IS『に』転生ってふざけんな! 第7話
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「(どういうこと!? さっきまでと反応速度が全然違う・・!!)」

 

視界が一瞬でより鮮明なものへと変化したと思ったら、身体が軽くなったような感覚がした。

 

 

いままであった『ぎこちなさ』も完全に無くなっていた。むしろ、より動く。

 

 

 

「(行ける・・・! 今のこの子となら、相手が誰でも負ける気がしない!!)」

 

私は心の底から溢れてくる高揚感をギリギリのところで抑えながら、目の前にいるイーリを見据えた。

 

 

 

『おいおいナタル、手を抜いて油断させるなんて卑怯だぞ!』

プライベート・チャンネルからイーリの声が聞こえた。

 

「手加減していたつもりは無いわ。私はいつでも本気よ」

私はイーリにそれだけ言って、スラスターを使った急加速で接近し、ファング・クエイクの胸部装甲の部分にスピードを乗せた渾身の蹴りを食らわせる。

 

そして吹っ飛ばされたイーリの背中に回り込んで(・・・・・)、背中に胴回し蹴りを浴びせて宙に舞い上げる。PICを使って姿勢を維持し、翼(・)にある銃口を全てイーリに向ける。

 

 

 

ズダダダダダダダダ――――――ッ!!!

 

 

 

 

放たれた羽のようなエネルギー弾の多くに手応えを感じた。

 

 

 

 

そして同時に、この子の性能の高さを思い知らされた。

 

 

「(こんな超次元的な戦闘を可能にすることができるなんて、夢にも思わなかったわ)」

 

 

そしてこの運動性には・・・・・きっと、あの子が関係している―――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

煙幕の中に立つファング・クエイクを確認した時、俺は少しだけ戦慄した。

 

さっきのドラゴンボ−ルのような連続技をモロに食らって、まだ立っていられる事に俺は若干の恐怖心を抱いたからだ。

 

 

(でも・・・なんだろう、この安心感は)

 

まるで母親に護られているような、それに似た安心感が俺を包み込んでくれていた。

 

 

 

でも、ここらで勝負を着けたいな・・・。そろそろ身体の痛みがキツくなってきた。

 

 

 

(《銀の鐘(シルバー・ベル)》・・・・・アレで決めるしかない)

 

 

俺は《銀の鐘》の発動モーションを取り始めたが――――――

 

 

 

 

 

 

ボウッ―――――と爆煙を押しのけ、ファング・クエイクが俺に凄まじい速さで突進んでくる。

 

 

だが・・・・見える。その姿が、しっかりと!

 

 

俺は個別連続瞬時加速(リボルバー・イグニッション・ブースト)で突撃していたファング・クエイクの拳を、まずあえて左肩の装甲に当てる。

 

 

だが衝撃を後方に流すように身体を回し、その時に受けたエネルギーを回転する力に変換する。

 

 

 

(コイツで・・・・最期だ!!)

 

 

 

 

 

ズドドドドドドドドドドドドド!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

隙だらけになった背中に、至近距離で放たれた《銀の鐘》を直撃したファング・クエイクは・・・・・・ようやく今、墜ちた―――――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜。

 

「こちらが福音の戦闘データです」

 

「ご苦労」

女性研究員に書類を受け取った初老近い男性の研究員は、パラパラと書類をめくってあるページをじっと見つめていた。

 

 

そのページにあったのは、戦闘時の福音の稼働率。

 

 

そのグラフを見ると、初めは10パーセントにも満たなかったのに、戦闘の終盤には95パーセントを超えていた。

 

少なくとも、彼はここまでの稼働率を見た事が無かった。それほどまでに、その数字は異常だったのだ。

 

 

 

「操縦者とISの同調(シンクロ)・・・・面白い」

 

男は1人、静かにそう呟いた。その言葉には、福音の【兵器】としての可能性を見出していたのが覗えた。

説明
これは、米国の軍用IS『銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』に憑依転生してしまった少年と、その操縦者であるナターシャ・ファイルスの噺である。
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IS インフィニット・ストラトス 

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