悪魔に転生した彼は老衰を望む
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いきなりだが俺は、893面の悪魔達に囲まれている。理由は簡単。父さんに投げられた俺の着地地点が、悪魔の拠点だったんだ。しかも、なんか悪そうな奴らの。

 …次に会ったら、消滅させてやるっ。

 それにしても、なぜこいつらは俺を見て殺気立っているんだ?

 

 「おいっ、お前何者だ!ここが、賞金首3000$の戦斧のグレンデ様のアジトだって知ってのことか?」

 「え?ああ、俺は父親に投げられてここに着地しただけの、ただの少年さ。」

 「あ、そうですか。すいませ…ってなわけあるか!奴を殺せ!」

 「「「了解!」」」

 

 グレンデって奴の掛け声で3体の悪魔が、俺に攻撃を仕掛けてくる。左の奴が槍、右の奴は剣、後ろの奴も剣を装備していた。グレンデ二つ名の通り、巨大な斧、戦斧と呼ばれるものを持っている。

 

 「(左右からの挟撃、これは囮か。そして後ろから仕留める…ね。なかなかのコンビネーションだ。)」

 

 俺はそれらを難なく避けると父さんから貰った剣でまず左から来た1体斬り殺す。

 

 「がああああああっ!」

 「ケニー!くそっ、よくもケニーを!」

 「いや、斬りかかってくる方が悪いでしょうがっと。」

 

 仲間を斬り殺されて我を失った右の悪魔を斬り殺す

 

 「隙あり――――!!」

 「…隙を見せたわけじゃないけど、大声出したらばれちゃうでしょ。」

 

 大声を出しながら後ろから剣で斬りかかってきた悪魔の剣を弾き、隙だらけの胴を斬る。

 そして残ったのは

 

 「アンタだけだぜ。リーダーさん。」

 「…ッ!」

 

 なんか驚愕してるけど、なんだかね。まあいいや。敵対者には容赦しない。それがあの堕天使を殺したとき決めたルールだ。

 

 「で、言い残すことある?」

 

 俺が聞いてみると、リーダー悪魔は余裕笑みを浮かべる。

 

 「は、はっ!。少しビビったが、俺は上級悪魔ぐらいの実力がある。しかも俺は3000万$の賞金首だぜ。テメェみたいな餓鬼に負けるわけがねえ。」

 

 俺はこいつの言葉に疑問を持った。

 

 「(こいつが上級?んなわけあるか。父さんの実力の20分の1ぐらいなのに?)」

 

 そんな疑問が渦巻いていると知らず、俯きながら動きを止めた俺を見て奴はさらに喜色を濃くする。

 

 「ふははは。どうした、怖気づいたか?だが、テメェには死んでもらわなくちゃならねぇ。残念だったなぁ!」

 

 そういって俺に戦斧で斬りかかってくる。

 

 「遅い。」

 

 俺は、苦も無く避ける。

 

 「くっ。すばしっこい奴め。だがこれならどうだ?」

 

 と、奴は炎の魔力球を飛ばしてくる。

 

 「ひゃははは!燃え尽きろぉぉぉ!」

 

 だが俺はその場を動かない。いや、動く必要がない。その証拠に、奴の魔力球は俺に当たる前に四散した。なにか見えない壁に(・・・・・)阻まれるように。

 

 「は?」

 「まず。」

 

 俺は奴の呆ける顔を無視し魔力球を放つ。すると奴も魔力球を放つが、

 

 「魔力操作が成ってない、密度が足りない魔力量が足りない、威力が足りない。その程度で上級を名乗ろうなんて、おふざけにも程がある。」

 「ぐぎゃああああ!俺の腕がぁぁぁぁああっ!」

 

 俺はそれらを滅びで消滅させながら奴の左腕を消滅させる。しかし自称上級ということもあり、すぐに立て直し、それなりの魔力攻撃を仕掛けてきた。

 

 「はあはあ。くくくっ、これで終いだぁぁぁぁ!」

 

 俺に巨大な炎の魔力球が迫る。ここで新技を使うことにした。

 

 「空間操作→結界を発動→形状変化開始→形状、ドリル→形状変化完了。」

 「死ねぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇ!」

 

 結界をドリル状にする。そして、

 

 「貫け。」

 

 その一言で回転を開始した結界が、巨大な魔力球を貫く。

 

 「な、ななな、なっ!」

 「ななななうるさいんだよ。空間操作→結界を発動→形状変化開始→形状、グレートソード→形状変化完了。」

 

 俺は持っていた剣を鞘に納め巨大な剣、グレートソードを作る。しかし元は結界なので、中がスカスカだ。そこで考えたのが。

 

 「→結界多重展開→展開完了。覚悟しやがれ。」

 

 結界の中に、幾重にも結界を発動することだった。そしてさらに罠も仕掛けてある。俺はグレートソードを振り下ろす。

 

 「ぐぐぐぐぐぐぐぐ!」

 

 意外にも奴は手元の戦斧で受け止める。そして競り合っている自分の戦斧に蹴りを入れて、結界の一枚を破壊した。どうやら上級というのもあながち間違いじゃないかもしれない。だが結界を破壊したことにより俺の罠が発動する。

 

 「ああああああああああ!俺の斧が!俺の腕が!」

 

 俺は、結界と結界の間にかなりの密度の滅びの魔力を仕込んである。なので耐久値が少し下がるが、結界が破壊された場合には武器と武器を持っている部分に滅びの魔力が降り注ぐ。ちなみに他人の魔力だったら結界は壊れてしまうが、自分の魔力なのである程度同調をして、耐久値が少し下がるだけで済んでいる。

 

 「ああああああ、許じでぐれ。もう悪いごどをじないがら!」

 

 奴は涙と鼻水で顔をグシャグシャにしながら俺に赦しを請うてきた。だが俺はそれを拒絶して

 

 「俺は、お前が何をして来たか知らない。お前が何なのか知らない。でも、俺に刃を向けた以上、生きて帰れると思うなよ?」 

 「」

 

 奴が何かを言う前に切り捨てた。 

 

 

 

 「ふう。いきなり疲れたな。それにしてもなんだったんだ?賞金首とか言ってたから、首でも持っていけば良いのか?」

 

 戦闘が終了した俺は、とりあえずこの死体をどうするか考えた。そして、こいつらが賞金首だと言っていたのを思い出し首を持って行こうとしたのだが、そのまま入れては袋が汚れてしまう。なので結界を施すことにした

 

 「うん、まずは。結界発動→対象、こいつら→発動完了」

 

 それらを母さんが作ったバックに突っ込む。その後体を滅びの魔力で消滅させる。

 

 「さて、ここはどこかな。」

 

 いきなり戦闘になったため今の現在地が解ってない。とりあえず当てもなく歩くことにした。

 

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れんとぅ!
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