IS~音撃の織斑 十六の巻:堕ちる荊鬼
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Side 三人称

 

三人が飛び立つと千冬が((個人間秘匿通信|プライベートチャネル))を使って箒に通信を入れた。

 

「はい。」

 

『篠ノ之。この作戦の要は一夏だ、お前は状況に応じてサポートをしろ。』

 

「・・・・・分かりました。」

 

箒はどこか不満そうな顔をしていたが、とりあえずそう返事しておいた。彼女と並んで簪が一夏を肩に乗せて飛んでいた。

 

「見えた!」

 

「はあああああああああああ!!!!」

 

全力の零落白夜を纏った閃爪刃と慟哭の零落白夜を纏ったビームの銃撃を食らわせるが、紙一重で回避された。

 

「く・・・!」

 

一夏は瞬時に慟哭を六道に変え、ビームを撃ち出しながらも自分は閃爪刃で何度も何度も切り掛かろうとしたが、全て回避される。

 

「LAAAAA♪」

 

歌う様な音が聞こえ、背中の翼からシルバーベルの弾雨が放たれる。

 

「まずい・・・・!」

 

六道を直ぐに戻し、避けながらも是空を目の前で振り回しながらエネルギーを霧散させた。だがこれは零落白夜を使用してビーム攻撃を無効化させているので永続的な物では無い。

 

「く・・・・こっちは結構まずい・・・・」

 

簪は避けながらも背中にある二門の速射荷電粒子砲、春雷とミサイルポッドから放たれる誘導ミサイル、山嵐で対抗するが、全て避けらてしまう。箒も雨月と空裂を振り回して攻撃しようとするが、噴射口を利用した素早い回避で避けられ、ゼロ距離からの知るバーベルをまともに食らってしまう。

 

「一夏!これ使って!」

 

簪は咄嗟に自分の近接武装である薙刀、夢現をアンロックして一夏に投げ渡す。

 

「悪い!」

 

再び六道を展開して射撃を行う。

 

「距離を詰めろ!遠距離は奴の方が火力が上だ!!」

 

祟羅神と夢現を使って攻撃を仕掛けるが、やはり避けられてはシルバーベルの攻撃を受けてしまう。やはりスピードではギリギリ白式と赤椿位しか追いつけない様だ。

 

「くそ・・・・・いい加減に堕ちろ!!」

 

業を煮やした箒が突っ込んで行くが、そこでまたシルバリオ・ゴスペルは回転しながらシルバーベルで全方向に攻撃を放つ。一夏は夢現を簪に返却し、エネルギー弾の嵐を回避する。だが、そこで一夏は海で一隻の船を見つけた。

 

「おいおい、こんな時に・・・・!」

 

「あれ、密漁船?!」

 

「かまうな!奴らは犯罪者だ!死のうが文句は言えん!!」

 

箒は一人戦闘に集中していたが、一夏は直ぐに密漁船を背にして是空を使ってシルバーベルの攻撃を防いで行く。

 

「お前は馬鹿か!!?何の為に専用機を貰ったと思っている?!だから俺はお前が来るのは反対だったんだ!力を持つ者はその力故に責任を問われる!お前も例外じゃない!その驕りが迷惑だと言っているんだ!(もうエネルギーが・・・・)」

 

そしてエネルギーが尽き、未だ止む兆しが無いシルバーベルの攻撃を食らい、絶対防御が貫かれた。

 

「一夏!!!!」

 

「うっ・・・・(痛い・・・・ここまで痛いのは久し振りだな・・・だが、これで良い。痛みを感じられるのは生きている証拠だ・・・形はどうあれ、な・・・・・)」

 

一夏は脇腹の一部をエネルギーで焼かれ、左肩を抉られていた。腕が半分ちぎれている。そして、白式は((具現維持限界|リミット・ダウン))を起こし、海に向かって堕ちた。

 

簪はそれを受け止め、直ぐに帰還した。

 

「織斑先生!一夏が落とされました!離脱します!」

 

一夏は直ぐに空いた部屋に運び込まれ、生命維持装置を取り付けられた。

 

「兄様!しっかりして下さい!」

 

「一夏、お願い・・・・目を覚まして・・・!!!」

 

隣には簪とラウラがそれぞれ彼の手を握っていた。だが一向に一夏の目が開く気配は無い。

 

「福音は現在も超音速で飛行している・・・・・(一夏・・・・)」

 

Side out

 

 

 

 

Side 一夏

 

何だ?心地いい。並に揺られているみたいな感じだ。待て、ここは一体・・・・・・・?ああ・・・・そうか・・・・俺は落とされたんだな、福音に。情けない・・・・

 

『起きて。』

 

誰だ・・・?俺を呼ぶのは?

 

『貴方が一番良く知っている。』

 

何・・・?どう言う事だ?

 

『欲しいですか?』

 

何を?

 

『今の貴方の持つ力を超える力が欲しいですか?』

 

ああ。

 

『何故ですか?』

 

俺は雪辱を果たす。何より、ラウラにちゃんと会ってやらねえと兄としての顔が立たないからな。それにシャルロットやセシリア、簪に無駄な心配かけたくないし、猛士のみんなともまだまだいっぱいやらなきゃ行けない事がある。こんな所で死ぬ訳には行かない。

 

『今の貴方が持っている力は十分ではないのですか?』

 

いや、だが、これは元々俺が望んで手に入れた力じゃない。だが、もしこれでもっと人を守る事が出来るのなら・・・・・

 

『じゃあ、時間はあまり無駄に出来ないね。』

 

目の前に白い服の女が現れた。帽子を被っているから顔は見えない。目の前も真っ白になって、俺は目を覚ました。この天井は・・・・花月荘か。誰もいない・・・・俺は起き上がった。ん?

 

「傷が、無い・・・・?!」

 

そう、俺は確かに重症だった筈だ。左腕なんか皮一枚で繋がっている状態だった。なのに、それすらも無いし、痛みも全く感じなかった。操縦者保護機能は肉体再生までは出来ない筈なのに・・・・まあ、体が治ってるなら丁度良い。さっさとアイツをぶっ倒しに行かなきゃな。俺は窓を開けるとそのまま白式を展開した。形が変わっている・・・・・・((二次移行|セカンドシフト))か!フルスキンになった為か全体的にゴツい部分が無くなり、シャープな感じになっている。ウイングスラスターはかなりデカいが。武装は強化されている。展開してみると、刀型『草薙』、二つに分かれるランスの『涅槃』(当然どっちも投げれば追跡する)、パワーが増して大型になったリボルバー型の『鬼哭』、そして四つだったパーツが2.5倍に増えたビット、『十王』に変形した。左腕も何故か武器化していた。クロー、シールド、カノンに変形した。恐らくこれもシールドエネルギー食うんだろうな・・・・

 

「「「「「「「「一夏!!!!!」」」」」」」」

 

不特定多数の声が聞こえた。マズいな・・・・・ここで止められたら・・・・俺はスラスターを吹かし、空に舞い上がった。すまないが、奴は俺が倒す。

 

Side out

説明
姉に捨てられ、魔化魍と戦う猛士の鬼、石動鬼に拾われた織斑一夏。鬼としての修行を積み、彼は何を見る? ISと響鬼のクロスです
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コメント
続き気になります。更新待ってます。 質問 「織斑」の姓捨ててるのに「音撃の織斑」っておかしいと思うのですが・・・?(デーモン赤ペン)
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響鬼 仮面ライダー インフィニット・ストラトス 

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