テイルズオブエクシリア?転生者はイレギュラー? |
〜レオンSIDE〜
あの後、すぐのハ・ミルを離れた俺達は寄り道をせず、キジル海瀑へ来ていた。
キジル海瀑に入ると、綺麗な海辺を思い出させるほど綺麗な小さな湖がある。
「このキジル海瀑を超えれば精霊の里、ニ・アケリアか。連中も追ってきてないな」
追手が来ないことに安心するアルヴィン。しかし、そんな中ジュードは浮かない表情をしている。
「村の人たちに悪いことしちゃったね……。よくしてくれたのに」
人の心配が多いジュードにアルヴィンが言う。
「ラ・シュガル兵が来てるんだ。逃げるが勝ちってな」
「そうだな。それに、どうするかを決めたのは村長たちだ」
そんな冷たい風に言う俺やアルヴィンに少し怒った表情をしてジュードは俺たちに言う。
「僕らを守ってくれたのかもしれないんだし、そんな言い方しなくても……」
ハ・ミルの住民達を心配するジュードにミラが言う。
「気になるのか。ならジュード、君は戻るといい」
そういい、歩き出すミラ。俺もそれに続いて歩き出す。
「短いつきあいだったが、色々と感謝している」
「元気でな」
そう、簡単に別れを告げる俺たちの態度にジュードは怒った。
「どうしてそうなの?」
歩くのをやめてジュードを見てミラは言う。
「……もっと感傷的になって欲しいのか?それは難しいな。君たち人もよく言うだろう?感傷に浸ってる暇はない、とな」
「……使命があるから?」
「そうだな」
「やるべきことのためには感傷的になっちゃいけないの?」
「人は感傷的になってもなすべきことをなせるものなのか?」
ミラの問いに首を振るジュード。
「わからないよ。そんなの……。やってみないと……」
ジュードの返答に俺が答える。
「だったら、やってみればいいじゃねえか」
「え?」
「そうだな。やってみればいい。そうすれば、君のなすべきことを、そのままの君で……それで答えが出るかもしれない」
俺に続いてミラがジュードに言うとジュードは少し考えるように言った。
「僕のなすべきこと……」
俺とミラは2人から少し離れ、ジュードの心の整理を待った。少しして、ジュードの考えがまとまったのかは分からないが、アルヴィンと一緒に近づいてきたのを確認して俺達はキジル海瀑の奥を目指す。
奥まで進む途中、大きな滝のある場所まで来ていた。
「もうすぐニ・アケリアか〜。どんなところなんだろう。いいところなの?」
「うむ。私は気に入っている。瞑想すると力が研ぎ澄まされる気がする。落ち着けるところだ」
「ああ、それに空気が美味しいし、争いがない村でもあるな。俺もそこに住んでから村の住民の人達には世話になったしな」
俺とミラはニ・アケリアのいいところをジュードにいう。
「へぇー」
笑顔のジュード。ニ・アケリアを楽しみにしているみたいだ。
そんな俺達を見ながらアルヴィンが言う。
「ちょっと休憩。岩場歩きで、足痛ぇ」
「到着してから休めばいいだろう?」
「そう言うなって。ニ・アケリアは逃げやしないさ」
そういいながらジュードの肩に手を置き、腕を回すアルヴィン。
「な?休もうぜ?」
そう言われてジュードは、
「え、うん。じゃあ、そうしようか」
休むと言って休むことになった。
俺とミラは少し2人から少し離れた場所から2人を見る。
「ふ。アルヴィめ。要らぬ気を回すヤツだ」
そういい、滝を近くで見ようとするミラが俺から離れ、少し目から逸らすと、
「なっ!?」
「ミラ!」
何かリリなのに出てくるバインドのようなものに拘束されたミラ。それを助けようとしてそれに飛びつこうとした俺だったが……肝心なことを忘れていた。
バシャ!
俺の目の前に凝縮された水が俺を吹き飛ばした。
「ドワ!?」
バシャァァン!
そのまま吹き飛ばされた俺は滝の水でできた川に落ちた。
〜レオンSIDE OUT〜
〜ミラSIDE〜
くっ!油断した!まさか、私が精霊術で拘束されるとは!しかも、私を助けようとしたレオンが吹き飛ばされるとは……レオン、無事でいてくれ!
「お疲れかしら?油断し・す・ぎ」
私は目の前に私を精霊術で運ばせた女に問いかけた。
「何者だ」
「うふっ。教えてあげない。けど、私が吹き飛ばした彼だったら知っているかもね」
何?レオンがこの女と知り合いだと?むぅ……何か胸の中でざわつくな。イライラする。
すると、女がいきなり私の体を触り始めた。
「なんのつもりだ」
私は少し、気色悪く感じたが、女は私の言葉を無視して、体を触る。
「どこかしらね?あなたの大事なものは」
女は私が持っていた剣と『クルスニクの槍』の『カギ』を投げ捨てた。おそらくこいつの言っている私の大事なものとは…『カギ』のことだろうな。
ん?ちょっと待て!それはレオンから貰った!大事なペンダント!
「これは……ふふ、彼からのプレゼントかしら?羨ましいわね……」
女はそれも投げ捨てた。私の大事なものを……よくも!
「渡してもらうわよ」
女は本を私に突き付け、言ってくる。
「断る」
私は即座に却下した。
女は私の言葉を聞くと、本を開き、その本は輝き始めた。
「う」
すると、私を拘束していたものが強く絞めつけ始めた。
「もう果てそう?」
「言っておくが……まだ私の手の内にあるとは限らないぞ」
「そう、そういう態度なのね?」
そう、女がいい、再び本が輝き、絞めつける力が強くなる。
「ぐあ!」
「どう?痛いでしょ?素直にありかを言った方がいいわよ?」
私に『カギ』のありかを聞いてくるが……私は絶対に言わない!
「無駄だ。私にとって痛みは恐怖にならん」
「なら、一緒に来てもらうわ」
女がそう言っていると、私の状態に気付いたジュードとアルヴィンがこちらに来た。
「誰?」
ジュードが聞くと、女はジュード達を……いや、視線はアルヴィンを見ているな。
「今は、この娘(こ)にご執心なのかしら?」
「放してくれよ。どんな用かは知らないが、彼女、俺の大事な雇い主の1人なんだ」
「近づかないで、どうなるか、わからないわよ」
アルヴィンを見ながら本を構える女。私はこの女が誰の差し金か気になり、聞いてみた。
「誰の差し金だ?それと、お前の名も聞かせてもらおうか」
「女に名前を教えるなんてつまんない。教えるなら彼の方がいいわね。それより、あなたをイジメる方が楽しそう」
女は私を見ながら言う。
「後でもっと遊んであげるから楽しみにしてなさいね」
そう、女が言った時だ。
―――――――――誰が誰で遊んで楽しむ……だって?―――――――――
どこからか声が聞こえてきた。この声は……
「誰?姿を見せなさい!」
女は周囲を警戒し始めた。ジュード達もそれ聞いて、周りを見る。
すると、ジュードが何かに気づいたのか私に聞いてきた。
「ミラ!レオンはどうしたの!!」
「レオンは私を助けようとしてこの女の精霊術で吹き飛ばされた」
「何だって?!」
驚くジュード。アルヴィンまでも驚いている。
――――――――――ミラ、そこを動くなよ……でないと
女の後ろに人影が。
「はっ!殺気!……なっ!?」
女は自分の後ろから殺気を感じて振りかえるとそこには……
「お前を吹き飛ばすかもしれないからな」
水に濡れているが、体からバチバチと音を鳴らしている。これは……雷か?
「ふん!」
レオンは腕を振りかざすと女を吹き飛ばした。
「きゃあああああああ!!」
吹き飛ばされた女は悲鳴を上げたながら水面に落ちて行った。
レオンは術が解けて落ちそうになる私を腕の中で支えた。
「無事か?」
「レオンこそ、大丈夫なのか?」
私はレオンの身体を見るが、見たところ外傷はないな。よかった。
「ミラ!レオン!無事?」
レオンは私を抱えたまま、下に降りると私たちを心配していたジュードとアルヴィンが近づいてきた。
「大丈夫?」
「ああ、レオンが助けてくれたおかげでな……それよりも…」
私は剣を構える。ジュード達も武器を構える。
その先にはさきほどのやり取りで寝ていた魔物を起こしてしまったのか、少し興奮している魔物は私たちを威嚇する。
戦闘が開始しそうになると、レオンが私たちの前に立つ。
〜ミラSIDE OUT〜
〜レオンSIDE〜
女……プレザの水の精霊術で吹き飛ばされた俺は雷化をして水の中から脱出し、プレザの後ろを取るとプレザを吹き飛ばした。
プレザが吹き飛ばされて拘束が外れたミラをお姫様抱っこをして下に降りた。
しかし、俺達のせいで寝ていた魔物を目覚めさせてしまい、機嫌が悪そうだ。
そこで、俺はミラ達の前に立つ。
「レオン?」
「こいつは俺にやらせてくれ。少し、イライラしててこのイライラを収めたいんだ」
ミラは俺を見ながら、考えている。そして、
「わかった。が、後であの女のことを聞かせてもらうぞ」
「(汗)わかった」
凄い剣幕で言ってくるミラに恐れながら、俺は魔物……グレーターデモッシュと対峙することに。
なったのだが、
先ほど、述べたが今の俺は雷化の状態だ。簡単に言えばNARUTOの雷影とネギま!のネギの雷化を足した感じだ。
パワーは雷影の雷化+スピードはネギま!のネギの雷化の状態であるので、はっきり言うが……グレーターデモッシュなんて敵じゃない。
てな、わけで
「消えろ」
シュン!
ドス!バキ!グチャ!ドシュ!バキン!ドカァァン!
殴る・砕く・踏みつぶす・切り裂く・吹き飛ばす・爆発する……雷化状態でこれをしたらグレーターデモッシュの姿はあとかたもなく消え去っていた。
『………』
その光景を見ていたジュードとアルヴィンは驚いて声も出なかった。
ミラは俺のこの状態を前に見たことがあるので驚いてはいない。
そして、戦闘が終わった後、ジュードとアルヴィンは先に行くといい俺をおいてけぼりに、俺はミラに話をしていた。
「さて、レオン。先ほどの女とはどういった関係だ?」
「いや、彼女とは昔、旅をしていた時にあったんだ。その時は敵と間違われて彼女の上司とその仲間と戦うことになって……それだけだよ」
俺は汗をかきながらもミラに説明する。
「ほぉ?その割にはあの女はお前のことを詳しく知っていそうだったが?」
「あ、いや……それは〜」
視線が泳ぐ俺の首をミラが掴んだ。
「言え」
顔を近づけるミラ。
「う、うぅ……///」
ミラの顔が至近距離なので、ミラの唇と俺の唇が近づいている。
「ほ、本当だって!……ただ、彼女は昔、ある男に酷い裏切りを受けて仲間達が死んでしまったとかいっていたんだ。少し、相談に乗っただけだよ」
「本当だな?」
「本当だよ」
俺がそう言うとミラは手を話した。心なしか、少しミラの顔を紅い。
「で、では行こう。ジュードとアルヴィンも待っている」
ミラは早足で、2人のもとへ向かった。
俺もそんなミラの後を追っていった。
〜レオンSIDE OUT〜
〜ミラSIDE〜
レオンにあの女とどういった関係かと聞いた時、やはり、胸が苦しくなった。これは一体何なんだ?
私が聞くとレオンは話してくれた。しかし、まだ何かを隠している気がして顔を手で掴んで、顔を近づけて聞いてみた。
すると、あの女には前に遭った時に、相談をされたという。嘘か本当かと言えば本当だろうな。レオンの目を見ればわかる。
顔を離し、顔を掴んだ手をどけて……少し私は恥ずかしい…のか?顔が紅くなるのを感じた。
そして、私は気づいた。……そうか、このような気持ちが嫉妬というものなのだな。本で読んだことがある。
人とは自分の愛する者の愛情が、他の人に向けられるのを恨み憎むこと……これとは少し違う気もするが、私は10年前からの付き合いのあるレオンが他の女と仲良く話したり、レオンのことを知っている女がムカついているのは……こういうことか。
つまり、私は……他の女にレオンが取られたくないから嫉妬している……ということなのか?よくわからないな。
きっと、旅をすれば知る機会があるだろうな。うん。きっとそうだ。そうに違いない。
私は1人で納得していると、レオンがいつの間にか私を追い越していた。
「お〜いミラ。大丈夫か〜?」
レオンが私を心配して、声を掛けてきた。
「ああ、大丈夫だ。すぐに行く」
私は考えを忘れさせて、レオンの元へ走って行った。
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第9話 ミラの嫉妬 | ||
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