悪魔に転生した彼は老衰を望む
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どうも、いきなりなんだが俺は赤ちゃんになっている。

 え?どうして赤ちゃんなのに意識があるか?…まあ少し待て。

 

 転生って知ってるか?

 簡単に言うと死んだ奴が新たな生を受けるってことなんだが、最近はネット小説などで流行っている「主人公死亡→神様に会う→反則的な能力貰う→異世界やアニメ世界に転生する→俺tueeeeeeeeeeeeeeeee」という典型的な物語があり、俺もその手の物語は好きだった。

と言っても、俺tueeeeeeeeeeeするとは限らないし、不幸な人生歩んだり、慎ましく生活したりと色々な転生ってものがあった。俺は「転生モノ」っていうジャンルの小説が大好きな男だった。

 

 話は変わるんだが「ハイスクールD×D」という作品を知っているだろうか。

 とある変態な少年がおっぱいおっぱい言いながら、時に努力してパワーアップし、時にヒロインの胸を突いてパワーアップし、時に服の脱ぐ順序で怒ったりして、最終的にはハーレムを目指す物語…だっけかな。

 まあいいや。

 え、なんでそんな話をするかだって?早く最初の説明をしろ?

 まぁ最後まで俺の話を聞いてくれ。

 

 結論を言うと俺は「ハイスクールD×D」の世界に「転生」をしたんだ。しかも俺は悪魔に転生したようだ

 だけど勘違いしてはいけないのは、俺は神になんて会ってないし、能力だって貰ってない。前世だって運動は出来たけど、県大会くらいの実力だったし頭だって、平均より上ぐらいだけどトップレベルなんかじゃなかった。

 なんで俺が転生したのか、それは疑問に思うけど折角「強くてニューゲーム」が出来るんだから(頭脳とか思考とかだけだが)、この人生もとい悪魔生を楽しんでやるぜ!

…なんて思っていたけど、時代が悪かった。なんか良くわからんが、あと20年もしないうちに戦争が起こるらしい。それも3大勢力による大きな戦争が。

 このことを知ることになったのは、産まれて間もない時だった。

 

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 俺は死んだ覚えも神に会った記憶もないけど、気づいたら生まれてました。いやぁ、お腹の中ってなんか暖かくて気持ちよかったよ。普通はいきなり知らない場所で起きたらパニックになるだろうけど、逆に安心感っていうのかな?それが俺を包み込んでる気がして落ち着いていられたんだ。まぁお腹の中っていうのは生まれてから分かったんだがな。

 それにしてもお腹から出る時が大変だった。

 急に吸い込まれたかと思ったら、苦しくなってそれが続いたときは本当に辛かった。看護師さん達の話によると難産だったらしい。ゴメンネ母さん。

 ちなみに、父親と母親はかなりの美形だった。だけど看護師さんも美形だった。皆美形だった。しかも西洋の方に居るような顔立ちで髪の色も紅とか金とかだったけど母さんは黒い髪だった。 

 え?俺異世界に転生したの?マジかよ!神になんて会ってないけど、意識ははっきりしてるしこれは内政フラグ?俺tueeeeeeeeeフラグ?来たぜ来たぜ!なんかよくわからんがこの人生楽しんでやる!

 なんて思考をしていたら母親も落ち着いてきたようで、俺に名前を付けるところだった。

 

 「ミレイも落ち着いたし名前を付けようか。」

 「そうね、ヴォイド。それにしてもあなたにソックリね。ふふっ、紅い眼なんて特に。」

 

 俺の母はミレイで父はヴォイドっていうのか。てか俺の眼って紅いんだな。

 

 「前から決めていた名前でいいかい?男ならカイン。女ならレインだったよな」

 「ええ、これからあなたはカインよ。ふふっ、よろしくねカイン。」

 

 よろしくお願いしますお母様!それにしてもレイカって言われなくて良かった。今更女なんて洒落にならんぜ。

 

 「あうー」

 

 とりあえず、返事してみた

 

 「おおっ。カインが返事したぞっ!これは将来が楽しみだなぁ。」

 「あら、あなたったら。でもあなたと私の子だもの。きっと立派に育つわ。」

 

 良い両親のようだ。よし!父さんと母さんの為に頑張りますか!

 そんな俺の決心も翌日の両親の会話で崩壊することとなるのだが、そんなこと知る由もない俺は、心の中で修行の予定を立てるのであった。

 

 そして翌日。

 俺はやる気に満ち溢れていた。何も出来ないけど…

 

 「あうあう(よし!まずは体を動かすか!)」

 

 俺は体を動かそうと頑張るがびくともしない。そこで俺は大事なことに気付く

 

 「あうあう(チート貰ってないのに体動くわけないじゃん。)」

 

 失念していた。

 

 「あうー(クソッ、さすがに物語みたいにはいかないか。そうだよな、これは現実だもんな。)」

 

 少しでも、この世界を物語だと思っていた自分に嫌気がさす。さらに追い打ちをかけるような会話が聞こえてきた。

 

 「なぁミレイ。あと20年もしないうちに戦争が起こる。しかも3大勢力による戦争が。これまでの小競り合いじゃない、本当の殺し合いだ。今言うことじゃないというのは分かっているが、多分この子も徴兵されるだろう。そのことは頭の隅に入れておいてくれ。」

 

 え…戦争ですと!死亡フラグ…だとっ!

 

 「ええ、分かっているわ。ごめんなさいね、こんなこと言わせちゃって。ふふっ、昔から私って間が悪いっていうのかしらね。そのせいであなたも家も追い出されたし、この子も戦争に出なきゃいけなくなる…。」

 

 母さんが泣きそうな顔で言う。大丈夫だよって言ってあげたいけど俺は喋ることが出来ない。自責の念に駆られていると、父さんから爆弾発言(俺にとっての)が飛び出した

 

 「我ら悪魔と我らの怨敵である天使。そして天使が堕ちた堕天使。この3大勢力の小競り合いは昔からあったから、戦争になるのは当然と言っては当然だ、いつ起こってもおかしくなかったからな。だからあまり自分を責めるな。家を追い出されたのも、俺はなにも気にしていない。俺はお前とこの子が居るだけで幸せだ。大丈夫だ、お前もこの子も俺が必ず守る。」

 

 父さんマジかっけぇっす。って

 我ら悪魔?

 え?俺って悪魔なの!?しかも悪魔、天使、堕天使の戦争って…

 ここハイスクールD×Dの世界か!?

 クソッ!なんて世界に、しかも死亡フラグ満載な時期に生まれてしまったんだ!

 俺は元々オタクなんかじゃなかったが、この本だけは読んでいたんだよ!確かに好きだったけど、それは小説だからであって実際原作でも死亡フラグ満載なのに、さらに酷い時期に産まれちまったんだ!

 

 「あうー(…体は動かない。ならば出来るだけ思考をして脳を鍛えるか。確か悪魔には魔力があったよな。体じゃなく魔力なら動かせるか?絶対死んでたまるか、できれば両親にも生きていてほしいが、そんなこと言っている場合じゃない!)」

 「あら?お腹が空いたのかしら?ふふっ、ごめんなさいね。今おっぱいあげるから。」

 

 俺が現実に打ちひしがれていると、母さんは俺がお腹が減ったのかと思い、その豊満な胸を俺に向けた。

 …忘れていた。赤ちゃんの食事法を。そして抗えない本能に任せおっぱいを飲む。

 

 「んむんむ(うわ!恥ずかしい!転生者ってこんなんやってたのかよ!しかし美味いな、母乳)」

 

 食事後、背中を擦られゲップがでる。

 …これを歯が生えるまでやるのか。ぐぐぐぐぐぐぐ…やってやる!生きるためだ!しかたない、しかたないけどおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉ…

 羞恥に悶えてる間に眠気がきて俺の意識は落ちた

 

 「うふふ、お腹いっぱいになっちゃったのね。寝ちゃったわ。それにしても綺麗な亜麻色ね。でも私の黒い髪が混ざっているみたい。」

 「亜麻色と言えば俺の先祖にはバアル家の者と結婚した人が居てな。その人の髪の毛は亜麻色だったそうだ。もしかするとこの子も滅びの力が使えるかもな…」

 「私の空間も使えるかもしれないわね?」

 

 なんて会話をしてるのなんて勿論俺は知らないし、この事実を知ったのは半年後だった。

 

 不幸中の幸いというやつなのか、あと20年の猶予がある。本格的に始動出来るのは5歳くらいだろうから、肉体的には15年しか修行できないか…

 なにせ俺は能力を貰ってない転生者だから、思考する脳はあっても行動する肉体がないのだ。つまり知識は蓄えられるけど、筋トレなどの修行はできないということだ。反則的能力を神から貰ったならともかく、唯の赤子に筋トレとかの修行なんてできるか!

 ということで、この世界を生きていこうと思う。ハーレムなんていらない。富も名誉も生きるのに必要なだけでいい。

 俺は生きる。原作なんて知るか!元が小説だろうと俺はここで生きてるんだ!そして俺は強くなってやる!

 目指せっ老衰!

 

 

説明
俺はハイスクールD×Dの世界に転生した。しかも大戦前だとっ!?なんとしても生き残ってやる。目指せっ老衰!な彼が頑張るお話。自己設定あり。
にじファンより移転。
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