テイルズオブエクシリア〜転生者はイレギュラー〜 |
〜ミラSIDE〜
あの鉱山での出来事から早3日。この3日間の間、レオンは苦しみながらリハビリの日々を送っている。
私は鉱山で骸骨の化け物にやられそうになった時、レオンが助けてくれた時に心の鼓動が速くなるのを感じた。
いつもそうだ。レオンのことを考えると胸が苦しくなる。レオンが他の女と話をしているのを見ると胸がムカムカしてくる。レオンが……私のために命を掛けるのを見ると……悲しくもあり、嬉しくもある。
私はマクスウェルだ。世界を守るのが使命……人を精霊を守るのも私の使命だ……その、はずだ。
ここ最近の私は、頭の中には使命と同じぐらいレオンのことを考え、思ってしまっている。
最近ではレオンの声を聞くだけで、ドキッとする時もある。この気持ちがわからない。
私はそこでレイアに聞いてみることにした。
すると、どうだ。
「だったら、女同士裸の付き合いをしようよ!」
そう言われ、レイアの家にある……露天風呂に入ることになった。
私が服を脱いでいるとレイアの目線が私の胸にいっていた。
「どうして私の胸を見る?」
「ひぇ!?あ、いや……ミラってスタイルいいな〜って。私よりも背が大きいし、腰は細いし、足は細くて長いし…髪は綺麗だし、胸は大きいし……何か、女としての自信がなくなっちゃうな」
「? よくわからないが、私は自分のこの身体を気にいっている。レオンも私の髪を梳かしてくれる時も綺麗だなっと言ってくれたからな」
その時のことを思い出して私は少し顔が熱くなるのを感じた。
「ま、いっか!ささ、お風呂に入ろう!」
ガシッ!
「えっ?ちょ、待てレイア!引っ張るんじゃない」
「問答……無用!せりゃあああ!」
ポイ
「へぇ?う、うわあああ!」
ザッブーーーーン!
「ガボ!?ガボボボボボボ……プハァ!レイア!危ないだろ!」
私はレイアに湯船に投げられ、頭から入ってしまった。全く、湯を少し飲んでしまったではないか!
「フッフッフ、ミラってこういう風に露天風呂に入ったことないでしょ?」
「……むふ。昔、一度だけ入る機会があってな。その時、レオンに一緒に入ろうと言った時、断られたことがあったな」
その時のレオンの顔は……確か真っ赤になっていたな。4年ぐらい前だったか。
「あ〜、そりゃあ、一緒に入りたくなくなるね」
「何故だ?」
「何故って……ミラってそういうことの知識ないの?」
し、失礼な!これでも人間の残した本や書物は大体読んでいるぞ!
「それとミラの相談だけど……どう見てもレオンのことが好きってことでしょ?」
「だ、だから、その好きっという感情が私には……」
そ、そりゃあ、本だけではそういった感情については説明されているが実際に自分で感じてみると……わからない。
「ん〜。私もミラにアドバイスできることは限られているしな〜(あのバカは鈍感だし、それに引き換えレオンはミラのことが好きなのは明白だからねぇ。両想いならさっさと告白しちゃえばいいのに)ハァ〜」
ん?レイアがため息をついているな。疲れているのか?
「ミラ、ミラが私にしてきた相談だけど……まず、レオンのことをどう思っているの!」
「わ、私がレオンのことをどう思っているかか?」
私が聞き返すと、レイアは頷いた。
「レオンとの初めての出会いは私の住んでいるニ・アケリアにある参道だ。それから色々合ってレオンはニ・アケリアに住むことになった。それから(以下略)………というわけだ」
「うん。それはわかったけど……結局、レオンのことをどう思っているの?」
「レオンのことを思うと胸が熱くなるし、他の女と話をしているのを見るとムカムカする。だが、戦いの時、私がピンチになるといつも助けてくれる。その時、胸の奥が熱くなっていくんだ。私はこの熱くなっていくこの……感情を知りたい」
私が簡単に言うとレイアは何やら呆れた風に私を見る。
「それ、ただの自慢じゃないの……私なんか……。ん、ミラ、それは恋よ!」
「鯉?」
ガク!
「ちっがーーう!魚の鯉じゃなくて、恋愛の恋よ!ミラはレオンのことを考えると苦しくなったり、熱くなるんでしょ?それってどう見たって……誰が聞いたって恋よ!」
恋……恋//////な、なんだ?何か身体が熱く//////これは湯船のせいではないな。
「そう!その顔よ!恋する乙女のような表情!お風呂のお湯で自分の顔を見てみてよ」
私はレイアにいわれ、湯船に映る自分の表情を見た。すると、どうだ。
私は今、顔を赤くし、瞳が潤んでいる。こ、これが……恋なのか?だが……悪い感じではないな。
「フフ。いい表情になってきたわねミラ」
「そ、そうなのだろうか」
「うん!きっとレオンの事を思っているんでしょ?フフ、まさに恋する乙女……ですな」
「うぅ……」
レ、レイアが私をからかってくるな///
しかし、ただでやられる私ではないぞ!
「では、レイア逆に聞くぞ」
「ん?何?」
「レイアはジュードの事が好きなのか?」
バシャァァァーーーーン!
「な、なななななな、何言っているの?!//////」
……図星か。
「ふむ。レイアは私とレオンがいるのにもかかわらず、鉱山でも2人は話している回数も多かったからな。ここに来るまで表情の暗かったジュードもレイアと話している間に少しずつ明るくなっていっていたからな」
「そ、そこまで見てたんだ///」
レイアは恥ずかしいのか口元まで湯船に浸かり、ブクブクしている。顔は真っ赤になっているな。
「そ、そうよ!?悪い!あんな馬鹿でもアホでも根性なさそうな奴でも……私は……」
「好きなんだな」
「うん。でもね?ジュードがミラやレオンを連れてきたときにわかったの。ジュード、変わったなって。そして、ジュードを変えた一番の原因は……」
レイアが私を見る。
「私か?」
「うん。ほら、覚えてる?鉱山で私とジュードはあの骸骨に吹き飛ばされて気を失っていた。次に目を覚ましたらミラが気絶してただけのレオンのことを必死に呼んでいたでしょ?その時のジュードは……何か落ち込んでいたの。それでさ、私、わかったの。ジュードは
ミラに惚れているんだって」
私は固まった。何にだって?ジュードが私に惚れている?
「わ、私は何もしてないぞ!?ただ、ジュードには自分がするべきことを決めろ・自分で決めろ・自分の責任はちゃんと持てなどとそう言うことしか言っていないはずだ」
「多分、それだよ」
「なんだと?」
何でこんなことで?
「ジュードってさ、あの通りお節介なんだよね。自分の心配よりも他人の心配。子供っぽいところもあったけど……帰ってきた時のジュードは私が最後に遭った時よりも少し、大人になってた」
「……」
「でね?ジュードの視線がミラに言っているのに完全に気付いたのは鉱山の帰りだったの。気を失っているレオンを車椅子で運んでいるミラを……」
……まさか、ジュードが、な。
「だが、レイア。私は……」
「わかっているよ。ミラがレオンに好意……好きな感情を抱いていることは。だからね?私、ミラが相談してきたとき、思わず『やったぁー』って思っちゃったんだ」
レイアの声がどんどん、小さくなっていく。
「私、すっごく汚い女だよね」
「そんなことはない!レイアは私に無いモノを持っている!」
パッとレイアが私を見る。
「ミラになくてアタシにあるもの?」
「そうだ。レイアがいなかったらジュードはずっと暗かったかもしれない。レイアと言う存在がジュードに光をもたらしたのかもしれない。レイアは私に無い……元気がある。何事にも努力するその心。私は使命だと思っているものを必ずやり遂げる……それが使命だ。努力とは違う」
「??」
レイアは不思議がっているな。仕方ないだろうな。私やレオンの使命を知っているのはジュードだけ。
アルヴィンもある程度知ってはいるが根本的なことは知らない。
「レイア。自信を持て」
「う、うん!でも、ミラこそ。レオンに告白したら?っというか、レオンとミラは両思いだと思うよ?」
「なんだと?!」
これには一番驚いたよ。レオンも私と同じ気持ちを?
「うん。だって、あんな怪我をしてまでミラのことを守るなんて……好きな女性を守りたいって言うレオンの意思でしょ?」
……確かにそうかもしれない。私は精霊の主、マクスウェル。だが、レオンからしたら私はマクスウェルではなく……ただの1人の女性……なのか?
その後、私とレイアは湯船から出て、身体を流し合い、ゆっくりとして過ごした。
それからしばらくして、夜になるのを待った私は………レオンの入院している部屋の前に立っている。
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第21話 ミラ、己の心に気づく。その心とは…… | ||
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