IS レジェンドウォーズ 2話
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1年1組

高校初日のHR前。

今、更識一夏はとても疲れていた。

クラスの約半分の視線が彼に注がれているからである。

(これは、覚悟していたよりもきつい。)

くわえて、その視線がすべて女子から発せられるもであるのも彼の精神的疲労を大きくしていた。

そう、このクラスに男は一夏を含めて二人しかいないためである。

(せめて簪がいてくれたら)

家族であり、思い人である簪は1年4組。簪の従者であり同じく幼馴染である布仏本音もこのクラスにいるが、席が離れておりあまり頼りにならない。(ちなみに一夏が一番前の列の一番廊下側で本音は一番後ろの真ん中あたりの席である。)

同じ苗字である簪なら自分の近くにいてくれると思っているのだが、よくよく考えてみると今の席に規則性がまるで見つからないので、あまり瓦の可能性もある。それでも、思い人がいるだけでかなり変わってくるのだろう。

一夏がそんなことを考えていると教室のドアが開いて

「みなさん揃ってますね。それではHRを始めます。」

入ってきた先生がそう言った。

 

Side一夏

入ってきた先生の第一印象は、なんとゆうかどこか抜けているという、本人の前では絶対に言えないものだった。

「みなさんこんにちは。IS学園ご入学おめでとうございます。わたしはこの1年1組の副担任の山田 真耶です。」

・・・・・しーーん・・・

入ってきた先生、山田先生が挨拶をするが皆は無反応だ。あ、山田先生少し困ってる。

「え〜と、・・・ここ『IS学園』はIS操縦者育成の教育機関です。全寮制ですので3年間仲良くしていきましょうね。」

・・・しーーん・・・

誰か反応してあげて!山田先生少し涙目だよ!

「そ、それでは自己紹介を始めます。」

・・・自己紹介中・・・

「次に、織斑 秋人君。」

「・・・・」

「織斑 秋人君。織斑 秋人君っ!」

「あっ、は、はい!」

ようやく反応したな。多分この視線で緊張していたのか、別のことを考えていたのか。まあ、それでも先生に呼ばれたらすぐに返事しようぜ。

「織斑 秋人です。趣味はISの武装を考えたり、運動をしたりすることです。よろしくお願いします。」

みんなの視線は、もっと何か言ってと訴えかけているな。さあどうする。

「以上です!」

周りの女子はほとんどずっこけた。唯一、ずっこけなかったのは寝ている本音だ。ていうか自己紹介の時に寝るなよ、簪の専属メイド!

「え、だめでしたか?」

ごん!!

「いっつ〜〜〜!?!?!!」

まるで鈍器のような音が響き、織斑が悶えた。

その背後には、主席簿を持ったスーツの女性がいた。っていうかあれ出席簿の音かよ!

「げぇっ!呂布?!」

がごん!

「〜〜っあ〜〜!!??!」

また音がなった。さっきより強いな。

「誰が三国志最強の武将だ?馬鹿者。」

「あ、織斑先生。会議は終わられたのですか?」

「ああ、すまない山田先生。挨拶を押し付けて。」

「いっ、いえ。副担任ですから。」

「諸君、私が織斑千冬だ。私のいうことはよく聞き、理解しろ。いいな。返事ははいのみだ。」

なんとゆう暴力宣言、いや命令。こんなの絶対はn『きゃあああーー!!』え?

「千冬様、本物の千冬様よ!」

「わたしお姉さまにあこがれてきました!北九州から!」

知らんよ

「わたしお姉さまのためなら死ねます。」

命は大切にしろ!

「毎年よくこれだけの、馬鹿者が入ってくるな。私のクラスにだけいれているのか?」

「きゃあああっ!お姉さま!もっと叱って!罵って!」

「そして付け上がらないように躾して!」

末期だな。

「で、お前はあいさつもろくにできんのか?」

「いや姉さん、最低限はやったよ。」

ごん!

「織斑先生と呼べ。」

「はい。織斑先生。」

「えっ、織斑君って千冬様の弟?」

「じゃあ世界で、二人だけISが使えるっていうのもそれが関係して?」

「いいなぁ〜」

今の会話でわかるとおり、この二人、織斑千冬と織斑秋人は姉弟である。

「まあいい。自己紹介を続けろ。」

そうして自己紹介が再開され、俺の番になった。

「次、更識 一夏君」

「はい」

そしてみんなの視線が俺に集まった。その視線の中には困惑しているようなものが多々含まれていた。

何せ俺の顔が織斑と瓜二つだからだ(・・・・・・・・・・)。

「更識 一夏です。二人目の男性IS操縦者ということで入学しました。趣味は機械いじりやDVD鑑賞です。男子ということでいろいろ迷惑をかけると思いますがよろしくお願いします。」

「あと、俺は4年ほど前に記憶喪失になってしまいました。なので、もしこの中にそれ以前の知り合いの方がいましたら、俺は覚えていませんので気おつけてください。」

 

Sido秋人

自己紹介が終わった後、俺たちに向けられる視線に悩んでいると幼馴染の篠ノ之 箒に呼ばれて廊下に出た。そこで、あっていんかった六年間のこと、箒が剣道の全国大会で優勝したことなどをはなした。そして、箒が兄さんのことを聞いてきた。

「いったいなにがあったのだ?一夏が記憶喪失になり、違う苗字になっているなど?」

「何があったのかはわからない。でも、原因ははっきりしている。」

「それはなんだ?」

「僕と姉さんのせいだ。」

「なっ!?」

「箒は知っているでしょ。僕は小さいころから天才と呼ばれるほど頭がよかったし、スポーツ万能だった。そして姉さんは世界最強のIS操縦者だ。」

僕の姉、織斑 千冬はIS操縦者の世界大会、第一回モンドグロッソの日本代表で優勝者だ。

「でも兄さんには特に目立ったところがなかった。だから兄さんはいつもつらい目に合っていた。何かやるたびに僕や姉さんと比べられ、できても、僕と姉さんの姉弟だから出来て当たり前、むしろなぜもっとできないって言われ続けていたらしい。」

「・・・」

箒がだまる。

「記憶喪失になった後兄さんは1年ぐらい行方不明になっていてね。帰ってきたときにさ、姉さんと僕はこういわれたんだ。<いっしょにいたくない>ってね。」

「!!」

キーンコーンカーンコーン

「戻ろうか?箒。あ、あとこの話は」

「心配するな。無闇に言うつもりはない。」

「ありがとう。」

 

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