IS?インフィニット・ストラトス?黒獅子と駆ける者? |
episode16 真実
「はぁぁぁぁぁ・・・・・」
そして隼人は深ーく、息を吐いて、校舎の廊下を歩いていた。
(さすがに参ったぜ・・・あんなに長い尋問されたら気が滅入る・・・)
と、首を鳴らしながら、歩いていた。
(・・しかし・・・)
そして隼人は立ち止まると、あのとき現れた黒い影を思い出す。
(・・・黒く・・・一つ目の機体・・・・あの構造・・・どこかで見たような・・・でも、思い出せない)
隼人は黒い影に少なからず知っているような感覚が脳裏を過ぎるが、まったく思い出せない。
(もしかすれば・・・・あんなやつがまだ他にも居るってことだよな・・・・と、なると、どうなるんだ・・・)
と、考えていると・・・・・
「ん・・・?」
そして隼人は前にある壁際の柱に隠れている人を見つけた。
(またか・・・)
隼人はため息をつくと、柱に近づく。
「こんなところで何しているんだ」
ビクッ!、とツインテールの片方が柱から跳ね上がった。
「・・は、隼人・・」
そして恐る恐る鈴が柱の陰より出てきた。
「お前は隠れるのが趣味なのか」
「そ、そんなわけないでしょ!?ぐ、偶然よ!」
と、鈴は顔を赤らめて否定する。
「そうムキになるなよ」
「誰のせいと思ってんのよ!」
「まぁまぁ・・・落ち着けって」
「うぅ・・・」
「・・・しかし、試合は中止になったな」
「・・・・う、うん」
「まぁ、あのまま続けていたら、どっちが勝ったか分からなかったな」
「そ、それは・・・あたしが勝つに決まってんでしょ!」
「そうかな。あの時どう見ても一夏に隙を突かれたように見えたがな」
「うっ・・・」
鈴は図星だったのか、言い返せなかった。
「・・まぁ、中止になったもんは中止だ・・・・。別に気にすることはない」
「・・・あたしは・・・気にするわよ」
「・・・・・・・」
「だって・・・そんなんになったら、隼人から聞けなくなるじゃないの・・・・・一夏に勝たないと言わないんでしょ・・・」
「・・そうだな」
「だったら・・尚更よ・・・・。このままじゃ・・気になって・・仕方がないのよ」
「・・鈴」
「・・・・・・・・」
「・・・・別に何も言わないってわけじゃないぞ」
「え?」
「さすがにこのままだとお前が可哀想だからな」
「じゃ、じゃぁ・・・」
「ただし、俺の言うことを一つ聞いてもらうぞ」
「うっ・・・」
「それなら話しても構わない」
「くっ・・・・・・い、いいわよ。あんたのことだから嫌なことは言わないって言うのは分かっているからね」
「そうとは限らないぞ」
「・・・・・・」
「・・・・まぁ、別にお前は気にすることでもないのだがな・・・・。まぁ、俺がどうして他人のせいにせず、自分に責任を負わせているのか・・・それを聞きたいんだろ」
「う、うん」
「・・・俺だって人間だ。そんな時だってあったさ」
「・・・・・そうなんだ」
「・・・だが、あの日以来・・俺はその考えを捨てた」
「・・・・あの日以来?」
「・・今から六年前のことだ・・・。お前と会う前の小学三年の時だ」
「・・・・・・」
「その日、俺は普通に同級生と下校していた・・・・。そして横断歩道の前で待っていた時に、別のクラスのやつらがやって来た」
「・・・・・・」
「最初は気にしなかったが、その後そのクラスのやつらがふざけ合って、それによってこっちに被害が及んで、一人の友達が怪我を負ってしまったんだ」
「・・・・・」
「それで俺はそいつに文句を言って、向こうが逆切れをして向かってきたが、逆に返り討ちにしたがな」
「・・・そん時から強かったんだね」
「・・・話を戻すぞ。それで俺はクラスメイトに怪我を負わせたのはそいつのせいにした。それによってその男子生徒は怒って横断歩道を渡ったんだ。ちょうど青になったからな」
「・・・・・」
「・・・だが、その直後に・・・・その男子生徒は信号無視で突っ込んできたトラックに・・・はねられた」
「・・・っ」
「男子生徒は即死だった・・・。もしあの時、俺が何も余計なことを言わなければ、その男子生徒は死ぬことはなかった・・」
「・・・隼人」
「・・・俺はその日以来、ひどく落ち込んださ・・・。余計なことが人を死に追いやったんだ」
「・・・・」
「それ以来、俺は自分に責任を負うようになった・・・。俺の友達に責任を負わせないために・・・」
「・・・・・・」
「言葉は刃物とか、銃とかよりも最悪なものになりえるんだ。ナイフや銃で体を傷つけられても、しばらくすれば治る・・・。だが、言葉によって傷つけられた心は・・・・癒える事なんかない・・・」
「・・・・・・・」
「分かったか・・・。これが真実さ・・・・。心が傷つくより・・マシだからな」
「・・・・・・」
すると鈴は手を力強く握る。
「・・・だから・・・隼人は自分に責任を負わせて、他人のせいにしない・・・。あたしのせいで左目を失ったとしても・・・」
「そうだ・・・」
「・・・だったら・・・だったら・・・あたしは・・」
そして鈴は目に涙を浮かべた。
「・・隼人に・・つらい思いを思い出させようとしていたの・・・・あたしの無責任で・・」
「・・鈴は知らなかった・・・。それだけのことだ」
「・・・隼人・・・」
そして鈴はそのまま隼人に抱きついた。
「・・隼人・・・隼人ぉぉ!」
鈴はそのまま隼人の胸の中で泣き出した。
「ごめん・・ごめん・・・あたしの勝手な都合で・・・隼人に・・つらい思いを・・」
「・・・いいんだよ。分かってくれれば、それでいい」
そして隼人は優しく鈴の頭を撫でる。
「隼人・・・・」
「・・気が済んだか」
「う、うん・・・」
「・・・そうか」
そうして隼人と鈴はしばらくその状態でいた・・・・・・
その頃・・・・・・・
「それで、どうだった」
「はい・・・。やはり無人機だったようです」
そしてIS学園のとある特殊施設・・・。そこは一部の者にしか分からない・・・最重要な場所であった。
「そうか。何か分かったことは」
「・・・回収した二体のISから、通常のISとは異なるものがありました。その内一体は神風君によって中枢を撃ち抜かれてしまっているので、修復は不可能。織斑君が破壊したほうも中枢が焼き切れてしまっているため、修復不可能です」
「・・・・それで、コアは?」
「はい・・・。どちらとも未登録のものでした」
「そうか・・・・」
「それと、その後現れたアンノウンについてなんですが・・・・残骸どころか、破片すら残していなかったので、この映像しか残っていません」
「・・・一切証拠を残さない、か」
「それに、映像からしてISとはほとんど異なる機構を持っていると思われます」
「・・・・・・」
「・・どうしましょうか?」
「・・山田先生は引き続きこの無人機の調査を」
「分かりました」
「・・・・・」
そして千冬はモニターに映し出されている黒い影を見る。
(・・・まさか・・・あの時の物と似たようなやつが現れるとはな)
千冬は映像で確認できる範囲で細部を見る。
(この形状・・・・どこか『救世主』と重なるな・・・・。形状は全然違うが・・・細部は・・若干」
それは千冬にとってもとても印象に残っている・・・・とある事件の時・・・・ある教え子を助けて貰った時・・・
(だが・・・この黒い影・・・・一体何者だ。あの時の固体と形状こそ違うが、同じ種類だっていうのは分かる)
そうして千冬は静かにため息をつく。
『申し訳ございません、マスター。『バインド』を取り逃がしてしまって』
「気にすることはない・・・。誰だってミスはある」
『・・・・・』
そして男性と女性が通信を行っていた。
「それで、バインドはどこに逃げ込んだんだ」
『それが・・・・IS学園に逃げ込まれました』
そして先ほどの女性と少し声が違う女性が通信に入る。
「IS学園に・・・だと?」
『その後、バインドはとある機体によって駆逐されたようです」
「ほう・・・。バインドを排除するとはな・・・。相当な実力を持っていると見える」
『しかし、よろしかったのですか?関係のないものたちにバインドを戦わせてしまって」』
「構わん・・。むしろ好都合だ。バインドを駆逐するのが俺たちの目標だからな・・・」
『マスター』
「戻って来い、二人とも。色々と詳しく聞かせてもらいたい」
『了解』
『直ちに帰還いたします』
そうして通信が切れる。
「・・・・・・」
そして男性はモニターに映るバインドと呼ばれる黒い影と戦っているバンシィを見る。
(バインドと戦えるほどの実力を持つISと操縦者,か・・・面白い)
そうして男性の口が緩む。
(黒獅子を操る者よ・・・いつかは手合わせを願いたいものだな・・・・」
説明 | ||
トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ! |
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ガンダム バンシィ インフィニット・ストラトス IS | ||
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