真・恋姫無双 同じ月の下で |
「随分と長い間、サボっていたものね。」
「そんなつもりはなかったんだけどな。あっちじゃ、それなりに頑張ってたんだぜ?」
「あら、私が向こうのことなんか知るわけないじゃない。」
「そうは言ってもな……。」
「これから、という時に勝手にいなくなった人間を、サボり呼ばわりして何がいけないのかしら?」
「わかった、わかったよ。俺が悪かった。だから頬を抓るのはやめてくれ。」
「で?」
「で、って何がさ?」
「今度は何時までいられるの?」
「向こうで、別れは済ませてきたよ。」
「……本当に?」
「本当に。」
「……そう。」
「そうさ。」
「……後悔していない?」
「前にも言ったはずだよ。」
「でも、あの時とはまた違うのよ。」
「一緒さ。どっちも俺が望んだことだ。」
「貴方、変わったわね。前よりもずっと老けたわ。」
「俺としては他にも色々と変わってきたはずなんだけどな。」
「いいえ、きっと変わってないはず。別れを告げてまでこっちに戻って来るなんて、馬鹿のすることよ。」
「それだけ大切だった、ってことかな。」
「……本当に、変わっていない。」
「そう言う君も変わらない。綺麗なままだ。」
「変わらない、なんて言われて喜ぶのはそこいらの小娘だけよ。私は、私たちは変わっていかなければならないわ。」
「そうだな。失言だったか。」
「ええ失言よ。一生恨んであげる。」
「ははっ、相変わらず怖いな。」
「綺麗な月だな。」
「ええ、そうね。」
「あの時と同じだ。」
「違うわよ。貴方は残るもの。」
「そうだったな。なぁ、知ってるか?
向こうじゃ『月が綺麗ですね』って言えば、別の意味もあるんだぜ?」
「別の意味?」
「そう。その言葉には隠された意味があるんだ。」
「それはどんな意味なの?」
「I love you.って意味さ。」
「あいらぶゆー?」
「そう、I love you.」
「……結局、どういう意味なのよ。」
「それは内緒だ。向こうの言葉は置いて来た。詩人としても名高い君が、その意味を見つければいい。
そしていつか、君が見つけた言葉の意味を俺に教えてくれ。」
「言ってくれるじゃない。いいわ、私が誰だか、もう一度思い知らせてあげましょう。」
「楽しみにしてるよ。」
「そう。なら、帰るわよ。貴方がサボっていなかったと言うのなら、それを証明してみせなさい?」
「ああ、そうさせてもらうよ。」
……お帰りなさい。
「今、何か言ったか?」
「いいえ、何も言ってはいないわ。さっさと戻るわよ。」
「そっか。ならいいんだ。」
「……。」
「ただいま。」
「……ばか。」
説明 | ||
会話文のみでどこまで表現できるかという実験的なもの。 またの名を手抜きともいいます。 この辺が分からねーよ、という意見があればお願いします。 登場人物は二人です。 誰と誰かは敢えてぼかしてますが、まぁ、バレバレだと思います。 地の文を入れ、それっぽく修正したものをまた掲載するかもしれません。 |
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コメント | ||
アルヤ様 その辺り一刀さんの人生経験の賜物です。男は気障に成長していくものなのです、多分。(y-sk) 一刀さん気障すぎやしませんかね!(アルヤ) |
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