化物になっちまったようです act1 |
誠に唐突だが、俺は死んでしまった様だ。
申し訳ないが、死んじまった時点で色々とあやふやなのだ、こんな感じの言葉になってしまう事を許して欲しい。
まあ、死ぬことそれ自体はそう驚く事じゃない。
世界中で、1秒間に何人かが死んでる、なんて言われる位だ、死ぬ、というのは当たり前。人間辞めてるなら話は別だけど、生憎俺は普通の高校生だったんだ、簡単に死ねる。
んで、一般人だから死ぬのは嫌なのも当たり前。しかも、老衰とかならまだ諦めもつくけど、よりによって交通事故。
やりたい事沢山有ったのに、綺麗にぶち壊された。
行き先は天国だか地獄だか知らないけど、文句の1つや2つ、言わせて貰おう。
……そう考えていた時期が、俺にもありました。
「……ふむ……これは中々、大した出来のようだな……」
気が付いたら、目の前にいたのは神様でも閻魔様でもなく、1人の白衣を着た男だった。
……ごめん、状況がさっぱり解らない。
ていうか周りがやたらと緑色何だけど。後息をしようとしてもゴボゴボいうだけなんだけど。
何か見た事有るぞこのシチュエーション。
身体は……動かない。
どうしろっつうんですかこれ。
しばらく悩んでいると。
(聞こえるかね?)
頭に声が聞こえてきた。
思わず、目の前の博士っぽい男を見る。
満足げに相手は頷く。
(聞こえるようだな。今から、君をそこから出してあげよう。少し待ちたまえ)
俺が知らないところで、話がどんどん進んでるような。
そんな事を呆然と考えている間にも、周りから緑色がどんどん消えていく……って、俺液体漬けにされてたのか……不思議な気分だ。
ぷしゅー、なんて音をたて、俺を閉じ込めていたガラスが開いた。
早速出てみる。身体に異常は無いな……ほっとする。
でも後ろを振り返れば、物々しいカプセルが見えるわけで……これなんてどこぞの悪の研究所?
「ようこそ、我が研究所へ。私の名前は、ベルトルト。よろしく頼むよ」
「……」
こんな訳の解らん状況で自己紹介されても、なんつうかかなり困る。
とりあえず、質問すべき事は沢山ある……って、あれ?
「……?……!?」
声が出ない。
あれ、何で?
「おっと、すまない。君は喋れないのだったな。しかし念話は出来るはずだ。強くイメージしたまえ」
強くイメージって。念話……テレパシーみたいなもんかな?っつか聞いた事有るぞそれ……。
とりあえず、喋れないのでは意味がない。言われた通り、言葉を強くイメージしてみる。
(……聞こえ、ますか)
「うむ、上出来だ」
男……ベルトルトは、また満足げに頷く。それから、服を取り出して来て、俺に渡した。
「とりあえず着たまえ。いつまでも裸、というのも良くはあるまい」
おお、意外と常識有るぞこの人。マッドサイエンティストかと思ってた。
早速着替える。よし、サイズも悪くない…って、あれ?
俺の体、小さくね?
手とか、足とかがかなり小さくなっている。
博士がデカいのかと思ってたけど……逆か。俺がちっこくなっちゃった訳か。
何でこうなった。
「……お気に召さないかね?」
身体をしげしげと眺めているのを勘違いしたのか、ベルトルトが問い掛けてきた。
(あ、いえ……ありがとう、ございます……)
渡された衣服は上下共に真っ白という極めてシンプルなもの。
下手に派手なものよりは良いし、またずっと裸よりは断然マシだ。
「ふむ……」
あれ、何か考え込んでる。俺何か変な事言いましたっけ?
「君には、どうやら自我が有る様だな……これは珍しい……今までにも例が無い……」
自我?
何の事でしょう?
訳が解らず、首を傾げる。……さっきからこればっかだな俺。
「……ふむ、まあいい。とりあえずこちらに来たまえ、4番。君の身体のチェックをしなければならんからな」
4番、てのが俺の呼称か。
ほんといかにも、って感じだよなぁ……。
状況が解らないままでは何も出来ないので、言われるがままについて行く。
採血や身体のスキャン、その他諸々の検査を終えて。
……健康診断っぽい感じだな……。
結果待ち中、そう俺は漠然と感じていた。
もうちょいキツい感じを想像して、覚悟していたんだが……妙に拍子抜けだ。
「……」
声を出そうとしても、相変わらず出ない。
何とか鼻歌は出来る……仕方無いので、手足をぶらぶらさせてみたり鼻歌をしてみたりで時間を潰す。
しばらくして。
「お待たせしたね……結果が出たよ」
ベルトルトが姿を現した。
その手には書類が。結果がそこに記されているようだ。
「身体、リンカーコア共に今のところ、異常は見当たらない……正常だな。魔力ランクはA、問題ない……」
淡々と結果を話していくベルトルト。
しかし俺は、ある単語を聞いて、我が耳を疑っていた。
聞き間違えじゃない。確かに発音はそうだった。
リンカーコア。
とある物語にて、しょっちゅう見かける単語。
……状況が把握出来てきた。
信じられない気持ちはまだあるが。
どうやら俺は、何の因果かリリカルなのはの世界に転生してしまったらしい。
説明 | ||
……どうやら、俺は転生しちまったらしいbyとある転生者 どうも、アルテマニアと申します。 駄作ですがよろしくお願いします。 |
||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
1467 | 1399 | 2 |
タグ | ||
魔法少女リリカルなのはシリーズ | ||
アルテマニアさんの作品一覧 |
MY メニュー |
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。 |
(c)2018 - tinamini.com |