魔法少女リリカルなのはStrikerS00(仮)−−14 遊戯−− |
本編六話目。
−−遊戯−−
刹那となのはがヘリから一緒に飛び出し、航空機のガジェット……ガジェットU型の群れへ飛ぶ。
「全滅させられればベストだが、数は向こうが圧倒的に多い。無理に飛び込めば振り切られる可能性もある」
「どうするの?」
「俺達の第一目的はレリックだ。((FW|フォワード))の4人が動きやすい状況を作れればミッションは達成できる。フェイトが来るまでは、リニアへ向かおうとするガジェットを中心に落とせばいい」
刹那の言葉に無言で肯くなのは。
「行くぞ」
「うん!」
ライフルモードでガジェットU型へ射撃を行うが、((T|カプセル))型よりも格段に動きが速く、刹那の射撃を回避するガジェット。
「流石に動きが速いな」
「そうだね。でも……」
《アクセルシューター》
なのはがレイジングハートを振り下ろすと、二カ月前の模擬戦の時の倍以上の魔力弾がガジェットへ向かっていく。
その魔力弾をガジェットが回避するが、その回避行動を読んだ刹那が続けて射撃を行い、ガジェットを破壊する。
「所詮は機械だな」
ガジェットを破壊していく刹那達に対して、数機のガジェットが攻撃を放ちながら一直線に高速で向かってくる。
「特攻か?」
刹那がライフルモードで応戦しようとした瞬間、金色の光がガジェットを貫き破壊する。
光が現れた方向を見ると、バリアジャケットを纏ったフェイトがこちらに向かってくる姿が見えた。
どうやら、プラズマランサーを放ったようだ。
(なのは、刹那。お待たせ)
(フェイトちゃん!)
(早かったな。流石と言うべきか)
フェイトが合流し、3人背中合わせで周囲を飛ぶガジェットへ向けて射撃を行う。
(空を私達で押さえればいいんだよね?)
(ああ、こいつらをリニアに向かわせなければいいが……フェイトが合流したのなら全機破壊も可能だな。攻めに出るぞ)
(うん!)
(行こう!)
3人同時にガジェットの群れに飛び出す。
後部座席から空を眺めるキャロ。
遠くにはいくつもの光が見える。
なのはさんと刹那さんが戦っている。
私達がリニアレールで戦い易くしてくれるために。
「作戦を確認するですよ。スターズとライトニングが、車両前後からガジェットを破壊しながら中央を目指します」
「「はい」」
「どちらの分隊が先に到着しても構いません。先に到着した方がレリックを確保してください」
「「はい」」
リイン曹長との最終確認を終えて、もう一度空を眺める。
さっきよりも光の明滅が激しくなり、数も増えた。
「そろそろ降下ポイントですよ」
リイン曹長が私の傍に飛んできた。
「大丈夫ですか?」
「……はい」
正直、とても緊張しているし怖い。
でも、頑張らなくちゃ。
怖がっていたら……何も出来ない。
「降下ポイントに到着した! 頑張れよ、新人ども!」
ヴァイス陸曹が励ましの言葉をかけてくれる。
「スターズ03。スバル・ナカジマ」
「スターズ04。ティアナ・ランスター」
「「行きます!!」」
スバルさんとティアさんが同時に飛び降りる。
暫くして、二人が光に包まれる。
デバイスを起動させた証し。
「次!」
ヴァイス陸曹の言葉に促されて、ハッチに立つ。
……やっぱり、怖い。
「一緒に行こう」
エリオ君の方を見ると、少し微笑んで手を差し出してくれた。
少し間を置いてからエリオ君の手を握る。
暖かった。
その暖かさが、緊張と恐怖を和らげてくれた。
「ライトニング03。エリオ・モンディアル」
「ライトニング04。キャロ・ル・ルシエとフリードリヒ」
「「行きます!」」
手を繋いだまま、二人がヘリから飛び降りる。
「「セットアップ」」
デバイスを起動させて、バリアジャケットを纏う。
無事、リニアレールの屋根に降り立つと気がついた。
白いマントを羽織っている。
『このジャケット……』
スバルさんも同じことを思ったみたい。
『みんなのジャケットは各分隊の隊長さんのジャケットを参考に作られてます』
騎士服を着たリイン曹長が降りてくる。
マントに触れると、フェイトさんに守られている様な気がした。
遠くの空ではフェイトさんが戦っている。
そして、刹那さんとなのはさんも。
……頑張らなくちゃ。
≪正面から6機。右から3機。左から2機。こちらに向かって来ます≫
エクシアが周囲の状況を伝える。
動きを止めて、後方に居るなのはに通信を開く。
「なのは」
『任せて、5秒後に撃つよ』
「了解」
………。
暫くその場に留まったあと、左から来るガジェットへ急加速で向かい、左右に持ったGNビームサーベルですれ違いに切り裂く。
2機を破壊したと同時に刹那の後方をなのはの((砲撃魔法|ディバインバスター))が6機のガジェットを破壊する。
と、右から来ていたガジェットを、ハーケンフォームを持ったフェイトが高速機動で切り裂いていた。
「今ので最後か?」
《周囲に反応なし。全機破壊しました》
「そうか」
ガジェットが現れた空を見つめる。
≪どうかしましたか?≫
「いや……」
……気の所為か?
《マスター! エリオとキャロが!!》
「どうした?」
空間モニターが開くと、リニアから落ちていくエリオとキャロの姿が映った。
「……っ!」
ここからでは遠い!
((TRANS−AM|トランザム))を使うか!?
救援のために、直ぐに動いた刹那になのはから通信が入る。
『大丈夫だよ』
「何を言っている! あの二人は飛べないんだぞ!」
『確かに二人は飛べない』
「ならば……」
『AMFの発生源から遠ざかれば、思う存分に力が出せる』
『私は信じているキャロなら……』
「フェイト?」
なのはに続いてフェイトまで……。
と、エリオとキャロが光に包まれた。
「なんだ?」
《魔力値増大》
次の瞬間、光から巨大な白竜が現れた。
翼を広げて――まるで卵から孵化した様な。
そんな印象を受けた。
「あれは……?」
「キャロの本当の力。竜召喚の力」
「フリードの本当の姿だよ」
いつの間にか刹那の傍に来ていたなのはとフェイトが、通信の映像を見ながら刹那の疑問に答えた。
(ありがとう。刹那)
(フェイト?)
(エリオとキャロを心配してくれて)
急にフェイトが礼を言ったため、何かと思ったが、先程の刹那の行動は当然とも言えるものだった。
子供を戦場に出すことなど本来はあってはならないことだ。
ましてや、その戦場で傷つき倒れる姿など見たくもない。
そんな経験は自分だけで十分だ。
大型ガジェットのアームによって、谷へ投げ落とされるエリオを見て、キャロはリニアから飛び降りた。
エリオを助けるために。
自分に笑いかけてくれる人達を助けるために。
必死に手を伸ばす。
もう少しで、手が届く。
「自分の力で守りたい!」
キャロの手がエリオの手を掴んだ瞬間、光に包まれる。
「フリード。今までごめんね」
「キュク〜」
エリオを抱きしめながら、傍に来たフリードに謝罪の言葉をかける。
フリードは気にしていないと言ってるのか、小さく鳴いた。
「もう大丈夫。ちゃんと、制御するから」
「キュク〜」
力が強すぎるが故に、故郷から追い出されキャロ。
管理局に保護されてからも結局自分の居場所がなかった。
フリードは制御しきれず、周辺をただ破壊するだけ。
自分の力が怖くてしかたがなかた。
でも……。
――お前は破壊者になったりはしない。
刹那さん。
フェイトさんが話してくれたとおり優しい人だった。
私は……。
「竜魂召喚」
私達を包んでいた光が弾けて、本来の姿をしたフリードが現れる。
その背中に乗って飛ぶ。
私は……もう、大丈夫。
フリードの背中に乗ったエリオとキャロがリニアに戻って行く。
そして、キャロのサポートにより、エリオが大型ガジェットを一刀両断する。
「リニアのガジェットも今ので最後だったようだな」
「レリックもスターズが確保したし、制御はリインが取り戻したよ」
「そうか」
「任務完了だね」
通信で確認を取ったなのはとフェイトが笑顔を見せる。
「ならば、あちらに合流するか」
「そうだね」
なのはとフェイトがリニアに向かおうと動きだしたが、刹那はその場から動かずある一点を見ていた。
「刹那?」
不思議に思ったフェイトが振り返った。
「直ぐに行く。先に行ってくれ」
「う、うん」
刹那の態度に疑問を抱きつつも、なのはとフェイトはリニアに向かった。
《マスター。どうかしましたか?》
「全周囲警戒。少しでも異常があったら教えてくれ」
《……了解》
もう一度、ガジェットが現れた空を見てから、ゆっくりとリニアへ向かって飛ぶ。
薄暗い広い空間で、白衣を着た男が目の前の大型モニターを見ていた。
男が立つ横には、通信のモニターも開いている。
『レリックが管理局に確保された様です』
「ほう。流石と言うべきかな」
男と同じく、紫の髪を持つ女性の通信に答える。
『如何なさいますか』
「レリックは惜しいが、彼女たちのデータは取れた」
もう一度、大型モニターに視線を移すと、そこには機動六課のメンバーが次々に映し出される。
「【プロジェクトF】か……懐かしいね。まさか、生きている【F】を見ることができるとはね。それに……」
男の口元が怪しく歪む。
大型モニターに黒髪の青年――刹那の姿が映し出される。
「彼だ。剣と銃が一体となった武器。魔力で構成されているとは思えない剣。そして、彼の鎧から放出されている光。ふふ、調べてみたいよ」
『ドクター』
女性がやや呆れた様に口にする。
「ふふ、すまない」
『今回は、追撃は行わないということでよろしいですか?』
「いや。もう少し、彼と遊んでみようか」
男が通信モニターに視線を移して、女性の言葉を否定した。
『……分りました』
女性が通信を閉じると、男が再び大型モニターに視線を移す。
「さぁ、もって見せてくれたまえ」
『スターズはレリックを中央へ護送。ライトニングは現場待機』
「俺はどうする?」
『刹那君も現場待機をお願いしようかな』
「わかった」
リニアに向かいながら、はやてからの指示を通信で確認している最中だった。
《マスター! 後方よりガジェットが来ます!》
「数は?」
《……73機》
エクシアの警告に立ち止まって振り返る。
まだ、視認できないが1分も経たないうちに、ガジェットの群れが現れるだろう。
『なのはちゃん、フェイトちゃん。急いで刹那君と合流してガジェットの迎撃を……』
「いや。なのはとフェイトはヘリの護衛だ」
はやての作戦に異を唱える刹那。
『ちょ、刹那君!?』
「数が多い、3人でも振り切られたらお終いだ」
『せやけど、だからってどないすんの?』
「俺が前に出てある程度減らす。なのはとフェイトは俺が捌ききれなかったガジェットを落としてくれ」
『刹那!』
今度はフェイトが抗議の声を上げた。
「時間がない。((FW|フォワード))4人、急いでヘリに乗れ」
『刹那さん! 私も戦います!』
「だめだ。お前は空を飛べない。それでどうやって戦うつもりだ」
『ヴァイス陸曹にヘリで……』
『おいおい。俺にはレリックを運ぶ仕事があるんだぞ』
ティアナの言葉にヴァイスが尤もな反論をする。
「ヴァイスの言うとおりだ。ヴァイスには最短、最速でレリックを運んでもらわなければならない。お前が撃てる位置に移動してもらっていたら、ヘリを落とされてレリックを奪われる可能性が高くなる」
『そ、それならキャロとフリードに……』
「キャロ。フリードとの空戦経験は?」
『ありません。完全制御も今日が初めてです』
キャロが俯いて答える。
「経験のないキャロとフリードではガジェットU型の相手は無理がある。お前のみならず、キャロもフリードも落とされる。早くヘリに乗れ」
『……』
『ティア』
『わかり……ました』
唇を噛むように苦々しく答えるティアナの背中に、スバルが促すように触れる。
『刹那さん』
『気をつけてください』
「……わかっている」
エリオとキャロの言葉に肯く。
《まもなく、視認可能距離です》
エクシアの言葉に前を見据える。
『こっちは、全員乗った。これより、離脱する!』
「頼んだぞ、ヴァイス」
『任せておけ!』
「……ティアナ」
『……はい』
「最悪の場合はヴァイスにハッチを開けてもらい、そこから接近するガジェットを狙え」
『!』
刹那の言葉にティアナが顔を上げて、目を見開く。
「わかったか?」
『はい!』
ティアナの覇気のある返事に満足したのか、刹那は肯く。
「なのはとフェイトはヘリの後方左右に付いて護衛だ。……頼むぞ」
『うん。……刹那君』
「なんだ?」
『無茶しちゃ……ダメだよ?』
「ああ」
珍しく、なのはの顔に翳りが差した。
何かあったのかと思ったが、今は時間がない。
「行くぞ、エクシア」
《了解》
GN粒子を放出させながら、ガジェットの群れに向かう刹那。
それを見送る六課のメンバーの表情は暗かった。
「ほう。たった一人でガジェットの群れに立ち向かうとは……」
白衣を着た男が、大型モニターで刹那の様子見ながら呟く。
『レリックを奪われないためのものでしょう。空戦魔導師が二人、ヘリの護衛についています』
「知略も持ち合わせていると言うべきかな?」
通信モニターに映った女性に意見を求める。
『どうでしょう? 下手をすると自分が落とされます』
「だが、彼は落ちないだろうね。それだけの実力はあると思うよ」
『はい』
「先程より数が多いが密集している。これならば……」
ガジェットの攻撃を回避しながら、ライフルモードを連射し破壊する刹那。
だが、半数ほどが刹那の横を通り過ぎていく。
「ちっ! やはり、数が多いな。早めに破壊したいところだが……」
《TRANS−SMを使いますか?》
「ダメだ。TRANS−AMは使えない」
《何故です?》
「おそらくだが……見られている」
エクシアと会話しながらも、カジェットの攻撃を回避し、接近してくるガジェットを左手に持ったGNビームサーベルで切り裂き、ライフルモードで通り抜けたガジェットを背後から撃ち落とす。
《誰かに見られているのですか? 周囲に生体反応はありませんが?》
「おそらく、ガジェットに細工がされているのだろう。最初の戦闘の時から違和感があった」
《レリックのみならず、私達のデータ収集も目的と?》
「あくまでも、俺の勘だ」
左右にGNビームサーベルを持って、ガジェットに接近する。
「フェイトのように高速機動はできないが……!」
ガジェットの進行を予測し、先回りをしてサーベルを振るって次々に破壊していく。
「素晴らしい。あれだけの数のガジェットを僅か数分で20機も落とすとは」
『ドクターの仰るとおり、実力者のようですね』
「今回の案件は予想以上に素晴らしいものになりそうだ」
大型モニターに映し出された刹那の戦闘を見ながら、男が「くくくっ」と笑う。
「そろそろいいか。エクシア、シールド・リリース」
《了解》
刹那の左腕からGNシールドが消える。
「一気に片付ける!」
ライフルモードで牽制射撃を行い。
ガジェットの動きが鈍ったところに、GNバルカンを連射する。
装甲に無数の穴が空き、爆散するガジェット。
さらに、特攻をかけてくるガジェットにサーベルを投げつけて破壊する。
爆煙で刹那の視界からガジェットの姿が隠れる。
しかし、爆煙の中からいくつもの光弾が飛び出し、的確にガジェットを破壊していく。
煙が晴れた時に、刹那の周囲にガジェットはなかった。
刹那に言われ、ヘリの護衛に付いていたなのはの胸中は穏やかではなかった。
刹那の実力は知っているが、たった一人で73機ものガジェットに立ち向かうのは無茶だ。
しかし、レリックを奪われないためには、この作戦が一番有効かもしれない。
さらに、飛ぶことの出来ないFW4人を守るための作戦でもある。
刹那はレリックとFW4人を守るために、ガジェットの群れに向かったのだ。
「なのは! ガジェットが後方から来る!」
フェイトの声が、思考の海から現実へとなのはを引き戻した。
後方を見ると、ガジェットが十数機。真っ直ぐ、こちらに向かって来るのが見えた。
「レイジングハート」
《ロード・カートリッジ》
レイジングハートが砲撃用のバスター・モードに形を変える。
後ろ向きに飛びながら、レイジングハートを構える。
やや離れた左方向で、フェイトもバルディッシュを構えていた。
フェイトもなのはの方を見て、二人が肯き合う。
「ディバイィィィン・バスタァァァァ!!」
「プラズマ・ランサー……ファイアッ!」
桜色の光がガジェットを呑み込み破壊する。
なのはの砲撃から逃れたガジェットは、金色の光の矢に貫かれ爆散する。
《ガジェット第一波全機撃破。第二波来ます》
レイジングハートの警告に無言で肯く。
今度は20機程が視認出来た。
「なのは。私が前に出る」
「うん。アクセルシューター」
《アクセルシュター》
「シュート!」
32発の光弾がガジェットに襲いかかり、次々に破壊して爆煙が舞う。
煙の中からシューターを回避したガジェットが飛び出してくるが、フェイトがハーケンフォームのバルディッシュで切り裂いていく。
《第二波全機撃破》
「……刹那君は?」
《健在です》
「そう……」
《……第三波来ます》
ガジェットが再び襲いかかってくる。
「さっきより速い。ヘリに特攻するつもり!?」
「させない! バルディッシュ!」
《ハーケンフォーム》
「ハーケン・セイバァァァ!」
フェイトがバルディッシュを薙ぎ払うと、魔力刃が水平に回転しながらガジェットに向かって行き、一文字に切り裂く。
「ショートバスター!」
桜色の砲撃がガジェットを破壊する。
しかし、二人の攻撃から逃れたガジェットが、高速でヘリに向かって行く。
「しまった!」
フェイトが慌てて振り向き追いかけようとした時だった。
ヘリの後部ハッチが開くと、ティアナが片膝をついてクロスミラージュを構えていた。
その左にスバル。
右にはエリオとキャロが立っている。
「みんな!?」
ガジェットがヘリに光線を放つ。
しかし、ティアナ以外の3人が防御魔法を展開し攻撃を完全防ぐ。
まだまだ未熟な3人であっても、同時に防御魔法を展開すればかなり強固なものになる。
ガジェットの攻撃を防ぐことが出来ないわけがない。
3人が防御魔法を解いて、ティアナが冷静に撃つ。
正確にガジェットの中心を撃ち抜き、ガジェットが爆散する。
《全機撃破》
レイジングハートの報告を聞いて、なのはは安堵の溜息を零す。
『俺だ。こっちは片付いた』
「こっちも終わったよ」
『そうか。これより合流する』
「うん」
刹那からの通信を終えて、ヘリの方を見るとフェイトがエリオとキャロの頭を撫でて、スバルとティアナに笑顔を見せていた。
「最後、一機逃しちゃったのは私達の責任だけど、みんなはちゃんと対処してくれた」
《はい》
それに、3人の防御魔法で完全防御という作戦は、きっとティアナのものだね。
私が思っている以上に、みんなは成長しているんだね。
自然と笑みが零れた。
レリックの護送。
ガジェットの残骸回収等の事後処理を終えて、六課の隊舎へ戻った前線メンバーは、ヘリポートで解散となった。
「みんな、今日はお疲れさま。初めての実戦だったけど、いい感じだった思う」
「「ありがとうございます」」
「訓練は明日から再開。この後は、事務関係のお仕事と今日の実戦で感じたことや反省点などをレポートに纏めて提出」
「「はい」」
「それじゃあ、解散」
「「はい!」」
実戦での気持ちの昂ぶりや疲労を考えてか、FW4人の訓練は明日からとなった。
まぁ、当然とも言えるか……。
なのはの解散の言葉を聞き、刹那ははやての元へ向かった。
「お疲れさん」
「ああ」
「それで……どないしたん?」
ソファーに座わるように促されて、腰を下ろす。
「今日は悪かったな」
「へ? 何が?」
「部隊長であるお前の言葉を遮って、勝手に指示を出した」
「あの時の……」
刹那が言っているのは、レリックを確保した後のガジェットからの追撃戦のことだはやては気がつき「ああ」と声を小さく呟いた。
「別に気にしてへんよ。現場第一や」
それに、とはやてが続ける。
「刹那君には独自判断で動ける約束やろ?」
「作戦指揮まではないと思うが?」
「う〜ん」
「他の者への示しがつかなくなるぞ」
「六課は関係者繋がりが多いから、その辺りは気にしなくても平気や」
「いいのか? そんなもんで……」
「ええよ。何かあったら、私の方で動くから」
「……」
「話は終わり。……な?」
「わかった。邪魔をしたな」
「平気や。何かあったらいつでも来てなー」
「ああ」
退出したドアを見つめて、はやては独り呟いた。
「刹那君が思っている以上に六課の皆は刹那君を評価してると思うけど、刹那君は気づいてないやろうなー」
刹那は六課では一番地位が低い人間とも言える。
階級もないし、魔導師ランクも非保有。
それでも、刹那に対する評価は高い。
その証拠が今日のティアナだ。
最初は渋ったものの、最終的には刹那の指示に従い、さらにはヘリとレリックを守った。
「刹那君がそのことに気づく日は来るんやろうか……」
隊長室をあとにした刹那は、真っ先にデバイスルームに向かった。
デバイスルームには誰も居らず、室内の照明スイッチの場所がわかる程度の明るさしかなかった。
照明を点けて、台座にエクシアを置き椅子に座る。
《どうかしましたか?》
「今のままでは戦い抜けない。何か考えないとな」
《TRANS−SMを使用してもですか?》
「それはわからない。だが……」
全力でなかったにしても、今日の戦闘データから相手が対策を講じて来たら……。
それから数日間、デバイスルームに頻繁に足を運ぶ刹那の姿が目撃された。
読了おつかれさまでした。
何ともまあ、グダグダした展開になってしまいました。
戦闘も薄っぺら(汗)
アニメ本編より、オリジナル展開を入れた方がいいかなと思いやってみました。
【ドクター】がちょっと違う人になってしまった気がします。
それでは、また次回に。
説明 | ||
再び魔法少女の世界へ降り立ったガンダムマイスター刹那・F・セイエイ。はやてが部隊長を務める機動六課がついに活動を開始する。魔法少女リリカルなのはA's00〜とある日常〜(仮)の設定を踏まえたクロスオーバー作品です。読みづらい、誤字脱字等の至らないところが多々あると思います。作者の原作知識は、それほど高くありません。また、オリジナル設定が含まれておりますので、原作を大切にされている方はご注意ください。 | ||
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コメント | ||
>量産型第一次強化式骸骨さん。コメントありがとうございます。A'sの最後は予告というか、StSをやった場合の最終をちょっと書いた妄想みたいなものなんです(^^; さて、どうやって改造しましょうか?(ケイ) エクシアR2の改造開始ですか。Asのときの予告では00ライザーになってましたけど、太陽炉1つ足りないんですよね。GNブレイドを作成して、エクシアR2で使えるように改良でもするのだろうか。(量産型第一次強化式骸骨) >紅蓮のアーティストさん。コメントありがとうございます。さてさて、刹那はR2でどこまで頑張れるんでしょうか?(他人事)(ケイ) あくまでリボンズ戦直後の転移だから00ライザーもクアンタもないんですよねぇ。それにおそらく全て終えた後元の世界に帰ることになるでしょうから、エクシアR2でがんばるしかないかw(紅蓮のアーティスト) |
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