IS インフィニット・ストラトス 〜転入生は女嫌い!?〜 第八話 〜実力の一端〜
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クラスが数秒間静寂に包まれた。その後真っ先に回復した一夏が、

 

「ああ、いいぜ。」

 

と自信満々に返答をしたが、クロウは全力で逃げたい状況だった。

 

「(まずい、貧乏くじの予感がする!)なあ、なんで俺もやるんだ?」

 

「織斑さんとはどちらがクラス代表になるかふさわしいかをはっきりさせるために、貴方とは、」

 

とセシリアが振り向き、ビシッという擬音が聞こえそうな勢いでクロウを指さす。

 

「私の誇りの問題ですわ!」

 

「(これはもう逃げられねえ)・・・分かった。ハンデはどの位付ける?」

 

「まあ、戦う前から手心を加えてもらおうだなんて、男はこれだから・・・」

 

「いや、俺がどの位ハンデをつければいいかと言っているんだ」

 

その言葉を聞いた途端、セシリアは一瞬惚けた様な顔をして次の瞬間、

 

「「「アハハハハハハハ!!」」」

 

教室は一瞬で爆笑の渦となった。

 

「な、何がおかしいんだよ。クロウは別に変な事言ってないだろ!?」

 

「織斑君、それ本気で言っているの?」

「男が女より強かったのって、ISが出来る前の話だよ!」

「男と女が戦争したら、三日持たないって言われてるんだよ?」

 

当の一夏は事実を改めて認識したように苦い顔をしていた。そこに静かだが威圧感のある声が割り込む。

 

「そんな顔するんじゃねえよ一夏。こいつらの方が間違ってるんだからよ。」

 

「クロウ・・・」

 

「それ、どういう事?」

 

生徒の一人が険悪な視線と共に、疑問をクロウにぶつけると、クロウはため息を吐く。

 

「はあ、(これだから女って奴は・・・)いいか、じゃあ逆に聞くが、何で男は女より弱いんだ?」

 

とクロウが聞くと、質問をした女子生徒は質問の意図を理解出来ない様で

 

「そりゃあ、IS操縦出来るからでしょ?」

 

と至極当たり前の答えを返してきた。

 

「確かにそうだ。ISを操縦出来ない男はISを操縦出来る女よりも弱い。これは動かない事実だ。じゃあISを((操縦可能|・・・・))な男はどうかな?」

 

その言葉を聞いた瞬間、クラスの生徒全員が横っ面を叩かれた様な顔をした。

 

「そう、俺も一夏もISを操縦出来るからこそここに居るんだ。条件は対等だろう?」

 

最後の言葉はセシリアに問いかける様に言うと、セシリアはあからさまに取り乱す。

 

「し、しかし!仮にも代表候補生であり、専用のISも所持しているこの私にハンデ無しで勝てるとでも!?」

 

「ああ、言い忘れていたな。このクラスでの専用機持ちはお前だけじゃない」

 

そう言うとクロウは左手首に付けたブレスレットをクラス全員に見せるように掲げ、言い放つ。

 

「俺にもいるのさ、”((専用機|相棒))”がな。」

 

そこまで言うといつの間にか声を上げる生徒は誰一人としていなかった。

 

「どうだ、まだハンデが云々言うのか?」

 

「わかりましたわ、叩きのめして差し上げます!」

 

そこで話が切れると、千冬がまとめる。

 

「よし、話はまとまったな。決闘の日取りは来週の月曜日、放課後第三アリーナで行う。手続きは私がしておいてやろう。三人はしっかりと準備をしておけ。それでは解散!」

 

〜寮・クロウの部屋〜

 

あの後、さっさと部屋に帰ったクロウだったが絶賛自己嫌悪に陥っていた。

 

「やっちまった。また貧乏くじだ・・・」

 

とブツブツ呟いている所にドアがノックされ、一夏の声が聞こえる。

 

「クロウ、俺だ。入ってもいいか?」

 

「ああ、いいぜ」

 

ドアが開き、制服姿の一夏が入ってくる。

 

「おう一夏、何の用だ?」

 

「ああ、さっきの決闘の件に付いて話したくてさ」

 

そう言うと一夏は向かい側のベッドに座り、話し始める。

 

「いきなりだけど、俺のISの特訓に付き合ってくれないか?」

 

「ああ、いいぜ。って言うか俺にとっても嬉しい提案だ。と言う事はお前も勝つ気で戦うんだな?」

 

「ああ、当たり前じゃないか。あんな事言われて黙ってられるか。」

 

「そうか。で、その特訓ってのはどうやってやるんだ?」

 

「俺の幼馴染が同じクラスにいたんでな。そいつに頼んだらすぐにOKしてくれた。この後、約束しているんだが一緒にくるか?」

 

「幼馴染って事は女か・・・」

 

「あ、そうか。クロウって女嫌いだったな」

 

「いや、行こう。背に腹は変えられねえ」

 

そう言うと二人一緒に道場に歩き始めた。

 

〜道場〜

 

二人で武道場に入ると、

 

「遅い!」

 

という一喝が道場に響きわたった。

 

「悪い悪い、クロウを誘ってたんだよ。人は多い方がいいだろう?」

 

とクロウが声のした方向を見ると、一人の女性がいた。

黒の髪をリボンでポニーテールに結い上げ、袴姿が妙に似合う目付きの鋭い女性が。

 

「クロウは初めてだよな。こいつは篠ノ之 箒、俺の幼馴染だ。ちなみにクラスも一緒だぜ」

 

「よろしく・・・」

 

「ああ」

 

箒にそっけない挨拶をされると箒は一夏の方を振り向き、まくしたてる。

 

「それより一夏、二人きりで特訓をすると言ったではないか!」

 

「いやでも、クロウも決闘するわけだし、人数は多い方がいいだろ?」

 

「わ、私は二人きりの方が・・・」

 

一夏の台詞を聞くと箒はいきなり借りてきた猫の様にしおらしくなっていく。

 

「(ハハーン、この女・・・。二人とも若いな)」

 

クロウはすぐに気がついた。この男、他人の色恋は楽しめるタイプなのだ。

 

「じゃあ箒、さっそく特訓しようぜ。」

 

「そ、そうだな。じゃあまずはお前の今の実力が知りたい。防具を付けてくれ。」

 

そう言うと箒は部屋の隅に置いてある剣道の防具一式を指さした。

 

「でもクロウは・・・」

 

「俺なら後でいい。先にお前がやってくれ。俺もお前の実力が見てみたいしな。」

 

「分かった」

 

そう言うと一夏は防具を付け始め、特訓が始まった。

 

〜十分経過〜

 

「(なんというかこれは・・・酷いな)」

 

一夏の実力はひどいものだった。構えはなっていないし、何より筋力が全く足りていない。箒と打ち合っても傍から見れば、一方的にいたぶっているようにしか見えなかった。

 

「・・どういう事だ」

 

「いや、どういう事と言われても」

 

「どうしてそこまで弱くなっている!中学校では何をやっていた!」

 

「えーと、何も・・・」

 

「鍛え直す」

 

「え、ちょ、ちょっと!」

 

「IS以前の問題だ!まずはそのなまった体を徹底的に鍛え直す!」

 

「マジか・・・」

 

助けを求めるように一夏がクロウの方を見ると、クロウは苦笑して箒の意見に全面的に同意する。

 

「諦めろ一夏、その幼馴染さんの言うとおりだ。お前は基礎からやり直した方がいい」

 

「そ、そんな・・・」

 

「さあ、今から始めるぞ!」

 

「ちょ、ちょっと待った箒!クロウがまだやってないだろ、あいつの実力も見なくていいのか!?」

 

と言いつつ、一夏がクロウを指さす。

 

「(ちっ気づかれたか)」

 

クロウとしては、このまま一夏の特訓へと入り、傍目で見ているだけで面白かったのだが。

 

「ふむ、確かにな。では一夏、防具を脱いでブルーストと変われ」

 

「ああ、わかっ 「その必要は無い。俺にはそんな物いらん」・・・え?」

 

するとあからさまに不快な顔をして、クロウへ鋭い視線を向ける箒。

 

「・・・それは私を侮辱しているのか?」

 

「お、おいまずいぞクロウ。箒は中学の頃、剣道の全国大会で優勝してるんだ」

 

「悪いな、俺から見れば隙だらけでどうぞ打ちこんで下さいと言っているようなものだ。」

 

「いいだろう、そこまで言うならやってやる。」

 

すると箒は竹刀を構え、クロウと相対する。

 

「ク、クロウ。構えないのか?」

 

「ああ、しなくても大丈夫だ」

 

「行くぞ、ブルースト」

 

箒が正面から打ち込む。次の瞬間、

 

「・・・え?」

 

「何だと・・・」

 

一夏は惚けた声をあげ、箒は驚愕の顔をする。そこには、見事に関節を極められ、地に伏している箒と、顔への拳を寸止めしているクロウの姿があった。

説明
第八話です。
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タグ
インフィニット・ストラトス SF 恋愛 クロウ・ブルースト スーパーロボット大戦 クロスオーバー ちょっと原作ブレイク 主人公が若干チート ハーレム だけどヒロインは千冬 

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