焼き鳥ハイスクールD×D!? 〜 ちょいワルホスト系に転生した男 〜 第二話『魔力修業』
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さあ、やってきました修行場!

 

 

…と、言うわけで、現在俺ことライザー・フェニックスは、フェニックス家地下にある修行場に来ております。

 

 

何故そんなところにきているのかというと、父上に修行のやり方について相談しにいった時に、「それならまずは、魔力の扱い方を完璧にするべきだ」と言われたからだ。

 

 

なんでも、俺の魔力は、フェニックス家の中でもかなり高く、単純な魔力量だけならば、現当主の父上、『ラウル・フェニックス』をも凌ぐほどらしく、魔力のコントロールを完璧にし、無駄をなくすだけで、かなり強くなれるだろうとのこと。

 

さすがフェニックス家の才児(笑)、ライザー・フェニックス。才能だけなら申し分ないぜ!

 

 

まあ、そんなわけで、その貴重な才能を腐らせないために、早速魔力修行を開始しようと、ここにやってきた、というわけである。

 

そして、そんな俺の側には、一人の同行者がいた。

 

 

「それじゃあ、そろそろ始めようか、ライザー」

 

 

「はい、ルヴァル兄上!」

 

 

この爽やかなイケメン(チッ!)は、『ルヴァル・フェニックス』。

 

我らフェニックス三兄弟の長男にして、フェニックス家の次期当主であるこの人が、何故ここにいるかと言うと、俺がこの修行場に来る途中に、ばったり遭遇し、どこに行くのか聞かれたので、修行場で魔力修行をすると言ったら、

 

 

「じゃあ私も行こう。ライザーも、悪いところを指摘してくれる相手がいたほうがいいだろう?」

 

 

と言って、ついてきたのである。

 

俺としても、誰か先生役が欲しかったのでそれは有り難いのだが、兄上は次期当主の身であり、その勉強で忙しかったはず。

 

 

そちらは大丈夫なのか気になったので聞いてみたのだが、今日の分は既に終わっており、後は学校の課題を終わらせるだけらしい。

 

 

あ、ちなみに兄上は、冥界の魔王領に通っている。

 

原作で、木場も言っていたように上級悪魔が通う学校は、アスタロト領の学校か、魔王領の学校かに分かれるのだが、家の兄上たちは、二人とも魔王領の学校を選択している。多分俺も魔王領の方の学校に行くだろう。

 

閑話休題。

 

まあ、そんなわけで兄上の都合も大丈夫だというわけなので、遠慮なくご指導賜ろうと、いうわけなのである。

 

 

「というわけで、早速よろしくお願いします、兄上」

 

 

「?何がというわけなのか分からないのだが…。まあいい、それでは始めようか、ライザー」

 

 

「はい!」

 

俺の元気のいい返事を聞いた兄上は、薄く微笑む。

 

 

「ふふ、いい返事だ。そうだな…。まずはお手本を見せよう」

 

そういって、兄上が指をパチンと鳴らすと、何もないところから、紅色の球体がいくつも出現した。

 

「これが魔力だよ」

 

「おぉ…」

 

俺は思わず感嘆の声を漏らす。

 

いくつもの魔力を同時に行使してみせた兄上の魔力操作の技術を単純にすごいと思ったということもあるが、はじめて見た、純粋な魔力の輝きが、思いのほか美しかったこと。それに元人間としては、魔力のような不思議パワーには憧れに近いものがあったので、これを自分も扱えるようになるんだと、少しわくわくしてきたというのもある。

 

「初めはここまでできなくてもいいから。まずはバレーボール大の魔力球を作ることを目標に頑張ろうか」

 

「わかりました」

 

まあ、さすがに最初から兄上みたいにできたら苦労しないだろうし、それは当然だろう。

 

「それじゃあ、まずは目を瞑って。意識を集中させなさい。そうして魔力の波動を感じるんだ」

 

俺は兄上の言うとおりに意識を集中させ、自分の体の中を「魔力どこだー」と念じながら探る。すると、

 

 

ボゥ…

 

 

ん?これか?

 

俺は体の中になにか温かいものが漂っているのを感じた。

 

 

「兄上、見つけました!」

 

「よし。なら、体全体に魔力をオーラとして纏わせてごらん。衣を着るようなイメージでやってみて?」

 

 

兄上のいうとおりにやってみると、体全体が少し暖かくなってきた。どうやらうまくいったようだ。

 

それ見た兄上は満足そうに頷いた。

 

 

「うまくいったようだね。それじゃあそのまま体全体を覆う魔力のオーラから、手のひらに流れるようなイメージでかき集めてごらん」

 

 

よーし!俺は気合いを入れて手のひらにバレーボールを生みだすようなイメージで魔力を集中させる。

 

 

すると…、

 

 

 

ボウ!

 

 

「おっ!」

 

 

俺の手のひらに赤い球体が出現した。

 

どうやら一発目で成功したらしい。

 

なんだ簡単じゃないかと、俺は気を緩める。その時、

 

 

「危ない、ライザー!」

 

 

兄上が突然俺にむかって叫ぶ。

 

どうしたんだと俺は兄上の方に顔をむけようとするが、

 

 

 

ピカァアァアアァ!!

 

 

「…へ?」

 

手のひらの魔力球が発行し、そして…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドガアァアァアアァァアアァン!!

 

「へぶうぅっ!?」

 

 

爆発した。

 

 

俺はその爆発によって起こった爆風に修行場の壁まで吹き飛ばされ、そして、

 

 

「がっ!?」

 

 

思いっきり頭を壁に強打した。

 

 

「〜〜〜〜ッ!?痛ってええええええ!!」

 

 

あまりの痛さに思わず悶舌しながら転げまわる俺。

 

な、なんなんだいったい?突然魔力が爆発したぞ!?

 

 

「また派手にやったねライザー」

 

そう呆れたような声でルヴァル兄上が俺に近づいてきた。

 

「あ、兄上、今のはいったい…」

 

俺はなぜ失敗したのかがわからず、兄上に原因を聞いてみた。

 

兄上は一瞬考え込むような仕草をしてからこちらをむく。

 

 

「それなんだがな、ライザー。お前、途中で少し気を緩ませたろ」

 

「え、えぇ」

 

少し恥ずかしかったが、まあ嘘をついてもしょうがないので正直に話す。

 

「おそらくそれで魔力のコントロールが外れて暴走したのだろう」

 

「暴走…ですか?」

 

俺の訝しげな声に、兄上は頷いた。

 

「たぶん込めた魔力が、お前がコントロールできる魔力量をぎりぎり超えてたのかもしれないね」

 

「それで気を緩めたせいで暴走したと?」

 

「たぶんだけどね」

 

 

むぅ…。まさか魔力量が多すぎたせいで失敗するとは。なかなかうまくいかないなぁ。

 

 

「どうする?今日はここまでにするかい?」

 

兄上が俺の顔を覗き込みながらそう聞いてくる。

 

どうやら俺がさっきの失敗でやる気を無くしたと思ったようだ。

 

俺は勢いよく立ちあがると、尻に着いた土を払う。

 

 

「いや、まだ出来ます。続けましょう」

 

兄上はそんな俺に一瞬驚いたようだが、すぐに満足そうな笑みを浮かべて頷いた。

 

「わかった。それじゃあ、もう一度やってみよう」

 

「はい!」

 

 

 

それから十分後に、俺はようやく自分のコントロールできる範囲の魔力を把握して、バレーボール大の魔力球を作ることができた。

 

 

「はぁはぁ…。やりました兄上」

 

「うん、よくやったね。それじゃあ第二段階に進んでみようか」

 

 

そういって兄上は手のひらに魔力球を出現させると、それを炎に変化させる。

 

 

「第二段階は魔力を火や雷などに変化させることだ。初心者は本当なら実際に炎や水などを実際に動かすことから始めるほうがやりやすいんだけど、私たちフェニックス家は炎と風に愛されし家系。元々炎や風の素質があって当然の一族だから、たぶん簡単にできると思うよ?」

 

兄上がそう言うので、「そんなうまくいくかなぁ〜」と思いながらも、とりあえず試してみることにした。

 

 

すると…、

 

 

ボウゥ!

 

 

いきなり魔力が火と変化した。

 

本当に簡単にできたよ、おい。

 

 

「この魔力具現化は、一見難しそうに見えても、得意なものや、適正があるものは、比較的早く具現化できるからね。まあ、当然の結果かな?」

 

なるほどね。俺も一応フェニックスの一員だから、ここまで簡単にできたと。…まあ水とか雷とかは逆に苦労しそうだが。

 

俺はその考えを兄上に言ったが、それを兄上は首を横にふって否定した。

 

 

「魔力は確かに素質も大事だけど、あくまで源流はイメージ。頭に浮かんだものを具現化かさせることこそが大事だからね。イメージさえうまくできれば、ライザーならそれほど苦労しないで扱えると思うよ?」

 

ふーん。

 

そういえば、魔力の素質がほとんどないはずの原作主人公である兵藤一誠が、『ドレス・ブレイク』なんて技を開発してたけど、あれは一誠が正確に技のイメージを思い浮かべることができたから、あそこまでのできになったんだろうな…。

 

………ふむ。

 

 

「兄上。一つ質問があるのですが」

 

「?なんだい?」

 

「魔力はイメージを具現化かすることが大事と仰いましたが、どのようなものまで具現化が可能かわかりますか?」

 

俺のその問いに、兄上は顎に指をつけ、「う〜ん」と、しばし考え込むような仕草をしてから口を開いた。

 

「正確にどこまでできるのかとかはわからないけれど、大体のことは魔力で具現化できるはずだよ。神滅具(ロンギヌス)のような規格外の力や、グレモリーやバアルの『消滅』や、我が家の『不死』みたいなそれぞれの家の特性みたいな、固有技能に近いものはさすがに無理だと思うけどね」

 

「ふむ。つまりは自然の法則に反しない程度なら、ほぼ確実に具現化が可能なわけですね?」

 

「?まあ、そういうことだけど…、なにか思いついたのかい?」

 

 

兄上の問いに、俺は笑みを浮かべた。

 

 

「ええ。ちょっとおもしろいことができそうです」

 

 

そう。もしこれができたら、俺の大きな力になるだろう。

 

 

俺は兄上に自分の考えたことを話すと、おもしろそうに笑みを浮かべる。

 

 

 

「確かに理論上は可能だ。実現できた時は君の大きな力になるだろうね。ただやはり実現するのは、いや、使いこなすのもかなり難しいと思うよ」

 

 

「まあ、それは覚悟の上ですよ」

 

 

俺が考えたことは、別に一誠みたいに自分の得意分野じゃないし、特別それの素質があるわけじゃないだろう。

 

でもまあ、不可能じゃないとわかっただけでも上等だ。必ず実現し、使いこなしてみせる!

 

 

 

俺は、そう心に誓うのだった…。

 

 

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説明

第二話目です。
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