武装神姫 生まれ来るわたしへ 3 |
「いい笑顔、ですか・・・」どんな表情なのか、まったく分からなかった。「努力します」
「頼むよ。じゃ、シャワー浴びてくるから、その間に参加登録のチェックをしといてくれ」そう言ってオーナーは席を立った。
いい笑顔。努力しますと言ったものの、どのようなものか全く分からなかった。笑顔は分かる。先ほど、マスターも笑っていた。わたしも表情を操作すれば出来るはずだ。だが、何を以っていい笑顔とするのか、それが分からなかった。分からなかったのは、オーナーの笑みもだ。わたしに向けて笑みを向けることはこれまでなかった。
クレイドルに戻り、ホームサーバにリンクすると、バトルロンドのユーザー登録のチェックを始めた。登録自体の不備は見当たらなかったが、オーナーカードは白紙のままだった。白紙のままでも問題は無いが、他のオーナー達とカードの交換をする際、非礼と受け取られることもあるだろう。出かける前に、オーナーカードのプロフィールへの記入を行うようオーナーに進言することにした。
しばらくして、シャワーを浴び、身なりを整えたオーナーが戻ってくると、オーナーカードのプロフィールへの記入を促した。「ま、名刺みたいなものか」そうつぶやくと机に向かい、簡単ではあるが、プロフィールを作成した。入力を終えると、一旦席を離れ、装備を入れた物と同じケースを手に戻ってきた。装備を入れたケースをどけ、手に持ったケースをわたしの前に置くと、ふたを開けた。
「さて、ちょっと早いけど、この中に入ってくれるか。ちょっと狭いが、我慢してくれ」
中には仕切りは入っておらず、タオル地の布が敷き詰められていた。神姫一体には十分過ぎる広さだった。輸送中に中で転げ回ることになりそうだが、緩衝材があるので問題はなさそうだった。
「問題ありません、オーナー」ふちに手をかけ、ケースの中に入ると、身を横たえた。
「じゃ、着くまで時間かかるから、パワーセーブに入ってくれるか。着いたら、声をかけるよ」そういいながら、わたしの上にも布地を一枚被せた。
「了解しました。パワーセーブモードに移行します」わたしは目を閉じた。布に遮られてすでに視界は暗かったが。
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本日も何とかアップ 量は少なくなってますがw |
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