ベルカアカデミー |
私ことクラエス・ブフナーがこの世界に転生してからはや二年が経ち、私は将来の進路と決める時期に来ていた。
というのも、私が住むこの国ベルカ連邦は何でも十歳以下の少女達の魔力適正を調査し、その結果如何によっては本人の進む道が決まるのだ。
というのもベルカ連邦は歴史的経緯から絶えず外敵の脅威に晒され、それらから自国土と国民を守る為に伝統のベルカ騎士団と彼等を支える魔道士隊の存在が大きく優秀な魔力適性を持つ少女達所謂魔女達はのどから手が出る存在であった。
魔力適正の高い少女達は当然軍からのスカウトの対象となるし、場合によってはより将来的に専門機関への就職を兼ねて軍に進んで入る者もいる。
この世界に転生した時の年齢が八歳。
それから二年。
私は当然親に連れられ街の体育館でほかの少女達と同じ様な検査を受け今日がその検査の結果が通知される日。
私の家庭は一人っ子で、決して生活は豊かではないがそれなりに祖母を入れた家族四人で楽しくやっていた。
だから私は義務教育を終えたら働こうかと考えていて、当然軍隊に入るなんて全く考えてはいなかったのだが...。
それはたった一枚の紙切れで裏切られることとなった。
通知が来た日、私の家だけには他所とは違い検査の結果ともう一つ封筒が添えられていた。
通知を受け取った父は母と祖母の前で中身を開き、続けて封筒の中身に目を通した。
検査の結果は本人がショックを受けることもあるから内容は知らせない決まりになっているが、検査の結果を読み進める両親の険しい表情を見たとき、なんとなく自分の結果が悪かったのだろうと想像した。
別にそれで何かしらの不利益を得るわけではないのだが、やっぱり悪い結果を残したというのは気落ちしてしまう。
だから私の名前を呼ぶ父の声が若干震えていることにこの時は気付かなかった。
「クラエス」と私を呼んだ父の手には封筒に入っていた一枚の紙が握られていた。
そこには「ベルカアカデミー推薦状」と「クラエス・ブフナー殿」と書かれていた。
父がゆっくりと説明してくれた。
検査の結果は非常に良い結果を出しており心配することは無いこと。
封筒に入っていたのはベルカアカデミーへの推薦状と軍上層部及び諸々の機関が押したサインが書かれた私の入学の懇願書。
前にも言ったとおり検査でよい結果を出せば軍からスカウトが来るがそれはもう少し大きくなってからの話、だがその中で極一部際立った適正や特殊な能力をもった少女達に与えられるベルカアカデミーへの推薦状。
ベルカアカデミーとはこの国最高の魔術研究機関であると同時に世界でも有数の魔女育成学校兼将来のベルカ連邦軍を担うべきエリートを育てる場所。
それはつまり今まで一地方の街娘でしかなかった少女が一躍軍のこの国のエリートコースに乗ることと同義なのである。
当然私の父は喜んだ、と同時に母は少しだけ寂しそうに微笑んだ。
ベルカアカデミーは完全寄宿生であり家に帰れるのは夏と冬の休暇だけ。
逆に父は嬉しさの余り祖母を抱いて泣き出してしまい、祖母はそんな父の頭を優しく撫でていた。
こうして、私はこの世界二年目にして大きな転換期を迎えた。
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第二話を投稿。 |
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