焼き鳥ハイスクールD×D!? 〜 ちょいワルホスト系に転生した男 〜 第三話『第二書庫の隠し部屋での出会…い?』
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…ん?おお!久しぶりだな。ライザー・フェニックスだ。もう俺も五歳になったよ。

 

 

あの兄上との魔力特訓から、二年ほどが経ち、だいぶ俺の魔力を扱う腕も上がった。

 

 

得意な炎や風は言わずもがな。水や氷に、雷もかなり操れるようになったよ。

 

あと、それらとは別に、おもしろい技(魔力)を開発することにも成功した。

 

ほら、前回俺が兄上におもしろいことを思いついたって言ってただろ?あれのことだよ。

 

 

俺が開発した技は二つ。

 

 

一つ目は、『重力魔力』。

 

これは、生前俺が読んだ漫画の一つ。『ドラゴンクエスト〜ダイの大冒険』の主人公、ダイの親友である、ポップや、大魔導師マトリフの使っていた呪文『べタン』を参考にした技で、重力で相手の動きを止めることができるし、雑魚ならそのまま押し潰すことができる。

 

 

そして二つ目が、『体感時間の操作』。

 

 

これは、自身の体感時間をいじくることにより、周りの風景をスローモーションに感じさせるというもので、これは漫画『ブラッ○キャット』に出てくる『支配(グラスパー)眼(アイ)』という能力を元にしている。

 

 

これで相手が俺以上の速さを持っていたとしても、それなりに戦えるはずだ。

 

 

この二つが、俺が開発した技(魔力)。この二つは、今後俺の大きな力になってくれるに違いない。

 

 

…まあ、発現しただけで、まだ使いこなせてはいないんだけどね。特に体感時間操作はまだ体ができあがってない今の俺じゃきつい。一回使ってみた時は全身筋肉痛になって動けなくなっちまったもんなー。

 

 

ま、これからも特訓あるのみってことだな。

 

 

そんな俺は、現在とある場所に来ている。

 

 

その場所のとは、フェニックス家にある二つの書庫のうちの一つ。『第二書庫』。

 

 

この部屋には、様々な魔導書や、武術書。それに神器(セイクリッド・ギア)研究の論文など、戦闘について役立ちそうなものがたくさん所蔵してあるので、俺はよくこちらの書庫を利用しているのだ。

 

 

ちなみに第一書庫には、文学作品や詩集などの娯楽性の高い書物や、歴史書や医学書などの学問に関係するもの。そしてこの第二書庫には、さきほども言った、魔導書や武術書などの実用的なものや、天使や教会。堕天使などについての情報が詳しく書かれているもの等が置かれており、なんというか、戦闘に役立ちそうな書物ばかりが所蔵されている。

 

 

理由を父上に聞いてみると、なんでもかつて起きた三大勢力の戦争の時に、その時の当主が飛びっきりの武闘派で、自分のこれから産まれてくる子孫のために、我が家に所蔵してあった書物を、わかりやすく、戦闘に役立ちそうなものとそうでないものに整理して、その戦闘に役立ちそうな書物を所蔵するために作られたのが、この第二書庫だということらしい。

 

 

ちなみにその当時の当主というのが、俺のお祖父様。つまりは父上のお父上だったりする。

 

 

父上はよく第二書庫に連れてこられて戦闘についての知識を鬼のように叩き込まれたと遠い眼をして語っていた。まあ、そのおかげで、父上は現役時代、レーティングゲームでトップランカーになることができたので、お祖父様に感謝じたいはしているらしいが。

 

 

まあ、なんで俺がそんな部屋にいるのかというと、自身の修行に役立ちそうなものを、ここで漁っているのである。

 

 

そんなもの、誰かに教えてもらえばいいだろと言われるかもしれないが、ルヴァル兄上は、魔力の扱い方は父上も唸るほどの実力を持っているが、実践経験が乏しいために、戦い方を教えられるほどではない。次男の『ローウェル』兄上も同じ理由で却下。

 

 

俺の母上である『レイラ・フェニックス』は、戦闘どころか、レーティングゲームの参加経験もないほどの箱入り娘なので、論外だ。

 

 

というわけで、消去法で父上に教わるしかないのだが、父上は父上で当主としての仕事が忙しく、たまにしか指導してもらえない。

 

 

そういう時には、父上の眷属の方たちが指導してくれるのだが、その眷属たちも父上の手伝いで時間がとれない時が多々ある。

 

 

だから、そういう時は、こうして第二書庫に来て書物を適当に漁ってよんだり、自主練に励んだりしているわけである。

 

 

「ふぅ…。これも読破完了っと」

 

 

俺は今まで読んでいた戦術書のページを閉じ、棚に戻して新しい本を取り出そうとしたが、

 

 

バサバサバサ

 

 

「あ、やべ」

 

 

抱えていた数冊の本が床に散らばる。うっかり手を滑らせて、落としてしまった。

 

 

やれやれ、欲張って、一気に運ぼうとせずに、普通に運べばよかった。

 

 

そう思いながら、俺は床に散らばった本を拾い始める。

 

「あれ?…なんだこれ?」

 

 

そこに見つけたのは、俺の目の前の本棚が置いてある床から僅かに飛び出ている、半四角の溝だった。

 

 

不思議にそれが気になった俺は、その正体を確かめるために、魔力で肉体を強化して、目の前にある本棚を移動させる。

 

 

そこにあったのは、床に設置された、埃をかぶった四角い扉。どうやらしばらく使われていなかったらしい。

 

 

とりあえず風の魔力で埃を吹き飛ばして、その扉を開くとそこにあったのは、

 

 

「…階段?」

 

 

そう、地下へと続くであろう階段がそこにはあった。

 

 

その階段の先は真っ暗な暗闇につつまれており、何も見えない。

 

 

なんだこれ、よく小説とかである秘密の抜け道かなんかか?

 

 

だとしたら、どこに繋がってんだろうなぁー、この階段。

 

 

 

……行ってみるか。

 

 

普通はここで父上か誰かに報告しとかなくちゃいけないんだろうけど、父上は仕事で魔王領に出かけてるし、兄上たちは学校。母上は他の七十二柱の家のご婦人が開いたお茶会に呼ばれたらしい。

 

 

まあ、つまりは報告する相手自体がいないわけで…。

 

 

まあ、本音は俺が行きたいだけなんだけどね!俺だって男の子。こういう隠し階段みたいなものを見つけたら、冒険心がくすぐられるのはしょうがないだろ?

 

 

ま、そんなわけで、

 

 

 

「しゅっぱ〜つ!」

 

そうして、俺はその暗闇へと、歩みを進めた。

 

 

ワクワクが止まらないぜ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が階段を降りて五分ほどたったころだろうか。

 

 

長い階段だな。そう思いながら、足場を照らすために片手に炎の魔力を灯しながら歩いていると、前方に明かりが見えた。

 

どうやら、やっと階段の先へと到着したらしい。

 

 

俺は手元の炎を消して、その明かりへと歩いていく。

 

「これは…」

 

 

そこにあったのは、一つのドーム型の部屋。

 

 

なにやら本棚や、剣や鎧などの武具。フラスコに入った薬品のようなものまで置いてある。

 

 

机が一式あり、その上には、なにやら難しそうなことが書かれている書類が散乱していた。

 

 

 

 

―――――――そして、

 

 

 

「……石碑?」

 

 

そう、その部屋の中央には一つの石碑が堂々と鎮座していた。

 

なんかの記念碑かなにかか?と思った俺は、とりあえず、その石碑に近づいてみる。

 

 

それにはこう書かれていた。

 

 

『我が研究成果、ここに封印した。使い方は、我が子孫に託すこととす。

 

 

 

シルバ・フェニックス』

 

 

俺はその石碑に記された名前に驚く。

 

 

「シルバ・フェニックスだって!?」

 

父上から聞いたことがある。

 

 

悪魔の築いてきた歴史の中で、その名を燦然と輝かせる、二人の『至高の天才』と言うべき存在がいたことを。

 

 

一人は現魔王のお一人であらせられる『アジュカ・ベルゼブブ』様。

 

 

『悪魔(イービル)・駒(ピース)』はもちろんのこと、その天才的な頭脳で、悪魔の科学技術の進歩に大きく貢献したことで有名だ。

 

 

 

そして、もう一人の天才の名前こそが、『シルバ・フェニックス』。

 

 

初代フェニックス家当主にして、悪魔の科学技術の基礎を築いたとされる、人物だ。

 

 

冥界の教科書にも悪魔科学の父と言うべき存在として、彼のことが載っているらしい。

 

 

人間たちに伝わるフェニックス(フェネクス)についての言い伝えでは、フェニックスの誘惑に打ち勝てたものは、フェニックスが有する科学の知識を加護として会得できるとされているが、それは、この初代様が自分が当時契約していた相手に、自分の科学技術を分け与えたために、そういう伝承が残ったのだという。

 

 

そんな初代様が残した研究成果がここに…?

 

 

俺はもっとよく調べてみようとその石碑を触ってみる。

 

 

すると…、

 

 

 

ピカアァァアァアァ!

 

 

 

「なにっ!?」

 

 

突然石碑が光り出した。

 

 

とっさに俺は石碑から距離をとりなにが起きてもいいように構えをとる。

 

 

光がはれたその先。そこには、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一人の女の子が立っていた。

 

 

「………は?」

 

 

おそらく、俺と同年代の少女。紅の髪に、浅黒い肌を持つその美少女といってもいい少女は、どこか威圧感のようなものを感じさせるような目で俺を見つめていた。

 

 

俺はその少女への警戒心を静かに高めていく。

 

 

五歳程度の女の子に警戒し過ぎだと思われるかもしれないが、この少女が現れた時に、俺はなにも感じ取ることができなかった。

 

 

いくら俺が未熟だからといっても、これでも悪魔のはしくれ。転移魔法かなにかだったら、魔力反応を感じ取るくらいのことはできる。そんな俺になにも感じさせることもせずに目の前に現れた少女。警戒して当然だろ?

 

 

その少女は、しばらくなんの感情も感じさせないその瞳で、俺のことをジッと見つめていたが、やがてその口を開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……お腹減った」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………は?

 

説明
第三話目です。
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