魔法少女リリカルなのはTime Leapなの? ?過去に戻った高町なのは? 【無印】 第十四話 |
「た、助かったなの……」
……酷い目に合いました。
あれから車に乗って海鳴温泉に向かっていたのですが、その途中で私はもう疲れました。
お兄ちゃんが忍さんが運転する車に乗って居なくなったからなのか、アリサちゃんがいつも以上に私にくっついてきたのです。
アリサちゃんを離そうとしても全く離れず、アリサちゃんの左側に座っていたすずかちゃんまでもがドン引きするくらいに抱き着いてきたのです。
前に座っていたお姉ちゃんやお父さんお母さん、そしてユーノ君もアリサちゃんの行動に少し引いていました。しかし私以外は誰も止めようとせず、すずかちゃんに関しては唖然して声が出せない状態になっていました。
挙句の果てには一度私を車の中で押し倒すし、後数センチでアリサちゃんの唇が私の唇にくっつきそうでした。回避できないかと思っていたのですが、運よく車が目的地に着いたおかげで何とか難を逃れて今に至ります。
「なのはちゃん、大丈夫?」
「と、とりあえず大丈夫なの……」
ギリギリセーフのところでキスは逃れましたが、正直まだ完全に終わったわけではありません。これから二泊三日で温泉に泊まる訳なので、これから一体どうなるか心配になりました。
っていうか、アリサちゃんいきなりどうしたのでしょうか? 今までこんな事がなかったので逆に気になり、不思議に思えたのです。今までは私の腕を組んできたりなどという事はしてきましたが、あそこまで自重しないで私を抱き着いて来たりしてくるとかは今までなかったのです。
……もしかして、この温泉の間に私とキスをしようとしているのでしょうか?
そう思った瞬間、私の顔は一瞬で青ざめているだろうと自分でもなんとなく分かりました。これは相当まずいです。個人的にフェイトちゃんとの戦いより自分の身の方を守りたいと本当に思ってしまいました。別にアリサちゃんを嫌っているわけじゃないですが、この三日間のアリサちゃんは何か危険のような気がしたのです。無事に帰れるのでしょうか?
ちなみにアリサちゃんはただいまお兄ちゃんと口論しています。多分お兄ちゃんはお姉ちゃん辺りから事情を聞いて、それでアリサちゃんの所へ向かったのでしょうね。さっきからお互いに火花散らしているし。
とまぁ、そんなこんなで旅館に着き、少しすると私達は旅館の中に入って行きました。まぁ、お兄ちゃんとアリサちゃんはみんな無視してその場で置いていきましたが。っていうかあの口論を止めたら、アリサちゃんがまた私の方へ来そうですしね…… 正直言ってもうちょっとそのままでいてほしいと思ったりしましたね。
ちなみにお兄ちゃんとアリサちゃんが旅館の部屋に入ってきたのはそれから一時間後で、それまでずっと口論していたようです。っていうか一時間もよく口論できますね……
アリサちゃんは私とすずかちゃんが居る方へ歩いて来て、相変わらず私の腕を組んできました。さすがにさっきのは自重しなかったことに反省したような感じで、私とすずかちゃんは少しホッとしました。
「それじゃあ、アリサちゃんも来た事だから、トランプでもしない?」
「いいですね。じゃあやりましょうか」
すずかちゃんは持ってきていたトランプを荷物から取り出し、私とアリサちゃんの前に置いた。
それを見たアリサちゃんは一瞬何かを閃いたような顔を見せました。なんか、嫌な予感がするのですが……
「それで、なにするの?」
「ここは無難に七並べとかにしない? 罰ゲームとかありにして、一位だった人は負けた二人に今日から三日間命令することが出来るとか」
私の質問にアリサちゃんが答えます。私が嫌な予感がしたのはこれでしたか。要するにアリサちゃんが一位になって私がビリになればいろんな事を私に出来ますからね。
「で、でもそれは……」
「良いよすずかちゃん。私かすずかちゃんが一位かなればいいだけの話だから」
すずかちゃんは多分私の事を思って罰ゲームを止めさせようとしたのでしょうが、私はそれを止めさせます。
いいでしょう。その勝負受けて立ちましょうか。アリサちゃんが一位にならせなければいいのですから。
「それじゃあ、ルールの確認をしておくね」
アリサちゃんは次々にルールの確認をしていく
パスは一回でジョーカーの使用は無し。さらにAもしくはKのどちらかに辿り着いたら反対側のAもしくはKからしか出せないトンネルルールを採用。ルールはそんな感じになった。
シャッフルは三人がそれぞれ一度カードを切るという事になり、ありさちゃん、私、すずかちゃんという順で切った。
それから私がカードを配り、配り終わると三人はそれぞれ手前にあるカードを手に持った。
さて、私の手札は……
私は良い手札だと期待しながら、手札のカードを見ました。だが、私の手札は最悪でした。
――10以上と4以下しかカードが無い!!
正確に言えば7が一枚あるのですが、これはどうしようもありませんでした。しかもスペードの10とハートの4の二枚が一番近いカードなので、正直何も出さずに終わってしまう気がしました。
とりあえず7を場に出して、七並べは始まるのでした。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
結論から言って無理でした。
結局私は一枚も出さずに終わってしまい、持っていた手札は全て場の位置に置きました。
ちなみに今はアリサちゃんもすずかちゃんもお互いに良い戦いです。私がすぐに負けた事によってお互いに相手のカードが分かってしまっているのです。なので何を出せば良いのかお互いに分かっており、簡単に策が建てられたのである。
また、私はお互いのカードを確認しましたが、正直すずかちゃんの方がきついような気がしました。出せるカードや持っているカード的に不利だったのです。
このままではアリサちゃんが勝ってしまえばこの三日間、私はアリサちゃんにいろいろとされるでしょうね…… キスとか言われたら本当にどうしましょう?
そう思っていながらも、アリサちゃんとすずかちゃんはお互いにカードを出していく。場にはどんどんとカードが出されていき、お互いに手札の枚数が減っていた。お互いにまだパスは使っていないので一回パスは使えた。
「……パスです」
しかしそれも、ついにすずかちゃんが使う事になってしまう。パスとすずかちゃんが言った事に、アリサちゃんはにやけた顔をするのでした。
お互いに相手が何のカードを持っているのか把握できしまうため、すずかちゃんがカードがあってパスをした訳ではないととっくにわかっていた。そもそも、二人になった時点でパスの意味もほどんど意味を失くし、パスを使う場面が無かった。だから今の状態となり、少し不利だったすずかちゃんがカードが出せない状態になっていたのであったのです。
そしてすずかちゃんがパスをしたことによって必然的にアリサちゃんに周るのですが……
「私もパスよ。さて、これですずかは何もカードを出せない筈。ジョーカーあれば何とかなったけどね」
なるほど。アリサちゃんがルールの確認した時にジョーカーの使用を禁止したのは自分の勝率を分かりやすくするためでしたか。全くその事を考えていませんでしたね。ジョーカーがあれば最初の手札で不利な場合でも何とかなりますからね。アリサちゃんは私やすずかちゃんよりも運は良い方なので、ジョーカーの使用はしたくなかったのでしょうね。そこまでして私に命令させたいのですか。
そしてアリサちゃんの言うとおり、すずかちゃんは出せるカードが無く、カードを公開しました。
「じゃあ、私の負けだね」
これによってアリサちゃんの勝利となったわけなのですが……
「さぁて、まず何をさせようかな〜」
「さ、さっきからなんでにやけているの……」
嫌な予感しかしません。特に私に対して。
私は少し後ずさり、アリサちゃんから少し逃げようとしました。しかし本気で逃げる気ではなかったので、アリサちゃんはすぐに私の方へ近づいてきます。
「ふふ、ふふふふふふふふ」
「ちょ、ちょっと落ち着こうアリサちゃん。今日はまだ時間あるんだし……」
「確かにそうね。それじゃあ、お風呂の時に……」
とりあえずこの場を逃れましたが、私はこの三日間無事に生きていれるのでしょうか?
とまぁ、そんなやり取りがあったのですが、その数分後に温泉に行くことになって、あまり意味がありませんでした。
説明 | ||
新暦85年、高町なのははある任務の途中で死亡する。 任務は全て嘘であり、全てはなのはを殺害するための一部の管理局員による計画だった。 なのははその計画通りに殺されるが、その任務に向かう途中に偶然何故か落ちていた拾ったジュエルシードによって、なのははタイムリープをするのだった!! しかも、タイムリープしたのはなのはが生まれた頃だった!! 要は、魔法の知識や記憶を持ったなのはがタイムリープをし、無印、A's、STSと原作ブレイクしていくものです。 予定だと無印、A'sまでは原作通りに進み、STSはなのはの立ち位置を変えようと思ってます。 原作ブレイクは初めてなので正直うまく出来るか心配だったり^^; とまぁ、読んでくれると嬉しいです♪ |
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