IS〜徨いし剣の担い手〜担い手を知る者
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ICHIKA:SIDE

 

「言うようになったじゃない。そして一夏!これはどういう事なの!!」

 

 

 

 

 

 

聞き覚えのある、だがIS学園(ココ)に……正確に言えば日本にいる筈の無い幼馴染みの糾弾の声がした。

 

 

「……鈴!?」

「ええ、そうよ。さあ、一夏!説明しなさい!!」

 

そう言って詰め寄る姿は紛れもなく俺の幼馴染みであり両親の都合で中国へと帰った鳳鈴音だ。

 

「いきなり言われても分からねえよ。」

「これよ!」

 

そう言って俺に見せたのは新聞部の書いた記事で内容は……

 

「げっ……」

「心当たり、有るんだ?」

 

鈴が糾弾の声を出した理由(わけ)はこれだな。あの時にカメラのネガを消すか、カメラそのものを壊すなりしとけばよかった。

 

「……昼休みを開けときます。」

「よろしい。逃げないでよ、一夏!」

「はいはい。」

 

どう説明しようかと俺は教室を出る鈴の後ろ姿を見ながら考えていた。

 

 

 

††††††††††††††††††††††††

 

 

 

RIN:SIDE

 

「それで……話してくれるの?」

「ああ、鈴は誤魔化せないって分かるからな。」

 

昼休みになって私を探しに来た一夏を人気が無かった屋上へと引っ張り、辺りに誰もいないのを確認してから本題に入る。

 

「どうして、『ブレイドのライダーシステム』をアンタが持ってんのよ。」

 

『あの後』で一夏は『ブレイドのライダーシステム』を橘さんに返したのを私は見ている。だけど新聞部の書いた記事に在った―――――封印された筈のアンデッドと戦う嘗て一夏が変身していたブレイドの姿が写された写真が載っていたのだから訳が分からない。

 

「最初に言っておくが俺も良く分からないんだよな。」

「どう言う事?」

 

だから説明しろと言うとどこか困ったような表情の一夏が口を開き……予想だにもしなかった言葉を口に出した。

 

 

 

 

 

 

「俺にブレイバックルとカテゴリーAのブライムベスタを渡したのは嶋さん……クラブスートのカテゴリーKだからな。」

 

 

 

 

 

 

「なんで?」

 

クラブスートのカテゴリーK……そのアンデッドの事なら今でも覚えている。闘いを好まず、最後はカテゴリーAの力を抑えるために自分から封印された者。

 

そう、封印されていた存在が何故、一夏に『ブレイドのライダーシステム』を渡す事が出来たのだ?その事を尋ねると今度は、一夏も自分も分かっていないけど良いかと言い、渡された経緯を口にした。

 

「嶋さんの話だと橘さんに頼まれたそうだ、ついでに言っておくけど驚くなよ。」

「何を驚くの?」

 

これ以上、何を驚けばいい?そう思っていた私にその言葉が耳に入った。

 

 

 

 

 

 

「アンデッドを解放したのは橘さんらしい。」

 

 

 

 

 

 

「どう言う事よ!?」

 

橘さんがアンデッドを解放した?アンデッドに恋人を殺された橘さんが一体どうして?

 

「だから言っただろう、俺も良く分からないって。」

 

そう口にした一夏を見て、私はやっぱり止める事など出来ないと悟った。

 

 

 

††††††††††††††††††††††††

 

 

 

ICHIKA:SIDE

 

とりあえず俺が知りえた事を全て教え、鈴の反応を窺った。

 

「一夏……」

「言いたい事は分かる。『戦うな』だろ。」

 

鈴は『あの後』の俺を知っているから絶対にそう言うだろうと予想は着けていた。そしてその予想は大当たりだったらしい。鈴の顔の表情を見て直ぐにそれを悟った。

 

「分かってるのなら!!」

「無理だな。」

 

アンデッドを封印出来るのはブレイド系統のライダーシステムを使用する仮面ライダー4人のみ。そして4人中3人の行方が不明である以上、俺が動くしかない。

 

「ねえ、一夏。」

 

考え込んでいた俺に鈴が声をかける。その顔には何かを決めたかのような決意がみなぎっているように感じた。

 

「なんだよ。」

「あんた、一組のクラス代表なのよね?」

「成り行きでな。」

 

聞いてきたのは俺が一組のクラス代表なのかだった。俺はそれを肯定すると……

 

「それなら賭けをしない?」

「賭ける?」

 

俺の声に鈴は静かに頷いて口を開いた。

 

「そう、次のクラス代表で私が負けたらもう何も言わない。けれど……」

「鈴が勝ったら俺に『もう戦うな』って言いたいのか?」

 

そう聞くと鈴は首を横に振ってこう言った。

 

「ううん、私の言うことを1つ聞いて。」

 

そして俺は、その言葉に頷いた。

 

 

 

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SECIRIA:SIDE

 

『セシリア、頼む。』

 

昼休みも終わりになっていきなり一夏さんが頭を下げてそう言った時はクラス中が一体何事なのかと私達の方を振り向いていたのは記憶に新しい。放課後になり詳しく話を聞くと『2組のクラス代表に負けられないから俺を鍛えてくれ』と言う内容だった。

 

 

 

実はと言うとこの話は私にとってはチャンスだった。

と言うのも、実は先程のクラス代表決定戦で一夏さんの『白式・星詠』の映像データを見た本国が『『白式・星詠』の詳細データの入手』を指示してきたからだ。まあ、それが無くても一夏さんの頼みを聞いていただろうけど・・・

 

 

 

そして翌日の放課後にアリーナの1つで特訓を開始する為にブルーティアーズを纏った私と白式を纏った一夏さんの姿が有った。因みに一夏さんは『白式・星詠』の形態(フォルム)となっている。

 

「その形態(フォルム)だと……女性になるのですね。」

「何故だ・・・」

 

男性から女性になるのがよほど嫌なのか(終わってからその事について聞いてみると「精神的に辛い」そうだ。)俯いているがそれはこの際、気にしない事にした。

 

「とりあえず動かして下さい。」

 

私に頼んだ理由は『戦用機持ち』である事と『BT兵器の操作』に詳しい事、イチカさんが言うには少しでもいいから『白式・星詠』に慣れたいらしい。

 

「―――アストラル!!」

 

そう叫ぶと共に現れた『白式・星詠』のBT兵器、アストラルが展開されそれらが辺りを動き始める。

 

「9つも動かせるなら合格だと思うのですけど?」

 

私が一度に動かせる数の倍のBT兵器を操作できる一夏さんをどこか羨ましく感じながら尋ねるが一夏さんは不満があるのか少し悔しそうな顔をして呟く。

 

「1つ1つの攻撃力が低いし、この形態(フォルム)だとアストラル起動中は移動が一切不可だぞ?」

 

しかも移動速度は相当遅いからなと言う言葉を聞いて素直に思ったのは……

 

「固定砲台みたいなISですわね。」

「だよな。しかもオリヴィエと簪はある程度、手の内が分かっているだろうしな。」

 

私の言葉に同意しながら気になる事を言ったので尋ねてみた。

 

「どうしてですの?『形態変化』はそんなに使っていませんよね?」

「『形態変化』には元になったモノがあるんだ、そして2人は元になったモノを知っているんだ。」

 

この時、『形態変化』の元になったモノについて私が知る事になるのはこれから少し後の事になる。

 

「とりあえず練習あるのみですわ。」

「そうだな。」

 

 

そして、この翌日に『クラス対抗戦日程表』が掲示されました。

一回戦は一組と二組のクラス代表によって行われる……つまり一夏さんと鳳さんの対決が決定したのです。

 

 

 

説明

鈴に事情を説明する一夏、そして……
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IS インフィニット・ストラトス 一夏が仮面ライダー 

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