IS レジェンドウォーズ 5話 漆黒と青の戦い |
Side簪
地獄の書類作業から時は流れて一夏のクラスの代表決定戦当日になりました。
あの後、私たちは生徒会の仕事をしながら、時間があればお姉ちゃんのコネで訓練機を借りて練習をしたりしてました。私はべつにする必要はなかったんだけど、一夏と一緒にいたくて一夏に付き合った。
(はあぁ〜。いつか本当に告白したいな)
本当、どうすればいいんだろう。たぶんだけど一夏も私を意識してくれていると思う。たぶん。何かきっかけがあれば私のこの想いを伝えられるだろう。かといって、きっかけを待っていてはいつまでたっても進めないだろう。このことをお姉ちゃんに相談したら
『う〜ん、きっかけね〜。私の時はあの人が真正面から「俺と結婚しよう」って言ってくれたからね〜』
と答えた後に、30分くらい惚気話を聞かされた。
(悠輝義兄さんストレートだったんだね。というか中学生が言うセリフじゃないよね)
二人が付き合い始めた、もとい婚約したのは中学1年の時だ。その年で婚約を決めたのはすごいとしか言いようがない。
(はあ、うだうだ考えても始まらない。もうすぐ一夏の試合だし早くいかないと)
そして私は試合の行われる第三アリーナへむかった。
Side一夏
今俺は、織斑とオルコットの試合を見ている。
試合当日になっても俺の専用機は届かなかった。それは織斑も同じでつい先ほど織斑の専用機『白式』が届いたので織斑が先に闘うことになった。
「一次移行(ファースト・シフト)してない機体でよくくいついてるな」
「うん。オルコットさんは完全にビット兵器をつかえていないとしても代表候補生。その技術はまあまあ高いのに」
「まあまあって。まあ、簪や義姉さんと比べたらな」
簪は日本の代表候補生だがその実力は国家代表に匹敵するほど高く、義姉さんに至っては完全に国家代表かそれ以上の実力を持っている。
「あ、ミサイルが直撃した」
簪がそうつぶやいた。試合を見てみると、ビットの動きを見切った織斑がすべてのビットを破壊した後、オルコットに近接ブレードで斬りかかり、それをオルコットが隠し持っていたミサイルで迎撃した。
「決まったかな?」
「・・・いや」
簪の言葉を否定する。
ミサイルによる爆炎が晴れると、そこには形を変化させた白式を纏った織斑の姿があった。
「ぎりぎり一次移行が完了したみたいだな。」
そのあとは見違えるような動きで織斑がオルコットに接近。変化したブレードでオルコットに斬りかかり試合は終了した。引き分けで。
「一夏。あのブレードから出ていた光」
「ああ、恐らく零落白夜であのブレードは『雪片』だろう」
「シールドエネルギーを消費してあらゆるエネルギーを無効化する。織斑先生の現役時代のISのワンオフ・アビリティー。その攻撃力は全IS中トップクラス」
「その分、使いにくいがな。なんせ、シールドエネルギーを使うからな。だからさっきの試合も零落白夜がシールドを零にしたと同時に自分のエネルギーも零になった」
と、俺と簪が話していると
「かんちゃん、いっちー!」
本音がやってきた。後ろには義姉さんと虚さんもいる。
「やっと届いたよ〜。二人の専用機〜。」
「一夏は、相手の準備が終わったら、即試合だから急ぎましょ。虚ちゃん」
「はい」
そして、ピットに二つの専用機が運ばれてきた。
「これが、二人の専用機ね。黒いほうが一夏の専用機で『黒龍閃』。銀色のほうが簪ちゃんの専用機で『鋼』だって」
漆黒の鎧、背中には一対の翼の様な外殻を装備している。両腕には三本の鉤爪のついた近接用武器を装備しており、さらに非固定浮遊部位(アンロック・ユニット)の大型スラスターがあった。うんとりあえず
「これスラスター以外まんまデジモンのブラックウォーグレイモンじゃないか!」
「うんうん」
俺の言葉に簪も同意する。
「まあ、言いたいことはわかるけどそれは後にしましょ。相手はもう準備できてるみたいだし」
義姉さんに言われてアリーナのほうを見ると、準備を終えたオルコットがいた。
ちなみにこの代表決定戦だが、
1回戦 織斑 VS オルコット
2回戦 オルコットVS俺
3回戦 俺VS織斑
となっている。
「はあ〜、わかったよ。いろいろ言いたいことはあるけどとりあえず勝ってくる」
そう言って俺は、黒龍閃を素早く装着する。違和感などは特になし。OK。
「一夏!かってね」
「当然!」
簪の応援でモチベーションはMAX。さあ、いくぜ!
アリーナに出た俺はすでに待機状態のオルコットと向かい合う。オルコットの専用機はイギリスの第三世代『ブルー・ティアーズ』遠距離射撃型のISで先ほどの試合で織斑を苦しめていたビット兵器がついたフィン・アーマーを装備し、二メートル以上の銃身をもつ六十七口径特殊レーザーライフル《スターライトmkV》が握られている。
「あら?ようやく出てきましたの?てっきり逃げ出したのかと思いましたわ」
「なんで勝てる勝負を投げ出さなくちゃいけないんだよ?」
挑発してきたのでお返しをしてやった。そしてそれは効果てきめんだった。
「ッ!!最後のチャンスとして私を馬鹿にしたことを謝らせてあげようかと思いましたがもう許しません!無様な姿をさらしなさい!」
「そんなこといって負けたらお前のほうが無様になるぞ」
「ッッ!!!」
なんか切れすぎて何言ってるかわからなくなった。ここまで血が上りやすいとは、狙撃手としては失格だな。
『第二試合セシリア・オルコット対更識一夏開始』
「それでは、お別れですわね!」
いきなり、ライフルを撃ってくるが俺は動かずに
「はっ」
右手、正確には鉤爪で弾いた
「なっ!?私のビームをはじいた!?」
弾いた箇所を見てみると無傷だった。まさかこれクロンデジゾイトでできてるんじゃないだろうな?桜花さんならあり得る。もしかしたら、本物のドラモンキラー?
クロンデジゾイトとはデジタルワールドで産出される金属で非常に硬い。また、この金属は純度によってその性質を変えるという特徴を持っている。(硬度に関係はない)
「まっ、考えるのも話を聞くのも後だな。とりあえずいくぜ!」
俺はドラモンブレイカー(仮)を構え、相手に突撃する。その間にライフルを何発も撃ってくるが、かわしたり弾いたりしていく。
「なぜレーザーを受けながら無傷なんですの?!」
「俺のISはどうやら特殊な金属でできてるみたいでな。たぶん、ダイヤモンドよりも固いんじゃないか?」
「なぁ!?そんな金属あるわけが」
「おらあ!」
「きゃああ!」
オルコットが驚いている間に接近して右手のドラモンキラーで斬りつける。そして追撃の蹴りを放つ。
「はっ」
「ぐうぅ」
そんな攻撃をしばらく続けていたら、オルコットはなんとか上空へ回避。俺も体勢を立て直す。
「はあ、はあ、なかかな、やるようですね」
「息切れしながら言ってもかっこ悪いぞ」
「うっ。しかしそれもここまでですわ!お行きなさい、ブルー・ティアーズ!」
オルコットがそう言うと、背中のアーマーから、四つのビットが射出され、俺に攻撃を開始。
「さあ!踊りなさい!私、セシリア・オルコットとブルー・ティアーズの奏でる円舞曲(ワルツ)で!」
「いやだ」
とりあえず、かわす。
オルコットのビット兵器は、フィン状のビット四つからBTレーザーを発射するという兵器だが、オルコットが完全に使いこなせていないのか攻撃が単調で読みやすい。
「なぜ?なぜ、あたりませんの!」
だいぶ焦ってきたな。攻撃が雑になってきてあたる攻撃も当らなくなってきた。
それよりも、すごいな、このIS。まだ、一次移行(ファースト・シフト)もしていない(・・・・・・)のに、この機動力。
「さあ、決めるぜ!」
まず、一番近くのビットに接近。撃破。
「なっ!」
「まだまだ!」
そのまま、二機目、三機目を撃破。
「これで、ラスト!」
よし、全機撃破。あとは
「おまえだけだ!」
オルコットにむかう。
「甘いですわ!ブルー・ティアーズは四機だけではありませんわ!」
「わかっている!」
ブルー・ティアーズのスカート状のアーマーから突起がはずれ、ミサイルが打ち出されるが
「『ブラックシールド』!」
俺は背中の外殻を一つにして、楯を形成。ミサイルを完全に防ぐ。
「なんですって!!」
素早く楯を戻して
「ドラモンキラー!!」
地面に向かって弾き飛ばし
「『ガイアフォース』!!」
エネルギーを両手に集めて作ったエネルギー体『ガイアフォース』を放つ。
ってゆうかできたよ、『ガイアフォース』。赤いけど。これはあとで、桜花さんにちゃんと話を聞かないとな
「きゃあああ」
直撃はしなかったが、その余波だけで半分近く削られていたシールドエネルギーはゼロになり
『試合終了 勝者 更識 一夏』
一次移行せずに勝ってしまった。なんなんだこのISは?
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ええ、強いですよ。いろいろありましたから(竜羽) 一夏つええーーー(i-pod男) |
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