魔王少女?冥王の前には無力!!3 |
4月、新たな物事の始まる月であり、私事 八坂 真尋も今日から中学生だ。
そんな私だが、
「…………………」
現在進行形で制服と睨めっこをしている。
うん、これだけの説明ではわからないだろう。
簡単に言うと私の手の中には女性物の制服(………)が握られている。
しかも私のサイズにピッタリでありそれがまた忌々しい。
着れば違和感など仕事を放棄してしまうだろう。
だが、思い出して欲しい。
私は男だ。
幾ら女顔であろうと男の誇りを捨てる訳にはいかん。
ということで、今日は休むとしよ「真尋ちゃん?何処に行こうとしているの?」!??
「母さん!?」
いつの間に後ろに?全く気配が無かった。
「母さん、幾らなんでも女ものの制服を着て行きたくはありません。ですから制服が届くまでは学校に「ダメよ。」そんな……」
「だってこの制服は真尋ちゃんにピッタリだと思うわよ?それに今からじゃ新しい制服が届くのは時間が掛かるわ。」
「母さん、私はこう見えて男なのですよ?」
私は胸を抑えて言う。
其処には何もない真っ平らな胸板があり女性特有の膨らみは感じられない。
「真尋ちゃん、良い事教えてあげるわ。黙っていればバレはしまいて。」
「いや、無理ありすぎですから!」
「なんならブラを貸しましょうか?」
「いりません!!」
暫く私と母さんの漫才は続き、父さんに呼ばれるまで終わらなかった。
名もなき中学生〜
今日から私は中学生になります。
私が通う学校はエスカレーター式で自動で進学する事が出来ます。
なので周りの友達も余り変わることなく殆どが知り合いで不安はありませんでした。
「みーちゃん!おはよう。」
「あ、かなちゃん!」
振り向くと私の友人であるかなちゃんが手を降りながら走って来ていました。
「おはよー、どぉ、似合う?」
かなちゃんはその場でクルリと周りモデルさんのようにポーズを撮った。
「うん、似合ってるよかなちゃん。」
私は笑顔で答えた。
暫くはこのような会話を続けながら一緒に学校に向かう。
「一緒のクラスだと良いね。」
「そうね、それに私は龍王子様が一緒なら最高なのに。」
「あ、ははは。そうだね。」
龍王子君。
私の同じ小学校にいた男の子で俗に言うイケメンくん。
銀髪で小学生にしては整った顔立ちで結構人気が高い。私の隣にいるかなちゃんも彼のファンの1人だ。
でも、言っては悪いが私は余り彼をよく思わない。
他にも暁君や衛宮君も人気があるが、……余り好きになれそうに無い。
私は曖昧に笑っていると1台の車が校門の前に止まっていた。
スポーツカー?なのかとにかく黒く落ち着いた色の車だった。
「なんだろ、父兄の車かな?」
かなちゃんも車に気づいたのか校門を見ていた。
ガチャ。
車の扉が開き、其処から、
女神が、現れた。
「……ぇ?」
言葉を失うと言うのは正にこの事だろう。光り輝く美しい銀髪、陶器を思わせる白い肌、腕や足が細く全体が整っていた。顔も幼さを感じるがどこか大人の品格が感じられる。瞳の色は透き通るかのような翡翠色だった。
女の子として、いや、女性として完成されたような彼女に私は、
「/////」
見惚れてしまった。魅入ってしまった。心を奪われてしまった。
其処には彼女に対する嫉妬などの浅ましい感情は無く、只々畏敬の念を感じた。
それからは何も覚えておらず気がついたら入学式は終わっていた。
それから暫く私は彼女のことで頭がいっぱいだった。
これが恋なのだろうか。
名もなき中学生 終〜
今日は人生最悪の日だ。
私は学生鞄を持ちながら思った。
今わたしが着ているのは先程母さんと言い争いしていたブレザーである。
先程から視線を感じるし、この姿で入学式を、しかも父さんのカメラに収められるとは、……。
最悪な気分の中昇降口にいる係りの人が見えた。其処では新入生に渡す花を配っていた。
「すみません、新入生は何処で待機していれば良いのですか?」
「あ、はい。2階に上がって、す……ぐの…………。」
係りの人は私と目が合った状態で固まり顔を赤らめた。持っていた花が地面に落ちたのに彼は気がついていない。
「あの〜。」
「は、はい!こ、コレをどうぞ!」
彼は新たに花を渡してきた。
「ありがとうございます。それで場所は、」
「す、すいません!!二階に上がって直ぐに掲示板があるので、そ、其処で確認して下さい!!!」
彼は片言ながら丁寧に教えてくれた。
「ありがとうございます。では。」
「はい、また今度!」
彼は勢いよく頭を下げた。腰を曲げて直角90度のお辞儀とか初めて見た気がする。
私は上履きに履き替えて二階に上がった。
二階 1-A〜
教室に入ると騒がしかった筈の室内が一瞬で静かになり其処にいる全員が私の事を見ていた。
(やはり、何処か可笑しいのだろうか?)
私は自身の服装を確認してみた。
すると1人の女性が近づいてきた。
「えっと、八坂さんだよね?」
「ああ、松田さんおはよう。」
小学校の友人の松田さん。
卒業まで同じクラスメイトという何分のかの確立の友人だ。
中学も同じらしい。最早呪いか?
「えっと、その、………制服、似合ってるよ?」
松田さんは頬を赤らめながら言う。
「そうか?私としては余り良く思わないな。それにコレは間違えで送られてきただけだ。直ぐに男物になるだろう。」
「え?もったいないな、こんなに綺麗なのに。」
暫くは松田さんと世間話をしていたが先生の登場により会話を辞めそれぞれの席についた。
その後は入学式が始まりやはり父の大掛かりなカメラ器具が目立っていた。
何故かは知らないがとっても恥ずかしかったですまる
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自身の死因が面白かったから。 神にそう言われ転生することになった主人公。 彼はその世界でどう生きて行くのか? | ||
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