仮面ライダークロス 第ニ十六話 来訪のD&E/ライダー頂上決戦
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「お前…イーヴィルの…」

「貴様はディロードの…」

異世界にて再会した砕谷廻と、無限ゼロ。

「えっ…何これ?」

「どういう状況?」

流姫と信彦も驚いている。リインフォースも黙ってはいるが、目を見開いて、驚愕を示す。ただ、了だけは楽しむように眺めていた。

やがて、廻はゼロに言う。

「お互い名乗るのは初めてだな。俺は砕谷廻。お前は?」

「無限ゼロだ。ゼロでいい」

それに触発される形で、他の者も名乗っていく。

「アタシは彩条流姫よ。」

「僕は秋月信彦。」

「坂木了だ。」

「私はリインフォース。」

ゼロは廻に尋ねた。

「それで、砕谷。なぜ貴様がここにいるのだ?」

「いつも通りだよ。旅をしてたらたどり着いた。お前こそどうしてここにいるんだ?」

「私はこの世界のライダー、クロスを倒しに来た。」

「何?この世界のライダーを?」

「ああ。クロスを倒さなければ私の世界が滅ぶと聞かされてな…あの鳴滝という男から」

「…は?」

聞き捨てならない言葉を聞いた廻は、さらに尋ねる。

「今お前、鳴滝って言ったか?」

「ああ。帽子に外套を纏った男でな、その鳴滝に…どうした?」

廻は頭を抱えるようなポーズをしていた。そして、廻は言う。

「ゼロ、お前に一つ教えてやる。」

「?ああ。」

「お前は騙されたんだ。」

 

スコン、そんな音が聞こえた。

 

「私が、騙されただと?」

「そうだよ。どういうわけかは知らねぇが、鳴滝はこの世界のライダーを倒すためにお前を利用してるんだ。」

「…」

ゼロは黙った。しかし、

「フフフフ…」

突如として笑い出す。それはもう、地の底から響くような声で。

「鳴滝め、この私を利用するとはいい度胸だ。次に会った時は死ぬことすら、地獄に落ちることさえも生ぬるいと思えるような恥辱を、汚辱を、屈辱を与えてやるぞ…!!」

笑いながら激しく怒るゼロ。そんな彼の様子を見て、廻、流姫、了の三人は若干引いていた。

信彦がこっそりリインフォースに近付き、これまたこっそり訊く。

「あの人ってドSなの?」

「…そうだ。」

「…大変だね。」

「…もう慣れた。」

しかし、慣れたと言いつつ、リインフォースはため息をついた。とても、大きく。

(…まぁ、一概に騙されたとも言い切れねぇけどな)

廻は考える。確かに、鳴滝が言っていたことが当たっていたことは、何回かあった。マユツバものだが、仮にも鳴滝に危険だと思わせるほどのライダーである。相当の実力者だということは間違いない。

「とりあえず、この世界のライダー、クロスに会うことが先だろ。まずはそれからだ」

「…そうだな。」

ゼロは納得し、廻達と行動することにした。

「だがその前に…」

「やる事ができたみたいよ?」

言ったのは了と流姫。見ると世界の架け橋が現れ、中から怪人達が出てきている。ゼロが尋ねた。

「砕谷。何だこの連中は?」

「時々出てくるんだよ。俺達が次の世界に到着するとな」

「廻、クロスと接触する前に、まずこいつらを始末しよう。」

「そうだな信彦。」

そして、廻はディロードライバーを、流姫はディガイドライバーを、了はディルードライバーを、信彦はムーンライザーを、ゼロとリインフォースはイーヴィルドライバーを、それぞれ使用し、

 

〈〈KAMEN RIDE〉〉

〈MAGICAL!〉

〈LORD!〉

 

「「「「「「変身!」」」」」」

 

〈KAMEN RIDE・DEROAD!〉

〈DI-GUIDE!〉

〈DI-RUDO!〉

〈MAGICAL/LORD!〉

 

廻はディロードに、流姫はディガイドに、了はディルードに、信彦はSHADOW RXに、ゼロはイーヴィルに、それぞれ変身する。

「俺は月の超子!仮面ライダー、SHADOW!RX!」

SHADOW RXの名乗りを皮切りに、激戦が始まった。

 

 

 

 

 

一真は変身を解除し、光輝が戻って来るのを待っていた。ちなみに、今彼はなのは、フェイト、はやて、シグナム、ヴィータの五人と一緒である。

光輝はエンペラ星人を倒した後、ちゃんと通常空間に復帰したのだが、一真とフェイトとは別の場所に復帰しており、その後連絡を受けて、効率を考えて別々に怪人達を倒そうという結論に至った彼らが怪人達の掃討に当たっていたところ、そこでなのは、はやて、シグナム、ヴィータと合流し、現在に至るというわけだった。もう怪人はいないらしい。

そこへ、なぜかダンテとバージルを連れた光輝が来た。

「お待たせ。」

「ダンテ。それにバージルも?」

「一体どうしたんだ?」

シグナムとヴィータが尋ねる。

「いや、ついさっきまであの戦闘狂と殺り合ってたんだが、そこにあの騒動だろ?あいつは興が冷めたとか言って帰っちまってな。」

「そこでちょうど出くわしたのが光輝というわけだ。」

交互に言うダンテとバージル。

「またやってたんだ…」

「二人とも大変やねぇ…」

なのはとはやては苦笑した。

と、フェイトが何かに気付く。

「…ねぇ、何か聞こえない?」

「えっ?」

光輝が耳を澄ます。他の者も二人に習い、フェイトが聞いたという謎の音を聞き取ろうとする。何の音か把握したのは、人間よりも感覚が鋭敏なダンテとバージルだ。

「…こいつは…」

「戦いの音だ。」

「じゃあ、まだ怪人が残っていたのか!?」

驚く一真。

「よし、行く!」

「俺も!」

 

〈CROSS!〉

 

「変身」

「変身!」

 

〈CROSS!〉

〈TURN UP〉

 

光輝と一真はクロスとブレイドに変身し、音の聞こえる方向へと走っていった。

「行くぞダンテ。」

〈SLASH!〉

 

「まぁ、あいつらだけにやらせるわけにもいかねぇか。」

 

〈BLAST!〉

 

「「変身」」

 

〈SLASH/BLAST!〉

 

ダンテとバージルもソウガに変身。二人を追う。

「私達も行くよ!」

なのはに言われて、残った五人も現場に向かった。

 

 

 

 

 

「シャインブレイズ!」

SHADOW RXは双剣シャインブレイズを出し、怪人達を斬る。

 

〈ATTACK RIDE・EXTRA BLAST!〉

 

「ふっ!!」

ディガイドはディガイドエクストラブラストを発動し、怪人達をまとめて狙い撃った。

「結構数がいるな…」

怪人達をディルードライバーで斬っていくディルード。そんな彼の背後から迫っていたボスローチ、

「問題ない。」

の顔面を掴んだイーヴィルは、そのままボスローチを全力で地面に叩きつける。

 

〈ATTACK RIDE・EXTRA SLASH!〉

 

「ハッ!!」

ディロードはディロードエクストラスラッシュを発動し、怪人達を連続で斬った。

そこへ、ようやくクロス、ブレイド、ソウガが到着する。

「まだこんなに残ってたのか!!」

「一気に行くよ、一真!ダンテ!バージル!」

「…一真?」

ディロードはクロスの言葉を聞き逃さなかった。そこへ、ディガイドが駆け寄る。

「ちょっと、何でブレイドがいるの!?」

「それだけじゃない。知らないライダーが二人…たぶんあの十字架みたいなベルトを着けてるやつが、クロスだな。」

「ほう…」

ディロードの出した答えを聞いたイーヴィルは、クロスの背後へと飛び出し、クロスを守るような形で戦う。

「貴様が仮面ライダークロスか。」

「そ、そうですけど…あなたは?」

「話はあとだ。今は連中を片付けるぞ」

「は、はい!」

クロスはイーヴィルに若干怯えながらも、一緒に戦うことにした。そこへ、なのは達も追いついてくる。

「…この世界にもいたようだな。」

『…』

ゼロの言葉に、リインフォースは何も言わなかった。

 

 

 

 

 

「まさかディロードが現れるとは…」

鳴滝はこの光景を見ていた。だが、すぐに持ち直す。

「まぁいい、この際誰でも構わんさ。クロスを倒してくれるのならな」

鳴滝は姿を消した。

 

 

 

 

 

「リインフォース!!」

はやては泣きながらリインフォースに抱きついた。対面した一同は、互いの事情を説明、のちに和解。はやてを含めた魔導師組にとってリインフォースの存在は、かなり大きな衝撃を与えた。なぜなら、本来リインフォースは、かつて起きた闇の書事件で死んだはずなのだから。厳密に言えばこのリインフォースは別世界から来た存在なのだが、それでも彼女がリインフォースであることに変わりはない。そして、リインフォース本人の希望で、こうしてはやてを慰めている。

「私は別世界の存在。こんなことをしても何にもならないかもしれないが…」

「ええよ…例え私の知ってるリインフォースと違っても、私は嬉しいんや…生きていてくれたのが…」

「はやて…」

二人は幸せな時間を過ごす。

 

その間、光輝、一真、廻、流姫、ゼロは、話をしていた。

「そうか…ならお前は、俺達が知ってる剣崎とは、また違う存在なんだな?」

「たぶんそうだと思いますけど…俺はあなた達と会った記憶なんてないし…」

「よかったぁ…てっきりまた、この世界から出ていけなんて言われて、襲われるかと思ったわよ。」

「そんなひどいことしてるんですね、もう一人の俺。」

胸をなで下ろした流姫の言葉に苦笑する一真。光輝はゼロに訊く。

「ところで、あなたは何者なんですか?普通の人間とは違う感じがするんですけど…」

「ほう、気付いたのか。いかにも、私は人間ではない。」

言うが早いか、ゼロは真の姿を見せた。

「私は欲望を食料にする魔界の生物だ。」

ゼロ本来の姿は、一言で表すならば、竜だ。これによりその場の全員がゼロの真の姿を見ることになったのだが、なぜかディロード組以外、あまり驚いていない。光輝の反応も、

「はぁ…」

ぐらいのものだ。

「どうした?あまり驚いていないな?」

光輝が答える。

「この世界は魔界と和平を結んでいまして、こっちに移住してる悪魔の真の姿を何回も見てますから、慣れているんです。もっとも、欲望を食料にする悪魔なんて知りませんけど。」

「…こちらにも魔界があるのか…」

ゼロは、悪魔とはまた違う存在なのだが、この世界にも魔界があることに驚いた。ダンテが言う。

「つーか、これよりウチの学園の校長と教頭の方が遥かに気持ち悪い姿してるからな。」

「ちなみにこれが二人の本来の姿です。」

光輝は二枚の写真を出してゼロに見せた。

「…なるほど…」

ゼロは写真を見て納得し、元の姿に戻る。

「それでどうします?さっきも言ったように、僕はあなたの世界を破壊するつもりはありません。」

「ああ、それはわかった。だが…」

「?」

次の瞬間、ゼロはとんでもないことを口走った。

 

 

「私は貴様と戦ってみたい。」

 

 

 

 

「…………は?」

 

 

 

 

光輝は思わず聞き返してしまう。

「そりゃいいな。この世界のライダーの力、見てやるよ。」

なぜか廻も参加しようとする。

「ちょ、ちょっと廻!?」

「別にいいだろ流姫?殺し合いをするってわけじゃないんだから。」

「そうだけど…」

「いいんじゃないないかな?」

「いつものことだろ?」

信彦と了も言った。流姫は心配そうに光輝を見る。光輝はその視線の意図に気付きつつ、嘆息する。

「はぁ…結局こうなるのか…わかりました。お引き受けします」

「そうこなくてはな。」

「じゃ、早速やるか。」

こうして、光輝は戦うことになった。

 

 

 

 

 

クロスはイーヴィルとディロードを一度に相手にする。

「いいのか?戦力の差がありすぎるだろ。」

ディロードは訊くが、

「大丈夫です。遠慮なく来て下さい」

クロスはそう言った。ちなみに、ただ待つのも暇だろうからという理由で、ブレイド&ソウガvsディガイド&ディルード&SHADOW RXの試合も行う。

「三対二だと不利だから…」

 

〈FUSION JACK〉

 

「俺はジャックフォームで行かせてもらいます。」

「こちらは構わない。」

「それぐらいのハンデはないと、ね。」

「始めようぜ。ブレイドと…」

「「ソウガだ。」」

そして、ついに始まる無限の使徒vs世界の救済者&超絶魔神、運命の切り札&悪魔の仮面ライダーvs世界の先導者&世界の開闢者&月の超子の戦い。

「光輝、頑張って!」

「みんな、ファイト!」

「気張るんやでリインフォース!」

応援するフェイト、なのは、はやて。

「まさか仮面ライダーがこんな形で集うとは…私も仮面ライダーだったら」

「やめとけ死ぬから。」

シグナムが自分がライダーでないことを悔やみ、ヴィータはそんなシグナムに呆れていた。

 

 

 

 

 

先に動いたのはクロスだった。クロスはディロードに向けて拳を繰り出す。ディロードはそれをかわし、クロスに蹴りを放つ。その後からイーヴィルが手刀を振りかざした。クロスは両方の一撃をかわすが、最強ライダー二名の同時攻撃に、徐々に追い詰められていく。

 

〈REQUIEM! ALLEGRO〉

 

クロスはレクイエムサーベルのアレグロを発動し、高速移動に入った。

 

〈SONIC!〉

〈KNIGHT!〉

〈SONIC/KNIGHT!〉

〈ATTACK RIDE・SPEED!〉

 

しかしイーヴィルはソニックナイトにハーフチェンジし、ディロードもディロードスピードを発動。クロスに追いつき、イーヴィルはナイトグレイブで、ディロードはライドセイバーで、クロスを攻撃した。

 

 

 

 

 

ブレイドはジャックフォームに強化変身しているが、ディガイドもディルードもSHADOW RXも強く、ソウガのようにはうまく立ち回れない。

「仕方ない…」

 

〈EVOLUTION KING〉

 

ブレイドはキングフォームに強化変身した。

「キングフォームか!」

思いっきり警戒するSHADOW RX。そんな彼のシャインブレイズに対抗して、ブレイドはキングラウザーとブレイラウザーの二刀流で攻める。

その頃、ソウガはディガイド&ディルードの二人と渡り合っていた。ディガイドのディガイドエクストラブラストによるホーミング弾すら撃ち落とす射撃精度と、ディルードすら上回る剣技が、ソウガに対等な勝負を可能としている。

「やるじゃない。」

「こういうのはどうかな?」

 

〈KAMEN RIDE・G3-X!SASWORD!〉

〈KAIZIN RIDE・HELPER WORM!BAT IMAGINE!〉

 

ディガイドとディルードは、仮面ライダーG3-Xと仮面ライダーサソード、ヘルパーワームとバットイマジンを呼び出した。

しかし、ソウガはドレッドマグナムの銃弾を榴弾に変え、まずG3-Xとバットイマジンを爆砕。続いてサソードとヘルパーワームを群雲で斬り裂いて倒す。

「あらら…」

「時間稼ぎにもならねぇか…」

「つまんねー小細工はやめるんだな。」

「俺達には通用せん。」

 

 

 

 

 

「いつまで本気を出さないつもりだ?」

イーヴィルからゼロサイドが尋ねた。ディロードも言う。

「この程度じゃないだろ?お前はもっと強いはずだ。本気で来い!」

「…わかりました。」

 

〈ETERNAL!〉

〈INFINITY!〉

〈CROSS/ETERNAL/INFINITY!〉

 

「僕も、この世界を代表するライダーとして…」

 

〈UNLIMITED!〉

 

「負けるわけにはいきませんから!」

クロスはクロスアンリミテッドに強化変身した。

「そうこなくちゃな。」

 

〈FINAL KAMENE RIDE・KA KA KA KABUTO!〉

 

ディロードもDハイパーカブトに変身。

 

〈ATTACK RIDE・HYPER CROCK UP!〉

 

ハイパークロックアップを発動する。しかし、クロスも超神速移動を発動。

「ぐあああああっ!!!」

触れることもできず一方的に叩きのめされたDハイパーカブトは、ハイパークロックアップを強制解除され、ディロードに戻った。

「チッ…なら!」

 

〈ATTACK RIDE・ILLUSION!〉

 

ディロードはディロードイリュージョンを発動。五人の分身を出現させ、攻撃させる。

「…」

それを見ていたクロスは無言で両手を広げた。すると、信じられないことに、クロスの身体から光がオーバーラップ。クロスの分身が五人、出現した。

「な、何!?」

驚くディロードの目の前で始まる分身同士の乱戦。結果はクロスの分身の勝利。ディロードの分身を全滅させたクロスの分身達は、クロスの身体に重なるようにして消えた。

『ゼロ、これは…』

「やるぞ相棒。マジカルワイズエクセリオンだ!」

 

〈MAGICAL!〉

〈WISE!〉

〈MAGICAL/WISE!〉

 

イーヴィルはマジカルワイズにハーフチェンジ。そこへエクセリオンメモリが飛来し、

 

〈XCELION!〉

 

イーヴィルはマジカルワイズエクセリオンに強化変身した。

「俺も…」

ディロードはケータッチを取り出して、ライダークレストを装填。

 

〈TENGA!CREST!SATAN!KAGAYAKI!GRAIZ!RYODO!RYUEN!SHINE!SHADOW RX!〉

〈FINAL KAMEN RIDE・DEROAD!〉

 

ディロードコンプリートフォームに強化変身する。

「相棒、検索だ。奴の力の正体を調べあげろ」

「わかった。」

リインフォースは検索に入る。

「検索を終了した。彼の力の正体は…」

検索を終えたリインフォースは、結果をゼロとディロードに伝えた。

「無限の使徒、か…」

「何だそりゃ?強化前と強化後の差がありすぎるだろ…」

「それは勘弁して下さい。」

クロスは苦笑しながら言う。

「とにかく、手加減して勝てる相手ではないな…相棒、砕谷。死力を尽くして行くぞ!」

「「ああ!」」

(…あれ?殺し合いじゃないんだよね?)

クロスは疑問を感じながらも、激化する戦いに身を投じた。

 

 

 

 

 

 

〈GILLS!KNIGHT!CHALICE!GATACK!ZERONOS!IXA!KIVA-LA!ACCEL!〉

〈FINAL KAMEN RIDE・DI-GUIDE!〉

 

「RX!ルナライダー!」

ディガイドはディガイドコンプリートフォームに、SHADOW RXはルナライダーに強化変身した。ソウガはそれでもパワーバランスの優劣が変わらないが、ブレイドは大きく変わってしまう。

「こうなったら…」

 

〈PERFECT JOKER〉

 

ブレイドはジョーカーフォームに強化変身した。ディガイド達は大いに驚く。

「ブレイドが、さらにパワーアップした!?」

「はぁ?」

「どういうこと!?キングフォームより上はないはずでしょ!?」

上からSHADOW RX、ディルード、ディガイド。ブレイドは説明する。

「これは光輝が俺のためにくれた力、ジョーカーフォームだ!」

ジョーカーソードとキングラウザーの二刀流に変えたブレイドは、勢い勇んで三ライダーに挑む。

「面白くなってきたぜ!」

「やれやれ…」

ソウガも向かった。

 

 

 

 

 

ブレイドのパワーアップは、ディロードの目にも入っていた。

「お前があいつに力をやった?」

「そのままの意味ですよ。僕がアンリミテッドフォースから生み出したカードを、一真にあげたんです」

「ほう、素晴らしいな。その力、もっと詳しく見せてもらおう!」

イーヴィルが右手を振り上げる。と、リインフォースが言う。

「撃ち抜け、雷刃…」

すると、イーヴィルの右手から雷の刃が伸び、

「ジェットザンバー!!」

ゼロの言葉とともに振り下ろされた。フェイトが驚く。

「あれ、私の魔法!」

しかし、クロスは刃をハイキックで叩き折った。

「あっさり破られたな…」

「…ちょっとショック…」

ヴィータが苦笑し、フェイトは軽いショックを受ける。

「「デアボリックエミッション!!」」

「今度は私の魔法や!」

驚くはやて。イーヴィルが放った魔法はクロスに直撃する。しかし…。

「…効いてないね。」

「これは…友人の無事を喜んだらええんか、はたまたノーダメなことを悲しんだらええんか…シグナムはどうしたらええと思う?」

「…私に聞かれても…」

なのはが結果を言い、はやてが遠い目をしながら質問し、シグナムが返答に困った。

 

〈SATAN!KAMEN RIDE・BLIGHT!〉

 

ディロードは仮面ライダーサタン・ブライトフォームを召喚し、カードを使用。

 

〈FINAL ATTACK RIDE・SA SA SA SATAN!〉

 

ディロードはコールドライバーを、サタンはサタンブライトを、それぞれ構え、フォトンブライトレイバスターを放った。だが、クロスはフェニックスクロークで攻撃を防ぐ。さらに、そのままフェニックスクロークから大量のエネルギー弾を発射して反撃した。

「なんてやつだ…!」

ディロードはクロスの強さに驚く。

「ゼロ、彼に勝つには、より強力な一撃を当てるしかない。」

「…それしかなさそうだな。」

そう言って、リインフォースは詠唱に入る。

「星よ…集え…」

「じゃあ、お互いこの一撃で終わらせましょう。グランドフィナーレ」

 

〈CROSS/ETERNAL/INFINITY・MAXIMUM DRIVE!〉

 

クロスは詠唱終了を待ちながら、両足にエネルギーを集中し、さらにアンリミテッドフォースで強化していく。

そして、クロスは天高く跳躍。

「エンドレスレジェンド!!!」

必殺の両足蹴りを繰り出した。同時に詠唱も完了。

「「スターライトブレイカァァァーッ!!!」」

超強力魔法を発動させ、二つの力はぶつかる。

「これって私の魔法だよね!?こんなに威力あったっけ!?」

「いやいや!!明らかに別モノやん!!」

「すげぇ…っていうかヤバくねぇか!?」

「このままでは風都が消し飛ぶぞ!!」

「光輝…」

攻撃の余波に吹き飛ばされないよう、必死に耐えながら、戦いの結末を見届けようとする女性陣。

互いの力は拮抗しているが、

「追加だ!」

「魔帝7ッ兵器…深海の蒸発『イビルアクア』!!」

イーヴィルはスターライトブレイカーに加えて、深海魚を模した兵器、イビルアクアで砲撃。これにより、クロスがわずかに押された。

「俺も忘れるな!!」

 

〈CREST!KAMEN RIDE・WILD!〉

 

ディロードは仮面ライダーワイルドクレストを召喚。

 

〈FINAL ATTACK RIDE・C C C CREST!〉

 

二人同時にワイルドタイフーンを発射する。再びわずかに押されたクロス。

(これは…まずいな…)

クロスはディロードとイーヴィルの実力に、危機を感じていた。敗北の危機ではない。それなら、アンリミテッドフォースで威力を強化すれば何の問題もないからだ。

問題は、このまま互いの力がぶつかり続けることにある。先ほどもシグナムが言った通り、このままでは風都が消し飛んでしまう。しかも、彼が感じた危機は、ある光景を見ることによって増大する。

 

 

 

 

 

〈ATTACK RIDE・SUB RIDER!〉

 

ディガイドはエクシードギルス、ナイトサバイブ、ワイルドカリス、ハイパーガタック、ゼロノス・ゼロフォーム、ライジングイクサ、キバーラ・エンプレスフォーム、アクセルトライアルを召喚した。

さらに、

 

〈FINAL ATTACK RIDE・DI DI DI DI-GUIDE!〉

 

ディガイドは強化型ディメンションバーストの発動体勢に入る。

 

〈FINAL ATTACK RIDE・DI DI DI DI-RUDO!〉

 

ディルードもディメンションフラッシュの発動体勢に入った。SHADOW RXも必殺技を出そうとする。

「なるほどな、一斉攻撃ってわけか。」

「ならこっちも…」

 

〈DREAD・MAXIMUM DRIVE!〉

〈SPADE J,Q,K,ACE,JOKER〉

〈JOKER ROYAL STRAIGHT FLASH〉

 

ソウガとブレイドも必殺技発動の準備を整えた。

 

そして、

 

 

 

「月光神浄波!!!」

「ディメンションバースト!!!」

「ディメンションフラッシュ!!!」

「ドレッドバースト!!」

「ジャックポット!!」

「ジョーカーロイヤルストレートフラッシュ!!!」

 

 

 

両者は同時に攻撃した。

 

 

 

 

 

 

 

(まずい!!)

この光景を目撃したクロスは、とっさに指を鳴らして固有結界『交差世界』を展開。一同はそこにワープし、互いの技をぶつけ合う。

「これは!?」

「集中しろ相棒!!油断したら一瞬でやられるぞ!!」

リインフォースが固有結界の発動に気付くも、ゼロに叱責されて集中する。

(よし…ここなら!!)

安全を確保したクロスはアンリミテッドフォースを注入し、エンドレスレジェンドの威力を強化した。

 

普通の相手ならこれで全てが終わっている。

 

 

だが、イーヴィルは普通の相手ではなかった。

 

 

マジカルワイズエクセリオンになったイーヴィルの魔力は無尽蔵。すなわち、無限なのだ。

「ゼロ!!」

「ああ!!さらに威力を上げる!!」

イーヴィルもまたスターライトブレイカーとイビルアクアの威力を上げ、クロスの攻撃に拮抗する。

「俺も忘れるなって言ってるだろ!!!」

ディロードもワイルドタイフーンの威力を上げた。

同時進行で同じく拮抗するブレイド&ソウガvsディガイド&ディルード&SHADOW RXの戦い。

 

 

そして、

 

 

 

 

 

 

大爆発が起きた。

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「「「…」」」」」」」」」

睨み合う戦士達。互いにまだ戦う力は残っているが…。

「…強いな。」

ディロードの言葉を皮切りに、全員が変身を解いた。

「さすが、この世界を守るライダーだな。俺も危なかった」

「はぁ…聞いてませんよ…そっちの魔力も無限だなんて…」

「当たり前だろう?」

「私達が言っていないからな。」

「いい勝負だった。ありがとう」

「こちらこそ。」

「ジョーカーフォーム、なかなか強かったわよ。」

「お前らのソウガもな。」

「そいつは光栄だ。」

「…ふん。」

健闘をたたえ合うライダー達。そして光輝は交差世界を解除した。引き分けに終わりながらも、どこか満ち足りた感覚を覚える光輝。

 

しかし、その気分はすぐ吹き飛ぶことになった。

 

 

 

 

 

倒れて気絶しているシグナムとヴィータを目撃したからである。しかもよく見ると、フェイトとなのはとはやてがいない。

 

 

 

 

 

慌てて駆け寄る光輝。

「シグナムさんヴィータさん!!大丈夫ですか!?」

「し、白宮…」

目を覚ましたシグナム。

「一体何が!?」

「こ、これ…を……」

光輝が訊くと、シグナムは光輝に一枚の紙を渡して、再び気絶した。紙にはこう書いてあった。

 

 

 

 

 

『お前の仲間を預かった。返してほしければ北郊外の森へ来い』

 

 

 

 

 

 

 

************************************************

次回、

仮面ライダークロス!!

 

翔太郎「何だこりゃ?」

光輝「廻さん、ゼロさん。協力して下さい!!」

コーチン「ショータイムじゃ!!」

 

第二十七話

来訪のD&E/最強ライダー軍団vsバイオ戦士軍団

 

これが裁きだ!!

説明
光輝、廻、ゼロ、いよいよ対面です。ちなみに翔太郎、フィリップ、照井との対面は次回の予定です
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