境界線上のクロニクル1 |
雨の中、ボロボロの格好の少年が座っている。
年は5歳くらいだろうか、体つきは服の上からでもわかるぐらい痩せ細っている。
そんな子供を人々はいないように扱っている、そして少年も誰もいないかのように人の行きかう道を
見つめている。
そうしていると一人の男が人の波から外れて少年に向かって歩いてきた。
男は少年の前に立つと目線を合わせるように屈み、言った。
「君に願いはあるかい?」
まるで教師が生徒に問題の答えを聞いているかのようだった。
「・・・・・ない」
「何故ないんだい?」
そして少年は、
「俺には記憶がない。やりたい事も生きたいとも思わない、だから願いなんてない」
とその身なりでは思えないほど意志の強い目で答えた。
するとその男は急に楽しそうに笑いだし、
「面白い。君は面白いなあ、君ほど強い目をした人間が何も願いが無いなんて。僕はね、多くの国々
を行ったことがあるんだけど君のような人間にはあったことはないよ」
と少年の肩を叩きながら言った。
すると少年は叩かれすぎたのかよろめいて男にぶつかった。
「おっと大丈夫かい、ごめんねすごくうれしくなっちゃてさ」
と楽しげに答える男に抱きかかえられてると少年は、
「俺にも」
「ん、何だい」
「俺にも願いができますか?」
するとその男は笑顔でこう言った。
「ああ、君にも願いはできるよ」
雨の中、一人の少年が生まれ変わった瞬間だった。
ーーーーーーーーーーーー武蔵アリアダスト教導院ーーーーーーーーーーーーーーー
「はい注目ーーーー!」
三年梅組の担任であるオリオトライ・真喜子が生徒たちに呼びかけた。
「先生これから品川にあるヤクザの事務所に殴りこみに行くから全員ついてくるように・・遅れたら早朝の教室掃除してもらおっかな。−−−はい返事は?Jug?」
「−−Jug」
同時に手が上がる。{会計}シロジロ・ベルトー二という腕章をつけた長身の男子が
「教師オリオトライ、--体育と品川のヤクザとどのような関係が。金ですか?」
「馬鹿ねえシロジロ、体育とは運動することよ?そして殴ると運動になるのよね。そんな単純なこと、−
ーー知らなかったとしたら問題だわ」
名を呼ばれた生徒の袖を、横の女子制服の姿が引っ張る。{会計補佐}ハイディ・オーゲザヴァラーとい
う名札のロングヘアは、笑顔のままで、
「ほらシロ君、オリオトライ先生、最近表層の一軒家が割り当てられて野放図に喜んでいたら地上げに
遭って最下層行きになってビール飲んで暴れて壁割って教員課にマジ叱られたから。
ーーーつまり中盤以降は全部己のせいなんだけど初心を忘れず報復だと思うのよね」
「報復じゃないわよー。先生。ただ単に腹が立ったんで仕返すだけだから」
「同じだよ!!」
皆が突っ込むが、オリオトライは気にする風もない。
「休んでいるの、誰かいる?ミリアム・ポークウはしかたないとして、あと東は今日の昼に戻ってくる
って話だけど、他はーーー」
問いに周囲がそれぞれの顔を見渡した。
「ナイちゃんが見るかぎり、セージュンとソーチョー、あと小狼もいないかなあ」
黒い三角帽子の金髪少女、{第三特務}マルゴット・ナイトが答えた。
「正純は小等部の講師行った後、たしか学長と小狼といっしょに三河に送って行くから自由出席だけ
ど総長と小狼は知らないわ」
彼女の腕を抱いてる黒髪の少女、{第四特務}マルガ・ナルゼが首を傾けた。
「そんじゃ、トーリと小狼のこと知っている人」
戦闘巫女こと浅間・智が、
「小狼君でしたらたしか学長がサボった書類を終わらせてから向かうからと」
「学長またサボったのか!!」
と本日二度目の皆の突っ込みが入った。
オリオトライは苦笑いをしつつ、
「んー、じゃあ{不可能男}のトーリについて知っている人いる?」
その問いに皆が一つの場所を見た。そこに立つ茶色いウェーブヘアーの少女だ。
「フフ。うちの愚弟のトーリのことが知りたいのね。だって武蔵の総長兼生徒会長の動向だものね。
ーーでも教えないわ!」
ええっ?と皆が疑問の声を作る。すると対する彼女は意味ありげに一つ頷き、
「だって朝八時過ぎに私が起きたらもういなっかったから」
「お前いつもハイテンションなくせに起きるの遅いよ!」
と皆ががやがやしていると、
「じゃ、小狼とトーリは遅刻、かな?ーーーまあ武蔵の生徒会長が副長代理があんましっかり
してるとヤバいしね。・・・」
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コメント | ||
終わりのクロニクルとのコラボかと思ったけど翼の方か(電柱) | ||
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