IS?インフィニット・ストラトス?黒獅子と駆ける者?
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episode03 失った物

 

 

 

 

そうして時間は経っていった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

(もう中学二年も終わりに差し掛かってきたか・・・)

 

と、隼人はオレンジに染まる空を見上げながら家に帰っていた。

 

あれから隼人は成長し、背丈は頭一つ半分大きくなっており、髪も背中の少し下ぐらい伸びており、なぜか髪の黒味が増していた。

 

(・・・だけど・・・この時期に鈴が国に帰るんだったな・・・。それが今日あった、か)

 

と、隼人はため息をつく。

 

あれから鈴とは少なからず仲は良くなっていたが、そんなときにこの時期になってしまった。

 

「いざとなると、寂しいものだな・・・まぁ、仲はさほどいいってわけじゃないけど」

 

そう考えていると、風が吹き、隼人の髪をなびかせる。

 

「明日の夕方ぐらいに空港にいくって言ったな・・・。せめて見送りぐらいしてやるか」

 

そうして、隼人は家に帰り着いた・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして翌日・・・・

 

 

 

「・・・・・・・」

 

そして鈴は浮かない顔をして、後ろにある店を見る。

 

(こことお別れか・・・・・もう少し・・居たかったよ・・・)

 

 

「鈴音。行くわよ」

 

と、鈴の母親が呼んだ。

 

「わ、分かった・・・」

 

と、母親のほうに行こうとすると・・・・

 

 

 

 

「さすがのお前も・・・暗いな」

 

「・・・・?」

 

鈴は後ろから声を掛けられて振り向くと、そこには隼人がいた。

 

隼人は紺のジーンズに、濃紺と白のスニーカー、黒と緑と黒のチェック柄のシャツを着ており、髪は根元を紐で結んでポニーテールにしていた。

 

「隼人!?・・な、何であんたがここに!?」

 

と、鈴は驚いてからか、顔を赤らめた。

 

「見送りに来たんだろ・・・。それ以外何がある」

 

「・・そ、それは・・・・。・まぁでも、見送りに来たってわけね」

 

「それをさっきから言っているだろ」

 

「そ、そうだったわね・・・」

 

と、どうも鈴は落ち着きがない。

 

 

 

「あら隼人君・・。来てくれたのね」

 

そして鈴の母親が近付いてきた。

 

「えぇ。見送りに来ました」

 

「そうなの・・・。空港まで来るの?」

 

「はい。帰りは普通に歩いて帰れますから」

 

「そうなの・・・。でもよかったわね、鈴音。見送ってくれる友達が居て」

 

「べ、別に来なくてもよかったんだよ・・。まぁでも、来てくれたら嬉しいけどね」

 

と、鈴はツンデレ風に言う・・・。

 

「それじゃぁ空港まで一緒に行きましょう」

 

「そうしましょう」

 

「う、うん」

 

そうして隼人は二人についていく・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・あら・・空港までのバス結構待たないと来ないわね」

 

そして街の中のバス停に着いたものも、バスはしばらく来ないようだ。

 

「もう母さんったら・・・。ちゃんと時間を見たの?」

 

「ごめんね、鈴音。見落としがあったみたい」

 

「・・・もう・・。まぁでも、暇つぶしはできるけどね」

 

と、鈴は後ろにある喫茶店のほうを見る。

 

「はいはい分かったわよ・・。隼人君もどう?」

 

「では、お言葉に甘えて」

 

そして三人は喫茶店に入っていく。

 

 

 

 

「ねぇ母さん。バスってどのくらいで来るの?」

 

「そうわね・・・。大体後三十分ぐらいかしらね」

 

「ながっ!」

 

「そんなにないだろ」

 

「・・まぁ、一時間ほど長くないけど・・・」

 

「・・・・・」

 

「そういえばさ・・・ちょっと気が早いかもしれないけどさ、隼人はどこの高校に行くの?」

 

「本当に早いな・・・。まぁ、今のところは決まってない」

 

「そうなの・・?まぁ、あんたの頭ならどこの高校でも受かるかもね」

 

「かもな」

 

 

 

「ふふふ・・・」

 

と、鈴の母親が微笑む。

 

「どうしたの、母さん?」

 

「なんだか二人とも楽しそうね。特に鈴音は隼人君と話している時が一番楽しそうね」

 

「なっ!?か、からかわないでよ、母さん!」

 

と、鈴は顔を赤らめて言う。

 

「冗談よ」

 

「・・・・・」

 

鈴は「うー」と顔を赤らめて、静かに唸る・・・・

 

 

 

 

 

 

しかし・・・事態は一変した・・・・・

 

 

 

 

 

 

「てめぇら動くんじゃねぇぞ!!」

 

と、四人組の男たちが店の中に入ってきた。

 

その格好はつなぎに目出し帽と、明らかに強盗と言う感じで、手には銃器を持っており、一人の男の肩には万札が詰まったバッグか掛けられていた。

 

どうやら強盗をして、逃亡している最中だったのだろう・・・

 

「げっ!サツが来ましたよアニキ!」

 

と、子分Aが慌てるが・・・

 

 

「心配ねぇよ。こっちには人質がいるんだ。サツも手出しはできねぇだろ」

 

「そ、そうっすね!」

 

「それに、俺たちには高い金を払って手に入れたこいつがありますからね!」

 

と、子分Bが手にしていたショットガンのポンプアクションを引くと、天井に向けて放ち、蛍光灯を破壊した。

 

「きゃぁぁぁぁぁ!!!」

 

「騒ぐんじゃねぇ!大人しくしていろ!」

 

そして親分が手にしていたハンドガンを悲鳴を上げた女性に向けると、女性は青ざめてすくまる。

 

「大人しくしていれば何もしねぇ。だが、妙なまねを起こそうとするな」

 

そして子分Cが肩に掛けていたバッグをテーブルに置き、親分は窓から外の様子を見る。

 

 

 

 

 

 

(厄介なことになったな・・・)

 

そして隼人はイスの陰から強盗の様子を見ていた。

 

強盗は外にいる警察に要求をするために話し合っており、その間にも銃はこちらに向かれている。

 

(リーダー格はハンドガン『デザートイーグル』・・・・子分はショットガン『スパス12』サブマシンガン『ウージーSMG』ハンドガン『ベレッタM92FS』・・古い型の銃器が多いけど・・・脅威であることに変わりは無い・・・。この場をどう切り抜けるか・・)

 

そう考えていると・・・・

 

 

 

 

「ちょっ!?何すんのよ!」

 

すると鈴の悲鳴が上がる。

 

隼人はとっさに振り向くと、子分Bが鈴の腕を掴んでいた。

 

「おい。何している」

 

と、親分が子分Bのほうを向く。

 

「どうせやつらはまだ要求を言ってこねぇから、このお嬢ちゃんと遊ぼうと思ってさ」

 

「・・・勝手にしろ」

 

そして親分は外のほうに目をやる。

 

 

「離しなさいよ!何する気なのよ!」

 

と、鈴は抵抗するが、力負けしている。

 

(無理もない・・・。このときの鈴はまだ代表候補生じゃない・・・・。大の大人に抵抗する力なんてない・・・)

 

と、隼人は高ぶる感情を抑えるのに必死だった。

 

「へへへ・・・おじさんと遊ぼうぜ」

 

と、子分Bは顔を鈴に近づける。

 

「誰がくっさいおっさんと遊ばないといけないのよ、このっ!」

 

と、鈴は子分Bの股間を蹴り上げた。

 

「ぶげっ!?」

 

もちろん子分Bは悶絶し、鈴の腕を掴んでいた手を離し、もがき苦しむ。

 

「こ、このガキ!」

 

そして子分Bは手にしていたハンドガンを鈴に向けた。

 

 

 

「っ!?」

 

しかしその瞬間、頭の右側から衝撃が走り、子分Bは横に飛ばされる。

 

それはついに感情を抑えきれず、隼人が飛び出し、子分Bの頭に回し蹴りを入れた。

 

「てめぇ!何してやがる!」

 

そして子分Aがショットガンを構えると、トリガーを引く。

 

隼人はとっさに足元にあった金属トレーの縁を踏んで上に上げると、それを持って弾丸を弾く。

 

「早く逃げろ!」

 

「う、うん・・」

 

鈴はとっさに倒れているテーブルの後ろに入り込むと、それを確認して隼人は飛び出して、強盗が放ってくる弾丸をかわしていく。

 

「な、何だこのガキ!?」

 

「ちょこまかと!」

 

と、強盗はどんどん銃器を放っていくが、隼人は他の客に被害が出ないように弾丸をかわしていき、それに乗じてテーブルを倒していき、壁を作っていく。

 

「くらえっ!」

 

そして隼人は勢いよくトレーを放り投げて、トレーは子分Aの顔面に直撃し、子分Aはそのまま後ろに倒れる。

 

「ふざけやがって!たかがガキ一人に!」

 

そして親分は連続でハンドガンを放っていくが、その直後に鈍い音がする。

 

「なにっ!?」

 

「弾切れには注意しろよ!」

 

親分が驚いているうちに、隼人はその場から大きく跳び出し、親分の頭に回し蹴りを入れた。

 

「――――」

 

親分は声を上げることなく、気を失った。

 

「こいつ!よくもアニキを!」

 

そして最後に残った子分Cがサブマシンガンを放ってきた。

 

「くっ!」

 

隼人はとっさにかわしていくが、放たれた一発の弾丸が束ねていた髪の根元を結んでいた紐をかすれ、紐はそのまま千切れて隼人のロングヘアーが広がる。

 

「く、くそっ!」

 

そして子分Cはとっさにテーブルを蹴り飛ばすと、そこに隠れていた鈴を掴み上げた。

 

「っ!?」

 

「う、動くな!こいつの命がどうなってもいいのか!」

 

と、子分Cは鈴の頭にサブマシンガンの銃口を突き付けた。

 

「は、隼人・・・」

 

「・・卑怯な」

 

隼人は身動きが取れなかった。

 

「う、動くなよ・・・動けばこいつの頭に風穴が開くぜ」

 

そして子分Cはじりじりと横に動いていく、店の裏口に向かおうとしていた。

 

 

 

「・・・・・」

 

隼人はただそれを見ているしかできなかった・・・

 

(鈴・・・・・・ん?)

 

すると、ちょうど子分Cが裏口に繋がる通路のところに付いた時、その後ろに鈴の母親が居た。手にはトレーが握られており、振り下ろせるようにスタンバイしていた。

 

(おばさん・・・)

 

すると鈴の母親はゆっくりとうなずく。

 

 

 

「あぁもう!離せっての!!」

 

そして鈴が暴れだし、そのまま子分Cの手に噛み付いた。

 

「ぐわぁぁぁぁぁ!!!このクゾガキ!!」

 

そして子分Cは思い切って鈴の頭をサブマシンガンのグリップで殴りつけた。

 

「っ・・・」

 

それによって鈴は気を失った。

 

「鈴!」

 

そしてそれを合図に、鈴の母親がトレーを勢いよく振り下ろして子分Cの頭を殴りつけた。

 

「ぐはっ!?」

 

その直後に隼人は床に落ちていたカップを拾い上げて、それを勢いよく放り投げ、子分Cの額にぶつけた。

 

「ぐえっ!?」

 

そして子分Cは気を失い、そのまま後ろに倒れて、前に倒れそうになる鈴を隼人はとっさに受け止めた。

 

「・・・気を失ったか・・。でも、命に別状は無いな・・」

 

そして隼人はホッと安堵の息を吐く。

 

 

 

「た、助かったの・・・私たち・・」

 

「そ、そうみたい・・・」

 

「あ、あの子が・・・やっつけたの・・?」

 

「し、信じられない・・・けど、助かった・・」

 

そうして客は安心して、床に崩れ落ちる。

 

「・・・ありがとうね・・・隼人君・・。おかげで鈴音が助かったわ」

そして鈴の母親が隼人にお礼を言う。

 

「礼には及びませんよ」

 

「・・それにしても・・・凄かったわ・・・。強盗を一人でやっつけるなんて」

 

「自分でもなんだか信じられませんね・・。がむしゃらに動いてたから・・」

 

「そう・・・・でも、無理をしないでね」

 

「分かっていますよ」

 

「・・・・・」

 

と、鈴の母親は安心した表情を浮かべる・・・・・・

 

 

 

 

 

だが・・・その直後だった・・・・・・

 

 

 

 

「っ!?隼人君!後ろ!」

 

「っ!」

 

隼人はとっさに後ろを向くと、最初に気を失ったはずの子分Bがハンドガンをこちらに向けていた。

 

「くっ!」

 

隼人はとっさに鈴を母親のほうに放り投げたが、その直後ハンドガン弾丸が放たれ・・・・弾丸は隼人に左目に直撃した。

 

「っ!?」

 

左目から気を失いそうな痛みが走り、左目から血が吹き出して隼人はそのまま膝を床に付くが、その直後に傍にあったカップを勢いよく放り投げて子分Bの額にぶつけた。

 

子分Bは今度こそ気を失ったが、その反動で更にトリガーが引かれて、弾丸が放たれ、隼人の左横バラを撃ち抜いた。

 

「ぐはっ!?」

 

そして隼人は衝撃で床に倒れた。

 

「ぐっ・・・うぅ・・・!」

 

隼人は痛みに苦しみ、血が大量に出ている左目を手で押さえる。

 

「隼人君!」

 

と、鈴の母親が隼人に近寄る。

 

「ひどい・・・左目が・・」

 

「救急車を早く呼ぶんだ!」

 

「他は強盗を押さえるぞ!」

 

と、周りにいた客は慌てていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・う・・・ぐ・・ぅ・・」

 

そしてしばらくして警察と救急車が到着し、強盗は御用となったが、隼人は救急車に搬送されていた。

 

出血がひどく、輸血をされていた。

 

「隼人君」

 

「・・お、おばさん・・・」

 

「もう少し早く気付いていたら・・・こんなことには」

 

「気にしないで下さい・・・。俺の・・・ミスです」

 

「・・・・・・」

 

「・・・おばさんはこのまま鈴と一緒に国に帰ってください・・・鈴には・・俺に起きたことは・・・・言わないでください・・・」

 

「・・どうして?」

 

「・・・鈴のせいで・・俺がこうなったことを知ったら・・・あいつは・・・ひどく落ち込む・・・・」

 

「・・・・・」

 

「・・・・黙っているほうがひどいと言うことは分かっています・・・・。でも、そのほうが・・あいつのためなんです・・・」

 

「・・・分かった」

 

「・・・・うっ!」

 

すると隼人は苦しみだした。

 

「まずい!出血が多すぎる!」

 

「早く搬送しろ!」

 

そして救急隊員が急いで救急車に搬送し、扉が閉まって、救急車は病院へと向かって行った・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!
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ガンダム インフィニット・ストラトス IS バンシィ 

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