第5話 これはイジメですか?………いいえ、これはゴミ掃除です
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アリサsied

 

私は今、廃工場らしきところにいる。理由は単純、誘拐だ。

 

「お嬢ちゃん、おとなしくしてなよ〜。今からお嬢ちゃんのお父さんに電話するからね〜」

 

「パパに何するつもりよ!」

 

「脅迫だよ、脅迫。君との交換条件にお金を用意させるんだ」

 

「馬鹿!!なにペラペラとしゃべってんだよ!」

 

「うるさいな。しゃべったとして1人の女の子に何ができるんだよ」

 

確かにその通りだ私1人でどうにかできる状況じゃない。今ここにいるのは私の他に大人が8名、この状況でどうしろと言うのだ。だけど私のせいでパパに迷惑は掛けたくないし、どうしよう?そう思っていると会話が聞こえてきた。

 

「なぁ、このまま返すのもなんだし、あの子、犯してもいいかな?」

 

「相変わらずだなぁ、お前の性癖、……まぁいいんじゃね?」

 

「よっしゃあ!!」

 

意味が分からない、そう思っているとさっき会話していた内の1人が私に近寄ってきた。

 

「なによ」

 

「ちょっとおじさんといい事しようか」

 

「いやよ!触《さわ》らないで!」

 

私はがむしゃらに手を振り回した。そうしていたら男の顔に当たってしまった。

 

「いってぇな!このガキ!」

 

「なによ!?あんたが近ずくから悪いんじゃないの!」

 

「てめぇ、どうやら今のお前の立場がよく分かってない様だな」

 

そう言って男がつかみかかってきた。

 

「いやぁぁぁ「ちょっと待った!!」………ぇ?」

 

誘拐犯たちが声のした方を見て固まっている。なぜだろうと重いながら私も声のした方を見て、固まった。それはそうだろう。なにせ声を発した人はとてもきれいな美女だったのだから。私と誘拐犯がしばらく唖然としていると不意に誘拐犯の1人が女の人に声を掛けていた。

 

「おいおい、姉ちゃんよぉ、ここはあんたが来るとこ……」

 

パンッ………ドサ。 話しかけていた男の人がたおれた。

 

「さて、ここにいる人たちは、みんな倒していいのかな?」

 

『いいと思うよ』

 

なぜかその女の人は誰かと話している。

 

「………おい、ちょっと待てやこら!何してくれてんだよ!」

 

「え?ごみ掃……いえ、邪魔だったのでつい」

 

「つい…じゃねえぞこら!しかも今、ごみ掃除って言おうとしただろ!?」

 

「はい、そうですが何か?」

 

「なにか?じゃねえよ!…それよりここがどこだか分かってんのか!?」

 

「ええ、いたいけな幼女をさらうロリコン集団ですよね?」

 

「ちげぇよ!全然ちげぇよ!」

 

「たとえ違っていたとしても、幼女をさらった事は事実でしょうが。」

 

「ぐ!………だけど違う!俺たちは誘拐犯なの!決してロリコンというわけではない!」

 

「そうなんですか。別に興味ありません、とっとと気絶して下さい」

 

パンッ…ドサ。 また1人気絶した。

 

「う、撃てぇ!」

 

「危ない!!」

 

私はそう叫んだが、彼女は避けようともしなかった。

 

「ど、どうだ!やったか!?」

 

「残念でした」

 

私は驚いた。なぜなら、さっき入口にいた人が今、私の目の前にいるのだから。

 

「そろそろ終わらせようか!琴里!」

 

『はいよ!』

 

「シューート!」

 

ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!

 

銃声が鳴り終わった後、立っているのは女の人だけだった。

 

「ふぅ……大丈夫?」

 

「あ、はい。大丈夫です」

 

「そう、よかった。少し待っててね。」

 

彼女はそう言うと誘拐犯たちを、そこら辺にあった縄で縛りつけ、その中から携帯を持ってきた。

 

「ねぇ、あなたの名前は?」

 

「ア、アリサ、バニングスです。」

 

「そう、ありがとう」

 

そう言うと、どこかに連絡をし始めた。

 

「あ、もしもし。アリサ、バニングスさんのお宅でしょうか?あ、いいえ違います。今、アリサさんの身柄を保護したのですが……ええ本当です。………それで、迎えについてなんですが、どうすればいいでしょうか?私が送ってってもいいんですけど…………それじゃあ少し待ってください。アリサちゃん、ここに残って、迎えが来るのを待つか、私が送っていく。どっちがいい?」

 

「え?えっと……………送ってって下さい」

 

「了解。待たしてしまってすいません。私がアリサちゃんを送っていきます。……はい、責任を持って送らせていただきます。それでは。……それじゃあ、帰ろっか。」

 

「あ、はい。…でもどうやって帰るんですか?」

 

「それは、飛んで帰るんだよ」

 

え?今この人はなんて言ったんだろう。私の聞き間違いじゃなければ、飛んで帰ると言った?

 

「飛べるんですか?」

 

「うん、出来るよ。だって私は魔法使いなんだから」

 

「え?魔法使い?」

 

「そう。だから空だって飛べるんだよ、ほら」

 

そう言って彼女は空を飛んだ。

 

「す、すごい」

 

「すごいでしょ。じゃあ私の背中に乗って、アリサちゃん」

 

そう言われたので私は彼女の背中に乗った。

 

「それじゃあ、いくよ。しっかりつかまっててね」

 

「うゎあ、すごいキレイ」

 

空の上から見る空はとてもきれいだった。

 

「うん、とってもキレイだね」

 

彼女がそういった後、しばらくして私は彼女の名前を聞いていない事に気が付いた。

 

「あの」

 

「ん?何?」

 

「あなたの名前は何て言うんですか?」

 

そう言ったら、彼女は少し考えて

 

「名乗るほどのものじゃないけど、あえて言うなら、桜、とでも読んでくれればいいよ」

 

「はい!桜さん!…それと、ありがとうございました。」

 

「いいよ、別に気にしなくても。後、アリサちゃん」

 

「何ですか?」

 

「アリサちゃんにお願いがあるんだけど、いいかな?」

 

「もちろんいいですよ。何ですか?」

 

「それじゃあ、私の事、つまり私が魔法使いだって事は誰にも話しちゃだめだよ?いい?」

 

「もちろんです。誰にも言いません」

 

「ありがとう、あっそうだ」

 

「まだ何かあるんですか?」

 

「えっとアリサちゃんは、私の事、男か女、どっちに見える?」

 

「えっと、女に見えますけど?」

 

「うわぁぁぁぁぁ!」

 

「どうしたんですか!?」

 

「えっとねアリサちゃん、私、こんな格好だけど、実は男なんだ」

 

「え?……ええぇぇぇぇぇぇ!?」

 

嘘でしょ!?こんなにキレイなのに、男だなんて信じられない!

 

「アハハ…やっぱり女って見えてたんだ。ちょっとショック」

 

「ご、ごめんなさい」

 

「いや、いいんだよ別に、女顔って事は自覚してたし」

 

だけど本当にキレイだな。どうしたらこんなにキレイになるんだろうか?

 

「おっと、そろそろアリサちゃんの家に着くけど、さっき言った事はしっかり守ってね」

 

「はい。分かっています」

 

「それじゃあ、この辺で下りるよ」

 

そう言って彼女……じゃなくて彼、桜さんは私の家の近くに下りた。

 

「…それじゃあここからは1人で帰れるね?」

 

「え?一緒に来てくれるんじゃないんですか?」

 

「うん。…これからまた、急ぎの用事があるんだ」

 

「で、でも」

 

私がそう言うと、桜さんは私の頭を撫でてきた。

 

「ふぇ!?」

 

「そんなに悲しい顔しないの。…きっといつかまた、会えるから」

 

「……絶対ですか?」

 

「うん、絶対」

 

「……それなら…いいです」

 

「よかった………それじゃあもう行くね」

 

そう言って彼女は飛び立っていった。

 

アリサsiedEnd

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

葵sied

 

どうしよう?アリサを見つけたのはいいけど、その周りに8人の男たちがいる。…ここは強行突破か?どうする、僕。そう考えていると8人の内、1人がアリサに近ずいていって何か話しているが、男が怒りだして、アリサに襲いかかろうとしている。ヤバイ!なりふりなんてかまってられない!

 

「いやぁぁぁ「ちょっと待った!!」………ぇ?」

 

僕がそう言うとみんな僕の方を向いて、固まった。何でだろう?そう思っていると不意に8人の内の1人が、僕に近ずいてきて…

 

「おいおい、姉ちゃんよぉ、ここはあんたが来るとこ……」

 

パンッ………ドサ。ちょっとむかついたので撃った。

 

「さて、ここにいる人たちは、みんな倒していいのかな?」

 

『いいと思うよ』

 

僕は琴里に問いかけた。

 

「………おい、ちょっと待てやこら!何してくれてんだよ!」

 

「え?ごみ掃……いえ、邪魔だったのでつい」

 

「つい…じゃねえぞこら!しかも今、ごみ掃除って言おうとしただろ!?」

 

「はい、そうですが何か?」

 

「なにか?じゃねえよ!…それよりここがどこだか分かってんのか!?」

 

う〜〜ん、小さい子をさらう集団か………そうか!

 

「ええ、いたいけな幼女をさらうロリコン集団ですよね?」

 

「ちげぇよ!全然ちげぇよ!」

 

違ったか。合ってると思ったんだけどな。しかし

 

「たとえ違っていたとしても、幼女をさらった事は事実でしょうが。」

 

「ぐ!………だけど違う!俺たちは誘拐犯なの!決してロリコンというわけではない!」

 

「そうなんですか。別に興味ありません、とっとと気絶して下さい」

 

パンッ…ドサ。これで2人、後6人か。意外とライフルでもいけるんだな。

 

「う、撃てぇ!」

 

「危ない!!」

 

アリサが何か叫んだが、僕には関係ない。

 

「ど、どうだ!やったか!?」

 

「残念でした」

 

僕はアリサの前に瞬間移動して、そう言った。つまらないな

 

「そろそろ終わらせようか!琴里!」

 

『はいよ!』

 

「シューート!」

 

ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!

 

僕は1人につき一発ずつ銃弾をお見舞いした。そして撃ち終わった後立っているのは僕だけ………終わったか。

 

「ふぅ……大丈夫?」

 

「あ、はい。大丈夫です」

 

「そう、よかった。少し待っててね。」

 

そう言いつつ、誘拐犯たちに近ずき縄で縛って、その中から携帯を1つ取り出し中を確認。…やっぱりアリサの家の電話番号があった。

 

「ねぇ、あなたの名前は?」

 

「ア、アリサ、バニングスです。」

 

「そう、ありがとう」

 

一様、名前を聞いておかないとね。自分が会ったことも無い人の名前を知っているなんておかしいからね。さてと、電話を掛けるか。

 

プルルルルル、ガチャ。1コール目で出てくれた。

 

「あ、もしもし。アリサ、バニングスさんのお宅でしょうか?」

 

『誰だ、アリサを誘拐した奴か?』

 

「あ、いいえ違います。今、アリサさんの身柄を保護したのですが」

 

『それは本当か!?』

 

「ええ本当です。」

 

『そうか、本当によかった』

 

「それで、迎えについてなんですが、どうすればいいでしょうか?私が送ってってもいいんですけど」

 

僕ではなく、私のほうがいいよな?

 

『アリサに聞いてみてくれ』

 

「それじゃあ少し待ってください。アリサちゃん、ここに残って、迎えが来るのを待つか、私が送っていく。どっちがいい?」

 

「え?えっと……………送ってって下さい」

 

「了解。待たしてしまってすいません。私がアリサちゃんを送っていきます。」

 

『そうか。娘を宜しく頼む』

 

「はい、責任を持って送らせていただきます。それでは。……それじゃあ、帰ろっか。」

 

「あ、はい。…でもどうやって帰るんですか?」

 

「それは、飛んで帰るんだよ」

 

「え?飛べるんですか?」

 

何でこんなに驚いているんだろう?…………あっ!そうかこのときはまだ、魔法の事を知らなかったんだっけ。まぁいいか、言っても。

 

「うん、出来るよ。だって私は魔法使いなんだから」

 

「え?魔法使い?」

 

「そう。だから空だって飛べるんだよ、ほら」

 

証明のために空を飛んでみせた。

 

「す、すごい」

 

「すごいでしょ。じゃあ私の背中に乗って、アリサちゃん」

 

そう言うと、アリサは僕の背中に乗ってきた。

 

「それじゃあ、いくよ。しっかりつかまっててね」

 

そう言って僕は空を飛んだ。

 

「うゎあ、すごいキレイ」

 

「うん、とってもキレイだね」

 

そしてしばらく無言状態が続いたが、不意に彼女が

 

「あの」

 

「ん?何?」

 

「あなたの名前は何て言うんですか?」

 

……どうしよう、ここで本名を言うと小学校に入学した後が面倒だし、偽名でも名乗っとこう。

 

「名乗るほどのものじゃないけど、あえて言うなら、桜、とでも読んでくれ」

 

「はい!桜さん!…それと、ありがとうございました。」

 

「いいよ、別に気にしなくても。後、アリサちゃん」

 

一様、アリサではなくアリサちゃんと呼んだ方がいいだろう。

 

「何ですか?」

 

「アリサちゃんにお願いがあるんだけど、いいかな?」

 

「もちろんいいですよ。何ですか?」

 

「それじゃあ、私の事、つまり私が魔法使いだって事は誰にも話しちゃだめだよ?いい?」

 

このことが世間に広まると、厄介なことになるかも知れないしね。

 

「もちろんです。誰にも言いません」

 

「ありがとう、あっそうだ」

 

いい子だな、アリサ。……そうだ、一様聞いておこう。

 

「まだ何かあるんですか?」

 

「えっとアリサちゃんは、私の事、男か女、どっちに見える?」

 

「えっと、女に見えますけど?」

 

「うわぁぁぁぁぁ!」

 

くそ!予想はしていたけど、心に傷が!

 

「どうしたんですか!?」

 

一応、言っておいたほうがいいよな?

 

「えっとねアリサちゃん、私、こんな格好だけど、実は男なんだ」

 

「え?……ええぇぇぇぇぇぇ!?」

 

「アハハ…やっぱり女って見えてたんだ。ちょっとショック」

 

「ご、ごめんなさい」

 

「いや、いいんだよ別に、女顔って事は自覚してたし」

 

「おっと、そろそろアリサちゃんの家に着くけど、さっき言った事はしっかり守ってね」

 

「はい。分かっています」

 

「それじゃあ、この辺で下りるよ」

 

「…それじゃあここからは1人で帰れるね?」

 

「え?一緒に来てくれるんじゃないんですか?」

 

だって、行ったら面倒だし。

 

「うん。…これからまた、急ぎの用事があるんだ」

 

嘘を言う僕。

 

「で、でも」

 

彼女が悲しい顔をし始めた。ど、どうすればいいんだろう?頭を撫でればいいのかな?

 

「ふぇ!?」

 

撫でると、彼女は驚いた。まぁいきなりだったからなぁ。

 

「そんなに悲しい顔しないの。…きっといつかまた、会えるから」

 

「……絶対ですか?」

 

「うん、絶対」

 

「……それなら…いいです」

 

「よかった………それじゃあもう行くね」

 

そう言って僕はその場を去った。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

そして今は帰り道。琴里は人間になっている。

 

「どうしようかな、約束」

 

「どうするの?お兄ちゃん」

 

琴里が問いかけてきた。どうしよう…

 

「う〜ん、まぁいつかって言っても、詳しくは決めてないしいつかはその日が来ると思うからいっか。それよりも早く帰ろう、琴里」

 

「そーだね、お兄ちゃん。……お兄ちゃんの料理、楽しみだな〜」

 

「あんまり期待されても…」

 

僕達はそう言いながら帰宅した。

 

余談だが、帰ってから作ったハンバーグは、結構好評だった。

 

葵siedEnd

説明
今回は5000文字も超えてしまった。自分的にすごいと思っている今日この頃。






そんな事よりも本編をどーぞ。
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