魔法少女リリカルと恋姫な物語 〜少年の数奇な運命〜 第3話 時は流れて3年生! |
―――まだほんの少し肌寒い風が吹く中、朝の歩道を一人の少年が歩いていた―――
「ん〜♪たまには早起きもいいもんだね!」
<<早起きは三文の徳とも言います。もしかしたら何かいいことがあるかもしれませんね>>
どうもどうも、月詠神那です♪いや〜朝の散歩もたまにはいいね!風が涼しくて気持ちいいしね!ちなみにさっきの会話は周りから見れば僕の独り言に見えるけど、ちゃんと話し相手はいるよ?僕のデバイスであり相棒のヴェルジュだ。
「そうだね〜、あるといいね〜。」
<<・・・なんか馬鹿にされた気がするんですけど・・・>>
ちょっと気分がよくて軽く返事をしただけだけで、馬鹿にしたつもりはなかったんだけど。失敗失敗、その発言をどう取るかなんて相手次第だし気をつけないと。
「ごめんね、ヴェルジュ。別に馬鹿にしたつもりはないんだ。ただちょっと風が気持ちよくて気分がよかったから、軽く返事しただったんだよ。」
<<だったらいいですけど・・・。それと((常々|つねづね))言ってますが、発言には注意してください。自分が言った言葉をどう取るかは相手次第なんですから>>
「ん、それは重々承知してる。たださっきのはほんとごめん」
<<わかっているのならいいのです。ですからもう謝らないでください>>
よかった。何とか許してもらえたようだ。ヴェルジュは怒らせたらこっちが謝るまで無口を決め込むからな・・・。バリアジャケットの色を決めるときも敵の攻撃に当たらない事を前提として頑(かたく)なに白を推すものだから、「さすがに白1色は・・・」と言ったら、<<私のマスターであり相棒なんですから敵の攻撃をよけることなど造作もないでしょう!?>>等と訳も分からないことをいったとたん無口を決め込み喋りかけても何も反応しなかったので、こちらが折れて謝るしかなかった。
<<?どうしたんですか、神那。考え事ですか?>>
「いや、なんでもないよ。」
<<?>>
ふぅ〜、危ない危ない。前に怒った時の事を考えてたなんて言ったら、次はどうなるか分かったもんじゃない。
「さて、そろそろ学校に向かおうか。朝ごはんも散歩する前に食べてきたし、お弁当も今日は自分で作ったしね」
<<そうですね。今から向かえばチャイムが鳴る少し前に教室に着くでしょう。ところで神那、お弁当を自分で作ったといいました?>>
「言ったけど何さ?」
<<大丈夫ですか?その・・・味は・・・>>
「・・・ま・まあたまにはいいじゃん?いつもいつも母さんに作ってもらうわけにもいかないでしょ?」
<<はぁ・・・。あなたはまだ子供なんですからそんなことは気にせず、甘えていいんですから。確かに今日はまだマイスター・・・雪乃様は寝ていらしたのですからいいとして・・・まさかそんな理由で今日、そして明日からも早起きしようなんて考えてませんよね?>>
「・・・な、何のことかな〜?」
なぜばれたし・・・。最近ヴェルジュに少しだけ僕の考えを読まれてる気が・・・。・・・まあ気にしないで置こう(笑)あ、気づいたかもしれないけど雪乃っていうのは僕の母さんだよ。
<<まったく・・・。もしそんな考えで早起きをしてるって雪乃様が気づいたらたぶん・・・泣きますよ?>>
「よし!これから早起きは休みの日だけにするよ!」
<<・・・単純ですね・・・>>
だって母さんを泣かせるくらいなら早起きくらいあきらめるよ!?・・・父さんにも怒られたくないしね。あれで結構ラブラブだから何されるか分かったもんじゃない・・・。
<<ほら考え事はその辺にして、早く行きましょう。喋ってたせいで少し遅くなりました>>
「おっと、了解。じゃあ駆け足でいきますか」
そういって僕は駆け足で学校を目指した。
―――約1時間後・・・
「はっ・・・はっ・・・。意外と・・・んっ・・・ギリギリだった・・・」
「・・・アンタ、なんでそんなに息切れしてんのよ・・・」
と教室に入るなり声をかけてきた金色の長い髪の女の子はアリサ・バニングスだ。・・・そんな呆れ顔で人の顔を見るなよ・・・。おっとそれより挨拶しなきゃ。
「ん?おぉ、おはようアリサ」
「おはよう。で?」
「で?って?」
「質問に答えろって言ってんのよ!」
おおぅ!びっくりした〜・・・。教室のしかも目の前で大声出すなよな〜。ただでさえ目立つ容姿してんのに・・・。つか、大声出したらあいつが「いよぅ、アリサ。今日も相変わらず元気がよくてかわいいな」・・・やっぱり来たよ・・・。
「げ、裕樹・・・」
「お、名前で呼ばれるのも久しぶりだな〜。遠慮せずもっと呼んでいいんだぜ?」
おーおー、あからさまにしまった・・って顔してるなアリサ。こいつもこれがなきゃいいやつなんだけどな・・・。
「お、神那もいたのか。おはよう」
「おはよ、裕樹。アリサを口説くのもいいけど、そろそろチャイムが鳴るから席に着いたほうがいいよ?」
「おっと、もうそんな時間か。スマンなアリサ、朝の語らいはこれまでのようだ。また後でゆっくり話そうぜ」
などとキザなセリフを言って裕樹は自分の席に戻っていった。いつも思うけど、よくあんなセリフを恥ずかしげもなく言えるよな〜。ま、言ったらどうなるかは裕樹が実践してくれてるから絶対に言うつもりないけどね。
「助かったわ、ありがと」
「別に気にしないでよ。チャイムがなるってのはほんとだから」
特に助けるつもりで言ったわけではなかったが、アリサはそう受け取ったみたいだ。と・・・
"キーンコーンカーンコーン・・・"
「あっと、ほんとに鳴ったわね・・・。仕方ないわね、昼休みにでもお弁当食べながらさっきのこと聞くからそのときにちゃんと答えなさいよ!」
「はいはい・・・」
アリサは少し怒ってるような口調でこちらにそういいつつ、自分の席に付いた。おっと僕も急いで席に着かなくちゃ。そして席に着く直前、僕の席の隣の子に声をかけられた。
「おはよう、神那くん」
「あ、おはよう。なのはちゃん」
そう声をかけてきた栗色の髪をサイドでくくっている女の子は高町なのはちゃん。アリサちゃんともう一人女の子がいるんだけどその二人と仲の良い元気な女の子だ。もう一人の女の子についてはまた後ほど紹介しよう。
「それでほんとどうしたの?朝もバスに乗ってなかったし・・・」
「ん、ごめんね心配かけて。別に何かに巻き込まれたとかじゃく、ほんとたいしたことないから。さっきもアリサが言ってたけど、昼休みに拉致られると思うからその時話すよ」
「拉致って・・・」
となのはちゃんは苦笑いしていたが、ちょうど先生が入ってきたので表情を正して前を向いた。ま、いつもいる人が急にいなくなったらそりゃ心配するか。というか友達にもそんな思いさせちゃうんだったら、ほんと休みの日だけにしよう。
―――昼休み―――
「さあ、理由を聞きましょうか?なんで朝バスに乗ってなかったの?そしてなんであんなに息を切らしてたの?」
「まあまあ、アリサちゃん。神那君も悪気があったわけじゃないんだから・・・」
とアリサをなだめてくれているのは、紫のロングの髪で髪先が少しウェーブがかかっている女の子は月村すずかちゃんだ。というかすずかちゃん、アリサをなだめてくれるのはありがたいけど、その言い方だと前半部分だけで後半の質問に対しては何の意味もないよ・・・。
「すずかは甘い!友達なんだから隠し事は無しにしないと!さあ答えなさい!まああたしも鬼じゃないから本当に、ほんっとー・・・に言いたくないなら言わなくても良いわ!」
・・・うん、そこまで言いたくないわけじゃないし、別に隠すほどのことじゃないからいいんだけど。なんでこう上から目線で言われなくちゃならないの?まあ特にイラつくわけじゃないけど・・・ねぇ?
「それで朝、バスに乗ってなかったのはなんでなのかな?教室に入ってきたときに息切らしてたのは、バスに乗り遅れて遅刻しそうだったからなのかな?」
「それだと半分正解だね、なのはちゃん。正確には、今日は珍しくいつもより早く起きたんで、自分でお弁当作って早めに家を出て、散歩がてらちょっと遠回りに学校へ歩いていこうと思ったわけさ。まあ、ちょっと遠回りしすぎて遅刻しそうになったから走ってきたんだけどね・・・」
嘘は言ってないよね?遠回りしたのは本当で、実際は間に合う時間だったけどヴェルジュと話しながら歩いてたら時間ギリギリになってしまったから走ったって言うだけで、そこを少し不自然にならないように変えただけだからいいよね!
「そうだったんだ・・・。だからお弁当がいつもより質素でぐちゃぐちゃなんだね・・・」
「グハッ!すずかちゃんの何気ない一言が痛い・・・」
「ご・ごめん!ちょっと口がすべちゃったテヘッ☆」
くそぅ、かわいいけど僕はそう簡単には落ちないぞ!あれ?なんかうまいことそらされた気がするけど・・・まぁいっか!
「まったく・・・。それだったら仕方ないわね。でも、あんたの家からここまで結構距離あるけど疲れてないの?」
「あ、それ私も思った。小学生が歩くにしては結構な距離だと思うの」
「う〜ん、確かに疲れはしたけど歩くことは嫌いじゃないからね〜。だから問題なし!」
とサムズアップしてみる。・・・なんか呆れられてる?
「・・・ハァ。ま、アンタがそう言うならそうなんでしょ。ほら、さすがにそのおかずじゃさびしいだろうから一つあげるわ」
「あ、わたしもあげるね」
「だったら私も上げるの〜♪」
三人ともいい子だ・・・。持つべきものは友達だね、ほんと。こうしておしゃべりしつつ、楽しくお昼休みは過ぎていった・・・。
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原作開始ですね〜。何とか会話でみんな登場させれればいいな〜と思ってます・・・ | ||
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