テイルズオブエクシリア〜転生者はイレギュラー〜 |
〜レオンSIDE〜
屋敷に入った俺達はお茶を御馳走になっていた……が、ドロッセルから熱い視線を受けている俺はミラに睨まれている。はっきり言って、まずいと思う。先ほど、ミラが大胆にも俺に自分から抱きつき、胸を俺の背中に押し付けて来ていた。もし、あのまま胸を押しつけられ続けていたら、理性が崩壊していたところだった。
そんな中、クレインはドロッセルに何があったのかを聞いている。その話しを聞いたクレインはなるほどっといった。
「なるほど、また無駄遣いするところをレオン達が助けてくれたんだね?」
そんなクレインの言い方に怒るドロッセル。
「無駄遣いなんて!協力して買い物をしたのよね」
そういいながらエリーゼやミラ、俺を見る。
「ねー」
ティポがそう答えた。
「ははは……。それにしてもまさかレオンがいるとは思わなかったよ。君は確か自分には守りたい…」
クレインが何をしゃべるのかを察した俺はクレインの口を手で塞いだ。
「ん!?」
「バカ野郎!そのことはここで言うな!」
「うんうん」
クレインはわかったと頷くのを確認すると俺は手を離した。
「ふう……」
そんな中、ローエンがクレインに近づき、耳元で話しをしている。
「……わかった。みなさんのお相手を頼むよ」
「かしこまりました」
ローエンに何かを頼むとクレインは席を立つ。
「申しわけありませんが、僕はこれで」
「クレイン。あれは持っているのか?」
俺は席を立ってどこかへ行こうとするクレインに聞く。
「ああ、あれかい?あれならいつも肌に離さず持っているよ」
「そうか。ならいい」
そう俺は言うと、お茶を飲む。
そして、屋敷を出て行こうとするクレインを見て、アルヴィンもちょっとと言い、出て行った。
その後、エリーゼと話していて、ティポが海とかの話しをしだすと、ドロッセルは俺を見て言った。
「レオンさん。今度よかったら2人で行きませんか?海へ」
その言葉に反応する女性が一人いた。
「……いや、しかし……」
「駄目……ですか?(ウルウル)」
涙目で俺を見てくるドロッセル。うぅ、ドロッセルも美少女に分類されるから、そんなお願いの仕方をされると……
俺が困っていると、
「生憎、レオンは私と一緒にこなさなければならない使命がある。そんな暇はない」
ミラがドロッセルを睨む。
「あら?でしたらその使命が終わった後にでも……」
「それもすまないな。レオンはその後は私と一緒に住んでいるところに戻る予定だ」
「むぅ……」
バチバチ、バチバチ
2人の間で火花が散る。
しかし、この火花も終わりを迎えた。
「そろそろ、行くぞレオン」
ミラは俺の手を掴むと入口へ歩き出す。
「ちょっ!?ミラ?」
出口へ行くミラと引っ張られる俺。
だが、
「なにするんだよー!」
兵士を引き連れたクレインが兵士たちに俺やミラに武器を構える。
「まだ、お帰りいただくわけにはいきません……あなた方が、イル・ファンの研究所に潜入したと知った以上はね」
そういわれ、ミラは俺を引きずったまま、席へ戻る。
「な、なんのことか」
とぼけるジュードに俺は言う。
「無駄だぞ、ジュード。おそらくアルヴィンが教えたんだろうな。だろ?クレイン」
「その通り。アルヴィンさんが、すべて教えてくれました」
「アルヴィンが!?」
驚くジュード。
「まあ、あいつは傭兵だ。自分に利益のある話をしたって特別変なことでもないだろ」
「そんな!?」
まさかアルヴィンが自分達を裏切ったなどと思いたくないジュードは声を上げる。
「……軍に突き出すのか?」
「いいえ。イル・ファンの研究所で見たことを教えて欲しいのです。……ラ・シュガルは、ナハティガルが王位に就いてからすっかり変わってしまった」
クレインは座りながら話しを進める。
「何がなされているのか、六家(りくけ)の人間ですら知らされていない……」
クレインの話しを聞いたミラが俺を見る。俺は放してもいいという風にミラを見る。ミラもそれを感じ取ったのか、話しを始める。
「軍は、人間から強制的にマナを吸い出し、新兵器を開発していた」
ミラの話をしいたクレインは思わず席から立ち上がる。
「人体実験を?まさか、そこまで!?レオン……」
クレインは俺を見る。俺は静かに頷いた。
俺の頷くのを見たクレインは落ち着きを取り戻し、席に座る。
「嘘だと思いたいが……事実とすれば、すべてのつじつまが合う」
「実験の主導者はラ・シュガル王……ナハティガルなのか?」
「そうなるでしょう」
「……」
「……ドロッセルの友達を捕まえるつもりはありません。ですが、即刻この街を離れていただきたい」
そう、クレインが言うとミラは席を立ち上がる。
俺もそれに続いて立ち上がる。
ジュードも立ち上がり、クレインに向かって言った。
「ありがとうございます、クレインさん」
そのまま、クレインは何も言わずにその場を離れた。
俺達も屋敷を出て、街を出るために入口まで向かうことにした。
入口へ向かう途中、アルヴィンを発見した。
アルヴィンも俺たちに気づいたのか挨拶をしてきた。
「よ」
「アルヴィン!」
「アルヴィン君、ヒドイよー!バカー、アホー、もう略してバホー!」
そういってアルヴィンに噛みつこうとするティポをミラが止めた。
「なぜ、私たちをクレインに売った?」
「売ったなんて人聞きの悪い。シャール卿が、今の政権に不満をもってるってのは有名だからな。情報を得るには、うってつけだ。交換で、こっちの情報をだしただけ。いい情報聞けたろ?」
そういうアルヴィンにミラは少し黙り、話しを進める。
「ラ・シュガル王ナハティガル……こいつが元凶のようだ。ナハティガルを討たねば第二、第三のクルスニクの槍が作られるかもしれん」
ミラの言葉に戸惑いを隠せないジュードがミラに聞いた。
「王様を討つの……?」
「ああ。君たち国民は混乱するだろうが、見過ごすことはできない」
「うん……人から無理やりマナを引き出して犠牲にするようなこと、放っておけない……」
「ああ。ミラが言うとおり、国民は混乱するだろうが……仕方がない」
俺達がそんな話をしていると、兵士たちが集まり始めた。
「お前らは……手配書の!?」
「はっ、往来で堂々としすぎたかもな」
剣を構えようとするミラ。そこへ、
「南西の風2……いい風ですね」
「執事さん?」
そう、現れたのはローエンだった。
そして、ローエンは俺達を見て、こう言った。
「この場は、私が……」
そういい、兵士たちに背を向けるローエン。不思議に思い兵士がローエンに言う。
「おい!じいさん!こっちを向け!何を企んでる」
前に向く際に、ナイフを空へ向けて投げた。これには兵士たちは気づいていない。
「おおっと。恐い恐い」
両手を振うローエン。
「おや?後ろのお二人。陣形が開きすぎていませんか?その位置は、一呼吸で互いをフォローできる間合いではないですよ?」
ローエンに言われて後ろの兵士たちは近づく。
「貴様……余計な口をきくな!」
ローエンが勝手に陣形の事を話すと怒りだす兵士。
「そしてあなた。もう少し前ではありませんか?それでは、私はともかく後ろのみなさんを拘束できません」
「ふん」
そう言われ、下がる兵士。
「いい子ですね」
そういうと……
ポォン! ポォン!ポォン!
先ほど投げたナイフが地面に刺さり、3人の兵士たちを拘束した。
「ぐうっ!これは……」
驚き、慌てる兵士たち。
「では、これで失礼します。さぁ、みなさんこちらへ」
兵士たちに一礼し、俺達を案内するローエン。
ローエンに案内され、俺達は先ほどまでいたシャール家のある区域に来ている。
そして、ミラはローエンに俺たちに何か用があるんだろうと聞くと、ローエンは俺たちにお願いをしてきた。
そのお願いとは…
強制微用によって連れて行かれた民を連れ戻すためにクレインが連れて行かれたところへ向かったが、ナハティガル王は反抗者を許す男ではないと話すローエン。そこで、俺達に力を貸してほしいと頼んできた。
そして、話しを聞いて結論はミラに任せる。
「いいだろう。あれを使おうというナハティガルの企みは見逃せない」
「ああ、それに俺にとってクレインは数少ない親友。あいつに何かあったらドロッセルも悲しむだろう。俺は行くぜ」
皆も、行くといい、ローエンにお礼を言われる。
「お礼はクレインを助けてからだぜ?」
「フォフォフォ、そうですね。民が連れ去られた先は、バーミア峡谷。急ぎましょう!」
俺達は行動を開始した。クレイン&住民救出作戦へ!
説明 | ||
第14話 クレイン&住民救出へ | ||
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コメント | ||
放してもいいという、話してもいいという誤字ですね。とりあえず誤字を見つけた作品の方でコメントしますね。 女二人の男をめぐる争いか。どこまで広がる・・・。(BLACK) | ||
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