超次元ゲイム ネプテューヌmk2 snow wind -episode14-
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目を覚ますと、視界に飛び込んで来たのは知らない天井。

あれ、わたしは…確かネプギアさん達と、ダンジョンに行って…

…それ、から……ダメだ、そこから先が何も思い出せない。

 

「目が覚めましたか、フウちゃん」

「あ、アリス…痛っ!」

 

アリスの声がして起き上がろうとするけど、全身を走る痛みでそれは中断される。

え…なんで? どうなってるの?

 

「あぁ、動かないでください。今フウちゃんは大怪我を負った怪我人なんですから」

「お、大怪我って…」

 

アリスの言葉を聞いてふと自分の身体を見てみると、本当に大怪我したらしく身体の所々に包帯が巻かれていた。

…若干包帯がキツ過ぎるきがしないでもないんだけど、巻いたの誰よ。

 

「…えっと、どうしてこんなことに…?」

「それを今から説明しますよ」

 

身体の変化に戸惑っていると、それについてアリスが説明してくれるらしい。

とりあえず、それを黙って聞くことにする。

 

 

 

――説明中――

 

 

 

「…そう、なんだ」

「です。なかなか大変でしたよー、レーレさんたら一人で飛び出すわ犠牲になるわで…」

 

長々と語り始めるアリスを余所に、わたしは今回の事について考える。

…今までもレーレが出てくることはあった。けど…

レーレが表に出ているときの記憶は、わたしは知らない。

前にわたしとレーレの事を知ってる人に聞いたときは、レーレはわたしの体験してる出来事も記憶として持ってるみたい、らしいけど…なんで、わたしは覚えてないんだろう。

 

「ちょっとフウちゃん、聞いてます…って、そうだ、フウちゃんが目を覚ましたら知らせないといけないのを忘れてました」

「知らせる?」

「はい。まだ痛みは残ってるようですけど、まったく動けないらしかった昨日よりはかなり回復してるんですよ? フウちゃんは。それもあの二人とコンパさんが回復魔法やら適切な処置を施してくれたおかげです」

「そうなんだ…なら、ちゃんとお礼を言わないとね」

 

あの二人というのは恐らくラムとロムの二人の事だろう、あの二人って回復魔法使えたんだ。

ともかく…お礼、言わないと。

 

「そうですね。じゃ、呼んできますねー」

 

そういってアリスは部屋から出ていく。

……………

 

「…何して、待ってようかな…」

 

ボーッとしながらそんなことを考える。

休みたいときはやりたいこととかすぐ思い付くのに、実際風邪とかで休むことになると何するか思い付かなくなるのって、あるよね。

いや、わたしは休みたいとか思ったことはそんなにないんだけどさ。

なんて暇をもて余していると、部屋の外からドドドドッと廊下を走るような音が聞こえてきて、バンッと扉が開かれる。

 

「フウちゃんっ!!」

 

それと同時にわたしの名を叫びながら、桃色の何かがわたし目掛けて飛び付いてきた。

…って、飛び付くって…

 

「っ、痛! いだだだだだっ!!?」

 

完治していない身体にそんなことされれば、当然そうなるわけで。

って、そんな事言ってる場合じゃなく痛い痛い痛い痛い!

 

「ら、ラムちゃん…フウちゃん怪我してるんだから、そんなことしちゃダメ…」

「あ、ご、ごめんフウちゃん!」

「……だ、大丈夫……」

 

実際全然大丈夫じゃないくらいに痛いけど。

 

「その様子だと大分良くなったようね」

「…今ので悪化した感がなきにしもあらずですけどね…」

 

二人に続いて入ってきたアイエフさんの言葉に、涙目になりながら答える。

 

「でも、あと数日は安静にしてなきゃダメですよ。良くなったとはいえまだ治りきった訳じゃないですから」

「はい、わかってます」

 

こんな身体で無茶をしろというのは無理な話だ。

最も、緊急事態とかになれば話は別だけど。

 

「ですが、本当によかったです。コンパさん、本当にありがとうございます」

「むっ! ミナちゃん、わたし達だって頑張ったよ!」

「…(こくこく)」

「ふふ、そうね。二人もよく頑張りました」

「えっへへ〜♪」

「…♪」

 

ミナさんに褒められながら撫でられ、嬉しそうな顔をする二人。

…今ラムちゃんに酷い目に遭わされた事は心にしまっておこう。

 

「あの、それで…お願いしたいことがあるんですけど…」

 

そんな彼女達に、ネプギアがそんなことを言い出す。

お願い、ねぇ。

 

「…なぁに? ネプギアちゃん」

「えっとね…ラムちゃん、ロムちゃん。よかったらお姉ちゃん達を助けるために力を貸してくれないかな?」

 

ネプギアのお願いというのは、姉――女神様を助けるために二人にも協力してほしい、というものだった。

まぁ、魔法が使える存在というのは戦力的にも重宝するだろうし、その上候補生とはいえ女神だ。協力してほしいと思う気持ちは分からないでもない。

ただ、二人の性格的に承諾するかな…ロムちゃんは良いと言うかもだけど、ラムちゃんが嫌だと言ったらそれに流されちゃいそうだし。

 

「あの…申し訳ありませんが、お二人も女神とはいえまだ幼い身…二人の保護者として、簡単に同意することは…」

「別に、一緒に行ってやってもいいわよ」

 

ラムちゃんの発した言葉に、その場にいる全員が「え?」と驚きの声をあげる。

まさか、ラムちゃんから行くって言うなんて。

 

「でも、条件があるわ」

「そ、その条件って…?」

「それは…フウちゃんも一緒じゃなきゃダメってことよ!」

 

ビシィッとわたしを指差しながら告げるラムちゃん。

え、わたし?

 

「…本気なの? あなた一人で決めたことじゃ…」

「ロムちゃんとも話した。わたし達だっていつまでも子供じゃないんだから!」

「ロム様も…それで…?」

「…(こくり)」

 

ミナさんの問いかけに、ロムちゃんも頷いて肯定する。

 

「それじゃ…協力してくれるんだね!」

「でも今すぐに、というわけではなさそうね。条件のその子がこんな状態だし」

 

アイエフさんが言ってるのはわたしの事だろう。

着いていくだけだとしても、今はまだ無理そうなんだよね…

 

「えっと、皆さんはプラネテューヌ、ラステイションときてここルウィーに来たんだよね? なら次向かうのはリーンボックス?」

「はいです。後はリーンボックスのゲイムキャラさんだけですから」

「…それなら、後からリーンボックスで合流、とかならいいんじゃないかな。徒歩の旅ならネプギアさん達がつく頃にはもう治ってると思いますし」

 

追いかけるときは女神化とボード使えばきっと追い付けるしね。

 

「うーん、それしかないかー」

「そうだね。それじゃ、そうしてくれるかな?」

「…うん。フウちゃんが元気になったら、追いかけるね…?」

「今後の方針は決まったですの? だったられっつごーですの」

「なんでアンタが仕切ってんのよ…」

 

ということで、わたし達は後から追うこととなってネプギアさん達は教会から去っていった。

そういえばがすと、いつの間にかネプギアさん達のパーティーに…?

後でアリスに聞いた話だと、良い素材やアイテムが手にはいるかもという理由でネプギアさん達に着いていく事にしたらしい。

 

「じゃあフウちゃん、ゲームして遊ぼ! それくらいなら大丈夫でしょ?」

「あ、うん。そのくらいなら…」

「やった…♪」

「私も混ぜてくださいよー」

「…まぁ、ゲームくらいなら大丈夫よね」

 

ネプギアさん達が去った後、わたしはラムちゃん・ロムちゃん・アリスの三人でゲームをして一日を過ごした。

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数日後。

怪我の具合も大分よくなり、ベッドで寝たきりの退屈な生活は終わりを告げていた。

まぁ毎日ラムちゃん達が遊びに来るから退屈じゃなかったんだけどね。

で、今はやることもないのでなんとなく教会にやってきていた。

…別に、二人に会いに来てる訳じゃないけど、することがないとなんかここに来てしまう。相当暇なんだろう、私も。

そんな平和な夕方のルウィー。

このまま平和なままで終わってほしかったんだけど、どうやらそうも行かないみたい。

 

「ラム様〜、ロム様〜」

「? ミナさん、どうかしたんですか?」

 

毎度毎度付きまとってくる二人がいなくて、やることもなくなんとなく教会内を漂っていたら二人を探してる様子のミナさんと遭遇する。

ちなみにアリスもどっか行った。アイツはそんな感じの性格だからいなくなってもあまり気にはならないけど

 

「あぁフウ様。あの、どこかで二人を見かけませんでしたか?」

「二人って、ラムちゃんとロムちゃんですか? いえ、見ませんでしたけど…いないんですか?」

「はい…暫く前から姿か見えないんです…どこかに出かけただけならいいんですが、いつも外出する時には声を掛けるように言ってるので…」

「…急にいなくなって、不審に思った。ってことですか」

 

ふーむ…無断で外出、かぁ…

…………

 

「……そういえば」

「何か心当たりがあるんですか?!」

「え、えぇっと…今思い出したことなんですけど、昨日二人が…」

 

そしてわたしは、昨日あった事をミナさんに話し始める。

 

 

 

それは昨日の出来事。

 

『…フウちゃん、このお花ってどこにあるか、わかる…?』

『んー?』

 

安静にとはいえじっとしているのは退屈で、ゲームをしてたらロムちゃんが突然そんなことを聞いてきたんです。

 

『花、って…これ?』

『…うん』

 

ただ単にどこに生えてるのかが知りたいのかなー、と思いながら、わたしはその花のある場所を教えたんです。

丁度知ってる花だったので。

 

「そうなんですか…それで、その花とは…?」

「…【氷華】。アイシクルフォレストにしか咲いてない、珍しい花です」

「アイシクルフォレスト…危険区域に指定されてる場所ですか!?」

 

驚くミナさんに、わたしは頷いて答える。

アイシクルフォレストというのはただの森ではなく、そこにしかない氷の木や植物などのある、幻想的な森なのだ。

しかしあまり人の手が行き届いていないエリアだからか、凶暴なモンスターなども多く生息している危険な場所でもある。

わたしも最近になってやっと危険区域にも行くことが許されるランク(ギルドランクのこと。ギルドで仕事をこなしてランクを上げていくことで、危険な場所へ行ける許可が降りる)になったばかりだ。

もちろん、行けるようになった何人もの冒険者がそこに向かって、大怪我を負って帰ってきたり行方不明になったりもしている。

それだけ危険なエリアということだ。

 

「では、お二人は…」

「…もしかしたら、そこに行ったのかも…。多分あの二人は危険区域だってことを知らないと思いますし…」

「あぁ…どうしましょう…!」

 

いつも落ち着いた感じのミナさんが、珍しく取り乱している。

確かに今女神である二人がいなくなってしまったらルウィーを守護する存在がいなくなることになり、瞬く間に犯罪組織、または他国に占領されてしまうだろうし。

それ以前にミナさんは二人の保護者だ。二人には危険な目に遭ってほしくないんだろう。

 

「…わたし、探しに行ってきます」

 

気がつくと、わたしはミナさんにそう言っていた。

 

「い、いけません! フウ様はまだ前日の傷が…」

「このくらい、もう治ったのと同じです。それに、こうなったのは少なくともわたしにも責任がありますから」

 

言って、身体を反転させて教会の出口に向かう。

装備は…いつもの杖と銃は家に置きっぱなので普段から持つようにしたエメラルドスノウとかいう名前の銃を持っていく。

え? いつもの杖も銃も小さいんだから常に持ってろ?

…………

……この銃はいつだったか、クエストの報酬で貰った物で、デリンジャーという種類の銃だそうだ。

いつも使っているホワイトファング(いつものデザートイーグルの名称)よりも反動も少なく、多彩な弾丸を使うことがてきて、何より持ち運びに大変便利なのだ。

ホワイトファングは反動で怪我した部分が痛むかもしれないので、今回はこっちをメインに使っていこう。

特殊弾も…うん、ちゃんとある。

 

「…よし、行こう」

 

小さく呟いて、わたしはエアボードを取り出してアイシクルフォレストへと向けて空へと飛び立った。

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~Neppedia~

―武器―

○ホワイトファング(銃)

フウの持つ形見のデザートイーグルの名称。装弾数は9発。

白銀の銃で、通常のデザートイーグルよりも少し反動が抑え気味。

その分威力もオリジナルより下がるが、多少連射力が向上している。

使用可能弾丸は通常弾・徹甲弾の二種類。

 

○エメラルドスノウ(銃)

少し前にクエストの報酬で貰ったデリンジャーの名称。遠く離れた大陸で作られたものらしい。装弾数は2発。

ポケットサイズで白銀のボディ、所々に翠色の模様がある。

デザートイーグルに比べ攻撃力は低いが、低反動で多彩な弾丸を使用することができるが、装弾数が少ない為連射には向かない。

連射が不得意な分、使用可能弾丸は通常弾・クラスター弾・属性弾等多く、この他にも多彩な弾丸を使用できる。

 

―その他補足―

○アイシクルフォレスト(ダンジョン)

都市ルウィーから北の孤島に存在する森林地帯。

年中雪に覆われた森で、出現モンスターや採取できるアイテムにも氷とか雪とかそんな感じの物が多い。

レベルの高いモンスターの巣食うアイシクルホールが付近にあるが、こちらのモンスターはそこまで凶暴でもない。

が、ルウィー国際展示場や世界中の迷宮に比べると敵のレベルが大分跳ね上がる為、ギルドでは危険区域に指定されている。

 

○氷華(アイテム)

アイシクルフォレストにしか咲かないと云われる、氷の花。

雪の結晶の様な形の花で、その氷は永遠に溶ける事は無いと言われている。

群生地が危険区域なのであまり出回ることの無い花だが、この花の溶けない氷でお揃いのアクセサリなどを作って身に着けていると、より一層絆が深まるだとかそんなジンクスがある。

氷の花なので投げて当たると痛い、決して人には投げないように。

説明
キラーマシン騒動も終了し、さぁリーンボックスへ……向かう前に、ちょっとオリイベントです。
ちなみにフウのプロフィールを少し書き直したりもしてます。

しかしネプテューヌV、ロリコン人形の次はそう来たか…
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コメント
ロージュ&ミヤウエ様>アリス「おっと、ミヤウエ様のコメントで氷華の忘れてた一文を思い出しました。追記しておきますので再確認しといてくださいー」 フウ「…こういう書いてる途中で思いつく設定、ちゃんとメモっとかないといざ投稿する時に忘れるんだよね…」(風音ツバキ)
フウちゃんのためだとしたってあの二人はなぜそんな硬くて痛いものを取りにわざわざそんな危険区域に?「どうでもいいじゃねえか!ダチのために必死になってくれてんだ。見守ろうぜ」ネプギア「そうですね。みんな弱いわけじゃないですしね」(柏中ロージュ&ミヤウエ)
クロ様>フウ「ひとの わざを とったら どろぼう !」 ヴァイス「…ラーニングって言う技があってだね…」 フウ「…そうだ、見られない速さなら…!」 ヴァイス「発動時点で先読みされるだろうから無理」 フウ「うぅぅ〜…」 ヴァイス「…でも、あまり小さい子を泣かせるような事してると酷い目に遭うよ。…ね? ゼロさん」(風音ツバキ)
ゼロ「ちょっとその森に行って観光してくる」クロ「嘘つけ。どうせお前のことだから闘っているところをコピー(技)しに行くんだろ」ゼロ「人聞き悪いな。俺はただ『学び』に行くんだよ」クロ「どうやって?」ゼロ「俺は『全次元を--』」クロ「やめーい!そこからネタバレの粋だ!!」(クロ)
リアおぜ様>フウ「わたしだって重火器使ってみたいよ!でも高くて買えないんだから仕方ないでしょ!」 ヴァイス「どうどう。確かに血の映える森。赤い色をした場所があったら、冒険者の亡骸が見つかる」 フウ「…いいもん、特殊弾に爆発弾あるからいいもん…」 ヴァイス「…落ち込みだした」(風音ツバキ)
アーク「悠久の白に雪月花。煌びやかに染めるは真紅の薔薇。咲き誇れ、血桜吹雪。」ルシファー「そんな白いところだと血が映えそうだ、っつってる。」がすと「全然違うですの。通訳乙ですの」フロム「だからハンドガンよりグレネードライフルだろ!」がすと「おめーも黙ってろですの。感想ができないですの。」(リアルではおぜうタイプ@復帰)
クリケット様>フウ「時間軸的にレベル差が…」 ヴァイス「逃げないと危険ね?」 フウ「んー。ま、日光の下じゃ弱くなる根暗そうな人達ならレベル差あっても平気かな。ほら、言うでしょ? 当たらなければどうという事は無いって」 ヴァイス「…戦う気の無い貴女の回避率はほぼ100%だものね」(風音ツバキ)
氷室「ちょっとその森に行ってあの3人殺してくる。」 やめなさい! たまには静かにしてられないのかよ! エスター「ちょっくらその森に行ってその3人をピ―――してピ―――した後ピ――――してくるわ。」 とりあえず3人ともUターンして全力で逃げてー!!!(クリケット)
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