魔法戦記リリカルなのは 二人の転生者の願い |
序章:始まりの鐘と
第六話「義務と権利」
あれから少したち、ただいま新暦65年の3月の日曜日です。
今年はついにジュエルシードが地球に落ちる年。
俺の目標はプレシア・テスタロッサを助けること。
一応アリシアを蘇生させることも可能だが、する気はさらさらない。
アリシア本人が望むならともかくほかの人が望んだ自己満足をかなえる気はない。
虚数空間に落ちた場合を考えてレスキューフォースにレスキューアンカーと言う装備をつけた。
これは400mまで魔力が関係ないロープを垂らすことができる。
ロープの性能はカーボンナノチューブ並みの強度を誇っており、
そう簡単には切れない。ロープの先端は魔力を使わずに操作が可能だ。
虚数空間できちんと作動するかどうかわからないのでとりあえず使わないことを願っている。
さて現在は春休み。
宿題?小学2年生の宿題なんて初日に全部終わらせたから。
終わらせないとねぇ・・・。仮にも転生者だし。
なのはとの訓練タイムだ!と思っていたのだが・・・。
「お前転生者なのに未だに文系がだめなのか!?」
「うう、ごめんなさい・・・。」
まさかの文系のお勉強です。
確かに俺は読書は好きで理系にしては文系の科目の成績も良かったが・・・。
今まではアリサとすずかがしてくれていたらしいのだが、
今日に限って用事で無理だとのこと。
なので一応暇だった俺が教えることに・・・。
ま、まぁ別に休憩も重要だからいいんだが・・・。
「あぁ、ここは二画目じゃなくて」
「うう、小学校二年生の問題なのに・・・。」
うん、確かにな。というかこれって前世じゃ小学校三年生くらいの問題だな。
書き順問題はともかく、まあ来年度から三年生だけど
「するつもりです。」についての説明で次のうち正しいものはどれでしょうって
問題は小学校二年生にする問題じゃないんじゃないかな・・・?
まあ俺は義務教育だから小学校を通ったに近いから良くわからないけど。
―2時間後
「や、やっと終わった・・・。」
まだ漢字とかが終わっただけなのになんでこんなに疲れてるんだ?
「頼むぜ・・・。転生者なんだから今のうちに中学校の問題をしっかりやってくれ・・・。」
「た、多分無理な気も・・・。」
「もしかしてお前の性格じゃなくて、国語の勉強がなってないから
愛弟子に気持ちわかってもらえないんじゃあ・・・。」
「う、そういわれると言い返せないのが悲しいかも・・・。
フェイトちゃんと対立したのもそれが原因ぽい気がしてきた・・・。」
「とりあえず今日は休憩。俺ははやてに家に来るように誘われたから」
「そ、そんなぁ・・・わ、私の宿題は・・・?」
「知らん・・・そんなことは俺の管轄外だ。」
「殺生なあ・・・。」
「と言うわけでアディオス!!」
そう言うと俺はなのはの家を出て隣町にあるはやての家に向かった。
後ろでなのはがいろいろと叫んでいたが、知らな〜い。
―はやて宅
「ということがあったんですよ旦那。」
「ほうほう、そのなのはという女。なかなかおもしろそうやなぁ。」
さて俺達二人はただいま少し悪乗りしている。
ここに来るたびこういう悪乗りをしているのだ。
いつもははやてはなのはのことは「なのはちゃん」と呼んでいる。
「そういう旦那も足の障害のせいで学校行けてないでしょ。正直なのはちゃんよりやばそう。」
「一応通信教育してるから多分大丈夫だと思うよ。」
「お前の関西弁て京都よりなんだな。」
「そうなんや。」
かなりやわらかい彼女らしい関西弁だ。
京都よりっていうのはアニメの中の人が決めたやつらしいけど。
「ところでそのなのはちゃん。いつうちに呼んでくれるん?」
「とりあえず予定は君の誕生日の三日前。以前いった話の件もあるし。」
「・・・なぁ・・・本当に私の足・・・治るんか・・・?」
「治ると思うけど・・・その代わりはやてには自分とは関係ない罪を背負うことになるんだよね・・・。」
実は三回目にあったときにある程度ことのしだいを話しておいている。
はやて自身にも心の準備をさせておいたほうがいいと思ったからだ。
今のところ教えたのは自分の予知夢についてだけ。
闇の書についてもある程度・・・ほんの初歩の初歩だけ教えた。
危険なものであること。
それが先天的なものではなく後天的なものであること
それのせいではやての足が動かないということ
それがはやての誕生日の深夜0時に起動すること
そこからその本の守護騎士たちが現れること
その人たちは人を殺していること
さらにグレアムさんについてもある程度は教えておいた。
あくまで触り程度だけどね。
とりあえずこれだけは教えておいた。
魔法についてもちょっとは教えたがとりあえずはやての誕生日三日前に詳しく話すと言っておいた。
そのときにならないと管理局と協力できないだろうし、
フェイトが味方になっていないだろうからだ。
「それは別にいいんよ・・・。家族を手に入れられるんやもの・・・。」
「まあ俺が考えている計画が成功すれば守護騎士たちははやての代では犯罪行為はしないからな。
あとは以前の被害者達に謝罪する仕事が主としての義務かな。」
「それぐらい・・・ちゃんとやったる。」
「なら、大丈夫。きっと幸せになれると思うよ。」
「ありがとな。彩斗くん・・・。」
「いいよ。俺だって最初ははやてにこのことを事務的にいうつもりだったんだから。」
そう。本当ははやての誕生日の三日目になのはと一緒に行く予定だった。
それはお互いに未来を知っているからという事務的なものだった。
でもあの日図書館であってから気持ちは変わった。
俺ははやてのこの笑顔を守るために義務ではなく権利を使うと・・・。
「さて、暗い話はここまで。外に散歩にでも出かけようぜ。」
「わかったで。準備するからちょう待ってな。」
「了解」
そういうとはやては自分の部屋に行き財布などの準備をする。
―
準備を終えて外に出た俺達は今は商店街を歩いている。
厳密には車椅子のはやてとそれを押す俺なのだが・・・。
「・・・とまあ、母さんはそれをきっかけに父さんと結婚したってわけさ。」
「う〜ん。なかなかロマンチックやな。」
今は俺の両親の出会いの馴れ初めを小声で話していた。
なぜ念話を使わないかと言われればマルチタスクを使えない上に
リンカーコアへの負担をこれ以上あげても仕方ないと思ったからだ。
ところではやては原作でユーノの言葉は聞こえていたんだろうか?
俺が持つ原作知識にはないのだが・・・。
「そして俺は未来予知のレアスキルとその環境で今はフリーの魔導師ってわけ」
「でも未来予知って便利やな。明日の天気とかわかるんやろ?」
「未来予知っていっても予知夢だし、不便なところやデメリットも多いよ。」
「デメリット?」
「例えば宝くじの当選番号わかったらやだろ。本当だったらほかの人が手に入れてたかも
しれないし。って罪悪感が・・・。」
「なんかちょうしょうもないなぁ。てっきりもっと重いかとおもっとたけど。」
「ん?それだったら逆に問題ないさ。例えば今みたいにはやてを助けられたりするし。」
「でも守られた側はちょう傷つくよ。未来予知がなかったら彩斗くん巻きこまなかったって・・・。」
「知らん、そんなのは俺の管轄外だ。他を当たってくれ。」
そう言いながら俺はできうる限り悪い顔を浮かべる。
言ってることは冗談じゃないけどな。
「もう・・・。冗談は顔だけにしてな。」
「文字通りだがな。顔以外は本気だっつうの。」
「む、ならば罰ゲームとして今からあるスーパーの特売付き合ってもらうでー」
「仕方がない。やぁぁぁってやるぜ!!」
某あの人の台詞をパクりつつ俺達はスーパーと言う名の戦場へといった。
できるならばそのときの情景を描きたいのだが、
とてもじゃないが醜い争いだったためにお知らせすることはできない・・・。
「ぜぇはぁぜぇはぁ・・・・・・。久々に感じたな特売という名の戦場を・・・。」
私九十九彩斗。ただいま絶賛疲労中です。
いやぁ疲れました。前世で何度か経験しましたがこちらではまったく未経験だったので。
世界が変わってもあそこの戦場はすさまじいな。
だが、しかし、まるで全然!この俺を止めるには程遠いんだよねぇ!
「さすがやな。まさかこれほどの成果とは思わなかったわ」
「ふふふふふふ・・・。スーパーの特売所品をすべて手に入れると言う愚考・・・。」
そう今俺の手の買い物袋にはあのスーパーの特売だったものすべてが入っているのだ。
奥様方を華麗によけつつ、だがしかし商品は掴み取る。
一人暮らしだった前世での必須スキルだ。
正直今世でも役に立つとは思わなかったがな。
「んじゃまあ、金はお前のだしこの商品は全部お前が持ってってくれ。
うちはまだ食材有り余ってるし・・・。」
「ん〜確かにそうやけど・・・。なんか悪い気も・・・。」
「ははは、闇の書事件の解決に協力してくれるだけでも十分さ。」
「ふふ、そーか。それじゃまたこんどなぁ」
「じゃあな。というかそろそろ帰らないとやばい。」
「えっ?どうして?」
「理系は得意だが、文系が壊滅的な小学生がいてだな・・・。」
「ああ・・・了解や。それじゃ」
「またな。」
そういって俺ははやてと別れた。
さて危惧していたとおりに家に帰ったところ・・・。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「お、おい大丈夫か?」
なのはが真っ白な灰になってました。
仕方ないので手伝ってやりましたよ。
というか理系のはとっくに終わってたんだけど。
文系の奴が全部やってないというね・・・。
あんたの娘はあんな文系なのに・・・。
似たのは性格だけなのか?
― 1ヵ月後
例のごとくあの山
「ついに明日だね。」
「あぁ・・・。長かったようで短かったようで・・・。」
そうついに明日ユーノが2個目のジュエルシードの封印に失敗して念話を飛ばす。
原作では厳密な日にちがわからなかったが、こっちではなのはが覚えていて
昨日ジュエルシードが落ちていく反応があった。
「私はもう迷わない。ジュエルシードによる被害は全部防ぐよ。」
あの巨木のことかな?
あれは確かなのはがジュエルシードかもしれないと思ってはいたけれど
気のせいだと思って放っておいたら、町に被害が出た奴か・・・。
いや前世で経験したならユーノがいた動物病院周辺の道路もか・・・。
失敗は人間だから必ずするけど、それを糧にして前に進めればいいと俺は思ってる。
「それじゃあ学校へ行こうか。」
「うん、心機一転だね。最後の平和」
「妙なこといわないでくれよ・・・。」
そういって俺達は家へと帰っていった。
ちなみに今日やっと町へ被害を出さない(ディバインバスター並みの攻撃だと散るが)
結界を作れるようになった。
ただまだ時間までずらせないから未完成と言えば未完成。
ユーノにあったら教えてもらおう・・・。
―夜 予知夢の中
ガサガサガサガサガサガサガサガサガサガサ
そこは森の中だった。青々とした木々が並び立つ。木々の周りには様々な花が咲き誇っている。
しかしそんなものは目に入らんと言わんばかりにその森を通る「ソレ」はその体躯からは考えられない様な早さで走る。
「ソレ」は鳩羽色をしていた。ウネウネとしていて姿は定まらない。赤く爛々と輝く眼の色は暗い森では恐ろしく不気味である。
そして、それを追う少年がいた。民族衣装の様な服に端の方が擦り切れたマントをしている。
髪の毛は金髪に翠の瞳、顔には強い意志が見てとれる。少年は必死に「ソレ」を追う。
広場の様な場所に出た。その中央には池があり、近くにはボートなどが止めてある桟橋の様なものがある。
そこで「ソレ」と少年が対峙する。
少年は手に持っていた赤い宝石の様なものを軽く握る。
「お前は、こんなところにいちゃいけない!」
そう言って持っていた宝石を「ソレ」に向ける。体内に菱形の青い宝石の様なものが浮かび上がる。
「帰るんだ、自分の居場所に!」
そう言うと突き出した手の前に緑色の魔法陣が浮かび上がる。
「妙なる響き 光となれ 許されざる者を 封印の輪に!」
少年は呪文を唱えると持っていた赤い宝玉が輝きそれに応える。
《Preparing to seal》
すると唸り声をあげ水面を疾走し水柱を上げ少年に突っ込んで来る。
「ソレ」は少年が出していた魔方陣の激突する。
「ジュエルシード封印!」
少年がそう唱えと「ソレ」の体内から先ほど浮かび上がった青い宝石があらわになる。
「うっ・・・くっ・・・!」
そこへ「ソレ」がさらに力を加える。
「ぐあっ」
衝撃に耐えられずはるか後方の森に吹き飛ばされてしまった。
「ソレ」は一気に跳躍してその場を離れて行った。
「う・・・・・・追いか・・・け・・・なくちゃ・・・。」
少年はそう言って立ち上がろうとするが身体が動かない。そのまま力尽きて倒れる。
そして少年が輝きだす。その光が収まると少年の倒れていた場所には一匹の獣と赤く丸い宝石が残されていた。
―朝 目覚めの時
「ついに来たか・・・。」
俺は夢の内容を見てそうつぶやいた。
あれは間違いなくユーノがジュエルシードを取り逃したときのもの。
俺が見たのは予知夢のものだが、なのはも原作通りなら同じものを見ているだろう。
今日から原作・・・PT事件が始まる。
ただここはアニメの世界じゃない。例えなのはがそれに限りなく近い世界の住民だったとしても。
ここは現実だ。俺にとっての・・・。
何が起こるかわからないが、始めようか・・・。
始まりの鐘が今響く・・・・・・。
説明 | ||
とりあえず闇の書関係でいろいろ補足回 それと主人公のものの考え方と目的を少々です。 それではどうぞ!! |
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