魔王少女?冥王の前には無力!!7 |
龍王子〜
俺は今アースラに乗って地球に向かっている。
大きな事件を片付けたばかりで疲れているが久しぶりの地球還りだと思うと疲れが吹っ飛ぶような気持ちだった。
衛宮やなのは達も心なしか嬉しそうに見える。
ったく、地球に帰ったら恨み言の一つは言ってやろう。
そう思いながら俺は仮眠室に向かった。
少したって目覚めると、暁は次元犯罪者になっていた。
「どういうことだ!?」
俺はモニター越しで怒鳴る。
「昨夜、皆さんが戦闘中にもう一つロストロギアの事件が発生しました。ロストロギアの詳細は不明、その回収に向かった際指名手配の犯罪者グループと戦闘が開始されました。暫くして暁 元一尉が現場に現れ局員、犯罪者を全て殺害しロストロギアを使用。それから数時間で管理外世界が一つ消滅しました。」
「そんな。……」
報告を聞いていたなのはは動揺していた。
なのはだけじゃない。フェイトにはやて、ここにいる全員が動揺した。
暁、転生者であり俺の知る中で最低系オリ主に1番近い奴だ。
だが、最低故に行動が解りやすい。奴自身、管理局アンチではない。寧ろ管理局コレから先のフォワード狙いなのは容易に想像がつく。
そんな奴が今更管理局に敵対するとは思えない。
「それは本当に暁だったのか?」
俺は情報課に再び問いかける。
今は少しでも情報が欲しい。
「はい、リンカーコアのランク、デバイス、映像からも暁元一尉だと判断出来ます。更にこの事件の数日前から連絡がとれておりません。」
数日前、それは俺と志郎の2人が暁と最後に話した日。
俺は思わず志郎を見る。
志郎も俺を見て頷く。
どうやら考えていることは一緒のようだ。
「他に情報はない?」
フェイトは思案げな顔をしながら情報課に尋ねた。
「暁元一尉とは関係はありませんがある組織が最近活発に活動していると報告がありました。」
「その組織の名前は?」
フェイトは聞き返す。
「情報からは“ファントム”としか。規模もリーダーも不明、しかし先日の高魔力の犯罪者の同時事件の際、自殺した犯罪者が「ファントムの導くままに」と言っていたとの報告があります。現在、我々情報課はこのファントムについて詳しい情報を調べています。」
先の事件はファントムと呼ばれる組織が起こした事件なのか?
「分かったわ、何か解り次第報告してな。」
はやては頭を抑えながら言う。
「はっ。」
それだけ言い切ると情報課の局員のモニターは消え辺りに何とも言えない空気になった。
「そんな、暁君が、でも、」
なのはは呟いた。
なんだかんだ言ってきたが暁は今まで共に闘い抜いた仲間だ。
その仲間が犯罪者になり自分達の元から離れたのが信じられないのだろう。
「でも、そしたら今までの行動にも説明がつく。管理局の出動要請も無視していたのは情報を流す為、真尋に当たっていたのもフェイクで私達の目を欺く為。」
フェイトは考える素振りを見せながら言った。
八坂 真尋
彼は中学に進級した時に知り合った人物。
美しい容姿をしており周りからは女王様と呼ばれているがれっきとした男性である。
なお、彼も転生者であるが自身の考えと無印、A'sの介入が無かった事から彼が介入しないと思っている。
「ならおかしな点が幾つかあるで?何で真尋君なんや?龍王子君か衛宮君でも良かったんやない?」
はやてはフェイトの推理に疑問をぶつけた。
「私の推測だけど、最初の頃は単に真尋を女性として見ていて近づいた。でも真尋が男だって解ったらあの暁がいつまでも男に引っ付くと思う?多分その後何らかの理由、思惑があって真尋に当たっていたのかもしれない。」
フェイトが言い切ると周りの皆が成る程と呟いた。
確かにあの暁が、いつも自分以外の男を見下しているあの暁が自ら男に近づく筈がない。
話だけ聞くと納得してしまう。
でも、
「それは無いだろう。」
俺は皆を見て言った。
「実は俺と衛宮は出撃前に暁と接触しているんだ。」
俺の発言により衛宮以外が驚愕した。
「その時の暁は酷く荒れていて真尋に対する怒りを壁や物に当たっていた。アレが演技とは到底思えない。」
俺の発言を補足するように衛宮が言う。
………
暫しの沈黙。皆も情報を整理しているのだろう。
……………
もしや俺らが最後に言った言葉が奴を追い詰めてしまったのだろうか?だとしたら奴の暴走の原因は俺たちにある。
…………………
「今は考えてもしゃーない。私達は真尋君に聞いてみる。龍王子君達は暁君のクラスから情報を聞いて来て。」
はやてがそう言った後、俺たちは解散した。
3日後、聖祥大付属中学校ー
俺と衛宮は昼休み中に暁のクラスに聞き込みをした。
因みになのは達がいるのは1ーA、暁は1ーB、俺と衛宮は1ーCのクラスだ。
そして話を聞いて分かったのは以下の3つである。
・俺たちが暁と最後に会話した日の次の日から学校に来なくなった。
・不登校になる前に真尋を見かける度に素人でもわかる程の殺気を放っていた。
・暁が真尋に衝突する度に彼の周りから人が離れていき、男子は今までの恨みと言わんばかりに男子主体のクラス単位での無視が始まり、最後には独りになってしまった。
「………」
俺はこのコトを知り暁が精神的に追い詰められていたことを知る。
ならば何故真尋に襲い掛からなかったのか。奴のことだから真っ先に真尋を狙うと思う。
「衛宮、どう思う。」
「オレも真尋に聞こうと思っている。」
それだけ話すと俺と衛宮は放課後に話をして見ることにした。
放課後ー
俺と衛宮は放課後になり真尋のクラスに向かった。
A組にたどり着くとタイミング良く真尋が現れた。
「真尋、ちょっといいか?」
俺は真尋を引き止めた。
真尋は俺に気づき不思議そうな顔をしながらも頷きついてくる。
なのは達には衛宮が念話で話している。
微妙な反応だが了承したようだ。
俺達は屋上に移動した。
屋上ー
「それで、一体何のようだ?手短にして欲しい。」
ベンチに座った真尋は不満げに言う。
「早速だが問題に入る。俺達と同じ転生者の暁が次元犯罪者として指名手配された。」
それを聞くと真尋が一瞬顔を強張らせたが直ぐに普段の凛とした表情に戻る。
「調べた所、奴はお前を目の敵にしているらしい。何か知らないか?」
俺は真尋に尋ねる。
「………………」
真尋は無言のままデバイスを取り出す。
そこから出された映像は俺達を驚愕させるには充分だった。
「これは!?」
そこに映っていたのは、
『ふふふ、惨めなモノだ。そのように地べたを這いずり廻ることしか出来ぬとはな。』
暁が真尋に対して魔法を使い、攻撃しているシーンだった。
「コレは一体?!」
衛宮も驚愕する。
「数日前、私は暁に付けられているのを知って私の代わり身を使い逃げた時の映像だ。代わり身で使ったのはマネキンと輸血用の血液だ。後は幻術を使いアレを俺だと認識させた。」
真尋はこの映像を見ながら説明した。
暁は嗤いながら真尋を蹴りつけ、最後に斬った。更に、
『せめてもの情けだ。最強の一撃で葬ってやろう。エア!』
そう言って暁は自身のデバイスに魔力を込める。
おい馬鹿辞めろ!
『消え失せろ、エヌマ・エリシュ!!』
やっちまった。
あの馬鹿、本当に………
その後の映像は無く、砂嵐だけが映っていた。
「以上が私と暁の最後の会話だ。私は人形越しだが、本来ならコレをネタに二度と私に近寄らないことを誓わせるつもりだったのだがな。」
真尋はそれだけ言ってデバイスをしまった。
「それで、どうするんだ?私は魔法関係には出来るだけ関わりたくないが、………そうも言ってられないだろう?」
「……まぁ、出来ることならオレ達と一緒にアースラに来てもらうがいいか?」
衛宮の言葉に真尋は頷きケータイを取り出した。
「母さん、私だ。今日は帰りが遅くなる。……ああ、友達と一緒だ。………解った。」
ケータイを切り俺たちついていくと言った。
………はぁ。
まさかこんな事になるとはな。
…………
……………
………………
…………………暁、お前は一体何がしたいんだ?
お前は本当に、敵になったのか?
龍王子 終〜
説明 | ||
自身の死因が面白かったから。 神にそう言われ転生することになった主人公。 彼はその世界でどう生きて行くのか? | ||
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