神様踊る展望台 第七話 |
しずくが転入してきてから数日。最初は質問で騒がしかった教室も今では前と同じくらいに戻っていた。和樹がいるから騒がしいことには変わりないのだが。最近分かったことだが意外なことにしずくは自分の父が務めている学校の校舎に転入した日に始めて来たらしい。だから転入初日の昼休みと放課後は校内紹介で終わった。あとときどきお嬢様なんだけど少し庶民的な一面も垣間見ることがある。
美咲「今日はうちに遊びに来ない?」
しずく「幸也さんのお宅にですか?」
美咲「(どうしてでしょう・・・多分悪気はないのだと思いますけど。私が言ったのにお兄様の名前が出るなんて・・・) ええ。だいたい校舎の案内も済んだから今日はゆっくり遊びませんか?」
――――――――――――キュウィーン
少しプレッシャーを感じる、この感じ・・・美咲か?!二人の会話を聞いてただけなのになんでプレッシャー浴びせられなきゃいけないんだよ。知識よりストレスの方がより多くたまる授業が終わって部活のあるやつはさっさと教室から出て行ったから今はだいたい帰宅部が教室にいる。俺?あんまり他人と張り合うのが好きじゃないという理由から部活に入ってない。和樹は遊びたいから、茜は口ではめんどくさいといいつつ多分あれは和樹が周りに迷惑かけないように見張るため帰宅部だ。美咲は家で家事があるからという理由から。みんなやればできる、決して『明日から本気出す』とかいうやつじゃないぞ。
しずく「じゃあお言葉に甘えさしてもらいませね」
幸也「俺は構わないけど、さっき電話で今日は帰ってるって」
美咲「それって・・・お母様が?」
母さんは仕事上あまり休みが取れない。別に海外に言ってるとかじゃなく単に忙しいだけなんだが。それが昔から続いていて学校行事にはいつも近所に住んでる父方のじいちゃん一人しか来たことがない。父さんは本当にどっか行ってる、月1で帰ってくるペースだ。ばあちゃんは俺が小学生の時に亡くなった。母方の方は遠い田舎に住んでいて正月とお盆の時にしか会わない。
しずく「それって私が行っても大丈夫なのでしょうか?」
幸也「気にすんな、あの人は世間体と中身は天と地ほどの差があるから」
しずく「はぁ・・・」
美咲「茜も来る?」
茜「私はまだ駄目なの・・・ダメなのよ!あのお方にはまだ会えないっ、私にはまだその資格がないの!!」
幸也「いつも言ってるけどもっと気楽にしていいからな?別に大した人じゃないし」
茜「幸也・・・あなたは今美咲をも敵に回したわよ。あの人があの年齢であの美貌を保つのなんて神がもたらした奇跡か常人には決して分かることができないほどの努力をするしかないのよ!!」
美咲「確かにお母様の肌年齢は機械が壊れてるとしか思えない数値を出してきますもんね!」
そ、そうか。いや・・・女の子はわからんな・・・。きれいな人なんて世の中にはいっぱいいるだろう。これ以上突っ込んで怒られるのも嫌だから黙っておくけども。
幸也「と、取り合えず行こうかしずく」
しずく「えっと、お邪魔さしていただきますね」
美咲「晩御飯もついでに食べていくでしょう?」
しずく「そうしていただけると助かります。それじゃあお母さんにメール入れておきます」
この後俺たち3人は茜と和樹と別れスーパーで夕飯の買い物をしてからうちに帰った。両手に花状態で制服のままスーパーで買い物していて次の日面倒な質問攻めが俺だけに待っていたのはなぜだ?てか爆発しろってなんなんだよ・・・。
【Another View】
和樹「なあ」
茜「ん、何?」
和樹「俺が誘われなかったのは幸也じゃなくて、美咲が俺と幸也ママを会わせたくなかったからかな?」
茜「・・・・・・」
和樹「そんなに俺は失礼なことしそうなのかな?」
茜「・・・・・・・・・・・・・・・」
このときの茜は和樹の夕日を浴びた顔がとてつもなく悲しそうに見えていつもみたいに悪口を言うことができず、かといって何を言ったらいいのかも分からずただ黙って慰めることしかできなかったそうだ。
今回はここで終わらします。
理由は次の話で幸也ママとあと何人かを登場させるので一区切りをつけるためにです。
でも短すぎるだろ・・・
短すぎワロエナイ・・・
まあ・・・・・
ドンマイ!!
説明 | ||
ああ・・・ もう・・・ 2週間なのか・・・・・ 気付かなかったよ・・・・ |
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