ハイスクールD×D~HSSを持つ転生者〜 第8話
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地下へ降りていくと、そこには大勢の神父と堕天使。それと

   「アーシア!!」

    アーシアがいた。

    くそ…敵が多いな。でも、そんな事考える時間が惜しい。

   「あら。けっこう速いじゃない。でも、儀式は終わったわ」

   「!!」

    また…友達を救えなかったのか。いや、まだ死んだわけじゃない。

    俺は、堕天使を見た。これまた、過激な衣装で…

    ドクンッッ!!

   「さぁお嬢さん? おいたはやめるんだ。そうじゃないと痛い目を見るよ」

    HSSになった。ここから、本気(マジ)でやらせてもらう。

 

    祐斗と小猫は、一誠に道をあける為か神父達を相手に向かっていく。

    俺は、再びブリューナクを呼び出す。

    弾を再装填。神父を全員氷漬けにしてやる。

 

   「祐斗に小猫、そこから離れてくれ。今から、氷結弾を撃つ」

   「わかった」

   「…わかりました。先輩」

    祐斗と小猫は、その場から離れていった。よし、今だ!

    ドォン!! バシュゥゥゥゥ!!

   「う、うわぁぁぁぁぁ!!」

    神父達は、きれいに氷漬けになっていく。

   「一誠! 今だ。行け」

   「わかった」

    一誠は、祭壇へ向けて走り出した。

    お姫様(アーシア)を助けるのは、王子様(イッセー)だ。

 

 

 

 

   ◇

 

 

 

  

   「う、嘘だろ……?」

    神器(セイグリット・ギア)を抜かれた者は、死ぬ。

    今の俺は、小声でも聞き取る事ができる。

    確かに、堕天使レイナーレがそう言っていた。

 

    現に、神器(セイグリット・ギア)を抜かれたアーシアは顔色が悪くなっている。

    ―――許せない―――

    初めて女性に思った。一誠を殺し、次はアーシアかよ。

    憎悪が沸いてきた。それに、どす黒い血流も。

    これは…まさか!

    ―――――ヒステリア・ベルセ―――――

    その言葉が脳裏に浮かんだ。ベルセは、ノルマーレの1.7倍になるが

    危険な感情が出てくるだったかな。男に自分の女を奪われたときに

    なるだったはず。アーシアは、俺じゃなくて一誠のだ。俺がベルセに

    なるなんておかしいはずだ。

    

    でも、そんな事はどうでもいい。あの女が許せない。

    この世に羽ひとつ残さずに滅してやる。

 

   「クリス。どうしたんだい?」

   「先輩?」

    祐斗と小猫が近寄ってくる。

   「何でもねぇ」

    祐斗は、さっきとは違う俺に驚いているようだ。それもそうだ

    俺も驚いているからな。

 

   「一誠! 一度上に上がるぞ。アーシアを連れて地上に上がれ!」

   「クリス…! わかった」

    一誠は、アーシアをお姫様抱っこしながらその場を駆け出した。

   「逃がさないわ。まだまだ、神父はいるもの」

    あっちこっちから、光の剣を持った神父が出てきた。

    ざっと50人ぐらいか…。それと俺が前に闘ったドーナシーク、か。

    はっ!余裕だな。祐斗と小猫のコンビネーションは付け焼刃ではないしな。

   「祐斗に小猫。神父を頼んだ。おれは、堕天使を殺る」

   「わかった。兵藤くんの逃げ道をつくるんだ!」

    祐斗と小猫は、50人の神父相手に向かっていった。

    さて、俺はこいつか

   

   「よう久しいじゃねぇか、シーク」

   「そうだな。前のリベンジといこうか」

    俺は、キンジの武装を呼び出す。やはり、これの方がしっくりくるな。

   「それは…神器か。今のお前は、この前よりも危険だ」

   「さぁな。敵に教える奴なんてそんなにいるかよ」

    俺は無形の構えをとる。初見は絶対に避ける事はできない。

   

   「フリードが言っていた。この構えには気をつけろと」

    どうやら、警戒しているようだ。でも、それも意味を成さない。

   「プロモーション『騎士(ナイト)』!!」

   「プロモーションだと!? お前は、兵士だったのか!」

    シークは明らかに動揺していた。この闘い…いける!

    ――――――『不可視の銃弾(インヴィジビレ)』―――――――

    パァンッッ!! ビスッッ!!

   「ぐうぅぅぅぅぅぅっっ!!」

    シークはどうやら避けきれなかったようだな。

    これは、警戒していても避ける事はできない。

 

    のけぞった間に、スクラマ・サクスを手に取り『桜花』の構え

    を取る。これをくらって逝け。

   「シークぅぅ!! これも避ける事は不可能だ!!」

    シークに向かって全速力で駆け出した。

   「くそぉぉぉぉぉぉ!!」

    シークも2mぐらいの光の槍を造り出し、向かってきた。

   「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

   「うおぉぉぉぉぉぉ!!!」

    パァァァァァァァンンン!!!

    スクラマ・サクスの刃は音速を超え、円錐水蒸気(ヴェイパー・コーン)が放たれる。

    同時に、超音速の衝撃波で右腕から鮮血が飛び散る。

    ザシュッッッッ!!!

    スクラマ・サクスの刃がシークの胸を貫通していた。

    シークの槍は、俺の顔を掠めていた。

   「ふん。お前と闘うときから、こうなる事はわかっていた」

   「そうなのか…」

   「久しぶりに…楽しかったぞ。グレモリー嬢に消されるよりは、

    お前に殺られた方がいいからな」

    ふっと笑うシーク。

 

    俺は、シークの胸からサクスを抜いた。胸から血が流れ出す。

   「俺も楽しかった。久しぶりに全力を出せた。ありがとな」

    シークと握手した。そしてそのままシークは逝った。

   「終わったかい?」

    神父50人を倒し終えた祐斗が聞いてきた。

   「いや、まだだ。こいつを埋めてくる」

   「…先輩はやさしいです」

   「そうかい。先に上に行っててくれ。もう上も決着はついたらしい」

    一誠の奴。アーシアの仇をとったらしいな。

   

   「部長に朱乃さんも一誠のところへ行ってくれ」

   「あら。気づかれていたのね」

    部長がばれたかみたいな顔をしていた。

 

   「そうね。ここも終わったから、上に行きましょう」

    部長達は、上に行った。

   「さて、埋めに行くか」

    俺は、右腕の激痛に耐えながらシークを埋めに行った。

 

 

   ◇

 

 

 

    俺は教会の墓にシークを埋め、即席で墓石を造りその場を立ち去った。

    ベルセの血流が弱くなり、概ねノルマーレになった俺は部長のところへ

    行くと、そこには一誠にやられたであろうボロボロになった

    レイナーレがいた。

    ドクンッッッ!!

    そいつを見た瞬間、ベルセの血流が戻ってきた。

   

   「クリス。来たのね」

    部長が声をかけてきた。

   「部長。こいつは、俺にやらせてくれ。アーシアと一誠の仇だ」

   「え…? 俺、生きていr…「お前は一度死んだろ」…そうでした」

    俺は、一誠を黙らせレイナーレに殺気を向ける。

   「お前は、俺だけではなく一誠や何の罪もないアーシアを殺した。

    それは、万死に値する」

    俺は、聖騎甲(アーク)を呼び出し、ブリューナクを出した。

    ジャコッと引き金を引く。その音を聞いてレイナーレの顔は

    青ざめていった。

 

   「イッセーくん。助け――――」

   「お前にしゃべる自由はねぇんだよ。凍りつけ」

    氷結弾をレイナーレに向けて撃った。

   「あぁぁぁ……」

    声をあげる事もできずに氷像になった。俺はそれを聖騎甲(アーク)を装備した

    左手で粉々に砕いた。

 

   「終わったぜ。一誠」

   「そう…だな。でも…」

    一誠は、横たわっているアーシアを見て涙を流しながら

   「もう…アーシアは笑ってくれない…」

    ベルセの血流が治まり、ノルマーレになった俺は

    アーシアを生き返らす方法を思いついた。アーシアの神器はもう

    体に入っている。

   

   「部長。『悪魔の駒(イーヴィル・ピース)』で生き返らせる事ができるのでは?」

   「そうよ。私も、そう思っていたところなのよ。彼女を『僧侶』に転生

    させるわ」

    一誠の顔が希望の色に染まっていく。

   

   「我、リアス・グレモリーの名において命ず。

    汝、アーシア・アルジェントよ。いま再び我の下僕となる為、

    この地へ魂を帰還させ、悪魔と成れ。汝、我が『僧侶』として、

    新たな生に歓喜せよ!」

    呪文みたいな事をいった後、駒がアーシアの体に入り込んだ。

    少しして、アーシアの瞼が開き始めた。

   

   「あれ?…イッセーさん?」

    一誠がアーシアを抱きしめていた。

   「よかったな。一誠」

   「ああ。帰ろう、アーシア」

    

    HSSの血流が治まり、普通に戻った俺に

   「クリス。さっきの態度はなんなのかしら?」

    部長がやさしく、けれども誰もが黙り込むような声で言ってきた。

   「それは…その…明日話しますから。お疲れ様でした」

   「こら、待ちなさい!」

    三十六計逃げるにしかず。俺はこの場から某有名RPGの銀色スライム

    の如く逃げた。

 

      これにて、一件落着だな。

 

説明
神様の悪戯で、死んでしまった俺―――神矢クリスはハイスクールD×Dの世界に転生した。原作の主人公、兵藤一誠らに会っていろんな事に巻き込まれる
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コメント
7話最後のブリューナクを出した時「ジャコッとスライドをひき」と表記しているのに、8話のレイナーレを射つ前では「ジャコッと引き金を引く。」と表記しています「ジャコッとスライドを引く。」が適切です。(ホウメイ)
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