魔法少女リリカルなのはvivid ‐ヒロイック・ホームレス‐ |
午後9時過ぎ・・・
青年は図書館での事務仕事や、他の場所でのバイトを終わらせて今帰宅している所だ。
「・・・(今日はかなり働いたから疲れが溜まってしまって居るな。全く、店長の奴・・・態々シフト多めに入れやがって・・・って)・・・ん?」
バイト先の店長に内心愚痴りながら帰宅していると、自分の自宅が在る川岸が夜だというのに街と負けず真っ赤に光っていた。
この辺であんなに燃える事は無い。つまり何かが起こったという事だ。
「ッチィッ!!みんな、無事で居てくれよ・・・!!」
青年は気付いたらまっしぐらに川岸に向かって居た。
仲間の無事を心で祈りながら・・・
☆★☆
川岸に着くと、青年の予想通り川岸は真っ赤に燃えていた。
地を覆い、埋め尽くす炎が今まで仲間が築き上げた結晶である建物や植物を燃やし尽くし、灰とする。
よく見れば、所々に人の体が地に伏せ、倒れていた。
青年はそのうちの一人である男性に駆け寄り、上半身だけ起こして目を覚まさせようとする。
「オイ!大丈夫か?!返事をしろ!オイ!!」
「ゥ・・ゥゥ・・・あ、あんさんか・・・」
「良かった、まだ生きてるな?これはどういうことだ?!誰がこんな「や・・奴だ・・・」・・・えっ?」
男は必死に何かを青年に伝えようと声と生気を振り絞り、口を開いて言葉を発する。
「せ・・・背中・・に・・・蜘蛛の・・・も・・よ・・・う・・・」
「!? お、おい!?何だ?!蜘蛛の模様って何だよ!?」
男は伝えれる事は伝えきったのか力尽き、一切の呼吸と心臓の鼓動を止め、永久の眠りに就いた。
「ぅ・・・嘘だろ・・・?こんな事って・・・」
青年は男の体を再度横倒し、立ち上がって周りを見渡す。
男と同じように横たわった者はみな動かず、火災元は更に奥の青年の自宅近くに見られる。
「・・・」
青年は何も言わず、ただ無言で奥に進む。
倒れて動かなくなった者の顔を見ずに、ただ先に・・・
☆★☆
青年が自宅に辿り着くと、そこでは何者かが立って居た。
だが煙の所為でよく見えない
生存者か・・・?
そう思って近づくと徐々に煙が晴れてその姿の全貌が顕わとなっていく。
「おいッ!誰か居るのかッッ!!?」
青年は何者かに向かって叫びながら近づいていく。
そして完全に何者かの姿が見えた時、煙が立ち消えてその何者かの姿が全て公開された。
「・・・ん?まだ誰か居たのか?」
死神の様に低く、絶望すら感じさせる男性の声・・・
そして男の巨体が手に持つ男性の亡骸はこの世の真の恐怖を見たかのように歪んでいた。
「・・・誰だ、アンタ」
青年は今すぐにでも飛びかかりたかった。
心は怒り心頭、だが思考は冷静に・・・戦いを知る者なら当たり前に出来て当然のことだ。
「ほう・・・この光景を目撃して勇猛と掛かって来るのかと思えば、この状況で冷静に居られるとは・・・鍛えてるな」
「・・・本当なら今直ぐにでも飛び掛りたいがそれで死んでしまっては敵討ちだなんて元も子も無いからな・・・」
青年は手を握る。
その掌は爪が食い込んで血が流れていた。
「それもそうだ・・・だが」
「!?(消えたッ!?)」
「無意味だ・・・」
<ザシュッ!!>
青年の体を男が手に持つ大剣によって一瞬にして真っ二つとなり、切り裂かれて紅い血漿が飛び散り、血溜まりを作る。
そして青年の視界はブラックアウトした・・・
〜完〜
☆★☆
「・・・・っていう同人誌書いたんだけど・・・どう?!」
「どうって聞く前に内容が恐ろしいんですが・・・?てか主人公俺にしないでくれます・・・?」
ハイ、てな訳で今までのは全て青年がバイトで働いてる市立図書館のバイト仲間で先輩の女性が書いた同人誌の内容でした。
この物語に上記のような内容が合うと思ってるの?ありえないでしょwwwやるならForceでやるわwww
「てか俺の貴重な休み時間を割いてまで『面白いから』て言われてコレを急に渡されて読んでみれば何スかこのひっどい内容は・・・?芥川龍之介ですら駄作扱いしますよ・・・」
「そこまで?!」
久々にイラついたのか毒舌を先輩に炸裂させる青年。
駄作扱いされ、更には酷評までされた先輩の心境はタジタジだった。
「はぁ・・・もう戻って良いですか?俺正直早く休憩したいんですが」
「・・・私の作品駄作だって・・・駄作・・・駄作・・・」
駄作扱いされたのがそんなにショックだったのか、部屋の隅でしゃがんで『の』の字を書いて俯く先輩。
そんな先輩に気疲れしながら溜息を吐き、休憩用のタイムカードを通して休憩に入った青年。
それから青年はバイトが終了するまで先輩を無視し、先輩も仕事をサボって部屋隅でいじけていたという・・・
☆★☆
バイトが終わり、自宅に帰った青年。
勿論川岸は相変わらずホームレスのみんなのお陰でにぎやかで、楽しそうにしていた。
「・・・そういえばシャンテのバカに最近会ってないな・・・会ってやるか。そして俺のこの不機嫌を治す為の発散相手になって貰おう」
シャンテに死刑宣告に近い言葉を口遊みながら早速シャンテという名を持つ者が居る聖王教会へ向かう。
なお、この時シャンテは謎の寒気で身震いしたとかなんとか・・・
そして2時間掛けて来た聖王教会本部・受付・・・
「いらっしゃいませ、聖王教会へようこそ」
聖王教会の受付嬢から挨拶を受け、適当に返す青年。
「誰か様へのコンタクトでしょうか?」
受付嬢からの冷静な対応に応じる青年。
「あぁ、バカ・・・ゲフン、シャンテ・アピニオンに会いに来た。そうだな・・・俺と分かるように、呼び出し名を『名無しの権兵衛』と伝えてくれ」
「分かりました。少々お待ちください」
聖王教会本部・中庭・・・
「ふ〜んふふ〜ん・・・」
聖王教会の中庭の数有る木の一本の枝に、身軽そうな改造シスター服を着てクリーム色の髪をした少女が座って十字架の刻まれたトンファーを手に持つ布で綺麗に丹念込めて磨いていた。
そんな少女の目の前の空間に1つのスクリーンが出現する。
スクリーンには先ほど青年を対処していた受付嬢の顔が映っていた。
『シャンテさん、受付まで来てください。お客様がいらっしゃってます』
シャンテと呼ばれた少女はスクリーンに映った受付嬢に問いかける。
「? お客様? あたしに? 誰が?」
『はい、『名無しの権兵衛』と名乗る方からです」
「『名無しの権兵衛』・・・」
シャンテは思い出すように両手を組み、自分の記憶の中から思い当たる人物を思い浮かべる。
「『名無しの権兵衛』『名無しの権兵衛』・・・」
同じ言葉を何度も繰り返しながら思い浮かべて居ると一人だけ思い当たる節が居た。
「! あ〜、多分『あの人』だね。来てくれたんだ!よっし、今からそっちへ向かうって『名無しの権兵衛』さんに伝えてて」
『招致いたしました』
受付嬢は礼儀正しく、頭下げて了承してから通信を切る。
通信を切った後、シャンテはトンファーを仕舞って木を降りて長時間座って固まった体を動かす。
「よ〜し!久々に会うんだし、あたしがどれだけ強くなってるか見せつけてやる!」
そう意気込み、シャンテは受付へと向かった。
説明 | ||
この物語の主人公である青年はホームレスである。 何時もはクラナガンのとある川原に設置されたボロボロの小屋に住み、バイトは市立図書館の司書。そんな青年がちょっとした切欠で管理局のエース・オブ・エースの高町なのはの義娘で聖王の現身である高町ヴィヴィオと出会い、その出会いによって青年の運命が色々と変わって行く物語。 |
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