真・恋姫†無双 雛里√ 鳳凰一双舞い上がるまで 第四章 5話(後編)
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呂蒙SIDE

 

呂蒙ともうします。字は子明です。

得意なのは……特にありません。暗殺技に長けてますけど、目が悪いせいもあって、駄目な所が多いです。

 

そんな私は今回、とんでもない任務任されることになりました。

 

それは、

 

『徐州州牧代理、張?の暗殺ルート(道)を確保せよ』

 

とのことです。

 

「そ、そんなこと無理です。私にはできません!」

「お願い、呂蒙!あなたしかできる人が居ないわ」

 

周泰さまと甘寧さまも敵にやられて倒れて動けません。

事実上、ここで皆さんが言うような隠密行動が出来るのは私しか居ません。

でも、私なんてヘタレが周泰さまが出来なかったことを出きるはずがありません。

 

「遙火さんもなんか言ってください!」

「…亞莎ちゃん、頑張って」

 

じゃくてぇー

 

「我侭な娘ね…一体何が無理っていうの。あなたはそういう訓練をしてきた武人でしょう?自分の過大評価するのも問題だけど、必要以上に自分の才を押しつぶすのも迷惑よ

 

「っ…でも」

 

サジさまにそう言われて私は返す言葉がありませんでした。

 

「あなたが心配する所なら分かってるわ。目が悪いことでしょ?」

 

そうです。

私はすごく目が悪くて、その人がだれか確認するにもすごく近くで見ないと形が定まりません。

 

「それなら眼鏡をかけたらいい話じゃないの?」

「隠密行動する時は眼鏡なんて光るものをかけたら駄目なんです」

 

孫権さまの疑問にそう答えると、サジさまが突然指を鳴らしました。

 

「あ、それならいいものがあるわ」

「え?」

「ちょっと待ってね」

 

サジさまはそう言って部屋の外に向いました。

 

「…なんでしょう?」

「さあ…鳳士元は分かる?」

「あわわ、私に聞かれても判りません。あの人の考えは…」

「仲間なんじゃないの?」

「仲間…なんですけど、それが複雑なんです……」

「お待たせー!」

 

帰ってきたサジさまは小さな箱を渡しました。

それを開けると、中には丸い円盤型の造形物二つを合わせた、眼鏡のような形ものがあります」

 

「それ開けてみて」

「え?…はい……」

 

各円盤は蓋があって、それを捻って開けると、中には…

 

「何これ…」

「コンタクト・レンズ。眼鏡と同じ効能をして光を反射することはないわ」

「そんなものがあるの?」

「こんなもの、どうやって目にかけるのですか?」

「……かけるというか…付けるのだけどね」

「え?」

「それ、目に直接くっつけるの」

「「「「………」」」」

 

え?

 

「「「「「「えええええええ!!?」」」」」」

 

 

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雛里SIDE

 

「すごいです。眼鏡でもないのに、付けてるだけでちゃんと見えます!」

「ね?言った通りでしょ?」

「てわわ…あんなのを目にくっつけるなんて…」

「あわわ……」

 

呂蒙さんは今喜んでますけど、アレを目に付けるまでの旅程は言わずともとても険しい道のりでした。

私は今でもあの様子を思い返すと鳥肌が経ちます。

あんなのを目にくっつけるとか…間違って付けたまま寝たりしたらどうなるんですか?!

 

「ね、これならいけるでしょ?」

「え」

「呂蒙…」

 

孫権さんが呂蒙さんの手を握りながら言いました。

 

「この事は今あなたしか出来ないことなの。あなたと会って間もないけど、お願い。二人の仇を取れるのはあなたしか居ないの」

「私しか……あ…」

 

その時、なんか呂蒙さんが孫権さんを見る目が変でした。

どんどん顔が赤くなってきました。

 

「お、おおお任せください!必ず成功させます!」

「そう…ありがとう」

「あ、あの…私の真名は亞莎といいます。どうか預かってください」

「ええ、私も蓮華で構わないわ」

 

なんか呂蒙さんがすごく慌ててます。

何かあるのでしょうか。

 

「で、では直ぐに行きます」

「早まらないで。今はまだ駄目よ。こっちには武器もないもの」

 

左慈さんが血迷って出かけようとする呂蒙さんを止めました。

 

「で、では…」

「私がコレを武器に変えるまで待ちなさい。遙火に渡しておくから、一緒に行ったら良いわ」

「それなら、明日にすればいいんじゃないの?向こうも今日は警戒しているでしょうし」

 

孫権さんが言いましたけど、その逆です。突くなら今しかありません。

 

「いえ、既に一刀さんたちが逃げて来たからこそ、今日追加的な襲撃はないと思ってるはずです。むしろ時間が経てば経つほど、向こうが対応できる時間を与えてしまいます

 

。相手が公権力を持って攻めてくる可能性もありますし、そしたら魯粛さんにも被害が行くかもしれません」

「私のことは心配しなくても構いませんけど…確かに今の状況だと奇襲の方が効くでしょう」

 

魯粛さんもそう言うと、孫権さんも頷いてくれました。

 

「じゃあ、早くその武器をやらを用意して頂戴」

「言わずとも…遙火、付いてきて」

「…うん」

「呂蒙は準備出来る次第行けるようにして…あ、面会はいつでもオッケーよ。起こすのは駄目だけど」

 

左慈さんはそう言って倉ちゃんを連れて急いで出て行きました。

 

「……どうしますか、皆さんは?」

 

左慈さんが行くと魯粛さんが残ってる私たちに言いました。

 

「夜も遅くなっていますし、私はみなさんも休んだ方がいいと思いますが…」

「…そうね…亞莎もサジたちが準備出来るまで寝ておきなさい。ここまで来るのにも随分疲れているでしょう?」

「は、はい」

「雛里お姉さん、どうしますか?」

「私は…」

 

心では一刀さんのことが心配ですけど……今は私が側に居ても休むことに邪魔になるばかりかも知れません。

 

「私たちも休もう。一刀さんも休ませてあげた方がいいと思う」

「…そうですね」

「それじゃあ、私もこれで失礼しましょう。皆さん、お休みなさい」

 

魯粛さんはそう言って退室しました。

私も今はとても疲れてます。

色んなことがあって……これからどうすれば良いのか考える時間が欲しいです。

 

 

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倉SIDE

 

「雑魚よ」

「……雑魚?」

「そう、『氷龍』をあんな使い方する奴なんて、雑魚以外の何者でもないわ」 

 

鞄の中に入ってきた左慈は、あたしにそう言った。

 

「お金?力?ふふっ、物分りのある奴がこの剣を持てばね、例え本物の微塵の力しか持ってないこんなものでも、この天下の一部を手にできるほどのすごい物なのよ。それが

 

今までの連中と来たら、ただ剣の餌供給役にしかなってないわ……はぁ…」

「…左慈」

「何?」

「一刀たちのこと、心配?」

 

焦ってるのが見える。

左慈が…焦ってる。左慈は氷龍のことになると熱くなる。

 

「……分かる?」

「うん」

「…あなたはやっぱり『あのコ』の娘よ。私の心を読むことだけには冴えてたから」

「………」

 

左慈のことだけじゃない、と言おうとしたけどやめた。

今の左慈には…力になってあげた方が良い。

 

「…これからどうするの?」

「まあ、見ていなさい」

 

左慈はそう言って持っていた『氷龍』の破片のうち一つを手に乗せてつぶやいた。

 

『砕け』

 

そう言ったら、氷龍の破片はガタガタと震え始めた。

そして間もなく元の形もなく粉々に砕けた。

 

「あの子は確か…暗器が得意だったわね」

「…うん、多分」

 

亞莎ちゃんはそういうのが上手だと言った。

でもやってみせたことはなかった。

 

『集え』

 

左慈がそうつぶやくと、砕けた破片たちが集まって匕首の形になった。

 

「これを呂蒙ちゃんに渡しておきなさい。もう触っても精神を取られたりはしないわ」

「…これを……張?に投げたらいいの?」

「うん?そんなわけないでしょ?『氷龍』に投げるのよ」

 

左慈は私が可怪しいことを言ったかのように笑った」

 

「あなた達に張?を殺させたとされたら私が北郷一刀に何を言われるか分かるでしょ?あなた達だけ行かせることだけでも罪深いのに…」

「………」

「…ねえ、遙火、私と約束しなさい」

 

遙火は私の短い髪をなぞりながら言った。

 

「あなたが今までその暴走した力でどれほどの人を殺したとしてもかまわないわ。あなたは私の娘、そして北郷一刀と鳳統が娘みたいに大切にする子でもあるわ。私も一刀た

 

ちも、あなたが人を殺すことを望まない。だから…あなたは何があってもそれを覚えていなさい」

 

左慈は…心配していた。

私が張?や、他の人たちを殺すことを…

でも私も分かってる。そんなことすると一刀も、雛里も喜ばない。

誰も人を殺して喜ばない。

だから…

 

「うん」

 

もう死ぬのを見るのは嫌だから…止める。

 

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呂蒙SIDE

 

「……」

 

魯粛さまに個室に案内されて今は一人。

休んでいなさいとは言われたのですが、休めずに居ました。

私にできるのでしょうか。

あんなこと…

 

こんな沢山の人々の期待を背負われることなんて…今までありませんでした。

 

「うぅぅ……」

 

がらっ

 

「…入る」

「は、遙火さん?」

「……準備できた」

 

そんな時、何の間もなく遙火さんが入って来ました。

遙火さんとは真名を譲りあった関係ではありますけど、正直互いをのことをそううまく知っては居ません。

豫州での出来事で遙火さんと出会った日数は少なく、その後直ぐにまた別れたのですから……

 

「…コレ」

「コレって……」

 

遙火さんからもらったものは一遍普通そうに見えるただの匕首でした。

でも、さっきの話から察するに…

 

「これで、張?さんを殺すのですか?」

「……誰も殺さない」

「え?」

「…剣に刺すの。人は誰一人殺さない。それが規則」

「規則…ですか?」

 

豫州でもそうでしたね。誰一人殺さず戦いを終わらせる。

そして遙火さんと一刀様たちは本当にそうしました。

今回も……

 

「でも、今回は一刀様だってやられたのですよ?それでいいのですか?」

「………」

 

遙火さんは何もいいませんでした。

 

「それがこの旅の意味するものだから…」

 

いいわけがない。

でも、それでもこの人たちにとって、その大前提はとっても重要なものなのです。

そう感じると、逆に今まで暗殺やいろんな人を殺すための技を磨いてきた自分を愚かに感じます。

 

「……行く」

「は、はい、行きます」

 

遙火さんに促されて、私は立ち上がりました。

なんだか、遙火さんの前に立つと自分の悩みなんてどうでも良くなって来ます。

遙火さんは、私には出来ないことを、誰でも出来ないことを平然とやっていきます。

その姿に私は憧れているのかもしれません。

 

・・・

 

・・

 

 

「警備、結構ありますね」

「……」

 

城の周りは、戦いがあった直後であるせいもあってか、昼間みたいに灯りをつけていました。

こんなに明るくては侵入することは難しいです。

 

私たちは城の火がとどかない暗い場所で城の様子を見ていました。

 

「どうしましょう…これだと…」

「…大丈夫。味方が居る」

「味方?」

 

遙火さんはそういいながら手を伸ばしました。

 

「…四方に味方がある」

「四方に……一体どういうことですか?」

 

その時、城のあっちこっちから人々がざわめき始めました。

 

「火が!!」

「火事だー!!」

「なっ!」

 

城の灯りをつけるための火が一斉にその強さを増しました。

まるで火の塔のように吹き上がる松明や焚き火たちを見て、警備たちが慌てていました。

 

「あ、あれ…どうやって…遙火さんが…?」

「……」

 

私が聞きましたけど、遙火さんは答えてくれませんでした。

心ここにあらずな感じがしてました。

 

「遙火さん、あんなに火が強いと火事になります!人たちを慌てさせるためなら火を全部消してください!」

「……っ!」

 

そう言うと遙火さんが顔をしかめました。

でも、その次の瞬間、お城の外と中が一気に闇に包まれました。

 

「今度は火が全部消えたぞ?!」

「どうなってんだ!誰か火種を持って来い!」

「駄目だ。火種一つも残らず全部消えてやがる!」

 

「……」

「遙火…さん?」

「…ちょっとヤッちゃいそうだった」

「え?」

「一刀に怪我させた奴らだから…」

「あ……」

 

私は、今更といいますか、遙火さんがものすごく怒っていることに気付きました。

当たり前ですよね。一緒にいた人があんな怪我をして帰ってきたのですから……。

でも、

 

「遙火さん、自分で言いましたよね。誰も殺さないって」

「……うん」

 

誰も殺してはいけないと言ったのも、その人の教えです。

遙火さんが本当にその人を慕っているのなら、ここで一瞬の怒りに身を委ねてはいけません。

私が側で見ていないと……

 

「行きましょう。まだ警備たちが慌てているうちに…」

「うん」

 

私と遙火さんは、そのまま城に侵入しました。

 

 

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「おい、火が消えたぞ。どうなってんだ」

「落ち着け、おい。もうすぐ付くだろ。俺たち中に居る警備はしっかり居場所に立っていれば後は……うっ」

「…おい、どうし…うがっ!」

「………隙だらけです。いくら暗いと言っても、警戒心がなさすぎです」

「おおお」

 

遙火さんがパチパチと拍手してくれましたが、大したことじゃありません。

相手が視力に依存して状況に対応できていない隙に遠くから暗器を使っただけです。

 

……あ、でも今回は特別なのでただの眠り薬を塗っています。周泰さまから借りて頂きました。

 

「元州牧の部屋に入るにはここを通らなければならないようです」

「…州牧?」

「はい」

 

魯粛さまの話のよると張?さんは元が暴悪な性格だったらしく、ここまで状況が悪化しているようなら、元州牧である陶謙は既に死んでいる可能性が高いということでした。

いえ、むしろ陶謙さんが重病で倒れたという話も、実はそういうことだったのかもしれません。

 

「でも、州牧の部屋って分かるの?」

「はい、魯粛さまから、この城を建てる時の設計図を頂きました」

「…なんでそんなものを…」

 

魯粛さま曰く、

 

「この徐州で私の手を通らずに出来たものなんてありません。もちろん、州牧のお城もです」

 

だそうです。

 

とにかく、この地図通りだと、この先に州牧の部屋があります。

相手が待ち受けている可能性も十分考えられますし、気づかれないように行って一気に片付けた方がいいでしょう。

 

「いきますよ、遙火さん」

「…うん」

 

・・・

 

・・

 

 

その後からは警備もなく、ただ歩き続けて難なく州牧の部屋まで辿りつけました。

 

「……簡単すぎ」

「え?」

 

ふと遙火さんがそう言いました。

 

「……もしかしたら罠かも」

「…でも、だからと言ってここで引くわけにはいきません」

「…分かってる…気をつけていくって話」

「はい」

 

遙火さんにそう応えた時、何か異様は気配を感じました。

殺気…!

 

「!」

「くる……?」

 

でも…殺気を放つばかりで、動く気配はありません。

部屋の中からも、何の声も聞こえません。

こっちが来るのを待ち伏せている…みたいです。

 

「寝てる」

「え?」

「…中から寝息が聞こえる。寝てる」

「寝てるのに…こんな殺気を放つというのですか?」

「………」

 

遙火さんは無言のまま私の方を見ました。

 

「亞莎ちゃんは帰って」

「え?」

「…私一人で行くから」

「ちょ、ちょっと待ってください。ここまで来てそんな事できるわけが…」

「……脚」

「え?…あ」

 

遙火さんにそう言われて、寝ている相手が放つ殺気に脚を震えている自分の姿に気付きました。

でも…

 

「ダメです。私も一緒に行きます」

「……」

「遙火さんを一人にして帰ったりなんてしません。友達ですから」

「…分かった」

 

遙火さんはそう言いながら微笑みました。

 

「ありがとう、亞莎ちゃん」

「いえ、私の方こそ、遙火さんが一緒にいてくれなかったらここまで出来ませんでした」

「……」

 

お話はここまで…

 

静かに、私と遙火さんは州牧の部屋の門を開きました。

そしたら、大きくて無駄に豪華な寝床の上で、巨躯の男が一人寝ています。

部屋を開けると殺気が増して伝わってきます。

 

本当にアレで寝てるというのでしょうか。

 

「亞莎ちゃん…アレ」

「あ」

 

寝てる張?の手に、剣が一つ握ってありました。

握られたまま床を刺しているその剣は月光を浴びて冷たい色を出しています。

 

アレが『氷龍』ですか。

この匕首をあの剣を狙えば……

 

そう思って私が匕首を取り出して氷龍を狙った瞬間でした。

『氷龍』が自分でガタガタと震えはじめました。

 

「…バレた?」

「むぅ…ぐぅうー」

「!」

 

男が起きる声を聞いた瞬間、私は急いで匕首を剣に向かって投げました。

投げた匕首が剣に命中した途端、男は叫び出しました。

 

「ぐあああああああ!!!」

 

剣から色が消えていく。

まるでその剣が自分の体の一部であるかのように苦しむその声は、私の震えていた脚から力を奪い去りました。

 

「ひっ!」

「き……さま…ら……よく……もお!!」

「亞莎ちゃん!」

 

腰が抜けた私の前に立つ遙火さんの前に張?は立ち上がりました。

 

「ころ…す……」

「もう終わった。氷龍はもう無力。…お前も……」

「ころーすーーー!!!」

「っ!」

 

巨躯の男が匕首が刺さった『氷龍』を振り落とすと、私を庇うために遙火さんは棒でそれを受け止めました。

 

「くぅっ!!」

「遙火さん…!」

「…早く……逃げて」

「でも遙火さんが……」

「早く行って!!!」

 

遙火さんがそんなに大声で叫ぶのを初めて見た私は急いで脚に力を入れて立ち上がりました。

そして持っていた暗器すべてを張?に投げつけました。

巨躯の張?にすべての暗器が命中したはずなのに、張?は怯むこともなく、ただ握ってる剣に力を入れ続けます。

力に押されている遙火さんの膝がガタガタ震えるのを見て、私はもう長く持たないと察知しました。

 

「っ……!」

 

何かないのですか?

この男を倒す方法は……このままだと遙火さんが……!

 

「亞莎ちゃん…早く出ていって」

「イヤです!だって遙火さんが…!!」

「亞莎ちゃんが出て行かないと…コイツ殺せない……」

「!!」

 

その時、私は遙火さんの目を見ました。

その燃えるような目を見て、さっきの屋敷の外での事件を見て…そして遙火さんの真名を思い出しました。

 

そして、私は逃げ出しました。

 

早く…

 

遙火さんの邪魔にならないところまで…!

 

来る途中で、私が倒した警備員たちを見て思わず両手に一人ずつ抱え込んでそのまま走り抜きました。

 

そして屋敷の入り口まで戻った瞬間、

 

ドーーーーーーン!!!!!

 

 

爆発音と共に、州牧の部屋が合った場所で轟音と共に火種が飛び散りました。

 

「な、何だ!」

「何が起きた!」

 

周りのまだ暗闇の中で騒いでいた兵士たちがその様子を見て慌てて屋敷に向かいました。

 

でも、州牧の部屋から始まった火は、まるで生きているかのように他の場所まで移ります。

やがて屋敷全体が燃え始めると、兵士たちは消火を諦めて逃げ始めました。

 

「遙火さん!もう良いです!もう十分です!だからやめてください!!」

 

私がそう叫ぶ声は遙火さんに届くことができなかったのか、それとも遙火さんが死んでしまったのかわからず。

火はただ屋敷を燃やし尽くす勢いで続いて、真夜中の街を真昼のように照らしながら燃えていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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予告編

 

 

一刀「誰一人の命も無駄に散らないようにしよう。この無駄でしかない戦争を無くそう」

 

それは約束。

 

左慈「敵は強くてあなたはただ独りよ。守りたいものがあるなら他の何かを犠牲にしなければならない」

一刀「いったはずだ!俺は誰も殺さない!対象にするものがあるならそれは俺の体一つで十分だ」

 

青年は自分の無力さを知った。

 

??「冀州辺りで暴れている黄巾党だ。こいつらを掃討する」

??「我らこそ正義!獣のような賊どもをぶちのめせ!突撃いいい!!!」

 

一刀「血を流す以外の方法はないのか」

??「そんな話は向こうにしてもらいましょう」

一刀「俺はお前に話してるんだ、『天の御使い』。言ってみろ。お前がやってることは本当に天の意志か」

??「天に従わないものに、天の慈悲など要りません」

 

戦争で歪んだ正義

 

 

一刀「この先お前たちを守れないかもしれない」

雛里「私たちはお互い支えながらここまで来ました。一人では行かせません」

一刀「お前が死ぬかもしれないんだよ!」

雛里「一刀さんを守れなかったら私には死んでも生きても同じです!」

 

この戦争の先にあるもの…

 

遙火「一刀と雛里ちゃんを泣かせる奴は許さない。お前、殺す」

 

掟を破った少女。

 

真理「やっと決めたんです。挫けたくありません。もう忘れ去られるのは沢山です」

 

最初の思いは…時流に呑まされて……

 

蓮華「戦うの?」

一刀「戦う。でも、殺すためじゃない。救うため」

蓮華「あなた自身は…?」

一刀「……あの娘なら分かってくれる」

 

青年……散っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雛里「一刀さん……?」

一刀「俺のことは恋しかったか?ヒヨコちゃん?」

 

 

 

 

平原、天の御使いとの戦い。

 

COMING SOON

 

 

 

 

 

 

 

??「そこに笑顔がない勝利なら…あなたたちは正義ではありません」

 

 

 

 

 

 

説明
あいも変わらず予告だけは……
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コメント
山県阿波守景勝さん>>一刀たちが行く先に厄介事が絶つことがありませんね(TAPEt)
たこきむちさん>>いつも更新が遅くてすみません。(TAPEt)
アルヤさん>>あまり厨二っぽくなっちゃうのは避けたいんですけどね・・・(TAPEt)
徐州はこれで治まりそうですが、次がかなり厄介そうですね。(山県阿波守景勝)
今貴方の作品見直してたから超タイムリーだな(たこきむち@ちぇりおの伝道師)
次回がめっさ気になる。「私が正義だから従わないものは悪だから潰す」みたいな独裁者の思想やら、一刀が一度死ぬ前の口調に戻ってたりやら。(アルヤ)
タグ
真・恋姫†無双 恋姫 一刀 遙火 亞莎 韓国人 これは間違いなくバッドエンド 

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