武装神姫 生まれ来るわたしへ 6
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 「まず、様子を見てみませんか、オーナー」3m四方ほどの筐体の周りでは人間たちが、筐体の脇に設置された待機所では神姫たちが、筐体の上に立体投影された戦闘の様子を見ている。

 「そうだな」

 手近の筐体に近づくと、ガトリング砲を両手で高々と上げるゼルノグラード型が映し出されていた。頭上にはWINNERの文字が躍っている。その後ろにはマオチャオ型が大の字になって倒れていた。丁度、対戦が終了したようだった。しばらく待てば次の対戦が始まるだろう。一部始終を見るにはここで待つのが一番早そうだった。

 「どこも結構待ちそうだな。 対戦するとしたらどれくらい待つのか受付で聞いてくるか」オーナーは他の筐体の様子も見ていたようだった。

 「ここで次の対戦を見たいので、始まるのを待ちたいのですが」

 「そうか。じゃ、ここで待っていてくれるか」

 「了解しました。では、待機所へ降ろしていただけますか」オーナーは周りの人たちを避けて筐体に近づくと、わたしを胸ポケットから取り出した。待機所には神姫がひしめいていたが、隙間を見つけると、そっとわたしを下ろした。

 「じゃ、ちょっと行ってくる」そう言い残して受付へと歩いていった。

 対戦結果の表示が終わり、筐体の上では、武装神姫とバトルロンドのロゴがくるくると踊っている。待機所は賑やかだった。待機所の神姫達はおしゃべりしたり、じゃれあったりしながら次の対戦が始まるのを待っていた。全ての型が揃っているわけではないが、こうして様ざまな型の神姫が一堂に会したさまは壮観だった。わたしは他の神姫を見たことは無かった。それがいま、こうして視界を埋め尽くすかと思えるほどいるのだ。

 この光景を眺めていると、居心地の悪さを感じた。何故だろうかと考えていると、後ろから声がした。

 「へェ、兎型たァ珍しいな。お目にかかるのは久し振りだぜ」

 振り返ると、薄い藍色のボブカットと、ブルーグリーンのボディースーツ様のペイントの神姫がいた。建機型神姫のようだった。

 「ここへ来たのは初めてなのですが、わたしの同型は少ないのですか」建機型神姫の言うとおり、神姫センターに来てから兎型神姫を目にしていなかった。居心地の悪さはそのせいかもしれない。

 「前はちょこちょこと見かけたけどな、最近はすっかり見かけなくなったぜ。まァ、どんどん新型が出てくるからな、しょうがないさ。アタイも、今じゃ同型と合うことは殆んど無いしな。」そう言うと朗らかに笑った。

 

説明
気温の変化にやられて熱を出してしまいました。皆様も御注意ください。今回、やっと他の神姫が出てきます。これから、話が進むと良いなぁ
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