【獣機特警K-9】刀と恋と男と女【ゴクセイカイ】 |
某日、キクガオカ・コンストラクション・カンパニー本社ビル。
この最上階では、その親玉ともいえるゴクセイカイの首魁、トラジ・キクガオカが煙草をふかしていた。
「しかし…K-9隊は厄介な存在だが…まあいい、やつらを始末するのは後でもいいな」
そう呟いた後、トラジは愛用の刀を手に取ると、鞘からその美しくも怪しく光る刃を抜く。
そしてその刀身をしばらく覗き込むと、再び鞘に収め、社長室の窓際に移動しラミナ市街を眺める。
「それにしても、レーベンシュタット市の工作は上手く行っているみたいだな…」
と、呟いていたその時、ドアをノックする音が聞こえた。
「…誰だ?」
そう言ってドアの横にあるモニターのスイッチを押すと、トラジにとっても見覚えのある顔が映っていた。
オオヤマネコ形のロボットの女性。時雨である。
流石に忍装束ではなく黒いスーツだが、それでも顔が出ているのでトラジには一瞬でわかった。
「…時雨か。入れ」
「…あぁ」
トラジがスイッチを押し、ドアを開けると時雨が入ってくる。
「前回のフェザントヒルの件…あと一歩のところで…すまない」
時雨は深々と頭を下げた。
「いや、もういい…奴らの戦力を見誤っていた。それに自警団の存在は想定外だったからな…ともあれ、ご苦労だった」
「…でもさ」
「過ぎた事は気にするな…それよりもだ。レーベンシュタットのほうはどうだ」
「ああ、目に付くような建物はすべて解体させてもらった。現場の写真も持ってきたよ」
「…ふむ」
トラジは、手渡された写真をしばらく見つめると、口元に怪しげな笑みを浮かべる。
「よくやってくれているようだな。あとはここにカジノを建てれば、我々の活動資金も手に入るというものだ」
「ああ、ジャマさえ入らなきゃの話だけどね」
「まあ、その時はまたお前たちに任せる。期待しているぞ」
「わかった。まかしておきな…ところで、話は変わるけどさ…」
そう言って、トラジの元に近づいていく時雨は、スーツのボタンを一つ一つ外していく。
そして、上着を脱ぎ捨てると今度はスカートのホックを外し…下着姿になっていた。
「毎日毎日仕事ばっかりでお疲れだろ?だから今夜くらいは…」
と、トラジににじり寄っていく時雨。しかし…
「ああ…すまんが用件が済んだら戻ってくれないか。私はこれから例の組織と会合に行かなくちゃならないのでね。…わかってるとは思うが、この部屋から出る際はロックを忘れるなよ。では」
と、トラジは絡みつく時雨の腕をそっとほどくと、そのままバッグを持ち部屋から出て行ってしまったのだった。
やがてドアが閉まり、ひとり残された時雨は…
「…なにさ…トラジのバカ…」
と、先ほど脱いだスーツを着直しながらふくれっ面をするのだった。
色恋沙汰に興味のない男、トラジ・キクガオカ。
そして彼に思いを寄せる女、時雨。
果たして、時雨の願いが叶うときは一体いつになるのか…。
説明 | ||
たまには、ゴクセイカイメインでひとネタ打ってみる。 ◆出演 トラジ(http://www.tinami.com/view/373707) 時雨(http://www.tinami.com/view/408021) |
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コメント | ||
悩める乙女の恋は果たして実るんだろうか、て言うか実るほうがおかしいのか?(古淵工機) 間違っても「し・ぐ・れ・ちゃ〜ん?」とルパンダイブはしないトラジの兄貴。時雨さんの気持ちやいかに(Ν) スキがまったくない……というか好きがまったくないとか……? 時雨さんあきらめないでw(haruba-ru) トラジ・キクガオカ、一筋縄ではいかないぞ!(古淵工機) とりあえず、時雨さんがんばれw(古淵工機) 据え膳をあっさり放置するトラジパネェwww(尾岸 元) |
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