は一夏の誕生日に何を送るのか・・。

 

昨日のエースの資格と共に感想待ってます!

 

説明
キャノンボールファスト開幕。

乱入者現れる。

サイレント・ゼフィルスの操者は一夏に・・。
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コメント
ラウラのISの特殊機能はAICですよ。PICは全てのIS基本システムです。(鬼龍皇)
タグ
インフィニット・ストラトス IS GNフラッグに近い? ゼシカの見た目は・・。 

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