IS インフィニット・ストラトス 〜転入生は女嫌い!?〜 第四話 〜形の変わった相棒〜 |
「なるほど。それでそのISのデータは閲覧できましたか?」
「いいえ、プロテクトが強固で見ることができませんでした。ですが一つだけ分かったことがあります」
すると山田先生はクロウの方を振り返り、
「ブルーストさん、一つお聞きします。「DMB-00 ブラスタ」という言葉に何か心当たりはありませんか?」
と聞いてきたので、クロウは
「ああ、俺が前の世界で乗っていた相棒の名前だ」
と返答した。
「それではこのISは・・・」
と山田先生がブレスレットに視線を落とし、固まってしまった。
「なんだ?俺の相棒の名前がどうしたっていうんだ?」
とクロウが山田先生に問いかけると山田先生が顔をあげ
「唯一閲覧出来た情報と言うのがこのISの名称なんです。つまりこのISはブルーストさんが乗っていた機動兵器がISになったものということに・・・」
と山田先生が信じられない様な事を言う。
「・・・は?つまりなんだ、そのブレスレットが俺の相棒だと?」
「正確にはISの待機状態ですが・・」
麻耶は叱責を受けている子供のように縮こまる。
「文句を言っても始まらん。事実を受け入れろ。」
と千冬が厳しい一言をクロウに浴びせる。山田先生がブレスレットをクロウに返してきた。クロウはそれを左の手首に付けながら
「と言ってもその事実が分かったって行く宛が出来たわけでもないんだよなぁ、これならいっそ元の大きさの方がましだったぜ」
と誰に対するでもなく一人ぼやくように言う。
すると織斑 千冬が意を決したように
「どうだ、クロウ・ブルースト、行く宛が無いならこのIS学園に入学してみないか?」
と提案してきた。
「・・・。俺にどんなメリットが?そもそもこのIS学園の事もまだ詳しく聞いていないんだが」
「ふむ、確かに。ではまずこのIS学園について説明しよう。」
すると千冬は語り出した。この学園は三年間かけてISに関連する人材を育成するための特殊国立高等学校、設立までの経緯など。
「そして、お前にとっての最大のメリットはIS学園の規約に“学園に関するものはあらゆる国家機関に属さず、いかなる国家や組織であろうと学園の関係者に対して一切の干渉が許されない”という項目があることだ」
「何?つまりこのIS学園に入れば・・・」
「そう、少なくとも三年間は自由が保証される。今後の身の振り方などはその間に考えたらどうだ?」
「・・・。選択の余地はなさそうだな。しかし仮に俺がその学園に入学するとして、どうやって入学するんだ?俺はこの世界では身分を保証できそうな物は何も持っていないぞ?」
とクロウが実に現実的な質問をすると、
「その点は心配するな、確かに難しいかもしれないが私はこの世界ではそこそこ伝手があるのでな、
手段が無い訳ではない」
それに何より、と前置きを付けて
「お前の様な危険人物を放置するなんて怖くて私には出来ん」
と失礼極まりない台詞を吐く。
「やれやれ、俺はそんなヤバイ人間じゃないんだけどな」
とため息と同時にそんなことを言うと、
「あ、一つだけ問題がある」
と続けた。
「なんだ?」
「その学園には女しかいないんだろ?」
「ああ、新年度には男子学生が一人入ってくるがそれ以外は皆女性だ」
「良かった。俺をその男と同じクラスに入れてくれないか?」
「それ位の事ならば簡単だが、何か理由でもあるのか?」
「ああ、実は俺、女嫌いなんだよ。」
「・・・・・・」
と二人は絶句してしまった。いち早く回復した千冬が
「そんな事は知らん。それでお前はIS学園に入るのか、入らないのかどっちだ?」
「・・・分かった。そのIS学園とやらに入ってやるよ。」
と覚悟を決めたかのように言い放った。
「よし、これでお前の今後は決まったな。さていきなりだが私はお前の入学のために動かなければならん。お前が書く事になる様な書類関係は後日でいいだろう。扱いは特待生ということにしておくぞ。今日はここに泊まれ。入学後も同じようにこの学園の寮で生活するだろうからな。」
と本人の了承を得ずにどんどん話が進んでいく。
「お、おい。ちょっと・・・」
「ああそうだ、学園に入学するならもう寮の部屋を決めておいた方が何かと都合がいいだろう。山田先生、ブルーストを空部屋に案内してくれ。そこをこいつの部屋にする」
「はっはい!わかりました。」
今まで出る幕が無く、聞き手役に徹していたがその言葉でようやく気がついたかの様に返事をすると、
「ではブルーストさん、こちらへ・・・」
麻耶は格納庫から出ていき、後に付いて来るように手で示す。クロウ自身もこの急展開に驚きを隠せないようで
「あ、ああ。分かった」
と生返事で返し、後について行った。格納庫に一人残った織斑 千冬は一人佇んだまま
「さて、あいつの影響で世界はどう動くかな?」
と呟くのだった。
説明 | ||
第四話です。 | ||
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インフィニット・ストラトス SF 恋愛 クロウ・ブルースト スーパーロボット大戦 クロスオーバー ちょっと原作ブレイク 主人公が若干チート ハーレム だけどヒロインは千冬 | ||
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