魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜赤き狂戦士〜
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第二章 始まり

第二十話「地球出張任務3」  

 

 

 

Sideヴァン

 

 

なのはに連れられたどり着いた先には、リインのチビが言っていたとおりのお洒落の喫茶店があっァ。

そォーいやァ以前実家は喫茶店をやってるとか俺様に言ってたなァ。

 

そン時はどうでもいい話だと思ってほとンど聞いちゃいなかったがァ、

 

 

まさか実際に来る事になるとはなァ・・・

 

 

「お母さん!、ただいまー!」

 

「なのは、おかえり〜」

 

 

なのはが喫茶店のドアを開け、中にいた女にお母さんと呼びかける・・・あン?ちょっと待てェ・・・

お母さんだとォ?オイオイ・・・なのはの奴が今年で二十歳ってェのに、

コイツの母親はいったいいくつなンだァ?仮に40過ぎてても、この顔はどォー考えても

20代そこらの顔だろォ?

 

まさかァ昔の俺様と同類?

 

 

・・・いやいやァ・・・まずそれは一番ありえねェからァ。

 

 

 

そしてその後さらに俺様を悩ませる「奴ら」がぞろぞろと現れたァ。

 

その正体は、なのはの父親とお姉サマだったァ。

 

・・・何故こうも高町の連中は若すぎなンだァ?

 

コイツらのDNAプログメントはいじられてンじゃねェのかァ?

 

 

「えーとね、この二人は私の生徒」

 

「おー!こんちは。いらしゃい」

 

 

「あっ、はい!」

 

 

「こんにちはっ!」」

 

 

父親が挨拶をスターズの二人にすると、慌てスターズ二人が挨拶を返す。

 

なのはの親だからって緊張しすぎだろォ?

 

・・・ン?なンだァ?この探られるような視線はァ?

 

 

「ねぇなのは、そっちの人は誰なの?」

 

 

お姉サマがニヤニヤした顔で俺様を見て俺様が誰なのかなのはに聞いている。

 

さっきの視線はこの姉かァ?

 

いやァ、確かにコイツも俺様を見て詮索はしちゃいるが、

 

これは興味本位・・・即ち善意なものだァ。

 

あの視線はこの店ン中からだったァ。しかも俺様が背後に向けてだァ・・・もしこの中の誰かが

あの気配を俺様に向けて放っていたとしたら・・・

 

 

「えっと、彼は私の分隊の副隊長をやってる人なんだよ」

 

 

「ヴァン・ハートネットだァ。ヨロシク、お姉サマァ」

 

「私は高町美由希。よろしくね、ヴァン君」

 

 

お姉サマが俺様に手を差し出し、握手を求めてきたァ。

それで俺様も前に右手を出して握手をする・・・はずだったァ。

 

 

突如俺様の手は横から伸びた手に止められ、お姉サマと握手を遮られたァ。

 

その手の持ち主は・・・

 

 

「へェ・・・さっきのあのくすぐったい視線はアンタのものだったンだなァ・・・お父サマ?」

 

 

「ほぉ・・・私のあの視線に気づいていたとは・・・中々の体験をしてきたみたいだね?」

 

 

そう・・・俺様の手を掴んでいる奴は、なのはのお父サマだァ。

 

明らかに誰でもわかる作り笑顔にこの殺気を孕んだ目ェ・・・ただのパンピーじゃねェ・・・

何モンだァ?

 

「ところでお父サマァ?手を離して頂けないでしょうかァ?さっきからめちゃくちゃ

痛いンですけどォ?」

 

「そうかな?全然痛そうには見えないな?あと、この手を離してほしかったら私の言う事に

正直に答えてもらいたいな」

 

 

手を退かそうとお父サマの手を掴むが一切離れねェ・・・本気じゃないとはいえ、

この俺様が力負けしてるだとォ?

 

「で、聞きたい事ってなンなンですかァ?」

「君となのはの関係を聞きたいんだよ。いったい君はなのはとどういう関係なのかな?」

「あン?」

「お、お父さん?!」

 

 

あまりの内容に思わず、そンな声が出たァ。

 

俺達のやりとりを黙って見ていたなのはもお父様サマの今言った事に対して声を上げて、

間に入ってくる。

 

 

「そうだ!なのは!なのはは、彼の事をどう思ってるんだ!?」

 

「ふ、ふぇ!?ちょ、さっきから何言ってるのお父さん!?」

 

 

俺は目の前で行われている出来事を見ている。

 

腕を掴まれたままだァ。スターズの二人はこの珍景についていけずに、ポケーっとただ

見ているだけェ。

 

そして一番わからないのがなのはのお母サマとお姉サマだァ。

 

俺様の記憶が正しけりゃこの珍景が起こってからずっと、まるで子供の喧嘩を見守る親かのように、

微笑みながら見ている。

 

・・・頼む、これのどこに微笑む事ができる要素が入ってるか教えろよォ・・・

 

 

 

そしていつの間にか、俺様の腕は離されていて代わりになのはがお父サマに質問漬けにあっている。

 

 

「あれ?ヴァン君どこに行くの?」

 

 

「いえ、ただ戦術的撤退をしようかと思いましてェ」

 

「戦術的撤退?はは!何だか面白い事言うね君」

 

 

何食わぬ顔で、出口に行くとお姉サマに呼び止められ、適当に話す。

 

それでスターズの二人とリインが気付き、俺様に近寄ってきた。

 

 

なのはとお父サマはまだ気付かない。

 

 

「あら〜もっとお話したいのに行っちゃうの?ケーキでも食べて言ったらいいのに」

 

「いえ、俺様の副官を待機所に待たせているンで、これにて失礼させていただきやす」

 

「あっ!そう言って逃げる気ですねヴァンさん!!逃がしませんよ!!なのはさん、士郎さん!!ヴァンさん

が逃げ「お母サマ、コーヒーをいただけますかァ?」な、なんでもないですよぉ〜」

 

 

コーヒーと言う単語を聞いて、青い顔になるリイン。

大声でなのはとお父サマを呼ぼうとしたが、俺様の意図に気づき、途中でやめる。

 

懸命な判断だなァ。

 

 

 

「コーヒー?何が飲みたいのかしら?」

「そうですねェ・・・とりあえずモカブレンドをお願いします。あっ、もうすぐに出るンで、

後はアナタの娘サンにでも持たせていただけないでしょうかァ?」

わかったわ。それじゃこれからもなのはをよろしくね」

 

「ええェ・・・ではまた会いましょうお母サマ。美由希さんもそれではァ」

 

「うん、またね〜」

 

 

最後にそれだけ話し、俺様は店から出る。

 

 

よし、後はここを離れるだけだァ。

 

 

 

 

 

 

・・・が、そう簡単には行かなかったァ・・・。

 

 

 

ドアノブに触れた瞬間、後ろから肩が誰かに掴まれる。

 

 

 

 

「どこに行くんだい?まだ話しは終わってないよ?」

ちぃ・・・上手く逃げられると思ったがァ、甘かったかァ・・・

 

「いやァ〜俺様なンかと話すより、家族水入らずお話しされた方がいいと思っちゃいましてェ。

場の空気を読んだってヤツですよォ〜」

「はは、それはありがたいね。けどそんな心配はいらないよ。私は今は君と話したいんだよ」

 

 

両肩を力強く掴まれる。

 

 

ホントになンて力だよォ。

 

 

「だから娘さんから聞いてくださいってェばァ」

俺も負けじとお父サマ・・・いやァ、もうこの気持ち悪い呼び方はやめだァ。

俺様は士郎さんの両肩を掴み、ニッコリと笑う。それで士郎さんも笑い返す。

周りね連中が今の状態を見て引いてるのが良くわかる。

野郎二人が至近距離で顔を近付けて笑い合っているンだァ。

気持ち悪いのは当たり前だなァ。

だがそれでも俺様は離れない。

 

 

ここで肩を離せば何故だかしらンが、何かに負ける気がしたからだァ。

 

 

というかホントに何に負けるンだァ?

 

 

 

 

「もう!二人ともいい加減にして!!」

「うわぁ!?」

「っがァ!?」

 

 

そンな事を思っいた矢先に、なのはと美由希さんが俺様と士郎さんのみぞおちに一撃を加えやがったァ・・・ぐっ!・・・なのはの奴ゥ・・・遠慮なくおもいっきりやりやがってェ・・・

こりゃ久々にマジで入ったなァ・・・

 

 

「な、なのは・・・テメェ・・・!」

 

「お父さんもお父さんだけど、ヴァン君も悪いんだよ?直ぐせば喧嘩を買うって性格は

私はダメだと思うよ?」

 

「ですです!!」

 

 

と、隣でもっと言ってやれとでも言わンばかりにリインがほざいている。

 

 

・・・アイツ・・・コーヒーの刑決定だなァ。

 

 

 

「ほら立って、ヴァン君」

 

 

まだダメージが抜けないが、なンとか立ち上がる。正面では先に回復して立っている士郎さんが

勝ち誇った顔で俺様を見ていた。

 

なンて負けず嫌いなお父サマだよォ・・・いやァ、娘に関わる男にだけかァ。

 

 

「じゃあ私達は、アリサちゃんのコテージに戻るね」

 

「うん。はやてちゃん達にもよろしくね?」

 

「はい!今度は休みを取って皆で来るようにするね。じゃまたね?」

 

 

翠屋を出て、コテージの道のりを歩くのではなく、バス停近くまで歩く。

 

翠屋に行く前にフェイトに迎えをなのはが頼んでいたからだァ。

 

別に歩いて行っても問題ない距離だが、はやて達が晩飯を作っているから、早めに着いてその手伝いをするとかなンとからしい。

・・・それはさておき、シャマルの奴は今回の料理番に入ってないだろうなァ?奴の料理はヤバすぎる。

一度アイツの作ったって言うクッキーを一枚食ったが、食って数秒で腹が大変な事になった事がある。

あの後、はやてからシャマルの料理は5割の確率で失敗料理が出来上がるとか聞いたがァ、半々で美味いのと不味いのができるってェのは、ギャンブルと同じ感覚じゃねェかァ。

そう、これじゃ「ロシアンルーレット」だァ・・・リボルバー式ではなくオートマ式の・・・

いやァ、オートマだったらもう既にロシアンルーレットでもなくなってる・・・

最初の一回で、あの世逝きだァ。

 

「にしてもなのはさんのお母さんって、なのはさんとそっくりでしたね!!」

 

「そうかな?まぁ確かによく、そう言われるけど」

 

歩いているとスバルがそンな話題をなのはに話す。

 

そう言えばコイツ、ケッコウ母親と似ていたなァ。

 

後ろから二人を見たら、間違うかもしれねェ。

 

 

「良かったじゃねェかァ?美人の桃子さんに似れてェ」

「そ、そんなヴァン君褒めすぎだよ〜」

「・・・中身は父親似でおっかないがァ・・・」

「・・・あれ?今何か失礼な事言わなかったかなヴァン君?」

「そンな気のせいですよォ〜なのは隊長ォ♪」

 

 

この地獄耳がァ。

 

 

かなり小声で言ったのを聞き取りやがってェ。

 

 

「なのはさん。今、ヴァンさんは「確か待機所にはドラム缶があったからァ、今から缶コーヒーまとめ買いでもしてェ、グッツグッツに煮」な、なんでもないですよぉ〜」

 

リイン・・・これが最後だぜェ?

 

次は・・・ないぜェ?

 

 

「あの、ヴァン副隊長はどこの世界出身なんですか?」

 

「あっ!私も知りたいです!!」

 

リインに目で警告していると、ティアナがそンな事を聞いてきたァ。

それに興味を示したスバルが乗ってくる。・・・出身ねェ・・・まァいつも通り応えるかァ。

 

話そうとした時、なのはが気まずそうにこっちを見ていたのが目に入ったが、そのまま続ける。

 

なのはとヴィータンは俺のダミー情報を知ってるンだったなァ。

 

 

「さァーなァ。俺様が何処で生まれたかなンざ知らねェーなァ。それどころか、

俺様は自分の親の顔すらわかンねェーよォ」

「「「えっ?」」」

 

 

思ってもいなかった返事にティアナとスバル、途中から話しに参加したリインがどういう事か

わからないとでも言うかのように声をあげたァ。

 

「俺様は赤ん坊の時に、どこぞの研究施設で見つかった、世間で言う孤児って奴だァ。

だから俺様は出身世界なんざ知らねェし、親の顔もわからないンだよォ」

 

「そ、そうだったんですか・・・すみません・・・」

 

 

俺様の昔話を聞き、気まずそうにティアナが俺様に謝ってくる。

他の二名もティアナて同じ事を思ってンのかァ、申し訳なさそうに俺に視線を送っている。

 

ダミー情報とはいえなんとも胸糞悪い。

 

 

「なンでテエメが謝るンだァ?同情とかそンなモンは俺様にとっちゃ迷惑千万。

それに今の俺様こそが俺様だァ。他は何者でもねェンだよォ」

 

 

随分湿っぽい空気になったが、俺様は手を叩き忘れるようコイツらに話す。

 

 

それでなのはも俺様の意図に乗り、三人に俺と同じように言い、

俺達にあった空気を無くすように動きだす。

 

 

「ほら見ろよォ」

 

 

バス停の近くに来た時に俺様は待ち合わせ場所を見るように言ったァ。

既にフェイトの運転する車が止まったおり、俺達に気付いたのかフェイトが車から出てきた、

コチラに手を振っている。

 

 

「なのは〜、皆〜!」

 

 

「フェイトちゃん!」

 

 

呼ばれた事でなのはが返事を返し、俺様以外の人間はフェイトの下に走っていく。

 

 

『マスターもたまにああいう事をされたらどうですか?』

「オマエ、あンな俺様を見たいのかァ?」

 

自分でその光景を想像する。

 

笑顔で待ち合わせした奴の下へ走って行く・・・待ち人から俺様を見れば、

ショックで死ぬかもしれないねェ。

「殺人犯に狙われてるかと思って怖くて撃っちゃいました」という事態になっても仕方ない。

まァ、そうなったらァ、相手を返り討ちにするしかない。

 

『いいえ。想像すらしたくありませんね。おぞましすぎます』

 

 

とそンな風にデバイスに馬鹿にされるが俺様は特にもう何も言わない。

ぶっちゃけもうコイツのこういう態度はもう慣れている。

 

たまにもの凄くイラッとする事を当たり前のように言う事もあるが、

懐の大きい俺様は当然それを許しているンだぜェ?

 

「ほらヴァン君、行くよ〜!」

「あァ、今行くぜェ」

 

 

俺はアイツらがいる場所まで変わらずの足取りで歩く・・・戦いだけが俺様の楽しみだが、

最近はこういうのもケッコウ気に入ったなァ。

 

最初はこういうのは駄目だったがァ、それを心地よいと感じている俺様がいる・・・

 

人として行き始めたからこうなったのは間違いないが俺様にそれに対する後悔はない。

むしろ今まで生きてきた中で得られなかったものを得られて幸福すら感じている。

俺様達を決してあらがえない運命に巻き込んだ奴ら許せねェがァ、

 

コレは別・・・

 

 

 

 

 

今はこの時を僕は過ごして行きたい・・・

 

説明
時空管理局特務殲滅部隊---通称「インフェルノ」。そこには管理局員、次元犯罪者の両方が「赤き狂戦士」と恐れる青年が所属していた。そんなある日彼は、インフェルノの部隊長の命を受け新しく設立された部隊「機動六課」に異動する事になり、狂喜的な笑みを浮かべ素直に異動を受諾する・・・彼の笑みは何を意味するのか?
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インフェルノ なのはがヒロイン StrikerS 魔法少女リリカルなのは 

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