テイルズオブエクシリア〜転生者はイレギュラー〜 |
〜レオンSIDE〜
カラハ・シャールへ戻るとドロッセルが門のところで待っていた。
クレインの事を見ると、近づいてきた。
「お兄様!」
近づくドロッセルと共にいた兵士にクレインは言った。
「僕は大丈夫だ。それよりも、この人たちを早く病院へ」
クレインの指示に従い、兵士はマナを大量に吸い取られた民達を病院へ連れて行った。
屋敷に戻り、少しして落ち着きと疲れくぉ回復させたクレインがドロッセルとローエンを連れてきた。
「微集された民もみな、命に別状はないようです」
「みなさん、本当にありがとうございました」
「私からも、お礼を申し上げます。ありがとうございました」
3人にお礼を言われ、そして民達に命の別状がないことがわかったジュードは安堵していう。
「みんな無事でよかったです」
「では、私たちは行くとしよう」
ミラはもう大丈夫だと思い、カラハ・シャールを出発しようとするが、
「ちょい待ち、ミラ」
「なんだ?」
俺が止める。
「クレイン。ローエン。ガンダラ要塞の様子はどうだ?」
俺の質問にクレインが答える。
「どうだ……と言われても、あそこを突破する気なのか?」
「その通りだ」
俺が答える前にミラが答える。
ミラの返答に驚く俺達。
「……ミラ。それは無理だ」
「何故だ」
「あそこは……ガンダラ要塞を強行突破するのは今は無理だ。あそこには要塞の守りの要であるゴーレムがある。あれは並大抵実力がないと無理なんだ。それに……」
俺の言葉にクレインが続く。
「この時期のガンダラ要塞は非常体制を取っているはずです」
「だろうな……俺が昔、強行突破してみようと思って向かったことがあったが、兵士はともかく、4体のゴーレムの相手は苦労した。結局、逃げ帰ったがな」
俺の言ったことにアルヴィンが驚く。
「数年前にガンダラ要塞に侵入して兵士の殆どを行動不能させたってバカがいると聞いたが……まさかレオンだったとは」
「でも、一体どうやって?」
ジュードが疑問を持ったのか俺に聞いてきた。
「ミラの言ったことを実行した。真正面から堂々と小細工なしで……だ!門は精霊術で吹き飛ばした。おそらくあの頃よりも頑丈になっているだろうな」
俺は懐かしむように言う。
「フフ。僕の手のものを潜ませて通り抜けるよう手配してみます」
「僕たちに協力したりして大丈夫ですか?僕たち、軍に追われている身ですし……」
ジュードはクレインのことが心配で、聞いてみている。
「元々、我がシャール家はナハティガルに従順ではありませんし、先ほど軍に抗議し、兵をカラハ・シャールから退かせるよう手配したところです」
「これ以上軍との関係を悪化しようがない、ということか」
ミラがそういうとクレインは頷いた。
その後、話がまとまり、ガンダラ要塞への手配をしてもらうことになった。
その日の夜、俺とローエンは一緒に精霊術をミラに教えていた。剣を俺とアルヴィンに、精霊術も俺が、それに加わってローエンが教えた。
帰ってくる途中、ジュードを見つけ、ローエンが話をしてきた。ジュードはエリーゼのことで悩んでいたようだった。
「全く、本当にお節介なだなジュードは」
「そうだな。あの年であんなにもお節介なのには理由があるのだろうな」
俺とミラはローエンが去ってから2人っきりで星を見ていた。
「星は……ニ・アケリアで見ているのを同じだな」
「ああ。星の位置はどこに居ても変わりはしないと思う」
俺といる時のミラはいつもの表情とは違う。今時の女の子……俺が惚れた女性の素顔だ。
俺がじぃーっとミラのことを見ているのに気付いたミラが俺を見て言う。
「レ、レオン?そ、そんなに見つめるな///恥ずかしいではないか///」
ミラは少し困ったなと言う風なしぐさと共に顔を紅くする。
「す、すまない///」
そんなミラにつられて俺まで顔を紅くしてしまった。
紅かった顔が収まるとミラは俺にあることを聞いてきた。
「レオン……」
「ん……?なんだ?」
ミラが真剣な表情になる。
だが、それはすぐに消える。
「あ、いや……やはり……いい。何でもない」
「……?変なミラだな」
おかしなミラだなと思い、俺達は少し話しをして、部屋に戻っていった。
〜レオンSIDE OUT〜
〜ミラSIDE〜
「私は、何を言おうとしたんだろうな」
私は部屋に戻ってから先ほどの私の行動について考えていた。
ここに戻ってきたときに、私はドロッセルに言われた。
「ミラはレオンさんのことが……好きなんですか?」
好き………本で読んだことがある。人は心がひかれることや気に入ることを好きと言う。だが、ドロッセルにそのことを言うとこう言ってきた。
「私が言う好きと言うのは男性として……男として好きか……ということよ」
好き……男として″。私はこれを聞き、顔を紅くしたのを今でも覚えている。だが、私には男を好きになる……ということがわからない。だが、ドロッセルがレオンのことが好きだということを聞いた時、嫉妬した時と同じように胸が痛くなった。
私は……どういしたのだろうか。一体、私の身に何があったのだ?わからない。だが、レオンのことを考えると……心と身体が熱くなるのは確かだ。この気持ちを……いつかレオンに言えば、収まるのだろうか?
いや、駄目だ。私には使命が……しかし。先ほどもこのことが頭を過ったせいで言えなかった。
ふふ、私も案外情けないな。
さて、明日も早い。寝るとしよう。
〜ミラSIDE OUT〜
〜レオンSIDE〜
次の日の朝。俺はクレインに手配の方を聞いてみると、まだわからないということなのでローエンに手配状況の確認に向かわせるかと言われ、頼んだ。
んで、それを確認しに行こうとするローエンを送ろうとするために全員で屋敷を出ていた。
そんな中、ドロッセルがこんなことを言いだす。
「エリー、ミラ。お買い物に行きましょう!レオンも来て!」
ミラは行ってくるがいいといい、それを見いたエリーゼとドロッセルがミラの両サイドの腕を掴んで連行して行こうとする。
「お、おい」
焦るミラ。そんなミラを見ながら俺は笑った。
「レオンも行きましょう」
もう片方の手で俺の腕を掴む。
「お、女同士なんだし、楽しんで……」
行って来いと言おうとするが、
「駄目よ。女の買い物に男が来て荷物持ちをお願い」
じっと俺を見るドロッセルに俺は折れた。
「わかったよ。行くから離してくれ」
「そう、よかったわ」
結局、ミラはエリーゼとドロッセルの2人に強制連行されていった。
俺はそれについていった。
〜レオンSIDE OUT〜
〜第三者SIDE〜
レオン達が去った後、クレインはこれからのことをジュード達に話していた。
「この今の幸せのために僕も決心しなければいけない……やはり、民の命をもてあそび、独裁に走る王に、これ以上従うことはできない」
クレインの言葉を聞いた2人はクレインに言う。
「……反乱をおこすのか?」
「……戦争になるの?」
頷くクレイン。
「ナハティガルの独裁は、ア・ジュール侵攻も視野に入れたものと考えられます。そして彼は、民の命を犠牲にしてでもその野心を満たそうとするでしょう。このままでは、ラ・シュガル、ア・ジュールとも無為に命が奪われる」
クレインの言葉にローエンの表情に少し影が映る。
「僕は領主です。僕の為すべきこと、それは、この地に生きる民を守ること」
「……なすべきこと……」
ジュードはクレインの言うことを復唱する。
「そう。僕の使命だ。力を貸してくれませんか?」
「……ぼ、僕は」
戸惑うジュードに
「僕たちは、ナハティガルを討つという同じ目的をもった同志です」
クレインは手を差し伸べる。
そんなクレインの手を握ろうとするジュードであったが、突如、クレインの胸に矢が。
そのまま倒れるクレイン。
「旦那さま!」
「クレインさん!」
ローエンとジュードは倒れたクレインに近づき、
「ちぃ!!」
ドンドン!
アルヴィンはクレインを狙撃した敵を撃ち殺した。
「早く治療を!」
そういい、クレインを起こすローエン。
「う、うん……」
ジュードは急いで治療をしようとするが、
「あれ?この矢……胸に刺さってないですよ!?」
ジュードは矢の見ると……確かに矢が刺さってない。
「これは一体……」
不思議がるローエンにクレインは言う。
「ハハ、レオンに助けられたな」
そういい、矢の刺さったところから何かを取りだす。
それは、
「ペンダント?」
「これは数年前、レオンが友情の証と言って僕にくれたものです。それを僕はいつもここに入れていました。まさか、レオンとの友情の証が僕を守ってくれるなんて」
クレインは驚いていた。
だが、ローエンはあることに気付いた。
「これは……まずいです!お嬢様達が危ない!」
『!?』
〜第三者SIDE OUT〜
〜レオンSIDE〜
あの後、俺はミラ達の買い物に付き合っている。最初は嫌々だったミラもエリーゼとドロッセルの雰囲気に感化されたのか楽しんで買い物をしている。
チラ
俺はガンダラ要塞側の入り口を見る。確か今頃、クレインはジュード達と話すをしているはず。クレインに渡したペンダントには矢避けの加護の力が付加されたものがある。それに向かって矢が当たるようにしてあるし、クレインが死ぬはずがない。
「そういえば、ミラ。あなたの持っているそのペンダント。もしかしてレオンが?」
「ああ、2年ほど前に私に作ってくれたのだ」
ミラがペンダントを見せる。
それを見た装飾職人は驚き、声を上げた。
「ほぉ!これはすごいな。プロ顔負けなほどのでき具合ですね」
職人がほめるほど、俺が作ったペンダントは綺麗なんだろうな。
「……そうだ。店主、これを使ってペンダントにできないか?」
ミラはそういうとガラス玉を取り出した。
「ミラ、これでどうしたんですか?」
「昔、人間の子どもにもらったものだ」
ミラが昔話をし、ガラス玉をペンダントにしてもらった。
そして、その直後だった。
「わぁ、やめてください!」
俺達は声のした方を見ると、別の鎧を着た兵士たちが街の住民達を殴ったりしている。
「乱暴はおやめなさい!一体なんのつもりです!ラ・シュガル軍は、この街から退去するよう領主からの命を受けたはずですよ!」
ドロッセルが兵士たちに向かって言った。
すると、兵士たちの後ろから男……ジランドが出てきた。
「あなたは……?」
「シャール家の者です!」
ドロッセルをが自分の身分を言うと兵士の1人が言う。
「ふん、何も知らぬ小娘が」
そういう兵士にジランドは手を上げて言う。
「これは王勅命による反乱分子掃射作戦。おとなしくしていただきましょうか」
「な、なんですって?」
ジランドの言うことに驚くドロッセル。
「捕えなさい。謀反を画策した領主家シャールの者です」
「ミラ君!レオン君!ドロッセル君!早く逃げよー!」
「ああ。何かが起きている。完全に包囲される前に退くぞ。遅れるな。三人とも」
「う……うん!」
ミラの言うことに頷くエリーゼとドロッセル。
「誰にもの言ってんだよミラ」
俺は剣を構えながら言う。
しかし、倒しても倒しても湧いてくる兵士たちによってついに、
「ぐあぁ!」
「きゃぁ!」
「きゅう……」
攻撃を喰らって気を失ったミラとエリーゼ、何故か気を失ったティポ。ドロッセルは俺の後ろにいる。俺は4人を守るように戦う。
「はぁはぁ……(さすがに気絶した4人を守りながらはキツイな)」
そう、考えている時に俺の後ろに現れた兵士に雷の精霊術を
「があぁぁぁぁ!!!」
モロに受けた俺は視界がかすんできた。
「く、糞が!」
俺は剣を杖の代わりにして立っている。
「な、何をしているのです!は、はやくやってしまいなさい!」
腰を抜かした(振りをしている)ジランドの命に兵士たちは俺に向かって雷の精霊術を放つ。
バチチチチチ!!!
「ぐぅああああああああ!」
全方位からの雷の精霊術を食らった俺の視界が黒くなってい……。
バタン
〜レオンSIDE OUT〜
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第16話 連行 | ||
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レオンは死亡フラグクラッシャーも目指しているのですね。(BLACK) | ||
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