IS~音撃の織斑 序の巻:始まりの君 |
序の巻:始まりの君
世界は変わってしまった。天才篠ノ之束が開発したインフィニットストラトス、通称ISと呼ばれるパワードスーツが世界進出した瞬間から。それにこのパワードスーツにはある欠陥があった。女性にしか使えないと言う欠陥が。これによって世界のパワーバランスは激変し、女尊男卑一色に染まった世界となってしまった。これはその世界で生き、その世界によって人生を狂わされ、鬼となった少年の物語・・・・・
Side: 一夏
嫌だった。俺は何時だって『弟』だった。誰も俺を俺として見てくれなかった。俺なんかは千冬姉のおまけでしかないんだ。千冬姉はそうじゃないって言うけど、名声を浴びている人間に虐げられる人間の気持ちが分かる筈も無い。そんなある日、俺はISの世界大会第二回モンド・グロッソで千冬姉の姿を見る事が出来た。だが、俺はそこで拉致された。目隠しをされて両手両足を椅子にワイヤーで縛り付けられた俺は、とても怖かった。自分が死ぬと言う事を確信したからだ。だが、俺はある人に救われた。
「よう、小僧。無事か?」
「は、はい・・・・」
その人は二十代後半か三十代前半の引き締まった体を持った男性だった。それもかなりの二枚目である。
「所で、織斑千冬が優勝したそうだぜ?」
それを聞いて俺は確信した。口先では俺を労っていたが、やはり姉は俺を踏み台にした。己の栄光の二の次に優先されてしまったのだ。そんな奴を姉と呼ぶ資格なんか無い。
「俺はもう行き先がありません。助けてくれてありがとうございます。」
覚束ない足取りのままで抵抗とするが、薬が効いている所為か千鳥足になっている。
「おいおい、待て待て。居場所なら俺が与えてやる。お前、俺の弟子にならないか?お前なら立派な『鬼』になれる。」
「はい?弟子ってどう言う事ですか?後、鬼って・・・・?」
「質問が多い。まず俺の質問に答えろ。俺と来るか否か。」
そう言って差し出された彼の手を、俺は迷わず掴んだ。
「そうそう、俺の名は((五十嵐市|いがらしイチ))。けど、((石動鬼|イスルギ))もしくは師匠って呼んでくれ。事情は後々話してやるから。」
彼は地獄のどん底に叩き落とされた俺に新たな希望の光をくれた。彼なら信じられる。だから俺はこの人について行き、織斑の姓と過去を捨てた。俺は車に乗せられて、ドライブの間俺の事を簡潔に教えて、逆に俺も簡単に教えてもらった。鬼の事と、鬼達が戦う魔化魍の存在について。
「音撃と言う清めの音を放つ事が出来るのが俺達鬼だ。そして俺達がそれを使って魔化魍を倒す。それをサポートするのが猛士と言う組織だ。お前は俺の弟子になって、鬼になれる様に修行を積む。これから行く所は、まあ手続きをする所だ。心配しなくても俺が全部やるから。」
しばらくして車が止まった先は甘味処たちばなと言う店で、俺は中に連れて行かれた。
「あ、イスルギさん!いらっしゃい。彼は・・・?」
店の中から長い黒髪の白衣姿の女の人が現れた。この人は、従業員じゃ無さそうだな・・・・
「ああ、ちょっと込み入った事情があるが、俺の弟子になる事になった。」
「一夏です。よろしくお願いします。」
間違っても織斑の姓は名乗りたくない。
「こんにちわ。滝沢みどりよ。好きに呼んでね。」
「はい・・・・」
「おやっさんはいるか?ちょっと急な用事なんでね。」
「ええ、いるわよ?」
俺は忍者屋敷の様な隠し通路を通り、猛士の関東支部に辿り着いた。そこには五十代あたりの人当たりの良さそうな眼鏡をかけた人が古い本を捲って探し物をしていた。
「おやっさん、お久し振りです。」
「おお、イスルギ君。彼は・・・・ああ、君の弟子か。こんにちは、私はこの店の店長で猛士関東支部の局長、((立花勢地郎|たちばないちろう))だ。」
「一夏です。よろしくお願いします、立花さん。」
「そんなに堅くしなくても良いよ。イスルギ君みたいにおやっさんとでも呼びなさい。」
「はい。実はですね、これから話す事はちょっと表には出せないんですけど・・・・」
そうして、俺の身に起こった事の一部始終を話し終えた。
「そうか、そんな事があったのか。辛かったね。でも、これからは猛士の関東支部全員が君の家族だよ。」
説明 | ||
姉に捨てられ、魔化魍と戦う猛士の鬼、石動鬼に拾われた織斑一夏。鬼としての修行を積み、彼は何を見る? ISと響鬼のクロスです |
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久しぶりに読んでみたけど、懐かしいな(デーモン赤ペン改めジェームず) | ||
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