IS インフィニット・ストラトス 〜転入生は女嫌い!?〜 第二話 〜世界の実情〜 |
「どうした?山田先生。大声をあげて」
クロウがゆっくりと振り返るとそこには一人の女性がいた。
黒髪をストレートに伸ばし、身長は女性にしては高く、黒いスーツを着こなしていた。そしてクロウの第一印象は「男勝り」というもの。
「男!?っ!」
その女性は目の前にいる人間が男だとわかるといきなりクロウに飛びかかり、顔面へ攻撃しようとした。
「(!?なんだってんだよいったい!!)」
クロウは顔面への拳を最小限の動きでよけると後方に飛び、二人の女性との距離を取った。
見ると殴りかかってきた女は妙に驚いた顔をしている。山田先生と呼ばれた女性はまだパニック状態の様だ。
「(なんでそんなに驚いているんだ?)おい。あんたらいったいなんなんだ!」
「貴様こそ何者だ。このIS学園にお前の様な男子生徒は居ない」
「IS学園?じゃあここは学校なのか」
「当たり前の事を言うな。大方ISのデータを盗みにでも来たのだろう。何故男かはわからないが」
「データなんぞ盗みに来ていない!そもそもこちらは転移直後でここがどこかも分かってねえんだよ!!」
その言葉を聞くと女性は訝しむような顔をして
「転移?何を訳のわからん事を言っている!」
と詰問するように言ってきた
すると童顔の女性がやっとパニック状態から回復したようで
「織斑先生!ちょっと・・」
と殴りかかって来た女性を手招きしていた。織斑先生と呼ばれた女性は、視線はクロウから外さずゆっくりと手招きした女性の方に向かっていき
「(なんだ?山田先生)」
とクロウに気づかれないように小声で問いかける。
「(さっきのあの男性の「転移」という言葉が気になって。実は先程学園内の林で不可解なエネルギー波を探知しました)」
「(何?それは本当か?)」
「(はい。今までに探知したことの無いパターンだったので。あながちあの男性の言葉は嘘ではないのかもしれません)」
と小声で話をするが、クロウからすればいきなり女性から殴り掛かられ、目の前で内緒話をされれば気分のいいものではない。
「おい。もう一度聞くがあんたら一体何者だ?」
すると殴りかかって来た女性が
「おいお前、さっきなんと言った?」
「はあ?だからあんたらは一体」
「違う。その前だ」
「・・・。転移直後でここがどこかもわかってねえ、と言ったんだが?」
すると女性は考え込むような顔になり
「何か事情があるようだな。ここでは何なので校舎の中で話そうか。」
そう言うと童顔の女性の方を手で示し、
「この先生について行ってくれ。山田先生、案内を頼む」
「ふえっ!?わ、わかりました。どうぞこちらへ」
と言いつつ歩き始めるので仕方なく付いていくと後ろからもう一人の女性が付いてくる
「(この場でこいつらを振り切ることもできるがそれは得策じゃねえ。後ろの女はそれを見越していやがる。こいつを倒すのはいくら俺でも難しそうだしな・・)」
と考え、素直に従うクロウ。
「(さて、どうなることやら。少なくとも退屈はしそうにねえな・・)」
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第二話となります。 |
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