ゼロの使い魔 〜しんりゅう(神竜)になった男〜 第二話「神竜、そして召喚」
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今、私がいるのはトリステイン魔法学園の春の使い魔召喚の儀で使用されている広場。

その広場には笑い声や感嘆、落胆様々な声が満ちていた。

 

「次っ! モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ」

「はい」

 

名前を呼ばれて、一歩前に出る。

 

いよいよ、私の出番。

ちゃんとできるか心配だけど、モンモランシ家に恥じぬようにがんばらないと・・・・・・!

 

「・・・・・・我が名はモンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ・・・・・・」

 

皆が見守る中、私は“サモン・サーヴァント”のスペルを紡いでいった。

 

 

**********

 

 ヒュ〜 ズドン!

 

「いたた。あの死神め・・・・・・。落とすなら落とすって言ってくれよ・・・・・・」

 

さてと、ここはどこだ・・・・・・?

 

辺りを見回してみると、ここはどこかの湖っぽい場所だった。

 

丁度良い。

容姿がどうなってるのか見てみるか・・・・・・。

 

「おっ。神竜になってるぞ♪」

 

湖面に映る姿はドラクエVの“しんりゅう”そのものだった。

 

うん。大きさは“しんりゅう”とほぼ同じ。

つまり、非常に大きいという事だ。

それはさておき、誰の使い魔になるんだろうか・・・・・・?

死神(バカ)はランダムと言っていたが・・・・・・。

まぁ、考えるのもめんどいし、ここは呪文とか試しておくか。

 

そう考えた俺は周囲に誰もいないことを確認して、死神から授かった能力を試していった。

 

*****

 

ある程度、呪文を試した結果、死神(仮)が言った通りメガンテやザキなどの死呪文やザオラルやザオリクなどの蘇生呪文は使用不可だった。

 

いや〜、メガンテを唱えるのはマジでビビったよ。

下手すれば、転生してすぐ死亡ってありえたからねぇ。

ああ、あと身体のサイズが自由に変えられることも発見したので、今はキュルケのサラマンダーぐらいのサイズになっている。

さっきの大きさでは何かと不便だからな。

 

 ピョコッ

 

ん? 頭の上に何かが乗ったようだな・・・・・・。

 

「カエルか・・・・・・」

 

湖面に顔を映すと、頭の上に黄色に黒い斑点模様の小さなカエル(メス)が乗っていた。

どことなく見たことのあるカエルだったが、全然思い出せない。

 

「竜さん、こんなとこで何をしてるの? それにさっきまで使ってたのって、先住魔法ってやつだよね?」

 

すると頭の上のカエルが俺にそう話しかけてきた。

 

って動物の声が分かるよ。

ああ。俺、竜だったね、今・・・・・・。

 

「先住魔法とはちょっと違うが、概ねそうだな」

「ふ〜ん、そうなんだ〜」

「それにしても、嬢ちゃん。俺が怖くないのか?」

「うん。だって、竜さんには他の竜種にはない、優しい感じがするもん」

「そ、そうか・・・・・・ん?」

 

俺の問いに対するカエルの答えに苦笑いを浮かべていると、頭上に楕円形の大きな鏡のようなものが浮いていた。

 

「竜さん、これって何だろう?」

「さぁな。分からんが、誰かに呼びだされた感じはするな」

「そうなの?」

「ああ」

 

頭上のカエルの問いに答えながら、俺は頭上の鏡を見つめていく。

 

さて誰が俺の主人になるのか分からんが、頑張るとするか・・・・・・。

 

「さて・・・・・・」

「竜さん、どうしたの?」

「いや、何。鏡の中が気になったから行こうと思ってな」

「そうなんだ。じゃあ、私も行っても良い?」

 

別にいいんじゃないかと思ったが、鏡に入れるのって確か一体だっような? いや、違ったっけ? ・・・・・・ま、いっか。

 

「別にいいぞ?」

「やった!!」

「さて、余興に大きさを変えて乗り込むとしよう。嬢ちゃん、しっかり掴まっておきな」

「うん!!」

 

カエルの嬢ちゃんが((鬣|たてがみ))に掴まったのを確認して、俺は身体を最大サイズにし、鏡の方へ向かった。そして、鏡の眼の前で止まり、顔だけを鏡の中に突っ込む。意識を鬣に向けるが、お嬢ちゃんが一生懸命に掴んでいるのを確認する。

 

どうやらお嬢ちゃんは鏡に拒否られることなく、鏡の中に入れたようだ。

一応、お嬢ちゃんが鏡に拒否られても、安全に地面まで降りられるようにしっぽをのこしたままにしていたが、取り越し苦労のようでよかった。

 

俺は安堵のため息を吐き出し、意識を前に戻す。そして、キラキラと輝く鏡の中を進んでいく。

 

さて、主は誰かなあ?

 

**********

 

「「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」」

 

サモン・サーヴァントを唱えたところ、鏡の中からとんでもないものがでてきた。

そ、それは巨大な・・・・・・竜だった。

 

「ミ、ミスタ・コルベール・・・・・・」

「うむ。今まで見たことのない竜ですね。今のところ危害を加えるようなことはしていませんが、用心はしておきましょう」

「は、はい」

 

私は咄嗟に先生の後ろに隠れてしまう。

 

だ、だって巨大な竜なんだもの。

こ、怖いじゃない・・・・・・!

 

≪我が名は神竜。我を呼びだしたのは誰だ・・・・・・?≫

「「「「「しゃ、喋った!?」」」」」

 

突然、竜から声が発しられたため驚いてしまう。

 

韻竜は言語を操ると言われてるけど、絶滅したはずだもの。

だから、今の竜種は声をだせないはず・・・・・・。

 

≪もう一度聞く。我を呼びだしたのは誰だ・・・・・・?≫

「・・・・・・ミス・モンモランシ。契約を」

「は、はい。わ、私が召喚したのよ・・・・・・!」

 

先生に背中を押され、意を決し一歩前へと出て意思表示をする。

 

私も貴族の端くれ!

こ、これぐらいでビビったりなんかしないわ!

 

≪お前か。・・・・・・して、我を呼びだしたのは・・・・・・、いかなる用件だ?≫

「わ、私の使い魔となってもらうためよ!」

「ぶぉおおおおおっ!!!!!!!」

「「「「「!!」」」」」

 

私がそう叫んだ瞬間、竜が雄叫びをあげた。

それにより思わず耳を塞いでしまった。

 

な、なんて音量なの・・・・・・!?

 

≪用件を承った。我、汝を主人と認めん≫

 

しばらく目を瞑り耳を塞いでいたら、竜の顔が私の目の前にあって、そう言葉を発したのが聞こえた。

 

え、どういうこと・・・・・・?

 

「・・・・・・ミス・モンモランシ。この竜はどうやら、あなたを主人だと認めたようです。それに召喚したのは、この竜だけではないようですね」

「え?」

「竜の頭上を御覧なさい」

 

先生の指差す方向を見ると、そこには黄色に黒い斑点模様の小さなカエルが竜の鬣にしがみ付いていた。

 

な、なんて可愛らしいカエルなの・・・・・・!?

 

「・・・・・・ミス・モンモランシ。早く契約を」

「あ、はい!」

 

先生の言葉に我に返る。

 

そ、そうだわ。

可愛らしいカエルに見惚れてる場合じゃない。

け、契約しないと。

 

「我が名はモンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ。五つの力を司るペンタゴン。この者たちに祝福を与え、我の使い魔となせ」

 

私は“コントラクト・サーヴァント”のスペルを紡ぐと、龍とカエルに口づけを交わした。

それによりカエルと龍にルーンが刻み込まれていった。

説明
死神のうっかりミスによって死亡した主人公。
その上司の死神からお詫びとして、『ゼロの使い魔』の世界に転生させてもらえることに・・・・・・。

第二話、始まります。
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ゼロの使い魔 ドラクエ 呪文・特技 しんりゅう(神竜) テリー 

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