いわゆるテンプレ物語 第5話 |
目が覚めると朝の7時半だった。
...きょうはなんだったっけ?
...チャリジャックと入学式か。
iPhoneのカレンダーをみると、原作のイベントがびっしりとでは無いが全て時刻付きで書かれていた。それによると、8時にキンジ達が倉庫に飛んでくるらしい。
今は7時半。キンジ達が飛ばされてくる体育の倉庫まで行くのにだいたい十分。十分前にはついていたいから...あと二十分で支度をしなきゃいけない。
と言っても、既に制服も着ているし、腹は減っていないし、武器は身に付けている(昨日出した銃の中から選んだ。結局、USPにした)し、やる事がない。
先に行ってるか。
先回りして、キンジがセグウェイに襲われた時に出て行く事にする。
そうして俺は家を出て体育の倉庫へ向かった。
時間だ。そろそろキンジ達が飛ばされてくる頃だけど...
――ドオォオォオン!
おっ、アリアがキンジを助けたのかな?そろそろくるか。
すると、 遠くから何か飛んで来た。
と思ったら、キンジ達が頭から倉庫に突っ込んで行った。
.........あんなスピードで倉庫に突っ込んでも死なないのは、主人公補整でもあんのか?
派手な音を立ててキンジ達が体育の倉庫に突っ込んだ。...流石だな。本物は迫力がちがう。
少しして、セグウェイがやって来た。原作道理に七台も。
さあ、キンジのヒステリアモードの力を見せてもらうか。
突然、キンジが倉庫から飛び出してきた。そして銃を持った腕を横に水平に振って、セグウェイについているuziの銃口に弾丸を打ち込む。
...流石だな。ここまで原作通りだとつまらなくなってくる。
そんなことを考えていると、道路から十五台のセグウェイが出てきた。
あんなの原作には無かったぞ!?
まぁ、あくまで並行世界なんだが。それにしてもこのままじゃキンジ達がやられちゃうな。
...俺がやるか。
ここからセグウェイまでは百メートルほど。普通ならハンドガンじゃあ当たらないが、俺は当てることができる。
USPの装弾数は十五発。ギリギリなので、ちゃんとフルに入っているか確認する。...入ってるな。しっかりと狙いをつけて、セグウェイについているuziのエジェクトポートにフルオートで弾を打ち込んだ。
弾は吸い込まれる様に全弾命中してUZIは壊れ、セグウェイは倒れる。
何かあっけなかったな。...何かキンジがにらんできてるけどキニシナイ。
...そういえばこの後どうするんだろ?先生に聞いてみるか。iPhoneも作ったし。
プルルルルルルルルル
「はい。東京武偵高校の大島です」
「すみません、2年A組の担任の先生はいらっしゃいますか?」
「すみません、ただいまちょっと休んで居るみたいですので、代わりの先生に変わりますね」
なにっ!?ここも原作と違う...一体どうなってるんだ!?
「お願いします」
...だれがでてくるんだろうな
「電話変わった。蘭豹だ。ところでお前は誰だ?」
まさかの蘭豹だった!!!
「転入してくるフランドール・スカーレットです」
「おお!お前があの転校生か。で、何のようだ?
「今日の動きを全く教えてもらってないのですが?」
「え?メールで送らなかったか?」
「こちらには届いていませんよ?」
「そうか。済まんな。それじゃあ十時に教務科
マスターズ
の前にきてくれ。」
「十時って...あと五分じゃないですか!?」
「怒鳴るな!うるさいだろ!?...とにかくこいよ?」
「了解しました」
「それじゃあ。」
...時間がないな。急ぐか。
---キンジサイド---
何だったんだ?今の子は百メートル以上離れたところからハンドガンで銃の一部分を狙って、しかもフルオートで撃つなんてヒステリアモードの俺でも無理だぞ?
...何か電話してたが、何だったのだろう?
まあ、少なくとも、俺よりは強いな。
---フランサイド---
さて、今俺は蘭豹先生に言われた通りに教務科
マスターズ
の前にいる。行事の前だからか、空気がピリピリしている。そこに、それをぶち壊す人がやったきた。
「おーい、お前が転校生か?」
「それ以外になにがあるんですか?」
「学校を狙うスパイとか、諜報員とか?」
「...何か普通にありそうですね」
「まぁ、武偵高だしな。じゃあ行くか」
「はい」
そして教室に向かって居る途中、先生が話しかけてきた。
「なあ転校生、お前はランクの判定テストを受けていないそうだな?」
「受けていませんが、やっぱり受けないとダメですか?」
「勿論だ。それで、どこを受けるんだ?」
「強襲科
アサルト
と狙撃科
スナイプ
、車両科
ロジ
ぐらいですかね」
「...3つもか...狙撃の'絶対半径
キリングレンジ
'は?」
「だいたい6235メートルですかね」
「そうか...(Rランク確定だな)」
「どうかしましたか?」
「いや、なにも?ほら、ついたぞ。お前はここで待ってろ」
と、廊下で待たされる。...俺は前世でも何回か転校を経験しているが、こんなに楽しみなのは初めてだ。まさかあんなに嫌っていた転校を嬉しく迎えるなんて思ってもいなかった。
そして、蘭豹がなにか話している。
「お前ら、今回は転校生がもう一人いる。さっきの神崎と同じ海外からの転校生だ。」
そう言った途端、クラスの人々が一気に湧きあがる。
「先生!どこの国の人なんですか?」
「男ですか女ですか?」
「どこの学部に入っているんですか?」
「黙れ!そういうことは、本人からきけ!...じゃあ転校生、入れ。」
さあ、ついにこの時がきましたッ!キンジとアリアとは二回目、理子や武藤、不知火達とは始めて会う訳だ。...なんかこれまでに無いくらい緊張してきた。
そして、意を決して教室しはいる。
ガラッ
...何なんだこの空気は...まさかこの世界ではこの顔はブスなのか!?
とにかく、自己紹介はしとかないとな。
「えっと、フランスから転校してきたフランドール・スカーレットです。フランって呼んで下さい。これからよろしくお願いします」
...しばしの沈黙のあと、先生が耳をふさげと目配せしてきた。...これなら大丈夫だと思うんだけど、と言おうとした瞬間、一気に沈黙はやぶれた。
「キャーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
という女子からの声。
「ヨッシャぁぁぁぁあぁぁぁああぁぁあああぁああああ!!」
という男子からの声で耳がキーンとなる。
何だよこれ!?ブスだったわけじゃないの!?
隣の蘭豹先生をみると耳栓をして快適そうだった。...まさか予想してた!?そうなら教えてくれたっていいんじゃ無いんですか?
とにかく、早くやめさせてよ!と目で言ってみると
「静かにッ!」
「「「「「「「「「「「「ハイッ!!」」」」」」」」」」
...蘭豹先生すげぇ。一言でクラス全員黙らせたぞ!?
まあ、こちらには好都合だからいいのだが。
先生、早く進めて下さい。
「それじゃあ全員揃ったところで、授業をはじめる」
「えーーーーーーーっ!」
「質問したーい」
「そうだそうだ!!」
またうるさくなったよ...
よろしく、先生。
「はずだったんだが、フランドールがランク判定テストを受けていないそうだから、それをこれから行う。授業はなし。テストの見学は自由だ。見たいやつは見てってもいいぞ」
「「「「「わああああああーーーーっ」」」」」
「...まあ、いいだろう。それじゃあフランドール、まずは強襲科
アサルト
のテストだ。ついて来てくれ。」
そう言われてついて行くと、クラスの半分以上が一緒について来た。
「...あの、先生、ついてき過ぎだと思うんですが?」
「滅多に面白いことも無いからな。しょうがないんだ。我慢しろ。まあ、精神力のトレーニングになるかもしれないぞ?」
「はぁ...」
感情の動きが激しい生徒だな。流石だな...
まあ、あまり娯楽もないし、しょうがないか。
「ほら、質問したがっているぞ?答えてやれ。」
「え?ちょ、ちょっと...」
「ねえねえ、今までフランスで何してたの?」
「ふ、普通に学校に通ってたよ」
「銃は何を使っているの?」
「USPだよ」
「ナイフとかあるの?」
「スペツナズナイフを使っているよ」
「可愛いね!」
「うぅ...サラッと言わないで...」
「だって本当に可愛いんだもん」
「うぅ.......」
「顔赤くなってる!可愛い!」
「だから、もうその話はやめてー!」
「怒り方も可愛い!」
「うぅ...」
流石女子高生。弄り方がすごい...ん?なんか女の感情にまた少し近づいてしまったような...
気をつけないとホントに女になっちまうな...
そんなこんなで強襲科
アサルト
の施設に到着した。
「まずは強襲科
アサルト
のテストだ。適当に同じくらいの実力の人と...神崎、お前フランと戦え」
「えぇっ!?何で私が?私になんてかなうわけ無いじゃない!」
...どんだけ自信があるんだよ。流石にこれはイラッとくるぞ。
「フランドール、今のを聞いてどう思った?」
「...すっごく殺りたくなってきました。」
「ということだ。神崎、フランドール、早く位置につけ」
...さて、みんなの前での最初の戦闘はSランクのアリアとになった訳だが、正直負ける気がしない。たっぷりと楽しませて貰うとするか。
「それでは、はじめっ!」
先生の合図でアリアが動き出す。
そして、俺の肩と腕、足の関節に弾を打ち込んでくる。
流石Sランク。動きに殆ど無駄がない。あくまでも殆どだが。
それを俺は必要最小限の動きで、完全に見切ってかわす。身体をひねりながら。
アリアはすっかり驚いて固まってしまったようだ。たった0,5秒だが、俺が攻撃するには十分すぎる時間だった。
アリアの懐まで走り、柔道の大外刈りをかける。
流石のアリアもこの早さにはついてこれなかったようだ。
そしてアリアを倒した後、素早くもとの体制にもどる。
もしかしたら、普通の人には俺は動かずに勝手にアリアが飛んで行ったように見えるかもな。
...なんだか、チャリジャックの時もそうだが、すごくあっけなかった。
俺を満足させるには、シャーロックホームズぐらいじゃ無いとダメなのかな?
いや、すでにダメだとわかってたか。
まあいい。これだけ圧倒的に勝てば、Sランクは確定だろう。
そして蘭豹先生は、
「.........」
口を開けて、驚くほど間抜けな顔で固まっていた。
「...お前、」
「なんですか?」
「私と戦え」
「ええーーーーーーっ!?」
これはどう言うことだ!?圧勝したのはいいが、先生に目を付けられたか...。どうしようも無いな。ここは先生の戦いにワザと負けて、落胆させるか...」
「んなことしたらどうなるか、分かってるんだろうな?」
「...口に出てました?」
「「「「「「「「「「うん」」」」」」」」」」」」
...全員に一斉に言われたよ...。
しょうがない。全力でやるか。
「分かりました。では、全力でやらせてもらいます。...取り敢えず遠山くん、審判お願いできる?」
「ああ。それじゃあ。...ん?」
何で俺の名前を知ってるんだ的な顔をしてる...
あとで挨拶しとくか。
蘭豹先生が緊張しているような、楽しみでウズウズしてるような...気がするけど気にしたら負けか?
「はじめっ!」
先生から仕掛けてきた。
合図と同時に銃を取り出し、腹目掛けて撃つ。
俺はそれをスレスレでかわし、先生の関節という関節に弾丸を撃ち込む。
先生は避けたが、その先に先回りした俺が一本背負いをする。
バアァァァァン
と言う音と共に先生が地面に叩きつけられる。
そして先生の頭に銃を突きつける。
「先生、あなたの負けです」
「...ああ、そうみたいだな。...取り敢えずその突きつけてる銃をどかして欲しいんだが。」
「分かりました。」
先生が立ち上がり、暫しの沈黙のあと、
ワーーーーーーーーーーッ!!!
「フランってすっごく強いんだね!」
「すっごくかっこ良かったよ!」
「私と付き合って!」
「ウゥッ......」
何なんだこの食いつきようは...つーか最後のは...俺も似たようなことしようとしたし、人の事は言えないか。
「こらぁ!困らすな!これから狙撃科
スナイプ
のテストを行うから、建物まで...理子、案内してくれ」
「ハーイ。さ、いこ?」
「うん」
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