リリカルなのは〜君と響きあう物語〜 |
遥か昔―世界を支える大樹カーラーンは滅び、
世界は天の意向により、二つに引き裂かれた。
それから長い時間を経たある時、再生の神子は
大樹カーラーンに代わる新たな世界樹を誕生させる。
そして二つの世界―『シルヴァラント』と『テセアラ』も
一つの世界として生まれ変わったのであった。
世界統一から数ヶ月後―
ロイド・アーヴィングは世界中を旅していた。彼は今、『異界の扉』とよばれる遺跡に来ている。「最近この辺りに変わった事が起こっている」という噂が流れており彼の耳に入ったのだ。
「うーん…別に変わっているようなところなんて無いなぁ…。」
この場所はかつて二つの世界をつなぐ二極の一つだった場所だ。世界が統一されたことにより何らかの影響があったのではないか?とロイドは考えたのだが特に異変など無い。
「ただの噂話かなぁ…。」
噂話によるとこの場所が歪んで見えることがあるという。だが、別に歪んでいるような風景など無い。
「リフィル先生なら何かわかるんだろうけど…イセリアに帰って相談しようかな。」
彼の仲間である彼女はこういう事件などに詳しいのだ。というか極度の遺跡マニアの彼女なら人が変わったように調べまわるだろう。
ロイドは一度出直そうと考えて遺跡に背を向け離れようとした。
その時―
遺跡に月の光が降り注ぎ、『異界の扉』が口を開き始めた。
「な、なんだ!?。」
ロイドはまだ世界が二つに別れていたときに『テセアラ』から『シルヴァラント』へ渡ったことがある。その時もこの『扉』が開いたことがあるのだが明らかに以前とは違う。
「か、体が…引っ張られる!?。」
扉はロイドを引きずり込もうとするかのごとく吸い込んでくる。
「うわぁああああああああ!!!。」
ロイドは扉の中に引きずり込まれ、この世界から消えた。
「うっ………。」
ロイドが再び目を覚ました時
「痛ったたたた。此処は…どこだ?」
ロイドの目の前には見たことのない大きな街『ミッドチルダ』が広がっていた。
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